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真・最終章 七魔将編
揃い始めた聖剣
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「そういえば……聖剣クリムゾンはどうなったのかしら?確か、聖剣を利用してブラクは例の黒雲を作り出したのよね?」
「大丈夫、それならここにあるよ」
シズネの言葉を聞いてレナは空間魔法を発動させ、異空間に預けていた聖剣クリムゾンを取り出す。ちなみに聖剣クリムゾンは鞘の類がないため、布で包んだ状態で異空間に収納していた。
「これが聖剣クリムゾン……聖剣という割には随分と禍々しいわね」
「元々は魔剣だったらしいね。炎龍を封印した時に聖剣として扱われたそうだけど……」
聖剣クリムゾンは元々は七大魔剣に匹敵する力を持つ魔剣だったが、炎龍の封印に利用された時に「聖剣」として扱われるようになった。世界を滅ぼしかねない恐ろしい竜種を封じるために使用された剣のため、人々の間にもクリムゾンは聖剣として伝わっている。
尤もクリムゾンの能力はミレトが所有するロンギヌスのように魔力を奪うという効果を持ち、この能力を利用して膨大な生命力を持つ炎龍を封じていた。炎龍はクリムゾンが突き刺さっている間は「仮死状態」に陥り、地中の中で眠っていた。しかし、その封印が解かれた炎龍は徐々に完全復活に近付いていた。
「伝承によれば聖剣クリムゾンを利用して炎龍は封印されたそうね」
「そんなに凄い聖剣だったのか……」
「それにしてもブラクはよくこの聖剣を使いこなしていましたね。しかも、あれだけの力を発揮するなんて」
「闇属性の聖痕のお陰だと思うよ」
聖剣の場合は真の所有者でなければ本来の効果を発揮しない。例えばレナの場合はカラドボルグを使おうとしても、彼は雷属性の聖痕を所持していないので聖剣の真の力は発揮できない。そういう意味では元々の闇属性の聖痕の所有者だったブラクが闇属性の性質を持つクリムゾンを操れてもおかしくはない。
「そうだ、ダインならこの聖剣を使いこなせるんじゃないの?もう聖痕の力を自由に使えるんでしょ?」
「やだよ!!あんな爺が使ってた剣なんて使いたくないし、そもそも僕は剣士じゃないぞ!?」
「そうね……どのみち、この聖剣は下手に扱わない方がいいわ。私の方で厳重に管理しておくわ」
新しく闇属性の聖痕に選ばれたダインならば聖剣クリムゾンを扱える可能性もあるが、本人はクリムゾンを使用する事を拒否する。ダインにとってはブラクが使用していた武器など触れたくもないらしく、マリアが代わりにクリムゾンを管理する事にした。
これで王国が所有する聖剣は「エクスカリバー」「カラドボルグ」「クリムゾン」「レーヴァティン」「デュランダル」の五つ、そしてヨツバ王国が管理する「クサナギ」あとは水属性の聖剣「リヴァイアサン」だけが見つかっていない事になる。
「そういえば叔母様、カラドボルグはどうしてるの?」
「前に悪用された事を反省して、今は私しか知らない場所に封じたわ。安全な場所だから安心しなさい」
「そっか……」
「さて……そろそろ話を戻しましょう」
回収した聖剣の確認が終わるとマリアは今後の話し合いを行い、やはり一番の問題は最後の七魔将だった。七魔将の筆頭格であり、最強の将として他の七魔将からも恐れられた「ラスト」の対応を話し合う。
「これまでの所、七魔将の最後の一人は目立った行動は取っていないみたいね」
「そうですね、今まで王国各地で問題を引き起こしたのは他の七魔将のようです。しかし、影で七魔将を動かしていたのはラストの可能性もありますが……」
「そのラストとかいう奴の居所は分かっていないのか?」
「今の所は……」
「…………」
ダインの言葉にレナは考え込み、彼はラストの居場所をアイリスを通じて知っていた。しかもラストの元には火属性の聖痕の持ち主で有り、そしてヨツバ王国の六聖将の一角である「西聖将ホムラ」が捕まっている事も知っている。
『アイリス……どうしたらいいかな』
『ひとまずはここは黙っていてください。今の状況で戦いを挑むのは無謀過ぎます』
ラストの居場所を伝える事をアイリスは禁じ、その理由はラストは炎龍を復活させる事ができるのが問題だった。ラストが西聖将ホムラを生かしているのは彼女の聖痕を利用し、良質な火属性の魔力を奪い取って炎龍に送り込むためである。そうでなければ既にホムラは殺されいてもおかしくはなかった。
聖剣クリムゾンから解き放たれた炎龍だが、何百年も眠り続けているせいで未だに意識は戻っておらず、完全復活するためには膨大な魔力を必要としていた。だからこそラストはホムラを生け捕りして彼女の火属性の聖痕を利用し、炎龍の魔力を回復させている。
仮にラストを倒す場合、追い詰められたラストは炎龍を復活させる恐れがある。もしも炎龍を復活させる前にラストを倒したとしても、ラストがいなくとも自然と時間が経過すれば炎龍は自力で復活する。そうなれば炎龍との衝突は避けられず、世界は壊滅の危機に追い込まれるとアイリスは予測していた。
「大丈夫、それならここにあるよ」
シズネの言葉を聞いてレナは空間魔法を発動させ、異空間に預けていた聖剣クリムゾンを取り出す。ちなみに聖剣クリムゾンは鞘の類がないため、布で包んだ状態で異空間に収納していた。
「これが聖剣クリムゾン……聖剣という割には随分と禍々しいわね」
「元々は魔剣だったらしいね。炎龍を封印した時に聖剣として扱われたそうだけど……」
聖剣クリムゾンは元々は七大魔剣に匹敵する力を持つ魔剣だったが、炎龍の封印に利用された時に「聖剣」として扱われるようになった。世界を滅ぼしかねない恐ろしい竜種を封じるために使用された剣のため、人々の間にもクリムゾンは聖剣として伝わっている。
尤もクリムゾンの能力はミレトが所有するロンギヌスのように魔力を奪うという効果を持ち、この能力を利用して膨大な生命力を持つ炎龍を封じていた。炎龍はクリムゾンが突き刺さっている間は「仮死状態」に陥り、地中の中で眠っていた。しかし、その封印が解かれた炎龍は徐々に完全復活に近付いていた。
「伝承によれば聖剣クリムゾンを利用して炎龍は封印されたそうね」
「そんなに凄い聖剣だったのか……」
「それにしてもブラクはよくこの聖剣を使いこなしていましたね。しかも、あれだけの力を発揮するなんて」
「闇属性の聖痕のお陰だと思うよ」
聖剣の場合は真の所有者でなければ本来の効果を発揮しない。例えばレナの場合はカラドボルグを使おうとしても、彼は雷属性の聖痕を所持していないので聖剣の真の力は発揮できない。そういう意味では元々の闇属性の聖痕の所有者だったブラクが闇属性の性質を持つクリムゾンを操れてもおかしくはない。
「そうだ、ダインならこの聖剣を使いこなせるんじゃないの?もう聖痕の力を自由に使えるんでしょ?」
「やだよ!!あんな爺が使ってた剣なんて使いたくないし、そもそも僕は剣士じゃないぞ!?」
「そうね……どのみち、この聖剣は下手に扱わない方がいいわ。私の方で厳重に管理しておくわ」
新しく闇属性の聖痕に選ばれたダインならば聖剣クリムゾンを扱える可能性もあるが、本人はクリムゾンを使用する事を拒否する。ダインにとってはブラクが使用していた武器など触れたくもないらしく、マリアが代わりにクリムゾンを管理する事にした。
これで王国が所有する聖剣は「エクスカリバー」「カラドボルグ」「クリムゾン」「レーヴァティン」「デュランダル」の五つ、そしてヨツバ王国が管理する「クサナギ」あとは水属性の聖剣「リヴァイアサン」だけが見つかっていない事になる。
「そういえば叔母様、カラドボルグはどうしてるの?」
「前に悪用された事を反省して、今は私しか知らない場所に封じたわ。安全な場所だから安心しなさい」
「そっか……」
「さて……そろそろ話を戻しましょう」
回収した聖剣の確認が終わるとマリアは今後の話し合いを行い、やはり一番の問題は最後の七魔将だった。七魔将の筆頭格であり、最強の将として他の七魔将からも恐れられた「ラスト」の対応を話し合う。
「これまでの所、七魔将の最後の一人は目立った行動は取っていないみたいね」
「そうですね、今まで王国各地で問題を引き起こしたのは他の七魔将のようです。しかし、影で七魔将を動かしていたのはラストの可能性もありますが……」
「そのラストとかいう奴の居所は分かっていないのか?」
「今の所は……」
「…………」
ダインの言葉にレナは考え込み、彼はラストの居場所をアイリスを通じて知っていた。しかもラストの元には火属性の聖痕の持ち主で有り、そしてヨツバ王国の六聖将の一角である「西聖将ホムラ」が捕まっている事も知っている。
『アイリス……どうしたらいいかな』
『ひとまずはここは黙っていてください。今の状況で戦いを挑むのは無謀過ぎます』
ラストの居場所を伝える事をアイリスは禁じ、その理由はラストは炎龍を復活させる事ができるのが問題だった。ラストが西聖将ホムラを生かしているのは彼女の聖痕を利用し、良質な火属性の魔力を奪い取って炎龍に送り込むためである。そうでなければ既にホムラは殺されいてもおかしくはなかった。
聖剣クリムゾンから解き放たれた炎龍だが、何百年も眠り続けているせいで未だに意識は戻っておらず、完全復活するためには膨大な魔力を必要としていた。だからこそラストはホムラを生け捕りして彼女の火属性の聖痕を利用し、炎龍の魔力を回復させている。
仮にラストを倒す場合、追い詰められたラストは炎龍を復活させる恐れがある。もしも炎龍を復活させる前にラストを倒したとしても、ラストがいなくとも自然と時間が経過すれば炎龍は自力で復活する。そうなれば炎龍との衝突は避けられず、世界は壊滅の危機に追い込まれるとアイリスは予測していた。
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