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真・最終章 七魔将編

状況整理

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「さて……再会を喜び合うのもほどほどにしておきましょう。それより、状況を整理する必要があるわね」
「マリア様、会議室の準備はできています」
「流石ね、では行きましょうか」


シノビの言葉を聞いてマリアは会議室に移動すると、レナ達の他に集まった冒険者には解散を命じる。彼等にも仕事が残っており、七魔将が居なくなったとはいえ仕事は山の様にある。


「貴方達は住民達に私が戻ってきた事を知らせて安心させなさい。それと監獄に送り込まれた女性冒険者も解放しなさい。もう操られる事はないのでしょう?」
「ええ、そうね……アルドラは始末したわ」
「分かりました!!ではすぐに行ってきます!!」


アルドラが倒された以上は女性冒険者が操られる事はなく、すぐに氷雨の冒険者が監獄に送り込まれた女性冒険者の解放へ向かう。都市の住民達もマリアが戻ってきたと知れば安心するだろう。彼女は冒険都市の代表的な存在であり、実質的に冒険都市を管理しているのはマリアであって王国の人間よりも信頼されていた。

ちなみに表向きは冒険都市の管理はアルトという王国軍人が任されているのだが、彼の場合は氷雨の冒険者と同様に今ではマリアに忠義を尽くしており、彼女が戻ってきたと知ると大急ぎで戻ってきた。


「マリア殿!!ご無事でよかった……心配していました!!」
「アルト、私がいない間に言い付けを守っていたようね。バル達と一緒に私の都市を守ってくれたようね。褒めてあげるわ」
「あ、ありがとうございます!!」


マリアはアルトを褒めると彼は顔を明るくさせるが、立場的にはこの都市の表向きの管理は彼に任されているはずである。しかし、実際の所は冒険都市はマリアが実質的に実権を握っており、この都市において彼女に逆らえる人間はいない。

アルトにねぎらいの言葉を掛けると彼女は会議室からアルトを下げらせ、状況確認を行うためにレナ達から話を聞く。この時に彼女は初めて見る顔が居る事に気付き、レナに何者なのかを尋ねた。


「そっちの娘達は……ダークエルフかしら?」
「あ、そうだった……叔母様、紹介するよ。こっちの二人はアンジュとサーシャ、俺が飛ばされた場所で暮らしていた部族なんだ」
「アンジュだ」
「サーシャ……よろしく」
「そう……それにしても驚いたわね。まさかヨツバ王国以外にダークエルフの里があったなんて」
「我々も驚いている。大昔にヨツバ王国から去ったダークエルフの部族がいるとは聞いていたが……」


レナが転移したから訪れたダークエルフの存在はマリアも北聖将のハシラも驚き、二人ともヨツバ王国の西聖将が管理する里以外にダークエルフの部族がいるとは夢にも思わなかった。アンジュとサーシャの先祖達は色々な理由があってヨツバ王国を離れ、大陸から遠く離れたで暮らしていたダークエルフの部族である。

アンジュ達の事をレナは紹介すると、マリアもハシラも大昔にダークエルフが去ったという話を聞かされていたが、まさか子孫が生き残っていたとは思ってもいなかった。アンジュとサーシャからすれば自分達の先祖を大陸から追い出したヨツバ王国の森人族の子孫と会う事になるが、特に何とも思っていない。


『二人とも自分達の先祖を追い出した相手の子孫の事をどう思ってる?』
『別に何とも思ってないぞ。私達が生まれる前の話だし……』
『大陸を追い出されたのは私達の先祖が弱かったせい。それに先祖を追い出した人たちも死んでるなら恨みはない』


マリアと会う前にレナは念のためにアンジュとサーシャに確認を行い、彼女達が自分達の先祖を追い出したヨツバ王国の子孫の事をどう思っているのか聞いた。そして二人の答えは「どうでもいい」らしく、別に自分達の先祖を追い出した子孫だからといって恨む理由はないらしい。

二人は先祖が大陸から追い出された事は先祖の責任であり、弱かったから大陸から逃げ出したと考えている。彼女達以外の者も同じ考えらしく、大昔の先祖同士の争いなど自分達には関係ないと考えている。自分達の先祖が追い出されたのはあくまでも先祖の責任であり、復讐など毛頭考えていない事をレナに告げた。


「私も母様から聞いたけど、ダークエルフの一部がまさか大陸の外に逃れていたなんて……」
「一応は聞くけど、ヨツバ王国はダークエルフの人達を捕まえたりとかしないかな?」
「それは……有り得ないだろう。確かに当時の王国は逃げ出したダークエルフを追っていたらしいが、その時に生きているダークエルフは流石に死んだはずだ」
「うん、100年か200年前にぽっくり死んだって長老が言ってた」
「ぽっくりって……」


森人族エルフと同様にダークエルフも長命のため、当時生きていたダークエルフもかなり長い期間生き延びていたらしいが、流石に時が経過し過ぎて既に死んでいる。その話を聞いて六聖将であるハシラもハヅキ家の当主であるマリアも今更罪を問う事はないと判断した。
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