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真・最終章 七魔将編
最強の魔術師の帰還
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「そんなっ……!?」
「あの雷撃を躱しただと!?」
『躱した、というよりはすり抜けたように見えたが……』
レナのカラドボルグの一撃さえもブラクは形を変形させて回避に成功すると、物質変換の効果が切れてレナの退魔刀は元に戻ってしまう。ここまでの戦闘でレナも大分魔力を消耗し、もうこれ以上に魔力を消費する事はできなかった。
(くそっ……いつまで時間を稼げばいいんだ)
ここまでの攻防でブラクを消耗させる事はできたが、一向に倒す手段は見つからない。アイリスによれば時間を稼げば何とかなるという話だが、何時まで経っても状況は最悪のままだった。レナは最早立つ気力もなく、そんな彼にシズネが駆け寄って肩を貸す。
「しっかりしなさい!!こんな所でへばってどうするの!?」
「うっ……」
「く、くそっ……こうなったら僕が!!」
『ほう、まだ手はあるのか?』
「……ないけど、何とかするんだよ!!」
ダインは影人形を作り出した状態でブラクと対峙するが、彼もブラクを倒せる手段は思いつかない。ブラクを倒すには確実に聖属性の魔法攻撃を当てて闇属性の魔力に紛れたブラクの魂を浄化させる以外に方法はない。
しかし、聖剣の使い手であるレミアもツバサは消耗が激しすぎて城壁から離れる事もできず、聖剣を作り出せるレナも魔力が尽きてしまった。唯一にゴウライだけはデュランダルを扱えるが、彼女の場合はそもそもデュランダルを真に使いこなしているわけではない。
『コレデオシマイダ……シネエエエエッ!!』
「や、やばい!!こいつ、自爆するつもりだ!?」
「自爆!?」
「おい、こいつ爆発までするのか!?」
「いや、そうじゃなくて体内の魔力を全部解放するつもりだ!!そうなったら僕達どころか都市の皆が……!!」
ブラクは体内の魔力を全て解放させ、この地域一帯に魔力を流し込むつもりだった。そんな事をすればブラクも無事では済まず、確実に彼の魂は消滅する。それでも自分が死ぬぐらいならば他の人間を巻き込もうとブラクは自爆を実行しようとした。
仮にブラクが自爆すれば広範囲に闇属性の魔力が広がり、それに触れた人間は呪詛に侵されて命は助からない。最初からこの方法をブラクは取らなかったのは竜巻や光の斬撃を生み出せるツバサやレミアの存在が厄介だったからであり、その邪魔者二人が魔力を消耗して動けない今ならば躊躇せずに魔力を解放できる。
――クタバレェエエエエッ!!
おぞましい怨念の声が冒険都市にまで響き渡り、人型の形を保っていた黒雲が徐々に膨らみ始める。まるで風船が膨らむかの様に大きさを増していく黒雲を見てレナ達はもう駄目かと思った時、突如として突風が発生してブラクの周囲を竜巻が取り囲む。
『ナニィイイイイッ!?』
「えっ!?」
「こ、この竜巻は……」
『姉上か!?』
突然に発生した竜巻によってブラクは閉じ込められ、それを見た全員が驚いて城壁の方に視線を向けた。これだけの竜巻を生み出せる人間は聖剣クサナギを扱うツバサしかいないはずだが、彼女は城壁の上でレミアに肩を貸しながら立っていたが、その手にはクサナギは握りしめられていなかった。
「こ、この風はいったい……!?」
「な、何が起きてるのですか……!?」
ツバサもレミアも唐突に発生した竜巻に戸惑いを隠せず、一番に衝撃を受けていたのはブラクだった。今正に自爆しようとした瞬間に自分を取り囲むように現れた竜巻にブラクは焦り、このままでは自爆しても地上には闇属性の魔力は拡散されない。
『バカナッ!!ダレダ、ジャマヲスルナ……ウオオオオッ!?』
竜巻は徐々に縮まると内部に囚われたブラクの黒雲で形成した肉体も削り取られ、慌ててブラクは体型を縮めていく。このままでは竜巻に吹き飛ばされかねず、必死に地上に留まろうとするがそんな彼の姿を上空から見下ろす存在が居た。
レナ達も竜巻の中に人影を発見し、この時に風の精霊を感じ取れるハヤテとシュンは驚いた表情を浮かべた。彼等は竜巻から発生する風の精霊を感じ取って魔法を生み出した人間の正体を見抜く。
「この竜巻は……広域魔法か!?」
『これだけの魔力を持つ人間は……いや、森人族は一人しかいない。やっと戻って来たのか……』
「まさか……叔母様!?」
竜巻から感じ取った魔力にレナも気づき、竜巻の中に居るのはブラクだけではなく、マリアが存在する事に気付いた彼は声を上げる――
――竜巻の中ではブラクは体型を縮小化させて必死に竜巻に吹き飛ばされまいと地面に伏せ、現在の彼の肉体は元のブラクと同じ程度の大きさだった。必死に風圧に抗おうとブラクは地面にへばりつき、その姿はあまりにも滑稽だった。
『な、何者だ!!これほどの魔力、魔王でさえも持っていないぞ……!?』
「……私が留守の間、随分と私の都市を好き勝手してくれたようね」
『何だと……!?』
声のした方にブラクは顔を見上げると、そこには背中に緑色に輝く「光の翼」を生やしたマリアの姿が存在した。彼女は自分の姉であるキラウがかつて使用していた「神器ウィング」を使用して空に浮かんでいた。
「あの雷撃を躱しただと!?」
『躱した、というよりはすり抜けたように見えたが……』
レナのカラドボルグの一撃さえもブラクは形を変形させて回避に成功すると、物質変換の効果が切れてレナの退魔刀は元に戻ってしまう。ここまでの戦闘でレナも大分魔力を消耗し、もうこれ以上に魔力を消費する事はできなかった。
(くそっ……いつまで時間を稼げばいいんだ)
ここまでの攻防でブラクを消耗させる事はできたが、一向に倒す手段は見つからない。アイリスによれば時間を稼げば何とかなるという話だが、何時まで経っても状況は最悪のままだった。レナは最早立つ気力もなく、そんな彼にシズネが駆け寄って肩を貸す。
「しっかりしなさい!!こんな所でへばってどうするの!?」
「うっ……」
「く、くそっ……こうなったら僕が!!」
『ほう、まだ手はあるのか?』
「……ないけど、何とかするんだよ!!」
ダインは影人形を作り出した状態でブラクと対峙するが、彼もブラクを倒せる手段は思いつかない。ブラクを倒すには確実に聖属性の魔法攻撃を当てて闇属性の魔力に紛れたブラクの魂を浄化させる以外に方法はない。
しかし、聖剣の使い手であるレミアもツバサは消耗が激しすぎて城壁から離れる事もできず、聖剣を作り出せるレナも魔力が尽きてしまった。唯一にゴウライだけはデュランダルを扱えるが、彼女の場合はそもそもデュランダルを真に使いこなしているわけではない。
『コレデオシマイダ……シネエエエエッ!!』
「や、やばい!!こいつ、自爆するつもりだ!?」
「自爆!?」
「おい、こいつ爆発までするのか!?」
「いや、そうじゃなくて体内の魔力を全部解放するつもりだ!!そうなったら僕達どころか都市の皆が……!!」
ブラクは体内の魔力を全て解放させ、この地域一帯に魔力を流し込むつもりだった。そんな事をすればブラクも無事では済まず、確実に彼の魂は消滅する。それでも自分が死ぬぐらいならば他の人間を巻き込もうとブラクは自爆を実行しようとした。
仮にブラクが自爆すれば広範囲に闇属性の魔力が広がり、それに触れた人間は呪詛に侵されて命は助からない。最初からこの方法をブラクは取らなかったのは竜巻や光の斬撃を生み出せるツバサやレミアの存在が厄介だったからであり、その邪魔者二人が魔力を消耗して動けない今ならば躊躇せずに魔力を解放できる。
――クタバレェエエエエッ!!
おぞましい怨念の声が冒険都市にまで響き渡り、人型の形を保っていた黒雲が徐々に膨らみ始める。まるで風船が膨らむかの様に大きさを増していく黒雲を見てレナ達はもう駄目かと思った時、突如として突風が発生してブラクの周囲を竜巻が取り囲む。
『ナニィイイイイッ!?』
「えっ!?」
「こ、この竜巻は……」
『姉上か!?』
突然に発生した竜巻によってブラクは閉じ込められ、それを見た全員が驚いて城壁の方に視線を向けた。これだけの竜巻を生み出せる人間は聖剣クサナギを扱うツバサしかいないはずだが、彼女は城壁の上でレミアに肩を貸しながら立っていたが、その手にはクサナギは握りしめられていなかった。
「こ、この風はいったい……!?」
「な、何が起きてるのですか……!?」
ツバサもレミアも唐突に発生した竜巻に戸惑いを隠せず、一番に衝撃を受けていたのはブラクだった。今正に自爆しようとした瞬間に自分を取り囲むように現れた竜巻にブラクは焦り、このままでは自爆しても地上には闇属性の魔力は拡散されない。
『バカナッ!!ダレダ、ジャマヲスルナ……ウオオオオッ!?』
竜巻は徐々に縮まると内部に囚われたブラクの黒雲で形成した肉体も削り取られ、慌ててブラクは体型を縮めていく。このままでは竜巻に吹き飛ばされかねず、必死に地上に留まろうとするがそんな彼の姿を上空から見下ろす存在が居た。
レナ達も竜巻の中に人影を発見し、この時に風の精霊を感じ取れるハヤテとシュンは驚いた表情を浮かべた。彼等は竜巻から発生する風の精霊を感じ取って魔法を生み出した人間の正体を見抜く。
「この竜巻は……広域魔法か!?」
『これだけの魔力を持つ人間は……いや、森人族は一人しかいない。やっと戻って来たのか……』
「まさか……叔母様!?」
竜巻から感じ取った魔力にレナも気づき、竜巻の中に居るのはブラクだけではなく、マリアが存在する事に気付いた彼は声を上げる――
――竜巻の中ではブラクは体型を縮小化させて必死に竜巻に吹き飛ばされまいと地面に伏せ、現在の彼の肉体は元のブラクと同じ程度の大きさだった。必死に風圧に抗おうとブラクは地面にへばりつき、その姿はあまりにも滑稽だった。
『な、何者だ!!これほどの魔力、魔王でさえも持っていないぞ……!?』
「……私が留守の間、随分と私の都市を好き勝手してくれたようね」
『何だと……!?』
声のした方にブラクは顔を見上げると、そこには背中に緑色に輝く「光の翼」を生やしたマリアの姿が存在した。彼女は自分の姉であるキラウがかつて使用していた「神器ウィング」を使用して空に浮かんでいた。
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