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真・最終章 七魔将編
僕は大闇魔導士だ!!
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「ダイン!!生きてる!?乗っ取られてない!?」
「いきなり失礼だな!!ほら、これを見ろよ!!」
「うわ、なにこれ!?気持ち悪いっ!!」
『キサマラァッ……!!』
ダインはレナに捕まえたブラクの魂を差し出すと、そのおぞましい見た目にレナは引いてしまう。ブラクは必死に逃げようとするがダインは決して手放さず、彼に対して堂々と言い放つ。
「ほら、見ろよこれ……聖痕はもうお前じゃなくて僕の言う事に従うぞ。その意味、分かるよな?お前は聖痕からも見放されたんっだよ!!」
『フザケルナッ!!キサマゴトキニ、コノワシガオトルダトッ……!?』
「うわっ、こんな状態でも喋れるのか……でも、それどうするの?」
レナはダインに捕まったブラクの魂をどのように処理するのかを尋ねると、ダインは首を振って自分にはどうする事もできない事を伝える。
「僕は聖属性の魔法なんか使えないからこいつを浄化する事なんてできないよ。けど、この状態なら強い光を与えるだけでこいつは勝手に消滅するよ。もう魔力も殆ど残ってないし、こいつの魂を纏う闇属性の魔力が消えればもうこの世に留まる事はできない……そうだろう、爺さん?」
『グウウッ……フザケルナァアアッ!!』
「うわっ……まだ抵抗する気か?」
触手を伸ばしてブラクはダインに乗り移ろうとするが、既に限界を迎えたブラクの魂はダインの身体を乗っ取る力もなく、触手を腕に絡ませるのが限界だった。闇の聖痕もブラクに反応する事はなく、ダインの言う通りに聖痕はもう完全にダインの支配下に入っていた。
自分の先祖とはいえ、これまでの彼の悪事を思い出してダインはここでブラクを滅するべきだと考えていた。しかし、闇魔導士であるダインに彼を浄化する術はなく、その代わりにレナに頼む。
「レナ、こいつに光球の魔法を当ててくれよ。そうすれば勝手に消えてなくなるよ」
「光球?そんなのでいいの?」
「ああ、今のこいつなら日の光に当てるだけでも勝手に消えるけど……地上に出るまで運ぶのが面倒だし」
『ヤ、ヤメロッ!?ヤメテクレ、タノム……!!』
弱り切ったブラクならば初級魔法の「光球」でさえも命取りであり、必死に命乞いをするがそんな願いをダインもレナも聞き入れるはずがない。ダインはレナにブラクの魂を向けると、レナは両手を伸ばして初級魔法を発動した。
「よし、行くよ……光球」
「うっ……」
『グァアアアアアッ!?』
光球によって通路が照らされた瞬間、ダインは瞼を閉じてブラクの魂は光を浴びた瞬間に触手が消滅していく。やがて黒色の球体が徐々に色が薄まり、徐々に縮小化していく。
『イヤダ、タスケテ……シニタクナイ、ダレカ……タスケテクレエエエエエエッ!!』
「……誰もお前を助けたりしない、地獄で反省しろ!!」
『うぎゃああああああっ!?』
最後の言葉は人間らしい悲鳴を上げ、遂にブラクの魂は完全に消えてなくなった。それを確認するとレナは光球の魔法を解除させ、ダインの様子を伺う。
「ダイン、お疲れ様……大丈夫?」
「ふうっ……流石にきつかった、マジで死ぬかと思った」
緊張の糸が切れたのかダインは力が抜けた様に膝を突き、そんな彼にレナは手を貸してやる。この時にレナはダインの聖痕に視線を向け、形状が変わっている事に気付く。ブラクが聖痕を操る時はダインの聖痕は「髑髏」のように変化したが、今の彼の聖痕はまるで「黒色の三日月」を想像させる形になっていた。
所有者によって聖痕の紋様が変化するらしく、ダインは晴れて聖痕の所有者と認められた。そしてブラクが消滅した事で地上に存在するブラクの影も消え去っているはずであり、今回の冒険都市の騒動は終わりを迎えたはずだった。
「さあ、地上に戻ろう。きっと今頃は黒雲も消えているはずだよ」
「ああ、そうだった……へへっ、これって今回は一番の手柄は僕じゃないか?」
「はいはい、そうだね」
「よし、戻ったら飯を奢れよ……今日は美味い酒が飲めそうだな!!」
レナに肩を貸して貰ってダインは笑みを浮かべ、最後に彼はブラクの魂が消えた場所を振り返る。そこにはもうなにも存在しない事は分かっているが、それでも一つだけ言い残したいことがあった。
「……爺さん、そう言えばいい忘れてたな。僕は大闇魔導士……ダインだ!!」
「何それ?」
「へへっ……何でもないよ」
言いたいことだけを言い終えるとダインはレナに背負って貰い、忘れずにダインの杖を回収しておく。遂にダインは黒杖を取り戻し、二人は下水道を抜け出した――
――地上に出ると人々の騒ぎが収まっており、どうやら地上で暴れていたブラクの影に操られた死体も解放されたらしい。レナとダインは外へ抜け出すと青々とした空が広がっており、それを見た二人は黒雲が消えたと判断する。
「う~ん……やっぱり、日の照らす空の方が最高だな!!」
「ダイン、曇り空の方が好きとか言ってなかった?影魔法の調子が出るとかなんとか言ってたし……」
「いや……それはそれ、これはこれだろ。さあ、早く他の皆と合流して飯でも食おうぜ!!あ、でもその前に身体も汚れたし風呂にでも……」
「お二方、ここに居たのでござるな!!」
レナとダインの会話の際中、二人の元に聞き覚えのある女性の声が響く。驚いて振り返ると、そこには屋根の上を飛び降りるハンゾウの姿があった。
「いきなり失礼だな!!ほら、これを見ろよ!!」
「うわ、なにこれ!?気持ち悪いっ!!」
『キサマラァッ……!!』
ダインはレナに捕まえたブラクの魂を差し出すと、そのおぞましい見た目にレナは引いてしまう。ブラクは必死に逃げようとするがダインは決して手放さず、彼に対して堂々と言い放つ。
「ほら、見ろよこれ……聖痕はもうお前じゃなくて僕の言う事に従うぞ。その意味、分かるよな?お前は聖痕からも見放されたんっだよ!!」
『フザケルナッ!!キサマゴトキニ、コノワシガオトルダトッ……!?』
「うわっ、こんな状態でも喋れるのか……でも、それどうするの?」
レナはダインに捕まったブラクの魂をどのように処理するのかを尋ねると、ダインは首を振って自分にはどうする事もできない事を伝える。
「僕は聖属性の魔法なんか使えないからこいつを浄化する事なんてできないよ。けど、この状態なら強い光を与えるだけでこいつは勝手に消滅するよ。もう魔力も殆ど残ってないし、こいつの魂を纏う闇属性の魔力が消えればもうこの世に留まる事はできない……そうだろう、爺さん?」
『グウウッ……フザケルナァアアッ!!』
「うわっ……まだ抵抗する気か?」
触手を伸ばしてブラクはダインに乗り移ろうとするが、既に限界を迎えたブラクの魂はダインの身体を乗っ取る力もなく、触手を腕に絡ませるのが限界だった。闇の聖痕もブラクに反応する事はなく、ダインの言う通りに聖痕はもう完全にダインの支配下に入っていた。
自分の先祖とはいえ、これまでの彼の悪事を思い出してダインはここでブラクを滅するべきだと考えていた。しかし、闇魔導士であるダインに彼を浄化する術はなく、その代わりにレナに頼む。
「レナ、こいつに光球の魔法を当ててくれよ。そうすれば勝手に消えてなくなるよ」
「光球?そんなのでいいの?」
「ああ、今のこいつなら日の光に当てるだけでも勝手に消えるけど……地上に出るまで運ぶのが面倒だし」
『ヤ、ヤメロッ!?ヤメテクレ、タノム……!!』
弱り切ったブラクならば初級魔法の「光球」でさえも命取りであり、必死に命乞いをするがそんな願いをダインもレナも聞き入れるはずがない。ダインはレナにブラクの魂を向けると、レナは両手を伸ばして初級魔法を発動した。
「よし、行くよ……光球」
「うっ……」
『グァアアアアアッ!?』
光球によって通路が照らされた瞬間、ダインは瞼を閉じてブラクの魂は光を浴びた瞬間に触手が消滅していく。やがて黒色の球体が徐々に色が薄まり、徐々に縮小化していく。
『イヤダ、タスケテ……シニタクナイ、ダレカ……タスケテクレエエエエエエッ!!』
「……誰もお前を助けたりしない、地獄で反省しろ!!」
『うぎゃああああああっ!?』
最後の言葉は人間らしい悲鳴を上げ、遂にブラクの魂は完全に消えてなくなった。それを確認するとレナは光球の魔法を解除させ、ダインの様子を伺う。
「ダイン、お疲れ様……大丈夫?」
「ふうっ……流石にきつかった、マジで死ぬかと思った」
緊張の糸が切れたのかダインは力が抜けた様に膝を突き、そんな彼にレナは手を貸してやる。この時にレナはダインの聖痕に視線を向け、形状が変わっている事に気付く。ブラクが聖痕を操る時はダインの聖痕は「髑髏」のように変化したが、今の彼の聖痕はまるで「黒色の三日月」を想像させる形になっていた。
所有者によって聖痕の紋様が変化するらしく、ダインは晴れて聖痕の所有者と認められた。そしてブラクが消滅した事で地上に存在するブラクの影も消え去っているはずであり、今回の冒険都市の騒動は終わりを迎えたはずだった。
「さあ、地上に戻ろう。きっと今頃は黒雲も消えているはずだよ」
「ああ、そうだった……へへっ、これって今回は一番の手柄は僕じゃないか?」
「はいはい、そうだね」
「よし、戻ったら飯を奢れよ……今日は美味い酒が飲めそうだな!!」
レナに肩を貸して貰ってダインは笑みを浮かべ、最後に彼はブラクの魂が消えた場所を振り返る。そこにはもうなにも存在しない事は分かっているが、それでも一つだけ言い残したいことがあった。
「……爺さん、そう言えばいい忘れてたな。僕は大闇魔導士……ダインだ!!」
「何それ?」
「へへっ……何でもないよ」
言いたいことだけを言い終えるとダインはレナに背負って貰い、忘れずにダインの杖を回収しておく。遂にダインは黒杖を取り戻し、二人は下水道を抜け出した――
――地上に出ると人々の騒ぎが収まっており、どうやら地上で暴れていたブラクの影に操られた死体も解放されたらしい。レナとダインは外へ抜け出すと青々とした空が広がっており、それを見た二人は黒雲が消えたと判断する。
「う~ん……やっぱり、日の照らす空の方が最高だな!!」
「ダイン、曇り空の方が好きとか言ってなかった?影魔法の調子が出るとかなんとか言ってたし……」
「いや……それはそれ、これはこれだろ。さあ、早く他の皆と合流して飯でも食おうぜ!!あ、でもその前に身体も汚れたし風呂にでも……」
「お二方、ここに居たのでござるな!!」
レナとダインの会話の際中、二人の元に聞き覚えのある女性の声が響く。驚いて振り返ると、そこには屋根の上を飛び降りるハンゾウの姿があった。
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