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真・最終章 七魔将編
相性の悪さ
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「一応は言っておくけど、大人しく捕まる気はあるか?」
『ふんっ、捕まるだと?お前ら如きにこの儂が……』
「そう、ならもういいや」
レナは掌を構えるとガオウの死体に取り着いたブラクの影は何のつもりかと思ったが、レナは掌から「光球」を作り出す。初級魔法の光球は本来は灯りを生み出す程度の魔法だが、そこからさらに付与強化で魔力を送り込んで光量を強める。
「皆、目を閉じて!!」
『まさか……や、止めろっ!?』
光球が放つ光が強まるのを見てブラクの影は焦った声を上げ、その場を逃げ出そうとした。しかし、時は既に遅く、光球から放たれる閃光の如き光を浴びた瞬間にガオウの死体から煙が噴き出す。
煙の正体はブラクの影であり、彼の正体は闇属性の魔力の塊である。闇属性は聖属性と相性が悪く、その魔力を当てられるだけで魔力が崩壊して黒煙と化す。ガオウの死体に憑依していたブラクの影は光球の光を浴びただけで崩壊を始め、悲鳴を上げながら地面に倒れ込む。
『ぎゃああああっ!?』
「うおっ!?な、何だ?」
「いったい何が……」
「……苦しんでいる?」
「もう、眩しいな~いきなりは止めてよ~」
光球が放つ閃光を浴びて苦しんでいるのはブラクだけであり、他の者たちは特に視界が一瞬だけ奪われた程度で何もない。聖属性の魔力は本来は生物の力を活性化させる効果があるため、普通の生物に対しては何の害も与えない。しかし、生物ではない存在に対しては絶大な効果を発揮する。
ブラクの本体は既に本来の肉体は存在せず、子孫に乗り移って生き延びてきた「悪霊」である。その悪霊の一部である影も闇属性の魔力その物であるため、聖属性の魔法を受ければ無事では済まない。レナが使用したのは聖属性の初級魔法だが、付与強化を利用する事で上級魔法に匹敵する程の効果を引き出す事ができる。
(母上が苦戦していたのは聖属性の魔法や魔法剣が使えなかっただけ……こいつ自体は能力が厄介なだけで大した事はない)
アイリスから聞いていた情報を参考にレナはブラクの影の特徴を推理し、聖属性の魔法の使い手ならば大した脅威ではないと判断する。実際に聖属性の魔法の光を浴びただけでブラクは戦闘不能に陥り、全身から闇属性の魔力を放出させながら惨めに逃げようとしていた。
『い、嫌だ……消えたくない、助けて……助けてくれ』
「図々しい事を言うな……お前がここまでどれだけの人に迷惑を掛けた?」
『た、頼む……助けてくれ、何でもする、だから助けて……』
みっともなく助けを求めるブラクの影に対してレナは無表情を貫き、退魔刀を抜いてブラクの元へ向かう。それを見たブラクは怯えた表情を浮かべるが、内心は笑みを浮かべていた。
(馬鹿め……この身体に止めを刺しても俺は死なん)
レナが退魔刀でブラクが憑依しているガオウの肉体を傷つけようと、死体に乗り移っているブラクの影には何の影響もない。ブラクの影を倒す事ができるのは聖属性の魔法だけであり、ただの武器で攻撃された所で倒す事はできない。
武器を抜いて自分に迫るレナに対してブラクは怯えたふりをしながらも、止めを刺そうとしてきたレナに対して狼男の鉤爪で心臓を抉り取る準備を行う。レナを殺す事ができればその肉体に憑依し、彼の肉体を利用して他の者たちを殺すつもりだった。
(この儂を見下した報い、その肉体で償ってもらうぞ!!)
自分に近付いてくるレナに対してブラクは内心で怒り狂うが、そんなブラクに対してレナは退魔刀を掲げると、この時に彼は「物質変換」を発動させて退魔刀を別の武器へと変化させる。
「自分が殺されても平気だと思ってるのか?」
『な、何だと……!?』
「確かにこの武器のままだとお前に止めを刺せないかもしれない……けど、これならどうだ?」
レナの言葉を聞いてブラクは彼の抱えている退魔刀に視線を向けると、いつの間にか武器が違う形状へと変化をしており、彼はそれを見て驚愕の表情を浮かべる。レナが手にしていたのは「聖剣カラドボルグ」であり、本来ならばこの場には存在しない武器を作り出す。
聖剣カラドボルグを見た瞬間にブラクは愕然とした表情を浮かべ、先ほどとは打って変わって焦りを抱く。普通の武器ならばともかく、聖剣の類で止めを刺されれば確実に消えてしまう。ブラクは今度は本気で逃げるつもりで地面を這いつくばり、レナから距離を置こうとした。
『や、止めろ!!その武器は……その剣だけは止めてくれ!!』
「…………」
『嫌だ、死にたくない!!助けて――!?』
無様に助けを求めながら逃げ出そうとするブラクに対し、聖剣を作り出したレナは一切の躊躇なく刃を振り下ろす。聖剣カラドボルグから生み出された金色の雷がブラクの肉体を飲み込み、ガオウの死体ごとブラクの影を消滅させた――
『ふんっ、捕まるだと?お前ら如きにこの儂が……』
「そう、ならもういいや」
レナは掌を構えるとガオウの死体に取り着いたブラクの影は何のつもりかと思ったが、レナは掌から「光球」を作り出す。初級魔法の光球は本来は灯りを生み出す程度の魔法だが、そこからさらに付与強化で魔力を送り込んで光量を強める。
「皆、目を閉じて!!」
『まさか……や、止めろっ!?』
光球が放つ光が強まるのを見てブラクの影は焦った声を上げ、その場を逃げ出そうとした。しかし、時は既に遅く、光球から放たれる閃光の如き光を浴びた瞬間にガオウの死体から煙が噴き出す。
煙の正体はブラクの影であり、彼の正体は闇属性の魔力の塊である。闇属性は聖属性と相性が悪く、その魔力を当てられるだけで魔力が崩壊して黒煙と化す。ガオウの死体に憑依していたブラクの影は光球の光を浴びただけで崩壊を始め、悲鳴を上げながら地面に倒れ込む。
『ぎゃああああっ!?』
「うおっ!?な、何だ?」
「いったい何が……」
「……苦しんでいる?」
「もう、眩しいな~いきなりは止めてよ~」
光球が放つ閃光を浴びて苦しんでいるのはブラクだけであり、他の者たちは特に視界が一瞬だけ奪われた程度で何もない。聖属性の魔力は本来は生物の力を活性化させる効果があるため、普通の生物に対しては何の害も与えない。しかし、生物ではない存在に対しては絶大な効果を発揮する。
ブラクの本体は既に本来の肉体は存在せず、子孫に乗り移って生き延びてきた「悪霊」である。その悪霊の一部である影も闇属性の魔力その物であるため、聖属性の魔法を受ければ無事では済まない。レナが使用したのは聖属性の初級魔法だが、付与強化を利用する事で上級魔法に匹敵する程の効果を引き出す事ができる。
(母上が苦戦していたのは聖属性の魔法や魔法剣が使えなかっただけ……こいつ自体は能力が厄介なだけで大した事はない)
アイリスから聞いていた情報を参考にレナはブラクの影の特徴を推理し、聖属性の魔法の使い手ならば大した脅威ではないと判断する。実際に聖属性の魔法の光を浴びただけでブラクは戦闘不能に陥り、全身から闇属性の魔力を放出させながら惨めに逃げようとしていた。
『い、嫌だ……消えたくない、助けて……助けてくれ』
「図々しい事を言うな……お前がここまでどれだけの人に迷惑を掛けた?」
『た、頼む……助けてくれ、何でもする、だから助けて……』
みっともなく助けを求めるブラクの影に対してレナは無表情を貫き、退魔刀を抜いてブラクの元へ向かう。それを見たブラクは怯えた表情を浮かべるが、内心は笑みを浮かべていた。
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レナが退魔刀でブラクが憑依しているガオウの肉体を傷つけようと、死体に乗り移っているブラクの影には何の影響もない。ブラクの影を倒す事ができるのは聖属性の魔法だけであり、ただの武器で攻撃された所で倒す事はできない。
武器を抜いて自分に迫るレナに対してブラクは怯えたふりをしながらも、止めを刺そうとしてきたレナに対して狼男の鉤爪で心臓を抉り取る準備を行う。レナを殺す事ができればその肉体に憑依し、彼の肉体を利用して他の者たちを殺すつもりだった。
(この儂を見下した報い、その肉体で償ってもらうぞ!!)
自分に近付いてくるレナに対してブラクは内心で怒り狂うが、そんなブラクに対してレナは退魔刀を掲げると、この時に彼は「物質変換」を発動させて退魔刀を別の武器へと変化させる。
「自分が殺されても平気だと思ってるのか?」
『な、何だと……!?』
「確かにこの武器のままだとお前に止めを刺せないかもしれない……けど、これならどうだ?」
レナの言葉を聞いてブラクは彼の抱えている退魔刀に視線を向けると、いつの間にか武器が違う形状へと変化をしており、彼はそれを見て驚愕の表情を浮かべる。レナが手にしていたのは「聖剣カラドボルグ」であり、本来ならばこの場には存在しない武器を作り出す。
聖剣カラドボルグを見た瞬間にブラクは愕然とした表情を浮かべ、先ほどとは打って変わって焦りを抱く。普通の武器ならばともかく、聖剣の類で止めを刺されれば確実に消えてしまう。ブラクは今度は本気で逃げるつもりで地面を這いつくばり、レナから距離を置こうとした。
『や、止めろ!!その武器は……その剣だけは止めてくれ!!』
「…………」
『嫌だ、死にたくない!!助けて――!?』
無様に助けを求めながら逃げ出そうとするブラクに対し、聖剣を作り出したレナは一切の躊躇なく刃を振り下ろす。聖剣カラドボルグから生み出された金色の雷がブラクの肉体を飲み込み、ガオウの死体ごとブラクの影を消滅させた――
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