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真・最終章 七魔将編
地竜襲来
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『アイリス、王都の様子を教えて欲しいんだけど……』
『待ってくださいレナさん、今すぐに狼車を停めてください』
『え、急にどうしたの?』
『いいから早く!!』
交信した途端にアイリスは狼車を停止させるように促され、何が何だか分からないが彼女の言う通りにレナは交信を打ち切ってウルに停止するように告げた。
「ウル、止まれ!!」
「ウォンッ!?」
「ぬおっ!?」
「急にどうした!?」
「はわわっ!?」
「あいたぁっ!?」
ウルが唐突に止まった事で狼車の中に居た者達も困惑するが、レナはこの時に気配感知と魔力感知を同時に発動させて周囲の様子を伺う。特に草原には敵らしき姿は見えないが地中から異様な気配を感じたレナは全員に降りる様に促す。
「下から来る!!全員降りろ!!」
「何だと!?」
「ちぃっ!!」
「ちょちょ、そんな急に言われても……」
「いいから早く降りろよ!!」
レナは即座にウルに固定していた狼車を切り離すと他の者たちも一斉に外に飛び出す。その直後に地中が盛り上がると巨大な生物の口が狼車を飲み込む。狼車は一飲みされて消えてしまい、その生物の正体をレナ達は勘付く。
「こいつは……まさか、地竜か!?」
「地竜だと!?」
「何だこいつ!?」
「どうして地竜がここに……!!」
狼車を飲み込んだのはかつて冒険都市を襲撃した「地竜」と呼ばれる竜種で間違いなく、冒険都市を襲った個体と比べれば小ぶりなので恐らくは地竜の子供だと思われた。それでも体長は大きく、レナ達が乗っていた狼車を一飲みできるほどの巨大さを誇る。
突如として現れた地竜に対してレナ達は警戒する中、ハルナはいち早く地竜に目掛けて突っ込む。そして彼女は電流を帯びた状態で地竜の顔面に向けて拳を振りかざした。
「はっ!!こんな奴、一発でぶっ飛ばしてやる!!」
「ハルナ!!油断するな!!」
ハルナは地竜の顔面に目掛けて拳を振りかざすがこの時に地竜の額に「影」のような物が現れ、まるでダインの影魔法の如く額から伸びた影はハルナの身体を拘束した。
「うわぁっ!?な、何だこれ!?気持ち悪い!!」
「これは影魔法!?まさか……七魔将ブラクか!?」
「落ち着けハルナ!!影魔法は光に弱いから電流で掻き消せる!!」
黒色の触手のように地竜の額から出現した影はハルナを拘束するが、すぐにレナは影魔法の弱点を思い出してハルナに電流の光で消す様に助言する。しかし、彼女が電流を生み出す前に影の触手は彼女の身体を遠くへ投げ飛ばす。
「うわぁっ!?」
「ハルナ!!」
「放っておけ!!小娘に構っている場合ではない、来るぞ!!」
レナはハルナを助けに向かおうとしたがロウガに注意され、仕方なく退魔刀を抜いて地竜と向かい合う。地竜の方は額の部分に影の触手が戻るとやがて全身から黒色の煙のような物を吹き出しながら地中から出現する。
『………………』
「お、おい……何だこいつは?黒い地竜なんて見たことないぞ、亜種……か?」
「違いますね、この黒色の皮膚は呪詛に侵された人間と同じ状態です。つまり、こいつは生き物じゃありません……闇属性の魔力に全身を侵された死骸です」
「という事は……死体人形か」
七魔将のブラクは自分の影の一部を切り離して死体に憑依され、体内から操作して操る事ができる。死霊人形の場合はある程度の意識はあるが、死霊人形の場合は生前の意識は一切なく、あくまでもブラクの切り離した影が肉体を操作しているだけで死霊人形とは操り方が異なる。
ガオウが操られた際は彼はまだ仮死状態で完全には死んでいなかったが、体内に影を送り込まれれば強制的に操られる。しかし、今回の場合はブラクは地竜の死骸に影を送り込んで地中の中に待ち伏せさせ、レナ達が通りがかるのを待ち構えていた。
(こいつ……ずっとここで待っていたのか?でも俺達が王都へ向かうかどうかなんてどうしてわかったんだ?まさか、情報が漏れている?いや、それよりもこいつをどうやって倒すか……)
レナは死体人形と化した地竜に対して有効的な攻撃手段を考え、地竜は岩石のように硬い外殻に覆われてしかも巨体である。影を打ち消すためには体内に聖属性の魔力を送り込むのが一番なのだが、生憎とレナはティナやレミアと違って聖属性の魔法や魔法剣はそれほど得意ではない。
「ちっ、面倒くさそうな相手だな……おい、ホネミンとかいったな?死にたくなかったら俺達の後ろに隠れてろ」
「くううっ……折角私が持って来た荷物を食べるなんて許せません!!レナさん、何としても取り返してください!!」
「取り返せと言われても……」
地竜は狼車を飲み込んだ際にホネミンが持参した荷物も一緒に飲み込まれてしまった。但し、死体人形と化した地竜は肉体は操られていても身体の機能は停止しているので食べた物は消化される事はない。それに狼車ごと一飲みで飲み込まれたので意外と荷物の方は無事かもしれない。
『待ってくださいレナさん、今すぐに狼車を停めてください』
『え、急にどうしたの?』
『いいから早く!!』
交信した途端にアイリスは狼車を停止させるように促され、何が何だか分からないが彼女の言う通りにレナは交信を打ち切ってウルに停止するように告げた。
「ウル、止まれ!!」
「ウォンッ!?」
「ぬおっ!?」
「急にどうした!?」
「はわわっ!?」
「あいたぁっ!?」
ウルが唐突に止まった事で狼車の中に居た者達も困惑するが、レナはこの時に気配感知と魔力感知を同時に発動させて周囲の様子を伺う。特に草原には敵らしき姿は見えないが地中から異様な気配を感じたレナは全員に降りる様に促す。
「下から来る!!全員降りろ!!」
「何だと!?」
「ちぃっ!!」
「ちょちょ、そんな急に言われても……」
「いいから早く降りろよ!!」
レナは即座にウルに固定していた狼車を切り離すと他の者たちも一斉に外に飛び出す。その直後に地中が盛り上がると巨大な生物の口が狼車を飲み込む。狼車は一飲みされて消えてしまい、その生物の正体をレナ達は勘付く。
「こいつは……まさか、地竜か!?」
「地竜だと!?」
「何だこいつ!?」
「どうして地竜がここに……!!」
狼車を飲み込んだのはかつて冒険都市を襲撃した「地竜」と呼ばれる竜種で間違いなく、冒険都市を襲った個体と比べれば小ぶりなので恐らくは地竜の子供だと思われた。それでも体長は大きく、レナ達が乗っていた狼車を一飲みできるほどの巨大さを誇る。
突如として現れた地竜に対してレナ達は警戒する中、ハルナはいち早く地竜に目掛けて突っ込む。そして彼女は電流を帯びた状態で地竜の顔面に向けて拳を振りかざした。
「はっ!!こんな奴、一発でぶっ飛ばしてやる!!」
「ハルナ!!油断するな!!」
ハルナは地竜の顔面に目掛けて拳を振りかざすがこの時に地竜の額に「影」のような物が現れ、まるでダインの影魔法の如く額から伸びた影はハルナの身体を拘束した。
「うわぁっ!?な、何だこれ!?気持ち悪い!!」
「これは影魔法!?まさか……七魔将ブラクか!?」
「落ち着けハルナ!!影魔法は光に弱いから電流で掻き消せる!!」
黒色の触手のように地竜の額から出現した影はハルナを拘束するが、すぐにレナは影魔法の弱点を思い出してハルナに電流の光で消す様に助言する。しかし、彼女が電流を生み出す前に影の触手は彼女の身体を遠くへ投げ飛ばす。
「うわぁっ!?」
「ハルナ!!」
「放っておけ!!小娘に構っている場合ではない、来るぞ!!」
レナはハルナを助けに向かおうとしたがロウガに注意され、仕方なく退魔刀を抜いて地竜と向かい合う。地竜の方は額の部分に影の触手が戻るとやがて全身から黒色の煙のような物を吹き出しながら地中から出現する。
『………………』
「お、おい……何だこいつは?黒い地竜なんて見たことないぞ、亜種……か?」
「違いますね、この黒色の皮膚は呪詛に侵された人間と同じ状態です。つまり、こいつは生き物じゃありません……闇属性の魔力に全身を侵された死骸です」
「という事は……死体人形か」
七魔将のブラクは自分の影の一部を切り離して死体に憑依され、体内から操作して操る事ができる。死霊人形の場合はある程度の意識はあるが、死霊人形の場合は生前の意識は一切なく、あくまでもブラクの切り離した影が肉体を操作しているだけで死霊人形とは操り方が異なる。
ガオウが操られた際は彼はまだ仮死状態で完全には死んでいなかったが、体内に影を送り込まれれば強制的に操られる。しかし、今回の場合はブラクは地竜の死骸に影を送り込んで地中の中に待ち伏せさせ、レナ達が通りがかるのを待ち構えていた。
(こいつ……ずっとここで待っていたのか?でも俺達が王都へ向かうかどうかなんてどうしてわかったんだ?まさか、情報が漏れている?いや、それよりもこいつをどうやって倒すか……)
レナは死体人形と化した地竜に対して有効的な攻撃手段を考え、地竜は岩石のように硬い外殻に覆われてしかも巨体である。影を打ち消すためには体内に聖属性の魔力を送り込むのが一番なのだが、生憎とレナはティナやレミアと違って聖属性の魔法や魔法剣はそれほど得意ではない。
「ちっ、面倒くさそうな相手だな……おい、ホネミンとかいったな?死にたくなかったら俺達の後ろに隠れてろ」
「くううっ……折角私が持って来た荷物を食べるなんて許せません!!レナさん、何としても取り返してください!!」
「取り返せと言われても……」
地竜は狼車を飲み込んだ際にホネミンが持参した荷物も一緒に飲み込まれてしまった。但し、死体人形と化した地竜は肉体は操られていても身体の機能は停止しているので食べた物は消化される事はない。それに狼車ごと一飲みで飲み込まれたので意外と荷物の方は無事かもしれない。
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