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真・最終章 七魔将編
最速の七魔将
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「この日を待ち望んでいた……この手で貴様を殺す時をな!!」
「貴様……」
「止めなさいブラク!!私達を本当にここで殺すつもり!?」
「我々の計画のためには貴様等も邪魔者だ。だいたい……昔からお前等の事は消したいと思っていた」
「…………」
ブラクは禍々しい魔力を放出し続ける聖剣クリムゾンを振りかざし、オウガとアルドラを同時に始末しようとした。ガオウもブラクの行動を止める様子はなく、恐怖を煽るように敢えてゆっくりとブラクは二人の元に歩み寄る。
迫りくるブラクに対してオウガは舌打ちし、彼がその気になればこの場を切り抜ける方法はいくらでも存在した。しかし、自分だけならばともかくアルドラを守るには今のオウガは彼女の傍を離れられない。
「オウガ、もう私の事はいいわ……この悪霊を殺しなさい。貴方の力ならそれぐらいできるでしょう?」
「何だと……」
「ほうっ……それも構わんぞ、こんな形でお前達を殺すのは元七魔将としては心苦しいからな」
「えっ……!?」
死を覚悟したのかアルドラはオウガに戦うように命じるが、その言葉にオウガもガオウも呆気に取られた表情を浮かべる。しかし、ブラクの方はアルドラの言葉を聞いてオウガに構えていた剣を下ろす。
「さあ、その女から離れろ。そもそも貴様の能力ならばこの程度の邪気など何の影響もないだろう。それとも本当にその女に惚れているのか?」
「……抜かせ」
「ならば未練たらしく女を庇わずに立て!!でなければここでお前達を殺すぞ!!」
ブラクは剣先をオウガに構えると、その行動を見てオウガはアルドラに視線を向ける。彼女はオウガに対して引きつった笑みを浮かべ、それを見たオウガは何かを悟ったように右拳を握りしめる。
「……覚悟はいいな?」
「ええ、できているわ」
「何を言って……」
「ブラク殿!!お離れ下さい!?」
オウガはアルドラを押し倒した状態から右腕を振りかざし、魔力を拳に集中させる。その光景を見たガオウはいち早く危険を勘付き、ブラクに二人から離れる様に促すと自身はいち早く距離を取る。
右腕の筋肉を肥大化させ、その状態で右拳を握りしめたオウガはアルドラに目掛けて拳を振り下ろす。その光景を見たブラクは呆気に取られ、強烈な衝撃音が街中に鳴り響くと地面に亀裂が生じた。アルドラの肉体にオウガの拳が叩き込まれ、彼女は亀裂の中に落ちて完全に姿を消してしまう。
(馬鹿な……あのオウガが女に手を出しただと!?)
元々は同じ七魔将だったブラクはオウガの性格を知り尽くしており、オウガが仮にも女であるアルドラに対して容赦のない攻撃を繰り出した事に戸惑いを隠せない。しかし、アルドラを地中に沈めたオウガはブラクを睨みつけると、彼に目掛けて魔鎧術を全身に纏った状態で攻撃を仕掛けた。
「ブラクッ!!貴様はここで滅してやる!!」
「ちぃっ……ガオウ、何をしている!!貴様も援護せんか!!」
「はっ……オウガ、覚悟しろ!!」
あまりのオウガの気迫にブラクはガオウに助けを求め、ガオウは素早い動きでオウガよりも先にブラクの元へ向かうと、彼はブラクの身体を後ろから抱き上げて跳躍する。オウガの拳は空振りし、彼はガオウを睨みつける。
「ふんっ……相変わらず速度だけは大したものだな」
「ふははっ!!いくら貴様が強いと言っても……七魔将最速のガオウには付いて行けんだろう」
「……ブラク殿、油断は禁物です」
オウガが七魔将の中でも最強の腕力を誇るならばガオウは最速の異名を誇り、彼の移動速度は常人ならば視界に捉える事もできない。まるで瞬間移動の如くガオウは移動を行い、その速度はオウガでさえも捉えきれない。
牙人将であるガオウはその足の速さは世界一と称され、かつて彼は牙竜を相手に逃げ延びた経験さえもある。彼が本気で動けば何者も捉えきれず、七魔将の中でも敵にするには厄介な相手だと恐れられていた。
「オウガよ、貴様の魔鎧術はあとどのくらい持つ?1分か?それとも2分か?どちらにしてもこれ以上は長続きはしないだろう」
「舐めるな下衆が……貴様等如き、この俺の敵ではない!!」
「それは我等を舐め過ぎではないのかオウガよ……言っておくが今の我々は昔よりも更に力を増している。それにお前の魔鎧術も決して無敵ではない」
「何だと……」
「ブラク殿、あれを貸してください」
「……良かろう」
ブラクは自分の足元の陰に手を伸ばすと、彼の影の中から日本刀を想像させる武器が取り出される。それはかつてレナが七魔将と遭遇した際にブラクに奪われた「鏡刀」であり、ガオウは鏡刀を受け取ると笑みを鞘から刃を引き抜く。
鏡のように美しい刀身の刀を見てオウガは訝し気な表情を浮かべるが、そんなオウガに対してガオウは鏡刀を構えると彼に目掛けて突っ込む。真正面から突っ込んできたガオウに対してオウガは何を考えているのかと思ったが、直後に彼は危険を察して防御態勢を取った。
「がああっ!!」
「ぐうっ!?」
――鏡刀は元々は反鏡剣を利用して作り出された武器であり、あらゆる魔法を跳ね返す性質を持つ。そして魔鎧術は魔力を実体化させて肉体に纏う術であり、鏡刀ならば魔力の鎧を切り裂いて肉体に直接的に損傷を与える事ができた。
「貴様……」
「止めなさいブラク!!私達を本当にここで殺すつもり!?」
「我々の計画のためには貴様等も邪魔者だ。だいたい……昔からお前等の事は消したいと思っていた」
「…………」
ブラクは禍々しい魔力を放出し続ける聖剣クリムゾンを振りかざし、オウガとアルドラを同時に始末しようとした。ガオウもブラクの行動を止める様子はなく、恐怖を煽るように敢えてゆっくりとブラクは二人の元に歩み寄る。
迫りくるブラクに対してオウガは舌打ちし、彼がその気になればこの場を切り抜ける方法はいくらでも存在した。しかし、自分だけならばともかくアルドラを守るには今のオウガは彼女の傍を離れられない。
「オウガ、もう私の事はいいわ……この悪霊を殺しなさい。貴方の力ならそれぐらいできるでしょう?」
「何だと……」
「ほうっ……それも構わんぞ、こんな形でお前達を殺すのは元七魔将としては心苦しいからな」
「えっ……!?」
死を覚悟したのかアルドラはオウガに戦うように命じるが、その言葉にオウガもガオウも呆気に取られた表情を浮かべる。しかし、ブラクの方はアルドラの言葉を聞いてオウガに構えていた剣を下ろす。
「さあ、その女から離れろ。そもそも貴様の能力ならばこの程度の邪気など何の影響もないだろう。それとも本当にその女に惚れているのか?」
「……抜かせ」
「ならば未練たらしく女を庇わずに立て!!でなければここでお前達を殺すぞ!!」
ブラクは剣先をオウガに構えると、その行動を見てオウガはアルドラに視線を向ける。彼女はオウガに対して引きつった笑みを浮かべ、それを見たオウガは何かを悟ったように右拳を握りしめる。
「……覚悟はいいな?」
「ええ、できているわ」
「何を言って……」
「ブラク殿!!お離れ下さい!?」
オウガはアルドラを押し倒した状態から右腕を振りかざし、魔力を拳に集中させる。その光景を見たガオウはいち早く危険を勘付き、ブラクに二人から離れる様に促すと自身はいち早く距離を取る。
右腕の筋肉を肥大化させ、その状態で右拳を握りしめたオウガはアルドラに目掛けて拳を振り下ろす。その光景を見たブラクは呆気に取られ、強烈な衝撃音が街中に鳴り響くと地面に亀裂が生じた。アルドラの肉体にオウガの拳が叩き込まれ、彼女は亀裂の中に落ちて完全に姿を消してしまう。
(馬鹿な……あのオウガが女に手を出しただと!?)
元々は同じ七魔将だったブラクはオウガの性格を知り尽くしており、オウガが仮にも女であるアルドラに対して容赦のない攻撃を繰り出した事に戸惑いを隠せない。しかし、アルドラを地中に沈めたオウガはブラクを睨みつけると、彼に目掛けて魔鎧術を全身に纏った状態で攻撃を仕掛けた。
「ブラクッ!!貴様はここで滅してやる!!」
「ちぃっ……ガオウ、何をしている!!貴様も援護せんか!!」
「はっ……オウガ、覚悟しろ!!」
あまりのオウガの気迫にブラクはガオウに助けを求め、ガオウは素早い動きでオウガよりも先にブラクの元へ向かうと、彼はブラクの身体を後ろから抱き上げて跳躍する。オウガの拳は空振りし、彼はガオウを睨みつける。
「ふんっ……相変わらず速度だけは大したものだな」
「ふははっ!!いくら貴様が強いと言っても……七魔将最速のガオウには付いて行けんだろう」
「……ブラク殿、油断は禁物です」
オウガが七魔将の中でも最強の腕力を誇るならばガオウは最速の異名を誇り、彼の移動速度は常人ならば視界に捉える事もできない。まるで瞬間移動の如くガオウは移動を行い、その速度はオウガでさえも捉えきれない。
牙人将であるガオウはその足の速さは世界一と称され、かつて彼は牙竜を相手に逃げ延びた経験さえもある。彼が本気で動けば何者も捉えきれず、七魔将の中でも敵にするには厄介な相手だと恐れられていた。
「オウガよ、貴様の魔鎧術はあとどのくらい持つ?1分か?それとも2分か?どちらにしてもこれ以上は長続きはしないだろう」
「舐めるな下衆が……貴様等如き、この俺の敵ではない!!」
「それは我等を舐め過ぎではないのかオウガよ……言っておくが今の我々は昔よりも更に力を増している。それにお前の魔鎧術も決して無敵ではない」
「何だと……」
「ブラク殿、あれを貸してください」
「……良かろう」
ブラクは自分の足元の陰に手を伸ばすと、彼の影の中から日本刀を想像させる武器が取り出される。それはかつてレナが七魔将と遭遇した際にブラクに奪われた「鏡刀」であり、ガオウは鏡刀を受け取ると笑みを鞘から刃を引き抜く。
鏡のように美しい刀身の刀を見てオウガは訝し気な表情を浮かべるが、そんなオウガに対してガオウは鏡刀を構えると彼に目掛けて突っ込む。真正面から突っ込んできたガオウに対してオウガは何を考えているのかと思ったが、直後に彼は危険を察して防御態勢を取った。
「がああっ!!」
「ぐうっ!?」
――鏡刀は元々は反鏡剣を利用して作り出された武器であり、あらゆる魔法を跳ね返す性質を持つ。そして魔鎧術は魔力を実体化させて肉体に纏う術であり、鏡刀ならば魔力の鎧を切り裂いて肉体に直接的に損傷を与える事ができた。
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