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真・最終章 七魔将編
闘技場の魔物達
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――ガアアアアッ!!
多数のファングとコボルトが闘技場から出現すると、それを見たレナは退魔刀を構えた。彼の隣のハルナは全身に電流を流し、コトミンも水筒の蓋を開けて掌に水を溜める。意識を取り戻したバルは背中に手を伸ばすが、既に自分は大剣を失っていた事を思い出して仕方なく拳を構える。
「くそっ……やるしかないのかい!!」
「ウル、威嚇しろ!!」
「ウォオオオオンッ!!」
ウルはファングとコボルトの大群に対して咆哮を放つと、白狼種であるウルの咆哮を受けて狼達は怯んだように動きを止める。ファングもコボルトも狼型の魔獣種であるため、白狼種の鳴き声を聞いただけで本能的に恐怖を抱く。
しかし、ウルの威嚇を聞いてもファングやコボルトは逃げ出す様子はなく、それどころか目元を怪しく光らせながら襲い掛かってきた。その様子を見てレナはファングとコボルトの群れもアルドラの能力で操られている事を悟る。
『グルルルッ……!!』
「こいつら……操られている」
「それがどうかしたか?操られていようが、倒す事に変わりはないだろ?」
「……その通りだ」
ハルナの言葉を聞いてレナは苦笑いを浮かべ、仮に魔物達が操られていようといまいと街中で魔獣を放置する事はできない。一匹も逃さずに始末するため、レナは退魔刀を抱えて狼の群れに突っ込む。
「回転撃!!」
「ギャインッ!?」
「ガハァッ!?」
「ギャンッ!?」
レナは攻撃範囲が広い剣技を繰り出して次々と魔獣達を薙ぎ払い、他の者もレナに続いて攻撃を開始する。コトミンは掌に溜めた水を利用して近付いてくる魔物達の目元に放ち、ハルナは目にも止まらぬ速度で動いて次々とコボルトを蹴散らす。
「ていっ」
「キャインッ!?」
「おらおらおらぁっ!!」
『ガハァッ!?』
目元に水が当たったファングは悲鳴を上げ、ハルナに殴り飛ばされたコボルトの群れは派手に吹き飛ぶ。その一方で意識を取り戻したバルはウルと共に意識を失ったアンジュとサーシャを庇いながら戦い、最後に残ったティナもそこら辺に落ちている小石を投げつける。
「ガアアッ!!」
「ちっ、アンジュ!!あんたの大剣を借りるよ!!」
「このっ、このっ、近づいたら駄目っ!!」
『ギャインッ!?』
バルはアンジュが所持ている大剣を拝借して近づいてくる魔獣達を追い払い、その隣ではウルが前脚でコボルトを蹴散らし、その更に隣ではティナが凄まじい勢いで小石を投げつける。投げつけられた小石を受けた魔獣達は悲鳴を上げ、巨人族級の怪力を誇るティナが投げ込んだ小石を受けて無事で済むはずがない。
レナは他の者達の様子を確認して自分が守る必要はないと判断すると、魔物の群れの殲滅に集中しようとした。しかし、この時にレナの足元の地面が凍り付く。異変に気付いたレナは咄嗟に後ろに跳ぶと、直後に彼の立っていた場所から「氷の棘」が誕生する。
「うわっ!?」
「な、何だい!?」
「寒っ!?」
「さ、寒いよ~……」
「まさか……!?」
「グルルルッ……!!」
地面が広範囲に凍り付いたのを確認したレナ達はすぐに周囲を見渡すと、レナが立っている場所の正面から数十メートルほど離れた場所に二つの剣を持つ人間が立っていた。その人物を見てレナは冷や汗を流し、こんな形で彼女と相対するとは思っていなかった。
「……シズネ、なのか?」
「レナ……会いたかったわ」
姿を現したのはシズネであり、彼女はアルドラから与えられた吸血鬼の力を利用して既に姿を変貌させていた。シズネは実年齢よりも大人びた姿に変身し、その彼女の変化にレナ達は戸惑う。何よりもシズネは水の聖痕を使いこなして以前よりも雪月花の能力を使いこなしていた。
かつての雪月花は切りつけた箇所を凍り付かせる程度の事しかできなかったが、水の聖痕を手に入れてからはシズネは以前よりも魔力が強化され、少なくともレナが知っている限りでは彼女が雪月花を利用して「氷の棘」を作り出す事ができるなど見た事も聞いた事もない。
「あ、あんた……シズネなのかい!?」
「ど、どうしたのシズネちゃん!?その大きなおっぱい!?」
「ティナ、驚くところはそこじゃない……どうして私達に攻撃をしたの?」
「胸の形に擬態したスライムでも張り付けてるのか?」
シズネの変わりように女性陣は戸惑う中、レナはシズネが凍り付かせた地面と先ほどまで自分が立っていた場所に出来上がった氷の棘を見て黙り込む。仮にレナが反応しなければ氷の棘は彼の身体を貫いていた可能性が高い。
本気で自分を殺すつもりで攻撃を仕掛けてきたシズネにレナは退魔刀を構え、まさかこんな風にシズネと対立する日が訪れるとは思いもしなかった。シズネとレナは訓練で戦った事は何度もあるが、本気で対立して戦った事は実は一度もない。
「シズネ……」
「レナ……貴方は私の物よ」
レナに対してシズネは笑みを浮かべ、遂に再開した最愛の人を自分の物にするために彼女は雪月花と白百合を構える。そんな彼女に対してレナは退魔刀を構えるが、恐らくは現在のシズネはゴウライに並ぶ実力者であり、決して油断できない強敵だった。
多数のファングとコボルトが闘技場から出現すると、それを見たレナは退魔刀を構えた。彼の隣のハルナは全身に電流を流し、コトミンも水筒の蓋を開けて掌に水を溜める。意識を取り戻したバルは背中に手を伸ばすが、既に自分は大剣を失っていた事を思い出して仕方なく拳を構える。
「くそっ……やるしかないのかい!!」
「ウル、威嚇しろ!!」
「ウォオオオオンッ!!」
ウルはファングとコボルトの大群に対して咆哮を放つと、白狼種であるウルの咆哮を受けて狼達は怯んだように動きを止める。ファングもコボルトも狼型の魔獣種であるため、白狼種の鳴き声を聞いただけで本能的に恐怖を抱く。
しかし、ウルの威嚇を聞いてもファングやコボルトは逃げ出す様子はなく、それどころか目元を怪しく光らせながら襲い掛かってきた。その様子を見てレナはファングとコボルトの群れもアルドラの能力で操られている事を悟る。
『グルルルッ……!!』
「こいつら……操られている」
「それがどうかしたか?操られていようが、倒す事に変わりはないだろ?」
「……その通りだ」
ハルナの言葉を聞いてレナは苦笑いを浮かべ、仮に魔物達が操られていようといまいと街中で魔獣を放置する事はできない。一匹も逃さずに始末するため、レナは退魔刀を抱えて狼の群れに突っ込む。
「回転撃!!」
「ギャインッ!?」
「ガハァッ!?」
「ギャンッ!?」
レナは攻撃範囲が広い剣技を繰り出して次々と魔獣達を薙ぎ払い、他の者もレナに続いて攻撃を開始する。コトミンは掌に溜めた水を利用して近付いてくる魔物達の目元に放ち、ハルナは目にも止まらぬ速度で動いて次々とコボルトを蹴散らす。
「ていっ」
「キャインッ!?」
「おらおらおらぁっ!!」
『ガハァッ!?』
目元に水が当たったファングは悲鳴を上げ、ハルナに殴り飛ばされたコボルトの群れは派手に吹き飛ぶ。その一方で意識を取り戻したバルはウルと共に意識を失ったアンジュとサーシャを庇いながら戦い、最後に残ったティナもそこら辺に落ちている小石を投げつける。
「ガアアッ!!」
「ちっ、アンジュ!!あんたの大剣を借りるよ!!」
「このっ、このっ、近づいたら駄目っ!!」
『ギャインッ!?』
バルはアンジュが所持ている大剣を拝借して近づいてくる魔獣達を追い払い、その隣ではウルが前脚でコボルトを蹴散らし、その更に隣ではティナが凄まじい勢いで小石を投げつける。投げつけられた小石を受けた魔獣達は悲鳴を上げ、巨人族級の怪力を誇るティナが投げ込んだ小石を受けて無事で済むはずがない。
レナは他の者達の様子を確認して自分が守る必要はないと判断すると、魔物の群れの殲滅に集中しようとした。しかし、この時にレナの足元の地面が凍り付く。異変に気付いたレナは咄嗟に後ろに跳ぶと、直後に彼の立っていた場所から「氷の棘」が誕生する。
「うわっ!?」
「な、何だい!?」
「寒っ!?」
「さ、寒いよ~……」
「まさか……!?」
「グルルルッ……!!」
地面が広範囲に凍り付いたのを確認したレナ達はすぐに周囲を見渡すと、レナが立っている場所の正面から数十メートルほど離れた場所に二つの剣を持つ人間が立っていた。その人物を見てレナは冷や汗を流し、こんな形で彼女と相対するとは思っていなかった。
「……シズネ、なのか?」
「レナ……会いたかったわ」
姿を現したのはシズネであり、彼女はアルドラから与えられた吸血鬼の力を利用して既に姿を変貌させていた。シズネは実年齢よりも大人びた姿に変身し、その彼女の変化にレナ達は戸惑う。何よりもシズネは水の聖痕を使いこなして以前よりも雪月花の能力を使いこなしていた。
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「あ、あんた……シズネなのかい!?」
「ど、どうしたのシズネちゃん!?その大きなおっぱい!?」
「ティナ、驚くところはそこじゃない……どうして私達に攻撃をしたの?」
「胸の形に擬態したスライムでも張り付けてるのか?」
シズネの変わりように女性陣は戸惑う中、レナはシズネが凍り付かせた地面と先ほどまで自分が立っていた場所に出来上がった氷の棘を見て黙り込む。仮にレナが反応しなければ氷の棘は彼の身体を貫いていた可能性が高い。
本気で自分を殺すつもりで攻撃を仕掛けてきたシズネにレナは退魔刀を構え、まさかこんな風にシズネと対立する日が訪れるとは思いもしなかった。シズネとレナは訓練で戦った事は何度もあるが、本気で対立して戦った事は実は一度もない。
「シズネ……」
「レナ……貴方は私の物よ」
レナに対してシズネは笑みを浮かべ、遂に再開した最愛の人を自分の物にするために彼女は雪月花と白百合を構える。そんな彼女に対してレナは退魔刀を構えるが、恐らくは現在のシズネはゴウライに並ぶ実力者であり、決して油断できない強敵だった。
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