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真・最終章 七魔将編
オウガ襲来
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「ここから先は一歩も通さん……退け!!」
「くっ……」
「このっ……」
「なんて奴なの……」
ゴンゾウの気迫を受けた女性冒険者達は迂闊に近づく事ができず、洗脳されていようとアルドラに操られている者達は意思があり、ゴンゾウの鬼気迫る気迫に恐怖を抱く。しかし、アルドラの命令には逆らえず、女性冒険者達は退く事はできない。
「魔法で攻撃しなさい!!いくら巨人族でも砲撃魔法を浴びせれば倒せるわ!!」
「む、無理よ!!下手に魔法を使えば建物の敷地内に配置されている結界石に跳ね返される可能性があるわ!!ギルド全体が魔法対策が施されているのよ!!」
「なら、全員でかかれば……」
「馬鹿言わないでよ、ミナがやられたのよ!?私達だけじゃどうしようもできないわ!!」
冒険者の中には砲撃魔法が扱える魔術師が存在したが、ゴンゾウにとって幸運だったのは彼が守護するギルドの建物には魔法防止用の結界石も配置されており、下手に砲撃魔法で攻撃すれば結界石が発動して魔法を防ぐ可能性もあった。
氷雨のギルドは元々はマリアが設計した建物であり、彼女は王妃がまだ存命の頃に王妃の刺客の対抗策として建物に攻撃魔法対策の罠を仕掛けていた。建物を取り囲む柵には彼女が手を施した特別な結界石が設置され、迂闊に魔法攻撃はできない。
ギルドに入るにはゴンゾウをどうにかするしかないが、魔法に頼れないのであれば自力で彼を何とかするしかない。しかし、氷雨に所属するギルドの中でゴンゾウに敵う存在など数えるほどしかおらず、頼りになる剣聖はハヤテを除いて全員が正気を取り戻している。
「さあ、どうした!!かかってこないのなら立ち去れ!!俺はここから動かないぞ!!」
「うっ……」
「ど、どうすればいいの……」
「このままだとあの御方が……」
ゴンゾウの気迫に氷雨の冒険者達は近寄れず、そんな彼女達を見てゴンゾウはレナ達がアルドラを倒すまで時間稼ぎに集中しようとした時、不意に異様な気配を彼は感じとる。この気配は先ほどから何度か感じているが、今度は徐々に気配が高まっていき、こちらに近付いている事に気付く。
(何だ、この気配は……!?)
ゴンゾウは謎の圧迫感を感じ取り、自分の師であるギガンをも上回る強い気配を感じ取った彼は顔色を変える。そして他の女性冒険者もゴンゾウと同様に異様な気配を感じ取り、彼女達は無意識に身体を震わせる。
「な、何よこれ……!?」
「どうなってるの……!?」
「い、いや……身体が……!!」
全員がまるで大型の肉食獣と相対した小動物のような気分を味わい、やがて上空から大きな影が差す。最初に気付いたのはゴンゾウで彼は上空から何者かが落下している事を視認し、咄嗟に後方へ跳躍して距離を取る。
ゴンゾウの判断は正しく、直後に地面に衝撃が走ると土煙が舞い上がる。落ちてきたのはゴンゾウをも上回る体躯の大男であり、その顔を見た途端に女性冒険者は顔色を青ざめた。
「オ、オウガ……様」
「どうして、ここに……」
「な、中に居たんじゃ……」
「オウガ、だと!?」
ゴンゾウは女性冒険者達の言葉を聞いて降りてきた大男の正体が「鬼人将オウガ」だと知る。七魔将の情報は既にレナ達から共有済みであり、この都市にアルドラ以外にもう一人の七魔将が存在する事は知っていた。
「ふんっ、少しばかり強い気配を感じて戻ってみれば……どうやらお前ではないな」
「な、何だと!?」
「そこを退け、お前に用はない」
オウガの言葉を聞いてゴンゾウは戸惑い、どうやらオウガがここへ現れたのは強い気配を感じたらしいが、その気配の正体はゴンゾウではない事に気付くとオウガはゴンゾウを素通りしてギルド内に戻ろうとした。
しかし、オウガの正体に気付いたゴンゾウは彼を通すわけには行かず、ここで食止めるために立ちはだかる。オウガは自分の前に立ち尽くすゴンゾウに視線を向け、鋭い眼光で睨みつける。
「何の真似だ……俺は退けと言ったはずだ」
「ここから先は……誰であろうと通さん!!」
「愚かな……少しばかり力はあるようだが、その程度で俺に戦いを挑むつもりか」
ゴンゾウに大してオウガは無造作に近づき、そのオウガに対してゴンゾウは咄嗟に右腕を振りかざす。反射的にゴンゾウはオウガに殴り掛かろうとしたが、その攻撃に対してオウガはゴンゾウが繰り出した拳をまともに受けた。
「金剛撃!!」
「きゃあっ!?」
「嘘っ!?」
「し、死んだんじゃないの!?」
オウガの顔面に向けてゴンゾウの繰り出した拳が叩き込まれ、先ほどは地面に亀裂を生じさせた威力の打撃をオウガは顔面に激突する。打たれ強い巨人族でも今のゴンゾウの実力ならば大人でも耐え切れずに倒れただろうが、ゴンゾウはこの時に違和感を抱く。
(何だ、これは……!?)
ゴンゾウの拳はオウガの顔面に的中したかのように見えたが、実際はオウガの顔面に纏う赤色の靄のような物に阻まれ、その正体が地属性の魔力で構成された魔鎧術である事にゴンゾウは気付けないのも無理はなかった。
「くっ……」
「このっ……」
「なんて奴なの……」
ゴンゾウの気迫を受けた女性冒険者達は迂闊に近づく事ができず、洗脳されていようとアルドラに操られている者達は意思があり、ゴンゾウの鬼気迫る気迫に恐怖を抱く。しかし、アルドラの命令には逆らえず、女性冒険者達は退く事はできない。
「魔法で攻撃しなさい!!いくら巨人族でも砲撃魔法を浴びせれば倒せるわ!!」
「む、無理よ!!下手に魔法を使えば建物の敷地内に配置されている結界石に跳ね返される可能性があるわ!!ギルド全体が魔法対策が施されているのよ!!」
「なら、全員でかかれば……」
「馬鹿言わないでよ、ミナがやられたのよ!?私達だけじゃどうしようもできないわ!!」
冒険者の中には砲撃魔法が扱える魔術師が存在したが、ゴンゾウにとって幸運だったのは彼が守護するギルドの建物には魔法防止用の結界石も配置されており、下手に砲撃魔法で攻撃すれば結界石が発動して魔法を防ぐ可能性もあった。
氷雨のギルドは元々はマリアが設計した建物であり、彼女は王妃がまだ存命の頃に王妃の刺客の対抗策として建物に攻撃魔法対策の罠を仕掛けていた。建物を取り囲む柵には彼女が手を施した特別な結界石が設置され、迂闊に魔法攻撃はできない。
ギルドに入るにはゴンゾウをどうにかするしかないが、魔法に頼れないのであれば自力で彼を何とかするしかない。しかし、氷雨に所属するギルドの中でゴンゾウに敵う存在など数えるほどしかおらず、頼りになる剣聖はハヤテを除いて全員が正気を取り戻している。
「さあ、どうした!!かかってこないのなら立ち去れ!!俺はここから動かないぞ!!」
「うっ……」
「ど、どうすればいいの……」
「このままだとあの御方が……」
ゴンゾウの気迫に氷雨の冒険者達は近寄れず、そんな彼女達を見てゴンゾウはレナ達がアルドラを倒すまで時間稼ぎに集中しようとした時、不意に異様な気配を彼は感じとる。この気配は先ほどから何度か感じているが、今度は徐々に気配が高まっていき、こちらに近付いている事に気付く。
(何だ、この気配は……!?)
ゴンゾウは謎の圧迫感を感じ取り、自分の師であるギガンをも上回る強い気配を感じ取った彼は顔色を変える。そして他の女性冒険者もゴンゾウと同様に異様な気配を感じ取り、彼女達は無意識に身体を震わせる。
「な、何よこれ……!?」
「どうなってるの……!?」
「い、いや……身体が……!!」
全員がまるで大型の肉食獣と相対した小動物のような気分を味わい、やがて上空から大きな影が差す。最初に気付いたのはゴンゾウで彼は上空から何者かが落下している事を視認し、咄嗟に後方へ跳躍して距離を取る。
ゴンゾウの判断は正しく、直後に地面に衝撃が走ると土煙が舞い上がる。落ちてきたのはゴンゾウをも上回る体躯の大男であり、その顔を見た途端に女性冒険者は顔色を青ざめた。
「オ、オウガ……様」
「どうして、ここに……」
「な、中に居たんじゃ……」
「オウガ、だと!?」
ゴンゾウは女性冒険者達の言葉を聞いて降りてきた大男の正体が「鬼人将オウガ」だと知る。七魔将の情報は既にレナ達から共有済みであり、この都市にアルドラ以外にもう一人の七魔将が存在する事は知っていた。
「ふんっ、少しばかり強い気配を感じて戻ってみれば……どうやらお前ではないな」
「な、何だと!?」
「そこを退け、お前に用はない」
オウガの言葉を聞いてゴンゾウは戸惑い、どうやらオウガがここへ現れたのは強い気配を感じたらしいが、その気配の正体はゴンゾウではない事に気付くとオウガはゴンゾウを素通りしてギルド内に戻ろうとした。
しかし、オウガの正体に気付いたゴンゾウは彼を通すわけには行かず、ここで食止めるために立ちはだかる。オウガは自分の前に立ち尽くすゴンゾウに視線を向け、鋭い眼光で睨みつける。
「何の真似だ……俺は退けと言ったはずだ」
「ここから先は……誰であろうと通さん!!」
「愚かな……少しばかり力はあるようだが、その程度で俺に戦いを挑むつもりか」
ゴンゾウに大してオウガは無造作に近づき、そのオウガに対してゴンゾウは咄嗟に右腕を振りかざす。反射的にゴンゾウはオウガに殴り掛かろうとしたが、その攻撃に対してオウガはゴンゾウが繰り出した拳をまともに受けた。
「金剛撃!!」
「きゃあっ!?」
「嘘っ!?」
「し、死んだんじゃないの!?」
オウガの顔面に向けてゴンゾウの繰り出した拳が叩き込まれ、先ほどは地面に亀裂を生じさせた威力の打撃をオウガは顔面に激突する。打たれ強い巨人族でも今のゴンゾウの実力ならば大人でも耐え切れずに倒れただろうが、ゴンゾウはこの時に違和感を抱く。
(何だ、これは……!?)
ゴンゾウの拳はオウガの顔面に的中したかのように見えたが、実際はオウガの顔面に纏う赤色の靄のような物に阻まれ、その正体が地属性の魔力で構成された魔鎧術である事にゴンゾウは気付けないのも無理はなかった。
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