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真・最終章 七魔将編
剣鬼の奥義と時の聖痕
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「火炎弾!!」
「なっ!?」
「魔法……!?」
レナが合成魔術を発動させた事にアルドラは驚き、ミレトの方も動揺を隠せない。これまでの戦闘ではレナは殆ど魔法剣しか扱わなかったが、彼は初級魔法と支援魔法を組み合わせた合成魔術も使う事ができる。
攻撃系の合成魔術は滅多に扱わないが、今のレナの実力ならば高階級の魔術師の砲撃魔法にも匹敵する威力を引き出せる。いくら吸血鬼であるアルドラであろうと無事では済まないが、このような室内で魔法を放てば無事では済まない。
(仲間を道連れにするつもり!?)
室内で魔法を発動させれば部屋の中にいる人間は無事では済まず、魔法を発動したレナ本人は彼自身の魔法で身体が傷つく事はない。だが、アルドラだけならばともかく、部屋の中にはミレトも存在する。
アルドラは迫りくる火炎弾に対して驚愕し、剣鬼の力を発動させて攻撃を受けるしかなかった。それに対してレナはミレトの傍に移動すると、爆発に備えて彼の身体を抱きしめた状態で伏せる。
「ミレト!!」
「うわっ!?」
「くぅっ!?」
火属性の魔力の塊がアルドラに目掛けて放たれ、この攻撃は仮に剣で切り裂いたとして無意味であり、刃が触れた瞬間に爆炎とかして部屋の中に広がる。そうなればアルドラは無事では済まず、彼女は咄嗟に夜叉の能力を利用した。
「包み込め!!」
「なっ!?」
「魔法を……受け止めた!?」
夜叉から闇属性の魔力が放出され、火炎弾を闇属性の魔力が包み込み、爆発を抑え込む。即座にアルドラは窓の外に目掛けて夜叉を振り払うと、窓に飛び出して外側で爆発を引き起こす。
「くっ!?」
「そんな……」
「はあっ、はあっ……このっ!!」
「ぷるるんっ!?」
どうにか夜叉を利用してレナの攻撃を阻止する事に成功したアルドラであったが、彼女は夜叉を構えると今度こそ本気になったのか剣鬼の最大の一撃である「鬼刃」を放つ準備を行う。鬼刃は剣鬼が扱う最高の剣技であり、かつてはレナも奥の手として利用していた。
アルドラの雰囲気が変化した事に気付き、レナも退魔刀を構えるとアルドラは目つきを赤色に光り輝かせながら剣を振り下す。その攻撃はミレトの目でさえも捉えきれず、ミレトを庇っているレナの元に迫る。
「死ねぇえええっ!!」
「くっ……!?」
「危ない!!」
しかし、アルドラの攻撃がレナに放たれる瞬間、ミレトの右腕の部分に「時計」を想像させる紋様が浮き上がり、彼は信じられない速度でロンギヌスを突き出す。ミレトの動きはレナや剣鬼状態のアルドラさえも上回り、彼は真正面から突っ込んできたアルドラの身体に槍を放つ。
「刺突!!」
「ぐはぁああああっ!?」
「ミレト!?」
「ぷるんっ!?」
父親譲りの槍技でミレトは突っ込んできたアルドラの腹部にロンギヌスを貫き、アルドラは腹部を貫かれた際に夜叉を落とす。その結果、床に落ちた夜叉から闇属性の魔力が消え去り、ミレトは興奮した様子でロンギヌスを握りしめる。
――アルドラの致命的な失敗は安易に剣鬼の奥義と言っても過言ではない「鬼刃」を使用した事だった。鬼刃は確かに凄まじい威力の攻撃を繰り出し、剣聖級の実力を持つ剣士でも防御も回避も難しい。しかし、かつてレナはシズネと戦った際に鬼刃を破られた事がある。
剣聖であるシズネ曰く、確かに鬼刃は凄い剣技だが決して無敵ではなく、正面から勢いよく突っ込んで剣を振り下す動作を行う。その動作を事前に見切り、反撃の態勢を整えて置けば簡単に対処できるという。実際にレナはシズネとの初戦闘では鬼刃を破られ、彼女に敗北していた。
ミレトはアルドラが攻撃を繰り出した瞬間、正面から突っ込む彼女に対して自分は時の聖痕を発動させて加速し、その状態から反撃を繰り出した。いくら剣鬼でも鬼刃の発動中はアルドラも防御も回避も行えず、攻撃に全神経を集中させていたので対処できなかった。
「そ、そんな……嘘よ、こんな子供に私が……!?」
「はあっ、はあっ……」
「アルドラ……」
「ぷるるんっ……」
アルドラは貫かれた自分の腹部を見て呆然とした表情を浮かべ、レナはそんな彼女を見てミレトに視線を向けた。このまま彼女をミレトが殺せばミレトは「剣鬼」に目覚める可能性もあり、それは避けなければならない。
剣鬼同士が顔を合わせるとお互いの本能が刺激され、殺し合いに陥る可能性がある。そしてミレトが剣鬼になればいずれ剣鬼のレナと戦う日が訪れるかもしれない。それを避けるためにレナは槍で突き刺されたアルドラに視線を向け、退魔刀を構えて告げた。
「言い残す事はあるか?」
「ふざけないで、まだ私は……!!」
「そうか」
ロンギヌスに突き刺されても諦めないアルドラに大してレナは退魔刀を構え、彼女の首を切り落とそうとした。ミレトに剣鬼の重荷を背負わせるぐらいならば自分がここで彼女を殺して楽にさせようとした瞬間、突如としてロンギヌスに異変が起きた。
「なっ!?」
「魔法……!?」
レナが合成魔術を発動させた事にアルドラは驚き、ミレトの方も動揺を隠せない。これまでの戦闘ではレナは殆ど魔法剣しか扱わなかったが、彼は初級魔法と支援魔法を組み合わせた合成魔術も使う事ができる。
攻撃系の合成魔術は滅多に扱わないが、今のレナの実力ならば高階級の魔術師の砲撃魔法にも匹敵する威力を引き出せる。いくら吸血鬼であるアルドラであろうと無事では済まないが、このような室内で魔法を放てば無事では済まない。
(仲間を道連れにするつもり!?)
室内で魔法を発動させれば部屋の中にいる人間は無事では済まず、魔法を発動したレナ本人は彼自身の魔法で身体が傷つく事はない。だが、アルドラだけならばともかく、部屋の中にはミレトも存在する。
アルドラは迫りくる火炎弾に対して驚愕し、剣鬼の力を発動させて攻撃を受けるしかなかった。それに対してレナはミレトの傍に移動すると、爆発に備えて彼の身体を抱きしめた状態で伏せる。
「ミレト!!」
「うわっ!?」
「くぅっ!?」
火属性の魔力の塊がアルドラに目掛けて放たれ、この攻撃は仮に剣で切り裂いたとして無意味であり、刃が触れた瞬間に爆炎とかして部屋の中に広がる。そうなればアルドラは無事では済まず、彼女は咄嗟に夜叉の能力を利用した。
「包み込め!!」
「なっ!?」
「魔法を……受け止めた!?」
夜叉から闇属性の魔力が放出され、火炎弾を闇属性の魔力が包み込み、爆発を抑え込む。即座にアルドラは窓の外に目掛けて夜叉を振り払うと、窓に飛び出して外側で爆発を引き起こす。
「くっ!?」
「そんな……」
「はあっ、はあっ……このっ!!」
「ぷるるんっ!?」
どうにか夜叉を利用してレナの攻撃を阻止する事に成功したアルドラであったが、彼女は夜叉を構えると今度こそ本気になったのか剣鬼の最大の一撃である「鬼刃」を放つ準備を行う。鬼刃は剣鬼が扱う最高の剣技であり、かつてはレナも奥の手として利用していた。
アルドラの雰囲気が変化した事に気付き、レナも退魔刀を構えるとアルドラは目つきを赤色に光り輝かせながら剣を振り下す。その攻撃はミレトの目でさえも捉えきれず、ミレトを庇っているレナの元に迫る。
「死ねぇえええっ!!」
「くっ……!?」
「危ない!!」
しかし、アルドラの攻撃がレナに放たれる瞬間、ミレトの右腕の部分に「時計」を想像させる紋様が浮き上がり、彼は信じられない速度でロンギヌスを突き出す。ミレトの動きはレナや剣鬼状態のアルドラさえも上回り、彼は真正面から突っ込んできたアルドラの身体に槍を放つ。
「刺突!!」
「ぐはぁああああっ!?」
「ミレト!?」
「ぷるんっ!?」
父親譲りの槍技でミレトは突っ込んできたアルドラの腹部にロンギヌスを貫き、アルドラは腹部を貫かれた際に夜叉を落とす。その結果、床に落ちた夜叉から闇属性の魔力が消え去り、ミレトは興奮した様子でロンギヌスを握りしめる。
――アルドラの致命的な失敗は安易に剣鬼の奥義と言っても過言ではない「鬼刃」を使用した事だった。鬼刃は確かに凄まじい威力の攻撃を繰り出し、剣聖級の実力を持つ剣士でも防御も回避も難しい。しかし、かつてレナはシズネと戦った際に鬼刃を破られた事がある。
剣聖であるシズネ曰く、確かに鬼刃は凄い剣技だが決して無敵ではなく、正面から勢いよく突っ込んで剣を振り下す動作を行う。その動作を事前に見切り、反撃の態勢を整えて置けば簡単に対処できるという。実際にレナはシズネとの初戦闘では鬼刃を破られ、彼女に敗北していた。
ミレトはアルドラが攻撃を繰り出した瞬間、正面から突っ込む彼女に対して自分は時の聖痕を発動させて加速し、その状態から反撃を繰り出した。いくら剣鬼でも鬼刃の発動中はアルドラも防御も回避も行えず、攻撃に全神経を集中させていたので対処できなかった。
「そ、そんな……嘘よ、こんな子供に私が……!?」
「はあっ、はあっ……」
「アルドラ……」
「ぷるるんっ……」
アルドラは貫かれた自分の腹部を見て呆然とした表情を浮かべ、レナはそんな彼女を見てミレトに視線を向けた。このまま彼女をミレトが殺せばミレトは「剣鬼」に目覚める可能性もあり、それは避けなければならない。
剣鬼同士が顔を合わせるとお互いの本能が刺激され、殺し合いに陥る可能性がある。そしてミレトが剣鬼になればいずれ剣鬼のレナと戦う日が訪れるかもしれない。それを避けるためにレナは槍で突き刺されたアルドラに視線を向け、退魔刀を構えて告げた。
「言い残す事はあるか?」
「ふざけないで、まだ私は……!!」
「そうか」
ロンギヌスに突き刺されても諦めないアルドラに大してレナは退魔刀を構え、彼女の首を切り落とそうとした。ミレトに剣鬼の重荷を背負わせるぐらいならば自分がここで彼女を殺して楽にさせようとした瞬間、突如としてロンギヌスに異変が起きた。
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