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真・最終章 七魔将編
拠点の移動
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――冒険者達を捕まえた後、彼等から情報を引き出した結果、既に敵側には深淵の森にバルたちが避難しているとう情報は筒抜けだった。だからこそカノンが単身で潜り込んだのだが、結果から言えば古代遺跡の情報はまだ知られてはいない様子だった。
理由としてはレナと合流後、彼の空間魔法によって古代遺跡に全員が避難させられた事もあり、深淵の森の奥地にそんざいする古代遺跡から外へ抜け出す方法がなかった。古代遺跡の周囲は魔物の巣窟であるため、いくら腕に覚えのある冒険者達でも正確な現在地を分からない状態では深淵の森を出歩く事は出来ない。
そこで冒険者達は拘束されたカノンを救い出し、人質を取る事でここから脱出の図った。だが、その計画は失敗に終わり、しかも最悪な事に裏切りは最初から見破られていた。これではもう彼等に打つ手はなく、降参する以外に選択肢などなかった。
「さて……これからどうするんだい?幸い、この場所の事はまだ敵に知られていないようだけど、問題なのはこれからだよ」
「敵の勢力はゴウライにシズネにハヤテ……他にもミナを筆頭に腕利きの冒険者が数十名、女性の兵士も合わせたらかなりの数になるね。しかも脅されて協力されている男の人もいるとなればかなりまずい」
「たくっ……冒険者ってのは敵に回るとこんなにも厄介なんだね」
バルは深いため息を吐き出し、まさか味方であるはずの冒険者が敵に回すとこれだけ面倒な相手になるとは思いもしなかった。しかし、ここでハルナが名案を思いついたとばかりに腕を上げる。
「はいはい!!それならレナを冒険都市に送り込んでさ、空間魔法で邪魔になりそうな奴等を片っ端から攫って来ればいいんじゃないのか?一人ずつ敵をここへ連れ出して皆でボコれば相手の数も減るだろう」
「そ、その作戦は流石にどうかと……」
「けど、悪くないんじゃないかい?確実に敵の戦力を減らしていけるね」
「いや……都市に潜り込んでも風の精霊を扱えるハヤテにはすぐに気づかれる。逆にこっちが罠に嵌められるかもしれない」
レナは都市にいる間は慎重に行動していたが、風の精霊を通してハヤテはレナの居場所を掴んだ事を考えるとハルナの作戦は上手くいくとは思えない。下手をしたら都市内部に侵入してきたレナが逆に捕まる可能性もある。
ハヤテという存在がいなければハルナの作戦は最も効果的に思われたが、他にも問題点はある。空間魔法は闇属性の魔法のため、ダインの影魔法のように強い光や聖属性の魔法を浴びると消されてしまう。そして空間魔法を把握しているシズネはその点を考慮して既に他の人間に注意している可能性も十分にあった。
『一応は言っておきますけど、ハルナの提案は実行しない方がいいですよ。シズネが有力な冒険者には常に光石を所持するように先ほど通達しました』
『そうかい……くそ、敵に回ると本当に厄介だな』
ミレトが離れた事でアイリスも調子を取り戻したらしく、彼女の方から声を掛けてきた。どうやらミレトが側にいなければいつも通りにアイリスとは交信できる事が証明された。それと同時にハルナの作戦も否定され、レナは思い悩む。
今現在のレナ達の戦力はハルナ、リンダ、ゴンゾウ、バル、シノビ、ハンゾウ、他に回復薬としてはティナとコトミン、魔獣の中ではウルとミノぐらいしか頼りにならない。一応は他の冒険者もいるが、彼等の殆どは敵と繋がっており、ミナの相方であるガロとモリモぐらいしか裏切っていない。
レミアやエリナがここにいれば良かったが、二人とも大切な任務があるので離れている。それならばいっその事、冒険都市は一旦放置して王都へ戻って援軍を要請するか考える。
『アイリス、王都の方はどうなってる?』
『レミアと他の軍隊が王都に侵入した竜人将ガイアの対処で忙しそうですね』
『なら、王都へ行って俺達で竜人将を仕留める?』
『そうですね、それも有りだと思います。アルドラは冒険都市から離れる様子はありませんし、今は防御に徹しています』
レナの提案にアイリスも反対せず、アルドラには拘らずに王都へ先に帰還してナオ達と合流し、竜人将ガイアを倒すべきかとレナは悩む。ガイアの実力はどの程度かは分からないが、少なくとも人を操る能力を持つアルドラと、そのアルドラの傍に控える七魔将の中でも強者の部類に入るオウガ、何よりもゴウライやシズネといった猛者と戦うよりは勝算は高い。
「皆、王都に戻るのはどうかな?冒険都市は心配だけど、王都にはレミアが戻っているはずだし……一旦、合流するのも有りだと思う」
「そうですね、一理あると思います」
「王都には姫様もいるからね。といっても……王都までかなり距離があるよ。またあんただけで行く気かい?」
「そこはまあ、仕方ないよ。ウル、頼りにしてるからな」
「ウォンッ!!」
急遽レナ達は冒険都市の奪還を先延ばしにして王都へ帰還し、まずはレミアと合流して王都の戦力に加わり、竜人将ガイアの対処を行う事が決まりかけた時、古代遺跡の外から大きな音が鳴り響く。
理由としてはレナと合流後、彼の空間魔法によって古代遺跡に全員が避難させられた事もあり、深淵の森の奥地にそんざいする古代遺跡から外へ抜け出す方法がなかった。古代遺跡の周囲は魔物の巣窟であるため、いくら腕に覚えのある冒険者達でも正確な現在地を分からない状態では深淵の森を出歩く事は出来ない。
そこで冒険者達は拘束されたカノンを救い出し、人質を取る事でここから脱出の図った。だが、その計画は失敗に終わり、しかも最悪な事に裏切りは最初から見破られていた。これではもう彼等に打つ手はなく、降参する以外に選択肢などなかった。
「さて……これからどうするんだい?幸い、この場所の事はまだ敵に知られていないようだけど、問題なのはこれからだよ」
「敵の勢力はゴウライにシズネにハヤテ……他にもミナを筆頭に腕利きの冒険者が数十名、女性の兵士も合わせたらかなりの数になるね。しかも脅されて協力されている男の人もいるとなればかなりまずい」
「たくっ……冒険者ってのは敵に回るとこんなにも厄介なんだね」
バルは深いため息を吐き出し、まさか味方であるはずの冒険者が敵に回すとこれだけ面倒な相手になるとは思いもしなかった。しかし、ここでハルナが名案を思いついたとばかりに腕を上げる。
「はいはい!!それならレナを冒険都市に送り込んでさ、空間魔法で邪魔になりそうな奴等を片っ端から攫って来ればいいんじゃないのか?一人ずつ敵をここへ連れ出して皆でボコれば相手の数も減るだろう」
「そ、その作戦は流石にどうかと……」
「けど、悪くないんじゃないかい?確実に敵の戦力を減らしていけるね」
「いや……都市に潜り込んでも風の精霊を扱えるハヤテにはすぐに気づかれる。逆にこっちが罠に嵌められるかもしれない」
レナは都市にいる間は慎重に行動していたが、風の精霊を通してハヤテはレナの居場所を掴んだ事を考えるとハルナの作戦は上手くいくとは思えない。下手をしたら都市内部に侵入してきたレナが逆に捕まる可能性もある。
ハヤテという存在がいなければハルナの作戦は最も効果的に思われたが、他にも問題点はある。空間魔法は闇属性の魔法のため、ダインの影魔法のように強い光や聖属性の魔法を浴びると消されてしまう。そして空間魔法を把握しているシズネはその点を考慮して既に他の人間に注意している可能性も十分にあった。
『一応は言っておきますけど、ハルナの提案は実行しない方がいいですよ。シズネが有力な冒険者には常に光石を所持するように先ほど通達しました』
『そうかい……くそ、敵に回ると本当に厄介だな』
ミレトが離れた事でアイリスも調子を取り戻したらしく、彼女の方から声を掛けてきた。どうやらミレトが側にいなければいつも通りにアイリスとは交信できる事が証明された。それと同時にハルナの作戦も否定され、レナは思い悩む。
今現在のレナ達の戦力はハルナ、リンダ、ゴンゾウ、バル、シノビ、ハンゾウ、他に回復薬としてはティナとコトミン、魔獣の中ではウルとミノぐらいしか頼りにならない。一応は他の冒険者もいるが、彼等の殆どは敵と繋がっており、ミナの相方であるガロとモリモぐらいしか裏切っていない。
レミアやエリナがここにいれば良かったが、二人とも大切な任務があるので離れている。それならばいっその事、冒険都市は一旦放置して王都へ戻って援軍を要請するか考える。
『アイリス、王都の方はどうなってる?』
『レミアと他の軍隊が王都に侵入した竜人将ガイアの対処で忙しそうですね』
『なら、王都へ行って俺達で竜人将を仕留める?』
『そうですね、それも有りだと思います。アルドラは冒険都市から離れる様子はありませんし、今は防御に徹しています』
レナの提案にアイリスも反対せず、アルドラには拘らずに王都へ先に帰還してナオ達と合流し、竜人将ガイアを倒すべきかとレナは悩む。ガイアの実力はどの程度かは分からないが、少なくとも人を操る能力を持つアルドラと、そのアルドラの傍に控える七魔将の中でも強者の部類に入るオウガ、何よりもゴウライやシズネといった猛者と戦うよりは勝算は高い。
「皆、王都に戻るのはどうかな?冒険都市は心配だけど、王都にはレミアが戻っているはずだし……一旦、合流するのも有りだと思う」
「そうですね、一理あると思います」
「王都には姫様もいるからね。といっても……王都までかなり距離があるよ。またあんただけで行く気かい?」
「そこはまあ、仕方ないよ。ウル、頼りにしてるからな」
「ウォンッ!!」
急遽レナ達は冒険都市の奪還を先延ばしにして王都へ帰還し、まずはレミアと合流して王都の戦力に加わり、竜人将ガイアの対処を行う事が決まりかけた時、古代遺跡の外から大きな音が鳴り響く。
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