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真・最終章 七魔将編
カノンの脱走
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「とりあえず、皆はここで隠れていてよ。俺はもう一度都市に戻ってから隠れられる場所を探してくる」
「大丈夫なのかい?」
「大丈夫とはいえないけど……俺の意識があるうちに皆を都市に移動させる場所を探さないとまずい事になる」
「レナ、無理はするなよ……」
「うん、平気だよ」
心配するゴンゾウに対してレナは笑顔を浮かべるが、実際の所は常に空間魔法を常に維持するのは精神的な消耗が厳しかった。今の所は精霊薬のお陰で定期的に体力や魔力を回復しているので余裕はあるが、出来る限りに都市内部に戦える人間だけでも安全に潜伏できる場所を探し出しておきたい。
黒虎、牙竜、氷雨のギルドは当然だが操られた女性冒険者が管理しており、避難する事は出来ない。他に隠れ場所に利用できそうな場所はレナは特に思い当たらず、困っているとシノビが話しかけてきた。
「隠れ家ならいい場所があるぞ……少々、賭けになるがな」
「えっ……何処?」
「冒険都市から離れる事にはなるが、新闘技場だ」
「あ、そっか……そういえば闘技場は二つあるんだっけ」
冒険都市には二つの闘技場が存在し、旧闘技場は最初に冒険都市の貴族が作り上げたが、後にマリアが管理する事になった。そして冒険都市内とは別に都市から離れた場所には新しい闘技場が創設された。
こちらの闘技場ならば都市から離れているとはいえ、地下の控室などを利用すれば大人数でも住む事が出来る。当面の隠れ場所としては一番都合は良いが、問題は新闘技場の方に敵が見張りを残しているかどうかだった。
「新闘技場の方は見張りはいないのかな?」
「分からん、俺達も新闘技場の方は確認していない。だが、奴等は城壁を封鎖して冒険都市を要塞に作り替えようとしている。恐らくはアルドラとやらの指示だろう」
「となると……新闘技場の方は放置されている可能性もあるのか」
「あくまでも可能性だがな……」
シノビの方も絶対に新闘技場が安全だとは言えず、実際に移動しないと分からないらしい。しかし、無策に冒険都市を動き回るよりは新闘技場の方に戦える人間を集め、冒険都市の勢力と争う準備だけは整えておく。
「あいつらにはきついお仕置きをしてやらないとね……!!」
「前は油断したが、今度は負けないぞ」
「拙者も全力を尽くすでござる!!」
「……だが、戦力差は明らかだ。俺達だけでは到底太刀打ちできんぞ」
「だよね……」
現在のレナ達の勢力は冒険都市の勢力と比べると数も少なく、ハルナ、バル、ゴンゾウ、ミレト、ハンゾウ、シノビ、レナの6人、そしてガロを筆頭に氷雨の高階級の冒険者が数名、後は戦力としては期待が薄い使用人ばかりである。
レミアがエリナが抜けた事は痛く、ティナやコトミン達も一緒に戦ってくれるのならば心強いが、彼女達の場合は逆に捕まって人質にされる可能性もある。リンダが護衛役として行動してくれると言っても、相手は聖痕所有者のゴウライやシズネ、他にもミナを筆頭に優秀な冒険者が取り揃えられている。
せめてロウガやシュンやギガンなどの実力者を味方にできればいいのだが、彼等は監獄に送り込まれており、援軍は期待できない。しかし、ここでレナはある人物の事を思い出す。
「そういえば……カノンはどうしてる?」
「ああ、あいつならお仕置きした後に縛り付けてそこの遺跡の中に放り込んでいるよ」
「カノン?それは大将軍のカノン殿の事でござるか?」
「真っ先にアルドラに裏切った奴だな……」
カノンの事をレナが口にすると、バルは建物の一つを指差す。レナは駄目元でカノンも戦力に加わって貰えないかと思ったが、ここで建物の中から慌てた様子のティナが出てきた。
「た、大変だよ~!!カノンちゃんがいなくなってる!?」
「何だって!?」
「それだけではありません!!見張りの兵士も気絶させられ、彼等が持っていた武器が奪われています!!」
鍋を抱えたティナがカノンが捕まっているはずの建物から出てくると、リンダの方は同じ建物から抜け出し、回収しておいたカノンの武器も奪われた事を話す。空間魔法を開いている間はレナも異空間に武器を回収できないため、彼女から取り上げた武器はバルたちに任せていた。
もう二度と逆らえない様にバルたちは「お仕置き」をした後、カノンは建物の一室に閉じ込め、見張りを付けていた。しかし、その見張りの隙を突いてカノンは拘束を解き、見張りの武器を奪って逃げ出してしまったらしい。かなりひどい仕打ちを受けたようだが、まだ動ける元気は残っていたらしい。
「いったい何をしているのですか!?カノンがここを抜け出して冒険都市にいる仲間に知らせたらどうするのです!?」
「そ、そんな事をあたしに言われても……」
「ハンゾウ、追うぞ!!奴を捕まえるぞ!!」
「しょ、承知!!」
「くそっ……次から次へと、面倒事ばっかり起きるな!!」
逃げ出したカノンの追跡のために全員が動き、とりあえずはレナはカノンの事はシノビとハンゾウに任せ、自分は冒険都市に戻る事にした。
「大丈夫なのかい?」
「大丈夫とはいえないけど……俺の意識があるうちに皆を都市に移動させる場所を探さないとまずい事になる」
「レナ、無理はするなよ……」
「うん、平気だよ」
心配するゴンゾウに対してレナは笑顔を浮かべるが、実際の所は常に空間魔法を常に維持するのは精神的な消耗が厳しかった。今の所は精霊薬のお陰で定期的に体力や魔力を回復しているので余裕はあるが、出来る限りに都市内部に戦える人間だけでも安全に潜伏できる場所を探し出しておきたい。
黒虎、牙竜、氷雨のギルドは当然だが操られた女性冒険者が管理しており、避難する事は出来ない。他に隠れ場所に利用できそうな場所はレナは特に思い当たらず、困っているとシノビが話しかけてきた。
「隠れ家ならいい場所があるぞ……少々、賭けになるがな」
「えっ……何処?」
「冒険都市から離れる事にはなるが、新闘技場だ」
「あ、そっか……そういえば闘技場は二つあるんだっけ」
冒険都市には二つの闘技場が存在し、旧闘技場は最初に冒険都市の貴族が作り上げたが、後にマリアが管理する事になった。そして冒険都市内とは別に都市から離れた場所には新しい闘技場が創設された。
こちらの闘技場ならば都市から離れているとはいえ、地下の控室などを利用すれば大人数でも住む事が出来る。当面の隠れ場所としては一番都合は良いが、問題は新闘技場の方に敵が見張りを残しているかどうかだった。
「新闘技場の方は見張りはいないのかな?」
「分からん、俺達も新闘技場の方は確認していない。だが、奴等は城壁を封鎖して冒険都市を要塞に作り替えようとしている。恐らくはアルドラとやらの指示だろう」
「となると……新闘技場の方は放置されている可能性もあるのか」
「あくまでも可能性だがな……」
シノビの方も絶対に新闘技場が安全だとは言えず、実際に移動しないと分からないらしい。しかし、無策に冒険都市を動き回るよりは新闘技場の方に戦える人間を集め、冒険都市の勢力と争う準備だけは整えておく。
「あいつらにはきついお仕置きをしてやらないとね……!!」
「前は油断したが、今度は負けないぞ」
「拙者も全力を尽くすでござる!!」
「……だが、戦力差は明らかだ。俺達だけでは到底太刀打ちできんぞ」
「だよね……」
現在のレナ達の勢力は冒険都市の勢力と比べると数も少なく、ハルナ、バル、ゴンゾウ、ミレト、ハンゾウ、シノビ、レナの6人、そしてガロを筆頭に氷雨の高階級の冒険者が数名、後は戦力としては期待が薄い使用人ばかりである。
レミアがエリナが抜けた事は痛く、ティナやコトミン達も一緒に戦ってくれるのならば心強いが、彼女達の場合は逆に捕まって人質にされる可能性もある。リンダが護衛役として行動してくれると言っても、相手は聖痕所有者のゴウライやシズネ、他にもミナを筆頭に優秀な冒険者が取り揃えられている。
せめてロウガやシュンやギガンなどの実力者を味方にできればいいのだが、彼等は監獄に送り込まれており、援軍は期待できない。しかし、ここでレナはある人物の事を思い出す。
「そういえば……カノンはどうしてる?」
「ああ、あいつならお仕置きした後に縛り付けてそこの遺跡の中に放り込んでいるよ」
「カノン?それは大将軍のカノン殿の事でござるか?」
「真っ先にアルドラに裏切った奴だな……」
カノンの事をレナが口にすると、バルは建物の一つを指差す。レナは駄目元でカノンも戦力に加わって貰えないかと思ったが、ここで建物の中から慌てた様子のティナが出てきた。
「た、大変だよ~!!カノンちゃんがいなくなってる!?」
「何だって!?」
「それだけではありません!!見張りの兵士も気絶させられ、彼等が持っていた武器が奪われています!!」
鍋を抱えたティナがカノンが捕まっているはずの建物から出てくると、リンダの方は同じ建物から抜け出し、回収しておいたカノンの武器も奪われた事を話す。空間魔法を開いている間はレナも異空間に武器を回収できないため、彼女から取り上げた武器はバルたちに任せていた。
もう二度と逆らえない様にバルたちは「お仕置き」をした後、カノンは建物の一室に閉じ込め、見張りを付けていた。しかし、その見張りの隙を突いてカノンは拘束を解き、見張りの武器を奪って逃げ出してしまったらしい。かなりひどい仕打ちを受けたようだが、まだ動ける元気は残っていたらしい。
「いったい何をしているのですか!?カノンがここを抜け出して冒険都市にいる仲間に知らせたらどうするのです!?」
「そ、そんな事をあたしに言われても……」
「ハンゾウ、追うぞ!!奴を捕まえるぞ!!」
「しょ、承知!!」
「くそっ……次から次へと、面倒事ばっかり起きるな!!」
逃げ出したカノンの追跡のために全員が動き、とりあえずはレナはカノンの事はシノビとハンゾウに任せ、自分は冒険都市に戻る事にした。
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