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真・最終章 七魔将編
森の中での戦闘
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「レナたん、ミノ君もアインちゃん程じゃないけど足は早いよ?」
「ブモォッ……」
「いや、ミノはここを守ってほしい。大丈夫だとは思うけど、もしも魔物が塀を乗り越えてきた時はミノがいるなら大丈夫のはずだ」
「そっか……」
ミノは元々はこの深淵の森で主を務めていた事もあり、彼がここにいれば少なくとも万が一にも魔物が中に入り込んでも対処できる。この森でミノ以上に脅威となる存在はおらず、彼にはここで守ってもらう必要があった。
レナは軽く準備体操を行い、思い切り全力で走る準備を整える。まずは森を抜け出す事に集中し、屋敷に残った者達も遺跡に全員移動させると、黒渦を閉じて移動に専念した。
「よし……行くかっ!!」
瞬動術を発動させ、足の裏から風圧を放ちながら移動を開始した。森の木々を足場に利用してナイは幾度も跳躍を行い、一気に距離を移動する。ちなみにシノビやハンゾウが得意とする飛脚も同じ原理であり、レナも慣れれば空の上を移動する事も出来るかもしれない。
(結構足に負担が掛かるけど、この調子なら思っていたよりも早く辿り着けそうだな……)
木々を跳び越え乍らも森の外に向けてレナは順調に移動し、このまま無事に外に辿り着けると思われた時、何処からか火属性の魔弾が放たれてレナを狙う。
「なっ!?氷塊!!」
地上から突如として放たれた魔弾に対してレナは咄嗟に氷塊の魔法を発動させ、氷の盾を作り出す。しかし、想像以上に魔弾の威力は高く、氷の盾でも弾くのが限界で空中で体勢を崩したレナは落下してしまう。
「くそっ!!」
落下の際中にレナは木々の枝を次々と掴み、どうにか勢いを殺しながら地上へと着地する。降りる際にいくつかの枝を折れてしまい、この際に木々に泊っていた鳥類や小動物も驚いて逃げ出す。
動物が騒いだことで先ほど魔弾を撃ち込んだ相手にも位置を気付かれたのは間違いなく、すぐにレナは場所を移動して隠密と無音歩行の技能を発動し、樹木に身を隠す。気配感知を発動させ、相手の位置を捉えようとすると、森の方から声が響く。
「出てきなさい、王子様!!ここに隠れているんでしょう!?」
「その声は……まさか、カトレアか!?」
「そうよ!!やっとあんたに復讐する機会が訪れたわね!!」
声の主は間違いなく、この国の大将軍でもあった「カノン・カトレア」で間違いなく、現在はシェルという名前で活動している。そのカノンが自分を襲ってきた事にレナは驚くが、彼女は森の中に潜んで姿を見せず、何処からか語り掛ける。
「言っておくけど私を探そうとしても無駄よ!!拡音石を通して話しているから、あんたが想像しているよりもずっと遠くにいるわよ!!」
「わざわざ自分でバラすのか……」
「そもそもあんたと関わったせいでこうなったのよ!!大将軍として気ままに生活してたのにあんたと関わり始めてから運が尽き始めたわ!!」
「良く言うよ……」
カノンの言葉にレナは呆れながらも彼女の位置を探そうとするが、気配感知と魔力感知を発動しても上手くつかめず、相当に離れているのかあるいは隠密や気配者だ何などの技能を利用しているかもしれない。
気配感知は気配遮断の技能で無効化されるので当てにはならないが、魔力感知にも反応がない事にレナは不思議に思う。もしかしたら特別な魔道具で魔力を隠蔽しているのかもしれず、しかも音を拡大化させて放つ拡音石なる魔石で話しているせいで声が反響して聴覚を頼りに正確な位置を見抜く事も出来ない。
「悪いけど、こっちは依頼を受けてあんたを始末しに来たわ!!悪く思わないで頂戴ね!!」
「お前もアルドラに操られているのか!?」
「操られている?笑わせないで、あいつらと一緒にしないでよ!!あの女は自分に従うのであれば心まで操ろうとしないわよ。意外と話が分かるし、それに金払いもいいんだから!!」
「なるほど、金で雇われて俺を狙いに来たわけか……」
「恨むならシズネとゴウライを恨みなさい!!アルドラの奴に自分が一番の脅威になる存在は誰かと聞かれた時、あんたの名前を出したそうよ!!」
「……それは光栄だね」
どうやらアルドラはシズネとゴウライからレナの存在を聞き出し、わざわざ金を払ってカノンを暗殺者として派遣したらしい。意外にもカノンは操られてはおらず、彼女によるとアルドラは自分に自ら従う存在までは配下には加えないらしい。
こんな場所でカノンと再戦する事になるとは思わなかったレナだが、相手は本気でレナを殺すつもりらしく、そういう理由であるならばレナも手加減する理由はなかった。
「カノン、お前本気で俺に盾突く気か?今なら謝れば許してやるぞ!!」
「ふんっ、もう王国の奴らには懲り懲りよ!!ここであんたを殺せば私は一生困らない程の大金が手に入るのよ」
「そうか……なら、俺も遠慮しないぞ!!」
「の、望むところよ!!」
レナはカノンに最後通告を行うが、それを拒否した彼女に対して奥の手を発動させる。この方法だけは使いたくはなかったが、時間はないのはレナも一緒なので手段は選べない。
※次回予告「教えて、アイリス先生!!」
「ブモォッ……」
「いや、ミノはここを守ってほしい。大丈夫だとは思うけど、もしも魔物が塀を乗り越えてきた時はミノがいるなら大丈夫のはずだ」
「そっか……」
ミノは元々はこの深淵の森で主を務めていた事もあり、彼がここにいれば少なくとも万が一にも魔物が中に入り込んでも対処できる。この森でミノ以上に脅威となる存在はおらず、彼にはここで守ってもらう必要があった。
レナは軽く準備体操を行い、思い切り全力で走る準備を整える。まずは森を抜け出す事に集中し、屋敷に残った者達も遺跡に全員移動させると、黒渦を閉じて移動に専念した。
「よし……行くかっ!!」
瞬動術を発動させ、足の裏から風圧を放ちながら移動を開始した。森の木々を足場に利用してナイは幾度も跳躍を行い、一気に距離を移動する。ちなみにシノビやハンゾウが得意とする飛脚も同じ原理であり、レナも慣れれば空の上を移動する事も出来るかもしれない。
(結構足に負担が掛かるけど、この調子なら思っていたよりも早く辿り着けそうだな……)
木々を跳び越え乍らも森の外に向けてレナは順調に移動し、このまま無事に外に辿り着けると思われた時、何処からか火属性の魔弾が放たれてレナを狙う。
「なっ!?氷塊!!」
地上から突如として放たれた魔弾に対してレナは咄嗟に氷塊の魔法を発動させ、氷の盾を作り出す。しかし、想像以上に魔弾の威力は高く、氷の盾でも弾くのが限界で空中で体勢を崩したレナは落下してしまう。
「くそっ!!」
落下の際中にレナは木々の枝を次々と掴み、どうにか勢いを殺しながら地上へと着地する。降りる際にいくつかの枝を折れてしまい、この際に木々に泊っていた鳥類や小動物も驚いて逃げ出す。
動物が騒いだことで先ほど魔弾を撃ち込んだ相手にも位置を気付かれたのは間違いなく、すぐにレナは場所を移動して隠密と無音歩行の技能を発動し、樹木に身を隠す。気配感知を発動させ、相手の位置を捉えようとすると、森の方から声が響く。
「出てきなさい、王子様!!ここに隠れているんでしょう!?」
「その声は……まさか、カトレアか!?」
「そうよ!!やっとあんたに復讐する機会が訪れたわね!!」
声の主は間違いなく、この国の大将軍でもあった「カノン・カトレア」で間違いなく、現在はシェルという名前で活動している。そのカノンが自分を襲ってきた事にレナは驚くが、彼女は森の中に潜んで姿を見せず、何処からか語り掛ける。
「言っておくけど私を探そうとしても無駄よ!!拡音石を通して話しているから、あんたが想像しているよりもずっと遠くにいるわよ!!」
「わざわざ自分でバラすのか……」
「そもそもあんたと関わったせいでこうなったのよ!!大将軍として気ままに生活してたのにあんたと関わり始めてから運が尽き始めたわ!!」
「良く言うよ……」
カノンの言葉にレナは呆れながらも彼女の位置を探そうとするが、気配感知と魔力感知を発動しても上手くつかめず、相当に離れているのかあるいは隠密や気配者だ何などの技能を利用しているかもしれない。
気配感知は気配遮断の技能で無効化されるので当てにはならないが、魔力感知にも反応がない事にレナは不思議に思う。もしかしたら特別な魔道具で魔力を隠蔽しているのかもしれず、しかも音を拡大化させて放つ拡音石なる魔石で話しているせいで声が反響して聴覚を頼りに正確な位置を見抜く事も出来ない。
「悪いけど、こっちは依頼を受けてあんたを始末しに来たわ!!悪く思わないで頂戴ね!!」
「お前もアルドラに操られているのか!?」
「操られている?笑わせないで、あいつらと一緒にしないでよ!!あの女は自分に従うのであれば心まで操ろうとしないわよ。意外と話が分かるし、それに金払いもいいんだから!!」
「なるほど、金で雇われて俺を狙いに来たわけか……」
「恨むならシズネとゴウライを恨みなさい!!アルドラの奴に自分が一番の脅威になる存在は誰かと聞かれた時、あんたの名前を出したそうよ!!」
「……それは光栄だね」
どうやらアルドラはシズネとゴウライからレナの存在を聞き出し、わざわざ金を払ってカノンを暗殺者として派遣したらしい。意外にもカノンは操られてはおらず、彼女によるとアルドラは自分に自ら従う存在までは配下には加えないらしい。
こんな場所でカノンと再戦する事になるとは思わなかったレナだが、相手は本気でレナを殺すつもりらしく、そういう理由であるならばレナも手加減する理由はなかった。
「カノン、お前本気で俺に盾突く気か?今なら謝れば許してやるぞ!!」
「ふんっ、もう王国の奴らには懲り懲りよ!!ここであんたを殺せば私は一生困らない程の大金が手に入るのよ」
「そうか……なら、俺も遠慮しないぞ!!」
「の、望むところよ!!」
レナはカノンに最後通告を行うが、それを拒否した彼女に対して奥の手を発動させる。この方法だけは使いたくはなかったが、時間はないのはレナも一緒なので手段は選べない。
※次回予告「教えて、アイリス先生!!」
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