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ダイン 監獄都市編
こいつが最後の三巨頭!?
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「あいつ、そんなに凄い奴だったのか……僕、やばい奴に喧嘩を売ってたんだな」
「怖気づきました?」
「ふんっ!!誰が怖がるか、あんな奴なんか僕の親友と比べたら全然大したことないんだよ」
「そうですね、僕もガルルよりも強い巨人族は知ってますよ。まあ、今はこの都市にはいませんけど……」
「ギイイッ(あいつは凄かった)」
ガルルに関してはダインも先に絡まれた一件もあるため、全く物怖じせず、むしろ負けん気を抱く。そんなダインにミイネは説明を続ける。
「ガルルは優勝した後、三巨頭の一角に成り上がりました。ですけど、気になるのは奴の賞金の使い方です」
「使い方?」
「だっておかしいじゃないですか、この都市から抜け出せる程の優勝賞金ですよ?それなのにガルルは都市を抜け出しもせずにここへ残った。あやしくありませんか?」
「ん?言われてみれば……なんであいつ、ここから抜け出さなかったんだ」
「考えられるとしたら外へ出られない理由があるのか、あるいは逆にこの場所に留まりたい理由があるかです。もしかしたらこの両方かもしれませんね」
「ここから出られない理由?どんな理由だよ、それ……」
監獄都市は都市という名前こそは付けられているが、監獄である事に変わりはない。囚人は厳しい生活を強いられ、普通の人間ならば苦痛に感じる環境である。それにも関わらずにガルルがどうして監獄都市から抜け出さなかったのか、その点がミイネは気になっていた。
今回のダインが狙われる発端はガルルであり、そのガルルがこの監獄都市から抜け出そうとしない理由を知れれば活路を見出せるかもしれない。ミイネは何となくではあるがそんな風に考えていた。
「ガルルがこの都市に留まる理由、それを突き止める事が出来れば交渉材料に使えるかも知れません」
「交渉材料?まさか、あんな奴と取引でもする気か!?僕は嫌だぞ!!」
「ダインさん、落ち着いて下さい。気持ちは分かりますけど現状ではガルルのせいでダインさんは狙われてるんですよ。なら、そのガルルを何とかすればダインさんの命が狙われる事もなくなります」
「うっ……」
「それに僕達だけならともかく、捕まった御二人はどうするつもりですか?あの御二人を救い出したいんでしょう?」
「ううっ……」
良心に訴えかけるミイネの言葉にダインは言い返す事が出来ず、本音を言えばガルルなんかと交渉するのは嫌だが、捕まった二人を助け出すためにはここは我慢するべきかと悩む。だが、会話の途中でゴブが何かに気付いたように声を上げた。
「ギイイッ!!」
「うわっ!?急にどうしたんだよ!?」
「……どうやら試合が終わったようですね、誰かがここへ戻ってきます。ダインさん、準備して下さい」
近付いてくる足音を耳にしたゴブは二人に警戒する様に伝えると、すぐにミイネとダインは武器を取り出して待機室に戻ってくるはずの闘技者を待ち構える。やがて扉が開かれると、そこには両手に手斧を構えた小髭族の男性が姿を現した。
「……おっ、やっぱりここにいやがったな」
「なっ!?貴方は……!?」
「え、誰?知り合いなのか?」
「ギギィッ……!!」
姿を現した小髭族にミイネは驚愕の表情を浮かべ、ゴブも警戒したように牙を剥き出しにする。その様子を見てダインは何者なのかと問いかけると、小髭族の男はダインの顔を見て朗らかに笑いかけた。
「おおっ、お前さんが噂の新入りか!!話は聞いているぞ、ガルルやグシャスに手を焼かせているそうだな!がはははっ!!」
「な、何だこのおっさん……本当に誰だよ?」
「ダインさん、気を付けてください!!こいつは三巨頭の一人……ギルです!!」
「さ、三巨頭!?」
ミイネの言葉を聞いてダインは驚愕のあまりに後退り、壁に背中をぶつけてしまう。一方でミイネの方もまさかこの状況下で三巨頭のギルが現れるとは思えず、警戒したように距離を置く。
一方でギルの方は手斧を手にしながらも3人の様子を眺め、特にダインに視線を向けていた。彼はダインが所持している古ぼけた杖に視線を向けると、少し驚いたような表情を浮かべる。
「お前さん、その杖は……」
「えっ……な、何だよ!?」
「こいつはたまげたな、まさかそいつがお前さんの手に渡るとはな」
「それは、どういう意味ですか?」
ギルは感慨深げにダインの所持する杖に視線を向け、その態度にミイネは疑問を抱くが、そんな二人の言葉に応えずにギルは待機室に置かれている椅子に座り込む。手にしていた手斧は壁に立てかけ、改めてダインとミイネと向き直る。
「まあ、とりあえずは落ち着け。お前さんらとはゆっくり話し合いたいと思っていたんだ」
「話し合いたい?僕達と交渉するつもりですか?言っておきますけど、ダインさんを手放すつもりはありませんよ」
「ああ、それは別に良いんだ。とりあえず、俺の話を聞いてくれ。大丈夫だ、危害を加えるつもりはない」
「……なら、武器を渡してください。そうすれば僕達もちゃんと話を聞きますよ」
「おう、いいぞ。ほれ、持っていけ」
ミイネの言葉にギルはあっさりと承諾すると、そんな彼に警戒心を抱きながらもゴブが壁に立てかけられた手斧を掴み取り、どうにか運び込む。相当な重量があるのかゴブは手斧を引きずって運び出すしかなく、どうにかギルの手元から離すと改めてミイネはギルと向かい合うように座り込む。
「怖気づきました?」
「ふんっ!!誰が怖がるか、あんな奴なんか僕の親友と比べたら全然大したことないんだよ」
「そうですね、僕もガルルよりも強い巨人族は知ってますよ。まあ、今はこの都市にはいませんけど……」
「ギイイッ(あいつは凄かった)」
ガルルに関してはダインも先に絡まれた一件もあるため、全く物怖じせず、むしろ負けん気を抱く。そんなダインにミイネは説明を続ける。
「ガルルは優勝した後、三巨頭の一角に成り上がりました。ですけど、気になるのは奴の賞金の使い方です」
「使い方?」
「だっておかしいじゃないですか、この都市から抜け出せる程の優勝賞金ですよ?それなのにガルルは都市を抜け出しもせずにここへ残った。あやしくありませんか?」
「ん?言われてみれば……なんであいつ、ここから抜け出さなかったんだ」
「考えられるとしたら外へ出られない理由があるのか、あるいは逆にこの場所に留まりたい理由があるかです。もしかしたらこの両方かもしれませんね」
「ここから出られない理由?どんな理由だよ、それ……」
監獄都市は都市という名前こそは付けられているが、監獄である事に変わりはない。囚人は厳しい生活を強いられ、普通の人間ならば苦痛に感じる環境である。それにも関わらずにガルルがどうして監獄都市から抜け出さなかったのか、その点がミイネは気になっていた。
今回のダインが狙われる発端はガルルであり、そのガルルがこの監獄都市から抜け出そうとしない理由を知れれば活路を見出せるかもしれない。ミイネは何となくではあるがそんな風に考えていた。
「ガルルがこの都市に留まる理由、それを突き止める事が出来れば交渉材料に使えるかも知れません」
「交渉材料?まさか、あんな奴と取引でもする気か!?僕は嫌だぞ!!」
「ダインさん、落ち着いて下さい。気持ちは分かりますけど現状ではガルルのせいでダインさんは狙われてるんですよ。なら、そのガルルを何とかすればダインさんの命が狙われる事もなくなります」
「うっ……」
「それに僕達だけならともかく、捕まった御二人はどうするつもりですか?あの御二人を救い出したいんでしょう?」
「ううっ……」
良心に訴えかけるミイネの言葉にダインは言い返す事が出来ず、本音を言えばガルルなんかと交渉するのは嫌だが、捕まった二人を助け出すためにはここは我慢するべきかと悩む。だが、会話の途中でゴブが何かに気付いたように声を上げた。
「ギイイッ!!」
「うわっ!?急にどうしたんだよ!?」
「……どうやら試合が終わったようですね、誰かがここへ戻ってきます。ダインさん、準備して下さい」
近付いてくる足音を耳にしたゴブは二人に警戒する様に伝えると、すぐにミイネとダインは武器を取り出して待機室に戻ってくるはずの闘技者を待ち構える。やがて扉が開かれると、そこには両手に手斧を構えた小髭族の男性が姿を現した。
「……おっ、やっぱりここにいやがったな」
「なっ!?貴方は……!?」
「え、誰?知り合いなのか?」
「ギギィッ……!!」
姿を現した小髭族にミイネは驚愕の表情を浮かべ、ゴブも警戒したように牙を剥き出しにする。その様子を見てダインは何者なのかと問いかけると、小髭族の男はダインの顔を見て朗らかに笑いかけた。
「おおっ、お前さんが噂の新入りか!!話は聞いているぞ、ガルルやグシャスに手を焼かせているそうだな!がはははっ!!」
「な、何だこのおっさん……本当に誰だよ?」
「ダインさん、気を付けてください!!こいつは三巨頭の一人……ギルです!!」
「さ、三巨頭!?」
ミイネの言葉を聞いてダインは驚愕のあまりに後退り、壁に背中をぶつけてしまう。一方でミイネの方もまさかこの状況下で三巨頭のギルが現れるとは思えず、警戒したように距離を置く。
一方でギルの方は手斧を手にしながらも3人の様子を眺め、特にダインに視線を向けていた。彼はダインが所持している古ぼけた杖に視線を向けると、少し驚いたような表情を浮かべる。
「お前さん、その杖は……」
「えっ……な、何だよ!?」
「こいつはたまげたな、まさかそいつがお前さんの手に渡るとはな」
「それは、どういう意味ですか?」
ギルは感慨深げにダインの所持する杖に視線を向け、その態度にミイネは疑問を抱くが、そんな二人の言葉に応えずにギルは待機室に置かれている椅子に座り込む。手にしていた手斧は壁に立てかけ、改めてダインとミイネと向き直る。
「まあ、とりあえずは落ち着け。お前さんらとはゆっくり話し合いたいと思っていたんだ」
「話し合いたい?僕達と交渉するつもりですか?言っておきますけど、ダインさんを手放すつもりはありませんよ」
「ああ、それは別に良いんだ。とりあえず、俺の話を聞いてくれ。大丈夫だ、危害を加えるつもりはない」
「……なら、武器を渡してください。そうすれば僕達もちゃんと話を聞きますよ」
「おう、いいぞ。ほれ、持っていけ」
ミイネの言葉にギルはあっさりと承諾すると、そんな彼に警戒心を抱きながらもゴブが壁に立てかけられた手斧を掴み取り、どうにか運び込む。相当な重量があるのかゴブは手斧を引きずって運び出すしかなく、どうにかギルの手元から離すと改めてミイネはギルと向かい合うように座り込む。
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