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ダイン 監獄都市編
これで僕の勝ち……あれ!?
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「どうだ!!これで僕の……」
「ぬんっ!!」
「えっ!?」
影魔法の応用でパセリを場外へ向けて投げ飛ばしたダインは勝利を確信するが、場外に落ちる寸前にパセリは両腕を伸ばすと闘技台の石畳を掴み、落下を免れる。勝利を確信していたダインだったが、驚異的な握力と腕力でパセリは闘技台へと戻るとダインを睨みつけた。
「今のは魔法か?ミノルの奴から聞いた話だと不可解な力を持っていると聞いていたが……なるほど、確かに面白いガキだ」
「く、くそっ……ならもう一度!!」
「二度も引っかからんぞ!!」
パセリを場外へ落とすのに失敗したダインはもう一度影魔法を発動させようとするが、それを予測していたようにパセリは動き出し、彼へ向けて体当たりを仕掛けた。並のゴブリンよりも体格が大きく、しかも巨人族顔負けの怪力を誇るパセリに衝突すればダインも助からない。
「ぬぅうんっ!!」
「うひぃっ!?」
「ダインさん、避けて!!」
「ギギィッ!?」
迫りくるパセリに対してダインは回避すると、直後に彼の横にパセリの巨体が通り過ぎ、そのまま闘技台の端まで移動を行う。回避できたのが奇跡的だったが、避けるのに必死でダインは転んでしまう。
体勢を崩したダインを見てパセリは笑みを浮かべると、容赦なく倒れたダインの元へ向かって跳躍を行う。パセリは上空からダインに目掛けて両足を突き出して全体重を乗せた一撃を繰り出す。
「ふんっ!!」
「うわぁっ!?」
『うおおっ!?』
迫りくるパセリの両足に対してダインは身体を転がして回避すると、闘技台の石畳にパセリの両足がめり込み、亀裂が生じた。仮にダインが避けていなければ死んでいた事は間違いなく、ダインはパセリに怒鳴りつける。
「こ、こ、殺す気か!?」
「おっと、すまなかったな。だが、生憎と看守長の位を持つ者は囚人を殺しても罪に問われる事はない。即ち、俺がお前を殺しても罰せられる事はない」
「何だって!?」
ダインはパセリの悪びれない態度と言葉に動揺し、本気で彼が自分を殺しに来ることを理解すると、身体を震わせる。その様子を見てパセリは自分に怯えているのかと思ったが、ダインの目つきが鋭くなった。
「こ、この野郎……そっちがその気なら、僕だって本気でやってやる!!」
「ほう、今までは本気じゃなかったのか?それは楽しみだな」
「舐めんなよ、まだ8割ぐらいだ!!」
「それ、ほぼ本気ですよ!?」
「ギギィッ(負けるな!!)」
相手が殺すつもりならばダインも怯えてはいられず、自分を殺そうとする相手に対してはダインも手加減する必要はない(そもそもする余裕もないが)。パセリに対してダインは杖を構えると、まずは彼を倒すための手段を考える必要があった。
先ほどのように影魔法で拘束して場外へ落とすのが得策に思えたが、意外な程にパセリは俊敏であるため、ダインが影魔法を発動しようとした瞬間に接近し、身体を拘束される前にダインに攻撃を仕掛ける可能性も十分にあった。場外負けが難しい以上はパセリに傷を与えるしかないが、生憎とダインの影魔法は攻撃能力はない。
(どうすればいいんだ……あ、そうだ!!さっきあいつが落としたあれを使えば……よし!!)
ダインは何かを思い出したように視線を向けると、その彼の様子を見てパセリはダインが何か思いついたと悟り、彼が行動に移す前に仕留めるために拳を繰り出す。
「ふんっ!!」
「ぐあっ!?」
「ダインさん!?」
「ギギィッ!?」
「や、やられたのか!?」
パセリが繰り出した拳がダインに向けて放たれ、衝突したかのように見えた。その光景を見た他の者達はダインが殴り飛ばされると思ったが、最初に違和感を感じ取ったのはパセリであった。
「なっ、何っ!?」
「はっ、ははっ……右腕じゃなかったらやばかったかも」
「う、受け止めただと!?」
「看守長の攻撃を……あんな弱そうなガキが!?」
「……凄い」
「ギィイッ(マジかよ!?)」
――信じがたい事にダインはパセリが繰り出した左拳に対して右腕のみで受け止め、普通ならば腕の骨が折れるどころか砕けてもおかしくはない一撃だったが、ダインは事前に右腕に宿した「闇の聖痕」を利用して右腕に影魔法を発動していた。
闇の聖痕を利用してダインは自分の右腕全体を影魔法で覆い込んだ事により、パセリの繰り出した拳の衝撃を無効化する。影魔法はあらゆる物理攻撃を無効化する力を持ち、どれだけの力を込めた一撃であろうと通じない。この土壇場でダインは新しい影魔法の応用を編み出し、彼は自分の腕が黒く染まっている事から「黒腕」と名付ける。
「うおおっ!!」
「ぬうっ!?」
「何をするつもりだ!?」
「まさか……逃げる気か!?」
黒腕によって攻撃を防ぐ事に成功したダインだったが、彼はパセリから離れるように闘技台を駆け出し、その様子を見ていた囚人達はダインが逃げ出したのかと思った。だが、ダインが向かう先には先ほどケマイヌがパセリに切りかかった時に砕けた剣の破片が落ちている場所へ向かい、黒腕と化した右腕を伸ばして破片を掴み取る。
※作者の部屋
カタナヅキ「そ、それを返せ!!もう二度と小説の挿絵に出さないぞ!!」
アイリス「うっ!?そ、そんな脅しには屈しません!!」
(# ゚Д゚)人(; ・`д・´)ギャーギャー
「ぬんっ!!」
「えっ!?」
影魔法の応用でパセリを場外へ向けて投げ飛ばしたダインは勝利を確信するが、場外に落ちる寸前にパセリは両腕を伸ばすと闘技台の石畳を掴み、落下を免れる。勝利を確信していたダインだったが、驚異的な握力と腕力でパセリは闘技台へと戻るとダインを睨みつけた。
「今のは魔法か?ミノルの奴から聞いた話だと不可解な力を持っていると聞いていたが……なるほど、確かに面白いガキだ」
「く、くそっ……ならもう一度!!」
「二度も引っかからんぞ!!」
パセリを場外へ落とすのに失敗したダインはもう一度影魔法を発動させようとするが、それを予測していたようにパセリは動き出し、彼へ向けて体当たりを仕掛けた。並のゴブリンよりも体格が大きく、しかも巨人族顔負けの怪力を誇るパセリに衝突すればダインも助からない。
「ぬぅうんっ!!」
「うひぃっ!?」
「ダインさん、避けて!!」
「ギギィッ!?」
迫りくるパセリに対してダインは回避すると、直後に彼の横にパセリの巨体が通り過ぎ、そのまま闘技台の端まで移動を行う。回避できたのが奇跡的だったが、避けるのに必死でダインは転んでしまう。
体勢を崩したダインを見てパセリは笑みを浮かべると、容赦なく倒れたダインの元へ向かって跳躍を行う。パセリは上空からダインに目掛けて両足を突き出して全体重を乗せた一撃を繰り出す。
「ふんっ!!」
「うわぁっ!?」
『うおおっ!?』
迫りくるパセリの両足に対してダインは身体を転がして回避すると、闘技台の石畳にパセリの両足がめり込み、亀裂が生じた。仮にダインが避けていなければ死んでいた事は間違いなく、ダインはパセリに怒鳴りつける。
「こ、こ、殺す気か!?」
「おっと、すまなかったな。だが、生憎と看守長の位を持つ者は囚人を殺しても罪に問われる事はない。即ち、俺がお前を殺しても罰せられる事はない」
「何だって!?」
ダインはパセリの悪びれない態度と言葉に動揺し、本気で彼が自分を殺しに来ることを理解すると、身体を震わせる。その様子を見てパセリは自分に怯えているのかと思ったが、ダインの目つきが鋭くなった。
「こ、この野郎……そっちがその気なら、僕だって本気でやってやる!!」
「ほう、今までは本気じゃなかったのか?それは楽しみだな」
「舐めんなよ、まだ8割ぐらいだ!!」
「それ、ほぼ本気ですよ!?」
「ギギィッ(負けるな!!)」
相手が殺すつもりならばダインも怯えてはいられず、自分を殺そうとする相手に対してはダインも手加減する必要はない(そもそもする余裕もないが)。パセリに対してダインは杖を構えると、まずは彼を倒すための手段を考える必要があった。
先ほどのように影魔法で拘束して場外へ落とすのが得策に思えたが、意外な程にパセリは俊敏であるため、ダインが影魔法を発動しようとした瞬間に接近し、身体を拘束される前にダインに攻撃を仕掛ける可能性も十分にあった。場外負けが難しい以上はパセリに傷を与えるしかないが、生憎とダインの影魔法は攻撃能力はない。
(どうすればいいんだ……あ、そうだ!!さっきあいつが落としたあれを使えば……よし!!)
ダインは何かを思い出したように視線を向けると、その彼の様子を見てパセリはダインが何か思いついたと悟り、彼が行動に移す前に仕留めるために拳を繰り出す。
「ふんっ!!」
「ぐあっ!?」
「ダインさん!?」
「ギギィッ!?」
「や、やられたのか!?」
パセリが繰り出した拳がダインに向けて放たれ、衝突したかのように見えた。その光景を見た他の者達はダインが殴り飛ばされると思ったが、最初に違和感を感じ取ったのはパセリであった。
「なっ、何っ!?」
「はっ、ははっ……右腕じゃなかったらやばかったかも」
「う、受け止めただと!?」
「看守長の攻撃を……あんな弱そうなガキが!?」
「……凄い」
「ギィイッ(マジかよ!?)」
――信じがたい事にダインはパセリが繰り出した左拳に対して右腕のみで受け止め、普通ならば腕の骨が折れるどころか砕けてもおかしくはない一撃だったが、ダインは事前に右腕に宿した「闇の聖痕」を利用して右腕に影魔法を発動していた。
闇の聖痕を利用してダインは自分の右腕全体を影魔法で覆い込んだ事により、パセリの繰り出した拳の衝撃を無効化する。影魔法はあらゆる物理攻撃を無効化する力を持ち、どれだけの力を込めた一撃であろうと通じない。この土壇場でダインは新しい影魔法の応用を編み出し、彼は自分の腕が黒く染まっている事から「黒腕」と名付ける。
「うおおっ!!」
「ぬうっ!?」
「何をするつもりだ!?」
「まさか……逃げる気か!?」
黒腕によって攻撃を防ぐ事に成功したダインだったが、彼はパセリから離れるように闘技台を駆け出し、その様子を見ていた囚人達はダインが逃げ出したのかと思った。だが、ダインが向かう先には先ほどケマイヌがパセリに切りかかった時に砕けた剣の破片が落ちている場所へ向かい、黒腕と化した右腕を伸ばして破片を掴み取る。
※作者の部屋
カタナヅキ「そ、それを返せ!!もう二度と小説の挿絵に出さないぞ!!」
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