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ダイン 監獄都市編
この都市から解放される条件!?
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「痛いぃっ……死ぬぅっ……誰か、回復魔法か回復薬を早く……」
「おい、しっかりしろよ……」
「ほれ、肩を貸してやるから……」
ダインは老人と中年男性の囚人の肩を借りながら歩かされ、死合場と呼ばれる闘技台から別の場所へ運ばれる。試験を終えた囚人達は先ほどの待機室に戻されるらしく、ここから先は彼等は監獄都市の住民と認められるという。
大気室には生き残った囚人が集まっており、そんな彼等に対して兵士は番号が刻まれた腕輪を嵌め込む。ダインには「777」という数字が刻まれた腕輪を利き腕に嵌め込まれ、同時に小袋も差し出される。
「お前達には監獄都市の住民の証である腕輪を渡す!!言っておくが、その腕輪は只の腕輪ではない!!無理やりに外そうとしても外れないからな!!」
「な、何だこの腕輪……外れないぞ!?」
「その腕輪から解放されたければきちんと罪を償う事だな。全ての罪を償えた場合、お前達はこの都市から解放される自由を与えてやる!!」
「解放!?今、解放と言ったのか!?」
解放されるという言葉に囚人達は驚いた表情を浮かべ、ここにいる全員が死刑判決を下された罪人ばかりである。だからこそ監獄都市に送り込まれる時点で二度と外の世界には出られないと考えていたが、看守によると囚人が解放される方法があるという。
「喜ぶがいい、1年ほど前に正式に我が国では囚人であろうと優秀な才を持つ者ならば厚遇し、罪を免除する精度が追加された!!よってお前達にも外の世界へ戻る可能性もある!!」
「そ、それはどんな方法だよ!?」
「一つ目はこの監獄都市で流通されている通貨を集める事だ。この都市での通貨はこの三角銀貨のみ、他の通貨は存在しない!!」
「三角銀貨?」
看守は文字通りに三角形を想像させる銀貨を取り出すと、外の世界で流通されている普通の銀貨と比べても薄く、受領は3分の1程しか存在しない。この銀貨こそが監獄都市で扱われている通貨らしく、外の世界の通貨を持ち込んでいても何の価値もないという。
「この銀貨を1000枚集めた者は特別に罪が免除され、外の世界に解放される!!」
「1000枚!?そ、そんなに集めないと駄目なのか!?」
「他にも解放される方法はあるぞ?それは年に一度行われる囚人同士の武闘祭を勝ち抜き、優勝する事だ。優勝者にはこの監獄都市を管理する3人の看守長と戦う権利を得られる、その看守長に勝利すれば外の世界へ解放してやろう」
「武闘祭!?」
「か、看守長って……まさか、さっきのミノタウロスの事か!?」
兵士達の言葉に囚人達は動揺を隠せず、銀貨を1000枚集めるか、あるいは武闘祭なる大会で優勝して看守長の座に就く存在を倒さない限り、この監獄都市から解放される事はない。その事実に囚人達は戸惑い、どちらの方法もあまりにも無謀に思えた。
だが、そんな話を耳にしながらもダインは身体中の痛みが止まず、回復魔法か回復薬を使わなければこの痛みから完全に逃れる事は出来ないと考えていた。レナの必殺技を無理に使用したせいで思っていた以上に身体の負担が大きく、ダインは渡された兵士に縋りつく。
「な、なあ……頼むよ、回復薬を分けてくれ」
「うわ、何だこいつ!?」
「あれ?このガキ、さっきの試験で……」
「はいはい、ちょっといいですか?」
ダインの顔を見て兵士達は彼が先ほどの試験で活躍していた囚人だと知って驚くと、そんな兵士達の間に一人の少女が割り込む。ダインはいきなり現れた少女に戸惑うが、その少女は回復薬と思われる緑色の液体が入った小瓶を差し出す。
「これが欲しいですか?」
「なっ!?そ、それ……回復薬か!?」
「ええ、そうですよ」
「た、頼む!!それをくれ!!」
少女が持っている物が回復薬だと知ったダインは一刻も早く痛みから逃れるために懇願すると、少女は笑顔を浮かべて小瓶を差し出すが、ダインが受け取る寸前で持ち上げる。
「おっと、無料であげるわけにはいきませんね。お金もちゃんと支払ってもらわないと」
「か、金!?」
「貴方に渡されるはずの銀貨を僕に全部渡してください。さっきの試合であれだけ活躍してたんですから、それなりに渡されたはずでしょう?」
「こ、これの事か……?」
先ほど腕輪を取り付けられる際にダインは小袋を差し出された事を思い出し、今は悔しいが逆らう事は出来ず、少女に小袋を差し出す。少女は中身を確認すると頷き、ダインに小瓶を渡す。
「銀貨20枚……まあ、相場より少なめですけどいいでしょう。はい、どうぞ」
「た、助かる……うぐっ……ぷはぁっ!!」
回復薬を飲み込んだ途端にダインは身体が一気に楽になり、どうにか全身の痛みから解放された。量は少ないが市販の回復薬よりも効果は高いらしく、やっと全身の痛みから解放されたダインは安堵する。
その一方で少女の方はダインから受け取った銀貨を回収すると、空になった小袋を彼に返す。彼女は兵士に視線を向けると、兵士達は何故か囚人と思われる彼女に対して気を使うかの様に敬礼を行う。
「おい、しっかりしろよ……」
「ほれ、肩を貸してやるから……」
ダインは老人と中年男性の囚人の肩を借りながら歩かされ、死合場と呼ばれる闘技台から別の場所へ運ばれる。試験を終えた囚人達は先ほどの待機室に戻されるらしく、ここから先は彼等は監獄都市の住民と認められるという。
大気室には生き残った囚人が集まっており、そんな彼等に対して兵士は番号が刻まれた腕輪を嵌め込む。ダインには「777」という数字が刻まれた腕輪を利き腕に嵌め込まれ、同時に小袋も差し出される。
「お前達には監獄都市の住民の証である腕輪を渡す!!言っておくが、その腕輪は只の腕輪ではない!!無理やりに外そうとしても外れないからな!!」
「な、何だこの腕輪……外れないぞ!?」
「その腕輪から解放されたければきちんと罪を償う事だな。全ての罪を償えた場合、お前達はこの都市から解放される自由を与えてやる!!」
「解放!?今、解放と言ったのか!?」
解放されるという言葉に囚人達は驚いた表情を浮かべ、ここにいる全員が死刑判決を下された罪人ばかりである。だからこそ監獄都市に送り込まれる時点で二度と外の世界には出られないと考えていたが、看守によると囚人が解放される方法があるという。
「喜ぶがいい、1年ほど前に正式に我が国では囚人であろうと優秀な才を持つ者ならば厚遇し、罪を免除する精度が追加された!!よってお前達にも外の世界へ戻る可能性もある!!」
「そ、それはどんな方法だよ!?」
「一つ目はこの監獄都市で流通されている通貨を集める事だ。この都市での通貨はこの三角銀貨のみ、他の通貨は存在しない!!」
「三角銀貨?」
看守は文字通りに三角形を想像させる銀貨を取り出すと、外の世界で流通されている普通の銀貨と比べても薄く、受領は3分の1程しか存在しない。この銀貨こそが監獄都市で扱われている通貨らしく、外の世界の通貨を持ち込んでいても何の価値もないという。
「この銀貨を1000枚集めた者は特別に罪が免除され、外の世界に解放される!!」
「1000枚!?そ、そんなに集めないと駄目なのか!?」
「他にも解放される方法はあるぞ?それは年に一度行われる囚人同士の武闘祭を勝ち抜き、優勝する事だ。優勝者にはこの監獄都市を管理する3人の看守長と戦う権利を得られる、その看守長に勝利すれば外の世界へ解放してやろう」
「武闘祭!?」
「か、看守長って……まさか、さっきのミノタウロスの事か!?」
兵士達の言葉に囚人達は動揺を隠せず、銀貨を1000枚集めるか、あるいは武闘祭なる大会で優勝して看守長の座に就く存在を倒さない限り、この監獄都市から解放される事はない。その事実に囚人達は戸惑い、どちらの方法もあまりにも無謀に思えた。
だが、そんな話を耳にしながらもダインは身体中の痛みが止まず、回復魔法か回復薬を使わなければこの痛みから完全に逃れる事は出来ないと考えていた。レナの必殺技を無理に使用したせいで思っていた以上に身体の負担が大きく、ダインは渡された兵士に縋りつく。
「な、なあ……頼むよ、回復薬を分けてくれ」
「うわ、何だこいつ!?」
「あれ?このガキ、さっきの試験で……」
「はいはい、ちょっといいですか?」
ダインの顔を見て兵士達は彼が先ほどの試験で活躍していた囚人だと知って驚くと、そんな兵士達の間に一人の少女が割り込む。ダインはいきなり現れた少女に戸惑うが、その少女は回復薬と思われる緑色の液体が入った小瓶を差し出す。
「これが欲しいですか?」
「なっ!?そ、それ……回復薬か!?」
「ええ、そうですよ」
「た、頼む!!それをくれ!!」
少女が持っている物が回復薬だと知ったダインは一刻も早く痛みから逃れるために懇願すると、少女は笑顔を浮かべて小瓶を差し出すが、ダインが受け取る寸前で持ち上げる。
「おっと、無料であげるわけにはいきませんね。お金もちゃんと支払ってもらわないと」
「か、金!?」
「貴方に渡されるはずの銀貨を僕に全部渡してください。さっきの試合であれだけ活躍してたんですから、それなりに渡されたはずでしょう?」
「こ、これの事か……?」
先ほど腕輪を取り付けられる際にダインは小袋を差し出された事を思い出し、今は悔しいが逆らう事は出来ず、少女に小袋を差し出す。少女は中身を確認すると頷き、ダインに小瓶を渡す。
「銀貨20枚……まあ、相場より少なめですけどいいでしょう。はい、どうぞ」
「た、助かる……うぐっ……ぷはぁっ!!」
回復薬を飲み込んだ途端にダインは身体が一気に楽になり、どうにか全身の痛みから解放された。量は少ないが市販の回復薬よりも効果は高いらしく、やっと全身の痛みから解放されたダインは安堵する。
その一方で少女の方はダインから受け取った銀貨を回収すると、空になった小袋を彼に返す。彼女は兵士に視線を向けると、兵士達は何故か囚人と思われる彼女に対して気を使うかの様に敬礼を行う。
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