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ダイン 監獄都市編
これが影魔法の力だ!!
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「ゴォオオオオッ!!」
「く、くそっ……近寄るなよ!!」
立ち上がったロックゴーレムは完全にダインを狙いに定めると、彼に対して拳を振りかざす。その攻撃に対してダインは杖を構え、先ほどのように自分の影を操作してロックゴーレムの足元を振り払う。
通常ならばロックゴーレムの体型と重量ならば簡単に足元をすくわれる事はないが、影魔法はいかなる物理の影響は受けず、その性質を利用すればどんな相手であろうと転ばせる事は容易い。ロックゴーレムは尻餅を付き、戸惑うように足元に視線を向ける。
「ゴオオッ……!?」
「喰らえっ!!」
ダインは先ほどロックゴーレムに殺された人間が落とした武器に影を伸ばすと、地面に落ちていた武器を引き寄せてロックゴーレムに放つ。だが、刃毀れした剣ではロックゴーレムの肉体に弾かれてしまい、傷一つさえ与えられていない。
「ゴオオッ!!」
「くそ、やっぱり駄目かっ!?」
「に、逃げるんじゃ!!殺されてしまうぞ!?」
先ほど助けた老人がダインに逃げるように促すが、ダインとしても逃げられるものなら既に逃げていた。だが、逃げようにも死合場の周囲は弓兵に取り囲まれ、闘技台から逃げようとすれば殺されてしまう。ならば戦うしな方法はなく、彼は必死に頭を回らせる。
(こいつを倒すには並大抵の武器じゃ駄目だ!!何か、使えそうな物はないのか!?)
必死に周囲を見渡してダインはロックゴーレムを倒す方法を考えるが、砂漠のように大量の砂に覆われた闘技台では使えそうな道具や障害物は存在せず、対抗手段が見つからない。考えている間にも立ち上がったロックゴーレムは拳を振りかざす。
「ゴアッ!!」
「うひゃあっ!?」
「く、くそっ!!やっぱり駄目か……」
「期待させやがって……てめえ、魔術師だろうが!!もっと凄い魔法は使えないのかよ!?」
ロックゴーレムの攻撃をダインは転がって回避すると、その様子を見ていた他の囚人が好き勝手に文句を付ける。彼等は二度もロックゴーレムを転ばせたダインを見て彼ならばロックゴーレムを倒せるのではないかと期待したが、必死に逃げ回るダインの姿を見てやはり敵わないのかと理不尽に文句を告げる。
囚人達に対してダインは苛立ちを覚えながらも必死に頭を回し、ヨツバ王国のギンタロウの元で世話になっていた日々を思い出す。ギンタロウの元でダインは毎日のように危険な魔獣種と戦い続け、生き延びてきた。あの日々を思い出しながらダインは駆け出す。
(そうだ……こんな奴、ゴウライと比べれば赤ちゃんみたいなもんじゃないか!!こんな奴に負けてたまるか!!)
ダインはゴウライとの試合を思い返し、彼女と比べればロックゴーレムなどちっぽけな存在に思えた。そう考えると必死に逃げ回る自分自身が馬鹿らしくなり、ダインは逃げるのを止めて向かい合う。
「こ、来いっ!!」
「ゴオオオッ!!」
「な、何をしておるのだ!?早く逃げないと殺されるぞ!?」
老人が立ち止まったダインを見て心配したように声をかけるが、それに対してダインは聞こえていないのか迫りくるロックゴーレムに対して杖を構える。彼はロックゴーレムの知識を思い返し、ある事を思い出す。
(そうだ、ロックゴーレムが肉体を最も硬くさせる場所は「拳」だ!!あいつの身体の中で一番硬い部分は拳なら……それを利用すればいいんだ!!)
ロックゴーレムの特徴を思い出したダインは杖を地面に突き刺すと、ロックゴーレムが攻撃を振りかざす瞬間を捉え、影魔法を発動させる。自分に向けられてきた拳を逆に利用し、彼は影魔法を利用してロックゴーレムに反撃を試みた。
「シャドウ……カウンター!!」
「ゴガァッ!?」
『何いいいっ!?』
ダインに向けて放たれたロックゴーレムの拳は事前に身体を覆い込んでいた影によって誘導され、まるで「黒蛇」のように影が腕に巻き付くと、無理やりに軌道を変化させてロックゴーレムの顔面に拳が叩き込まれる。
自分自身の拳に顔面を強打されたロックゴーレムは戸惑い、肉体の中でも最も硬い箇所で攻撃を受けたロックゴーレムの顔面に亀裂が生じた。この時にダインはロックゴーレムの亀裂の内部に光り輝く物体を発見し、彼は瞬時にロックゴーレムの「核」が頭に存在する事を見抜く。
(そこかっ!!)
ゴーレム種は必ず体内に魔石が存在し、その魔石こそがロックゴーレムの心臓に等しく、それを破壊するかあるいは取り出せばゴーレムは停止する。ダインは近くに落ちていた剣を拾い上げると、自分の肉体に影魔法を発動させ、影を取り込む。
傍から見ればダインの全身が黒く染まったように見えるだろうが、彼は頭の中で「レナ」の動きを思い返し、自分の肉体を影魔法を利用して強制的にレナの動作を再現させ、攻撃行動に移った。
「レナ直伝、兜砕きぃいいっ!!」
「ゴガァアアアッ!?」
ダインが振り下ろした剣が強烈なロックゴーレムの顔面に叩き込まれ、強烈な一撃を受けたロックゴーレムは顔面が崩壊すると、内部の核も破壊された。結果から言えばダインが使用した剣はロックゴーレムの顔面にめり込む形で折れてしまったが、ロックゴーレムを倒す事に成功した。
「く、くそっ……近寄るなよ!!」
立ち上がったロックゴーレムは完全にダインを狙いに定めると、彼に対して拳を振りかざす。その攻撃に対してダインは杖を構え、先ほどのように自分の影を操作してロックゴーレムの足元を振り払う。
通常ならばロックゴーレムの体型と重量ならば簡単に足元をすくわれる事はないが、影魔法はいかなる物理の影響は受けず、その性質を利用すればどんな相手であろうと転ばせる事は容易い。ロックゴーレムは尻餅を付き、戸惑うように足元に視線を向ける。
「ゴオオッ……!?」
「喰らえっ!!」
ダインは先ほどロックゴーレムに殺された人間が落とした武器に影を伸ばすと、地面に落ちていた武器を引き寄せてロックゴーレムに放つ。だが、刃毀れした剣ではロックゴーレムの肉体に弾かれてしまい、傷一つさえ与えられていない。
「ゴオオッ!!」
「くそ、やっぱり駄目かっ!?」
「に、逃げるんじゃ!!殺されてしまうぞ!?」
先ほど助けた老人がダインに逃げるように促すが、ダインとしても逃げられるものなら既に逃げていた。だが、逃げようにも死合場の周囲は弓兵に取り囲まれ、闘技台から逃げようとすれば殺されてしまう。ならば戦うしな方法はなく、彼は必死に頭を回らせる。
(こいつを倒すには並大抵の武器じゃ駄目だ!!何か、使えそうな物はないのか!?)
必死に周囲を見渡してダインはロックゴーレムを倒す方法を考えるが、砂漠のように大量の砂に覆われた闘技台では使えそうな道具や障害物は存在せず、対抗手段が見つからない。考えている間にも立ち上がったロックゴーレムは拳を振りかざす。
「ゴアッ!!」
「うひゃあっ!?」
「く、くそっ!!やっぱり駄目か……」
「期待させやがって……てめえ、魔術師だろうが!!もっと凄い魔法は使えないのかよ!?」
ロックゴーレムの攻撃をダインは転がって回避すると、その様子を見ていた他の囚人が好き勝手に文句を付ける。彼等は二度もロックゴーレムを転ばせたダインを見て彼ならばロックゴーレムを倒せるのではないかと期待したが、必死に逃げ回るダインの姿を見てやはり敵わないのかと理不尽に文句を告げる。
囚人達に対してダインは苛立ちを覚えながらも必死に頭を回し、ヨツバ王国のギンタロウの元で世話になっていた日々を思い出す。ギンタロウの元でダインは毎日のように危険な魔獣種と戦い続け、生き延びてきた。あの日々を思い出しながらダインは駆け出す。
(そうだ……こんな奴、ゴウライと比べれば赤ちゃんみたいなもんじゃないか!!こんな奴に負けてたまるか!!)
ダインはゴウライとの試合を思い返し、彼女と比べればロックゴーレムなどちっぽけな存在に思えた。そう考えると必死に逃げ回る自分自身が馬鹿らしくなり、ダインは逃げるのを止めて向かい合う。
「こ、来いっ!!」
「ゴオオオッ!!」
「な、何をしておるのだ!?早く逃げないと殺されるぞ!?」
老人が立ち止まったダインを見て心配したように声をかけるが、それに対してダインは聞こえていないのか迫りくるロックゴーレムに対して杖を構える。彼はロックゴーレムの知識を思い返し、ある事を思い出す。
(そうだ、ロックゴーレムが肉体を最も硬くさせる場所は「拳」だ!!あいつの身体の中で一番硬い部分は拳なら……それを利用すればいいんだ!!)
ロックゴーレムの特徴を思い出したダインは杖を地面に突き刺すと、ロックゴーレムが攻撃を振りかざす瞬間を捉え、影魔法を発動させる。自分に向けられてきた拳を逆に利用し、彼は影魔法を利用してロックゴーレムに反撃を試みた。
「シャドウ……カウンター!!」
「ゴガァッ!?」
『何いいいっ!?』
ダインに向けて放たれたロックゴーレムの拳は事前に身体を覆い込んでいた影によって誘導され、まるで「黒蛇」のように影が腕に巻き付くと、無理やりに軌道を変化させてロックゴーレムの顔面に拳が叩き込まれる。
自分自身の拳に顔面を強打されたロックゴーレムは戸惑い、肉体の中でも最も硬い箇所で攻撃を受けたロックゴーレムの顔面に亀裂が生じた。この時にダインはロックゴーレムの亀裂の内部に光り輝く物体を発見し、彼は瞬時にロックゴーレムの「核」が頭に存在する事を見抜く。
(そこかっ!!)
ゴーレム種は必ず体内に魔石が存在し、その魔石こそがロックゴーレムの心臓に等しく、それを破壊するかあるいは取り出せばゴーレムは停止する。ダインは近くに落ちていた剣を拾い上げると、自分の肉体に影魔法を発動させ、影を取り込む。
傍から見ればダインの全身が黒く染まったように見えるだろうが、彼は頭の中で「レナ」の動きを思い返し、自分の肉体を影魔法を利用して強制的にレナの動作を再現させ、攻撃行動に移った。
「レナ直伝、兜砕きぃいいっ!!」
「ゴガァアアアッ!?」
ダインが振り下ろした剣が強烈なロックゴーレムの顔面に叩き込まれ、強烈な一撃を受けたロックゴーレムは顔面が崩壊すると、内部の核も破壊された。結果から言えばダインが使用した剣はロックゴーレムの顔面にめり込む形で折れてしまったが、ロックゴーレムを倒す事に成功した。
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