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真・闘技祭 本選編
二回戦赤の組 《レナ、ゴンゾウ、シュン、ジャンヌ》
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――時刻は試合開始の時間を向かえ、遂に試合場の四方の城門が開け開かれる。二回戦の「赤の組」に出場する選手が一斉に姿を現すと、観客席の観衆は歓声を上げるどころかあまりの緊張に黙り込む。
『お待たせしました!!これより、二回戦第一試合を開始します!!出場選手の内のゴンゾウ選手はハルナ選手と交代しましたのでお気を付けください!!』
『おおっ!!遂に戦うんですね!!』
『バルトロス王国の出身であるレナ選手とジャンヌ選手、そしてヨツバ王国の剣聖であるシュン選手、巨人国の若獅子ゴンゾウ選手の入場だぁっ!!』
4人は試合場に訪れると、緊迫した雰囲気が流れる。普段は親しく接している相手だったとしても、試合場に立った以上は本気で戦わなければならず、同じ出身国同士の相手だろうと油断は出来ない。
レナは退魔刀と鏡刀を既に抜いており、ジャンヌも両手に旋斧を握りしめ、ゴンゾウも金銀の闘拳同士を叩きつけて鼻を鳴らす。シュンだけは鞘に刀を収めた状態だが、その手には柄が握りしめられている。全員が戦闘準備を整えたのを確認すると、ホネミンはラビットに試合開始の合図の音を鳴らさせる。
『さあ、無駄な前置きは無しです!!お願いします、ラビットさん!!』
『はい!!では、試合開始ぃっ!!』
派手に試合開始の合図の銅鑼が鳴り響き、最初に動いたのはレナだった。レナは真っ先に狙う相手を決めており、その相手はシュンでもゴンゾウでもなく、闘技祭の開始前は共に訓練を行っていたジャンヌを狙う。
(ジャンヌの回転剣技を阻止しないとまずい!!)
ジャンヌが旋斧を利用して繰り出す「回転」の戦技の恐ろしさはレナも理解しており、実際に以前の試合ではジャンヌの剣技に苦しめられた。そのため、真っ先にレナはジャンヌを先に倒す事を決めていた。
「行くぞ、ジャンヌ!!」
「レナさん……望むところですっ!!」
レナが自分に目掛けて突っ込んできたのを見てジャンヌは動揺もせず、旋斧を構える。彼女も自分が真っ先に狙われるとは承知しており、待ち構える。それを見てレナは退魔刀と鏡刀を振りかざすが、ここでシュンが鞘から刀を抜いてレナに風の斬撃を放つ。
「させるかよ!!」
「くっ!?」
「シュンさん!?」
シュンの放った風の斬撃をレナは咄嗟に鏡刀で斬り裂き、攻撃を無効化させる。その様子を見てジャンヌは驚いた表情を浮かべるが、シュンは別に彼女の援護をしたわけではなく、最初からレナを狙っていた。
他の人間に気を取られている間に自分も狙われる可能性がある今回の試合方式にレナは面倒に思いながらも口元は笑みを浮かべ、要するに実戦と変わらない状況であれば遠慮する必要などない。レナはジャンヌとシュンと向かい合うと、ここでゴンゾウも動き出す。
「行くぞ、レナッ!!」
「ゴンちゃんもか……こいつは厄介だな」
ゴンゾウもレナを狙い、3人の相手に同時に狙われる立場となったレナは退魔刀を背中に戻す。自分が最も得意とする大剣を収めた事に他の3人は戸惑うが、レナは右手を地面に向けると、久々に初級魔法を発動させる。
「闇夜、からの風圧!!」
「うおっ!?」
「こ、これは!?」
「ちっ、目くらましかっ!!」
『なんと!?レナ選手、魔法を使いました!!魔術師の癖に……あ、よく考えた別に普通でしたね』
ダインから教わった闇属性の初級魔法である「闇夜」は魔力で構成した黒霧を作り出し、それを風圧の魔法と組み合わせる事で広範囲に黒霧を拡散させる。レナの魔力量ならば試合全体を包み込むほどの黒霧を生み出す事は出来るが、それをシュンが許すはずがない。
「うざってぇっ!!」
「きゃあっ!?」
「うおっ!?」
「おっと……無茶苦茶するな」
シュンは周囲に向けて風の斬撃を放ち、拡散していく黒霧を吹き飛ばす。強烈な突風に対しては黒霧を利用した煙幕は意味をなさず、折角生み出した黒霧も蹴散らされてしまう。
だが、この攻撃の際にシュンは計らずもジャンヌとゴンゾウが存在する位置にも風の斬撃を放ち、二人は攻撃されたと判断すると、標的をレナからシュンへと切り替える。そしてレナもシュンに対して腕を構え、更なる魔法を放つ。
「火炎弾!!」
「はっ!!今更そんな魔法が効くかよ!!」
レナが初級魔法と支援魔法を組み合わせて放った合成魔術に対してシュンは臆した様子もなく、刀に纏わせた風の魔力で切り裂く。彼の扱う剣技は風の精霊の力を借りており、精霊魔法の一種でもある。人間が扱う魔法と精霊の力を借りた魔法では効果が大きく異なり、恐らくは威力だけならば魔術師の扱う上級の砲撃魔法にも匹敵するはずのレノの火炎弾さえもシュンは簡単に斬り裂く。
魔法の力だけでは倒せないと悟ったレナは小細工を止めにして退魔刀に手を伸ばすと、いつの間にかジャンヌはシュンの元へと駆け出し、両手の旋斧に紅色の魔力を宿していた。それを確認したシュンは即座に風の斬撃で牽制を行う。
『お待たせしました!!これより、二回戦第一試合を開始します!!出場選手の内のゴンゾウ選手はハルナ選手と交代しましたのでお気を付けください!!』
『おおっ!!遂に戦うんですね!!』
『バルトロス王国の出身であるレナ選手とジャンヌ選手、そしてヨツバ王国の剣聖であるシュン選手、巨人国の若獅子ゴンゾウ選手の入場だぁっ!!』
4人は試合場に訪れると、緊迫した雰囲気が流れる。普段は親しく接している相手だったとしても、試合場に立った以上は本気で戦わなければならず、同じ出身国同士の相手だろうと油断は出来ない。
レナは退魔刀と鏡刀を既に抜いており、ジャンヌも両手に旋斧を握りしめ、ゴンゾウも金銀の闘拳同士を叩きつけて鼻を鳴らす。シュンだけは鞘に刀を収めた状態だが、その手には柄が握りしめられている。全員が戦闘準備を整えたのを確認すると、ホネミンはラビットに試合開始の合図の音を鳴らさせる。
『さあ、無駄な前置きは無しです!!お願いします、ラビットさん!!』
『はい!!では、試合開始ぃっ!!』
派手に試合開始の合図の銅鑼が鳴り響き、最初に動いたのはレナだった。レナは真っ先に狙う相手を決めており、その相手はシュンでもゴンゾウでもなく、闘技祭の開始前は共に訓練を行っていたジャンヌを狙う。
(ジャンヌの回転剣技を阻止しないとまずい!!)
ジャンヌが旋斧を利用して繰り出す「回転」の戦技の恐ろしさはレナも理解しており、実際に以前の試合ではジャンヌの剣技に苦しめられた。そのため、真っ先にレナはジャンヌを先に倒す事を決めていた。
「行くぞ、ジャンヌ!!」
「レナさん……望むところですっ!!」
レナが自分に目掛けて突っ込んできたのを見てジャンヌは動揺もせず、旋斧を構える。彼女も自分が真っ先に狙われるとは承知しており、待ち構える。それを見てレナは退魔刀と鏡刀を振りかざすが、ここでシュンが鞘から刀を抜いてレナに風の斬撃を放つ。
「させるかよ!!」
「くっ!?」
「シュンさん!?」
シュンの放った風の斬撃をレナは咄嗟に鏡刀で斬り裂き、攻撃を無効化させる。その様子を見てジャンヌは驚いた表情を浮かべるが、シュンは別に彼女の援護をしたわけではなく、最初からレナを狙っていた。
他の人間に気を取られている間に自分も狙われる可能性がある今回の試合方式にレナは面倒に思いながらも口元は笑みを浮かべ、要するに実戦と変わらない状況であれば遠慮する必要などない。レナはジャンヌとシュンと向かい合うと、ここでゴンゾウも動き出す。
「行くぞ、レナッ!!」
「ゴンちゃんもか……こいつは厄介だな」
ゴンゾウもレナを狙い、3人の相手に同時に狙われる立場となったレナは退魔刀を背中に戻す。自分が最も得意とする大剣を収めた事に他の3人は戸惑うが、レナは右手を地面に向けると、久々に初級魔法を発動させる。
「闇夜、からの風圧!!」
「うおっ!?」
「こ、これは!?」
「ちっ、目くらましかっ!!」
『なんと!?レナ選手、魔法を使いました!!魔術師の癖に……あ、よく考えた別に普通でしたね』
ダインから教わった闇属性の初級魔法である「闇夜」は魔力で構成した黒霧を作り出し、それを風圧の魔法と組み合わせる事で広範囲に黒霧を拡散させる。レナの魔力量ならば試合全体を包み込むほどの黒霧を生み出す事は出来るが、それをシュンが許すはずがない。
「うざってぇっ!!」
「きゃあっ!?」
「うおっ!?」
「おっと……無茶苦茶するな」
シュンは周囲に向けて風の斬撃を放ち、拡散していく黒霧を吹き飛ばす。強烈な突風に対しては黒霧を利用した煙幕は意味をなさず、折角生み出した黒霧も蹴散らされてしまう。
だが、この攻撃の際にシュンは計らずもジャンヌとゴンゾウが存在する位置にも風の斬撃を放ち、二人は攻撃されたと判断すると、標的をレナからシュンへと切り替える。そしてレナもシュンに対して腕を構え、更なる魔法を放つ。
「火炎弾!!」
「はっ!!今更そんな魔法が効くかよ!!」
レナが初級魔法と支援魔法を組み合わせて放った合成魔術に対してシュンは臆した様子もなく、刀に纏わせた風の魔力で切り裂く。彼の扱う剣技は風の精霊の力を借りており、精霊魔法の一種でもある。人間が扱う魔法と精霊の力を借りた魔法では効果が大きく異なり、恐らくは威力だけならば魔術師の扱う上級の砲撃魔法にも匹敵するはずのレノの火炎弾さえもシュンは簡単に斬り裂く。
魔法の力だけでは倒せないと悟ったレナは小細工を止めにして退魔刀に手を伸ばすと、いつの間にかジャンヌはシュンの元へと駆け出し、両手の旋斧に紅色の魔力を宿していた。それを確認したシュンは即座に風の斬撃で牽制を行う。
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