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真・闘技祭 本選編
最も敵に回してはいけない存在
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「こんな所で何をしているのかしら?」
「っ……!?」
いつの間にか自分の近くに人が立っている事に気付いたサスケは反射的に短刀を引き抜き、攻撃を仕掛けた。しかし、確かに目の前に存在したはずの人物に対して彼は刃を振り抜いたのだが、空振りしてしまう。
「なっ!?」
「何処を見ているのかしらね、私はこっちよ?」
自分の攻撃が回避されたのかとハンゾウは焦りを抱くが、今度は背後から声を掛けられ、驚いた彼は咄嗟に振り返るがそこにも誰もいない。いったいどうなっているのかとサスケは混乱するが、彼は心を落ち着かせて周囲の様子を伺った。
(落ち着け、焦るんじゃない……忍者は取り乱さない)
瞬時に冷静になったサスケは気配感知を発動させ、周囲の状況を調べる。しかし、どういう事なのか近くからは人の気配は感じられず、誰も姿が見えない。だが、確かにサスケは聞こえてきた声に警戒心を抱き、短刀を構えながら臨戦態勢に入った。
敵が何処に隠れているのかとサスケは周囲を警戒していると、足音が鳴り響く。その足音が聞こえる方向に視線を向けると、そこには口元に手を伸ばした状態の「マリア」が現れた。この状況下でマリアが現れた事にサスケは唖然とするが、一方のマリアの方は口元で何事かを囁く。
「こうしてちゃんと顔を合わせるのは初めてかしら、王妃の忍者さん?」
「っ!?」
耳元に直接話しかけるように聞こえてきたマリアの声にサスケは戸惑い、自分の身に何が起きているのかと彼は恐怖した。そんなサスケに対してマリアはつまらなそうに口を手から話すと、ネタ晴らしを行う。
「どう、間近で話している様に私の声が聞こえたでしょう?風の精霊を利用した「伝風術」という名前の技術よ」
「な、何で……あんたがここにいるんだ?」
「簡単な話よ、この闘技祭の周辺一帯の風の精霊を呼び集めて貴方の位置を掴んだだけ、ただそれだけの話よ」
何事もないように答えるマリアに対してサスケは恐怖を抱き、彼女が告げた言葉は正直に言ってあまりにも異常だった。エルフは精霊魔法を得意とするといっても、自然豊かな土地ならばともかく、巨大な建物内でしかもたった一人で風の精霊を呼び集めるなど並の精霊魔導士の芸当では出来ない。
風の聖痕を所持していないにも関わらずにマリアは闘技場周辺の風の精霊を呼び集め、支配下に収めたという事実を知れば普通の魔術師ならが卒倒するだろう。恐らく、ヨツバ王国の長い歴史の中でもマリア程に魔術師としての才能に恵まれた存在はおらず、もしもハヅキがレナに託す前に死んでいたとすれば風の聖痕の継承者はマリアである事は間違いなかった。
「うちのギルドで働いている子に手を出したそうね。それだけではなく、貴方の目的はうちの甥というのは本当かしら?」
「ま、待て……いや、待ってくれ」
「待つわけがないでしょう。あの女の飼い犬というだけでも私にとっては貴方は排除対象よ」
マリアは冷たい視線をサスケに向け、武人とは違った雰囲気を醸し出すマリアにサスケは精神的に追い詰められていく。しかし、このまま逃げた所でサスケには後はなく、一か八かマリアを仕留められないかとサスケは考える。
(い、いくらこの女が強いといえど、所詮は魔術師だ……なら、接近戦からこちらが有利のはずだ)
どれだけ優れた魔術師であろうと魔法を発動する前に接近して倒せば問題ないと判断したサスケは背中に腕を回し、短刀を握りしめる。表面上は怯えた表情を浮かべてマリアの油断を誘いながらも、彼は隙をついてマリアに襲い掛かろうとした。しかし、そんな安易な考えは見抜かれていたように彼の背後から別人の声が掛けられた。
「あらあら、貴方がうちの息子と、その大切なお友達に手を出した悪い子かしら?」
「っ……!?」
足音もたてずに自分の背後から声をかけてきた相手に対し、反射的にサスケは短刀を振り抜翳す。しかし、その動作に対して背後に立っていた相手は短刀を繰り出した手首を掴み上げ、逆にサスケを地面へと押し倒す。
「ぐあっ!?」
「もう、やんちゃな子ね」
「姉さん、助かったわ。私一人だったら……殺しかねなかったもの」
「お、お前は……!?」
あっさりと自分を抑え込んだ人物にサスケは驚き、彼を抑えたのはマリアの姉のアイラだった。どうやら試合を終えて完全に治療を終えたらしく、彼女は普段着に戻った状態でサスケをあっさりと取り押さえた。
サスケも忍者として武器だけではなく、体術にも自信はあったのだが本職の格闘家であるアイラには手も足も出ず、彼女の力で抑え付けられてしまう。サスケは必死に振りほどこうとするが、まるで大人と子供なみの力の差があり、逆に抑えつけられた腕が折れかねない程に締め付けられる。
「ぎゃあああっ!?」
「あらあら、そんな情けない悲鳴を上げて……仕方のない子ね」
「姉さん、それ以上は駄目よ……お仕置きは私の方がしてあげるわ」
「ぐあっ……!?」
サスケはアイラが手刀を首筋に叩き込むと気絶し、そのまま彼女の肩に担ぎ込まれ、マリアと一緒に通路の奥へと消え去った――
※アイラ・マリア姉妹怖い……(´;ω;`)
「っ……!?」
いつの間にか自分の近くに人が立っている事に気付いたサスケは反射的に短刀を引き抜き、攻撃を仕掛けた。しかし、確かに目の前に存在したはずの人物に対して彼は刃を振り抜いたのだが、空振りしてしまう。
「なっ!?」
「何処を見ているのかしらね、私はこっちよ?」
自分の攻撃が回避されたのかとハンゾウは焦りを抱くが、今度は背後から声を掛けられ、驚いた彼は咄嗟に振り返るがそこにも誰もいない。いったいどうなっているのかとサスケは混乱するが、彼は心を落ち着かせて周囲の様子を伺った。
(落ち着け、焦るんじゃない……忍者は取り乱さない)
瞬時に冷静になったサスケは気配感知を発動させ、周囲の状況を調べる。しかし、どういう事なのか近くからは人の気配は感じられず、誰も姿が見えない。だが、確かにサスケは聞こえてきた声に警戒心を抱き、短刀を構えながら臨戦態勢に入った。
敵が何処に隠れているのかとサスケは周囲を警戒していると、足音が鳴り響く。その足音が聞こえる方向に視線を向けると、そこには口元に手を伸ばした状態の「マリア」が現れた。この状況下でマリアが現れた事にサスケは唖然とするが、一方のマリアの方は口元で何事かを囁く。
「こうしてちゃんと顔を合わせるのは初めてかしら、王妃の忍者さん?」
「っ!?」
耳元に直接話しかけるように聞こえてきたマリアの声にサスケは戸惑い、自分の身に何が起きているのかと彼は恐怖した。そんなサスケに対してマリアはつまらなそうに口を手から話すと、ネタ晴らしを行う。
「どう、間近で話している様に私の声が聞こえたでしょう?風の精霊を利用した「伝風術」という名前の技術よ」
「な、何で……あんたがここにいるんだ?」
「簡単な話よ、この闘技祭の周辺一帯の風の精霊を呼び集めて貴方の位置を掴んだだけ、ただそれだけの話よ」
何事もないように答えるマリアに対してサスケは恐怖を抱き、彼女が告げた言葉は正直に言ってあまりにも異常だった。エルフは精霊魔法を得意とするといっても、自然豊かな土地ならばともかく、巨大な建物内でしかもたった一人で風の精霊を呼び集めるなど並の精霊魔導士の芸当では出来ない。
風の聖痕を所持していないにも関わらずにマリアは闘技場周辺の風の精霊を呼び集め、支配下に収めたという事実を知れば普通の魔術師ならが卒倒するだろう。恐らく、ヨツバ王国の長い歴史の中でもマリア程に魔術師としての才能に恵まれた存在はおらず、もしもハヅキがレナに託す前に死んでいたとすれば風の聖痕の継承者はマリアである事は間違いなかった。
「うちのギルドで働いている子に手を出したそうね。それだけではなく、貴方の目的はうちの甥というのは本当かしら?」
「ま、待て……いや、待ってくれ」
「待つわけがないでしょう。あの女の飼い犬というだけでも私にとっては貴方は排除対象よ」
マリアは冷たい視線をサスケに向け、武人とは違った雰囲気を醸し出すマリアにサスケは精神的に追い詰められていく。しかし、このまま逃げた所でサスケには後はなく、一か八かマリアを仕留められないかとサスケは考える。
(い、いくらこの女が強いといえど、所詮は魔術師だ……なら、接近戦からこちらが有利のはずだ)
どれだけ優れた魔術師であろうと魔法を発動する前に接近して倒せば問題ないと判断したサスケは背中に腕を回し、短刀を握りしめる。表面上は怯えた表情を浮かべてマリアの油断を誘いながらも、彼は隙をついてマリアに襲い掛かろうとした。しかし、そんな安易な考えは見抜かれていたように彼の背後から別人の声が掛けられた。
「あらあら、貴方がうちの息子と、その大切なお友達に手を出した悪い子かしら?」
「っ……!?」
足音もたてずに自分の背後から声をかけてきた相手に対し、反射的にサスケは短刀を振り抜翳す。しかし、その動作に対して背後に立っていた相手は短刀を繰り出した手首を掴み上げ、逆にサスケを地面へと押し倒す。
「ぐあっ!?」
「もう、やんちゃな子ね」
「姉さん、助かったわ。私一人だったら……殺しかねなかったもの」
「お、お前は……!?」
あっさりと自分を抑え込んだ人物にサスケは驚き、彼を抑えたのはマリアの姉のアイラだった。どうやら試合を終えて完全に治療を終えたらしく、彼女は普段着に戻った状態でサスケをあっさりと取り押さえた。
サスケも忍者として武器だけではなく、体術にも自信はあったのだが本職の格闘家であるアイラには手も足も出ず、彼女の力で抑え付けられてしまう。サスケは必死に振りほどこうとするが、まるで大人と子供なみの力の差があり、逆に抑えつけられた腕が折れかねない程に締め付けられる。
「ぎゃあああっ!?」
「あらあら、そんな情けない悲鳴を上げて……仕方のない子ね」
「姉さん、それ以上は駄目よ……お仕置きは私の方がしてあげるわ」
「ぐあっ……!?」
サスケはアイラが手刀を首筋に叩き込むと気絶し、そのまま彼女の肩に担ぎ込まれ、マリアと一緒に通路の奥へと消え去った――
※アイラ・マリア姉妹怖い……(´;ω;`)
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