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真・闘技祭 予選編
聖剣と闘拳
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「ディバインスラッシュ!!」
「雷光!!」
レミアが聖剣を振りかざした瞬間、ハルナの方は闘拳に電流を迸らせ、一気に加速してレミアの元へと近づく。その光景を確認してレミアは戸惑い、自ら刃に向けて飛び込んできた少女の行動に動揺を隠せない。しかし、既に振り抜いた両腕は止まらず、刃と闘拳は衝突した。
聖属性の魔力を纏った刃と、雷属性の魔力を帯びた闘拳が触れた瞬間、強烈な衝撃波が周囲へと走る。結果から言えばレミアとハルナの身体は互いに吹き飛び、どちらも地面に叩きつけられる。
「がはぁっ!?」
「あいだぁっ!?」
派手に地面に転がり込んだレミアとハルナだったが、すぐに二人は身体を起き上げ、驚いた表情を浮かべて互いの様子を確認した。レミアは聖剣の一撃でさえもハルナを倒せなかった事に動揺し、一方でハルナの方も自分の闘拳に視線を向け、亀裂が走っている事に気付く。
(そんな……聖剣が弾かれるなんて!?)
(ひえっ……流石に今のはやばかった)
レミアは一撃で終わらせるつもりで切りかかり、一方でハルナの方は聖剣の刃をへし折るつもりで挑んだが、結果から言えばどちらも目的を果たせずに吹き飛ばされてしまう。流石に余裕の態度を貫いたハルナも自慢の闘拳が破損した事で内心では冷や汗を抱く。
彼女が所持する闘拳は海獄島に生息していた「海竜」の牙を削り取り、作り上げた代物である。竜種の素材なので滅多に壊れる事はないはずだが、先の一撃で右手の闘拳は破損してしまい、これ以上に衝撃を与えれば壊れる危険性もあった。
「参ったな、お気に入りの闘拳だったのに……」
「何をよそ見しているのですか!!」
「うおっと!?」
いち早く立ち上がったレミアはハルナに向けて駆け出し、剣を振り抜くと彼女は慌てて刃を回避した。先ほどまでは聖剣であろうと自分の闘拳でへし折るつもりだったハルナだったが、自分の自慢の闘拳の方が壊れそうになったのを見て慌てて警戒心を高める。
「おっとっと……あんた、思ったよりも強いんだな」
「この、ちょこまかと……!!」
聖剣を振りかざすレミアに対してハルナは身軽な動作で攻撃を躱し続け、そんな彼女に対してレミアは焦りの表情を抱く。予選が開始されてからレミアは幾度も聖剣の力を使った事で体力の消耗が激しく、やがて彼女は息を乱し、汗を流し始める。
レミアの異変に気付いたハルナは彼女と距離を置いて様子を観察し、体力を消耗したレミアを見て違和感を抱く。彼女は聖剣に視線を向け、レミアの疲労の原因先ほどの聖剣の攻撃である事を見抜く。
「あんたさ、その武器を完全に使いこなしてはいないんだろ?だからそんなにへばってるんじゃないのか?」
「余計な、お世話です!!貴方を倒す程度の力はまだ残っています!!」
「へえっ……でもさ、あんまりちんたらしていると予選に落ちるかもしれないじゃないの?」
「何を馬鹿な事を……」
ハルナの言葉にレミアは自分が手にした牙竜の素材に視線を向け、この素材が手元にある限りはいつでも闘技場に出向いて予選を突破出来る事は明白だった。だが、そんな彼女を見てハルナはレミアの知らない事実を伝える。
「言っておくけどさ、街に放たれた魔物がどれだけいると思ってるんだ?魔物の素材を回収したからと言って安心しない方がいいと思うぜ?」
「なっ……」
「俺の見た限りだとここまでの道中で10匹ぐらいは魔物を見かけたよ。多分だけど、この街に解き放たれた魔物は32匹以上はいるんじゃないかな」
闘技祭の予選を突破するためには街に放たれた魔物を仕留め、その素材を回収する必要がある。だが、街に解放された魔物の数に関してだけは大会側も正確な数は示していない。
仮にハルナの言葉が真実だった場合、もしも街に放たれた魔物の数が本選出場の規定人数である「32」を超える魔物が放たれていたとしたら、レミアが魔物の素材を所持していたとしても必ずしも予選に突破できるとは限らない。戦っている間にも先に素材を回収した他の選手に出し抜かれる可能性も十分に有り得た。
「悪いけど、ここでちんたらと戦っていたら俺まで不合格になりそうだからな。先に行かせてもらうよ」
「ま、待ちなさい!!」
「それに疲れ切っているあんたを倒しても全然勝った気がしないからな!!続きはまた今度という事で……ばいば~い!!」
ハルナはちゃっかりとレミアが打ち倒した牙竜の素材である牙を手に取ると、そのまま街道を駆け抜けて闘技場の方角まで駆け出す。その様子を見てレミアは反射的に聖剣を発動させて攻撃を加えようとしたが、その前に膝を付いてしまう。
「くぅっ……!!」
悔しい事にハルナの言う通り、今のレミアは聖剣を使いこなせる程の体力は残っていなかった。絶大な威力を発揮する聖剣エクスカリバーだが、その反面に彼女の肉体にも大きな負荷を与えていた。聖剣は所有者の魔力を吸い上げて効果を発揮するため、当然だが大技を使えばその分にレミアにも大きな負担が掛かる。
逃げ去っていくハルナの後ろ姿を眺め、レミアは聖剣を杖代わりにして立ち上がり、どうにか闘技場まで歩いて向かう。結局はハルナを倒すには至らず、それどころか自分の倒した魔物の素材を奪われるという事態に彼女は屈辱感を覚えるが、同時に次こそは必ずハルナに勝つ事を誓う。
「終われません、このままでは……!!」
先に闘技場に向かったレナとハルナを追いかけるために彼女は何としても追いつくため、身体を這ってでも闘技場に向かう覚悟を抱いた――
※その頃のシュンさん
_(´ω` 」∠)_.。o(あいつら、もう行ったかな……?)←狸寝入りで戦闘が終わるまで休んでいた
「雷光!!」
レミアが聖剣を振りかざした瞬間、ハルナの方は闘拳に電流を迸らせ、一気に加速してレミアの元へと近づく。その光景を確認してレミアは戸惑い、自ら刃に向けて飛び込んできた少女の行動に動揺を隠せない。しかし、既に振り抜いた両腕は止まらず、刃と闘拳は衝突した。
聖属性の魔力を纏った刃と、雷属性の魔力を帯びた闘拳が触れた瞬間、強烈な衝撃波が周囲へと走る。結果から言えばレミアとハルナの身体は互いに吹き飛び、どちらも地面に叩きつけられる。
「がはぁっ!?」
「あいだぁっ!?」
派手に地面に転がり込んだレミアとハルナだったが、すぐに二人は身体を起き上げ、驚いた表情を浮かべて互いの様子を確認した。レミアは聖剣の一撃でさえもハルナを倒せなかった事に動揺し、一方でハルナの方も自分の闘拳に視線を向け、亀裂が走っている事に気付く。
(そんな……聖剣が弾かれるなんて!?)
(ひえっ……流石に今のはやばかった)
レミアは一撃で終わらせるつもりで切りかかり、一方でハルナの方は聖剣の刃をへし折るつもりで挑んだが、結果から言えばどちらも目的を果たせずに吹き飛ばされてしまう。流石に余裕の態度を貫いたハルナも自慢の闘拳が破損した事で内心では冷や汗を抱く。
彼女が所持する闘拳は海獄島に生息していた「海竜」の牙を削り取り、作り上げた代物である。竜種の素材なので滅多に壊れる事はないはずだが、先の一撃で右手の闘拳は破損してしまい、これ以上に衝撃を与えれば壊れる危険性もあった。
「参ったな、お気に入りの闘拳だったのに……」
「何をよそ見しているのですか!!」
「うおっと!?」
いち早く立ち上がったレミアはハルナに向けて駆け出し、剣を振り抜くと彼女は慌てて刃を回避した。先ほどまでは聖剣であろうと自分の闘拳でへし折るつもりだったハルナだったが、自分の自慢の闘拳の方が壊れそうになったのを見て慌てて警戒心を高める。
「おっとっと……あんた、思ったよりも強いんだな」
「この、ちょこまかと……!!」
聖剣を振りかざすレミアに対してハルナは身軽な動作で攻撃を躱し続け、そんな彼女に対してレミアは焦りの表情を抱く。予選が開始されてからレミアは幾度も聖剣の力を使った事で体力の消耗が激しく、やがて彼女は息を乱し、汗を流し始める。
レミアの異変に気付いたハルナは彼女と距離を置いて様子を観察し、体力を消耗したレミアを見て違和感を抱く。彼女は聖剣に視線を向け、レミアの疲労の原因先ほどの聖剣の攻撃である事を見抜く。
「あんたさ、その武器を完全に使いこなしてはいないんだろ?だからそんなにへばってるんじゃないのか?」
「余計な、お世話です!!貴方を倒す程度の力はまだ残っています!!」
「へえっ……でもさ、あんまりちんたらしていると予選に落ちるかもしれないじゃないの?」
「何を馬鹿な事を……」
ハルナの言葉にレミアは自分が手にした牙竜の素材に視線を向け、この素材が手元にある限りはいつでも闘技場に出向いて予選を突破出来る事は明白だった。だが、そんな彼女を見てハルナはレミアの知らない事実を伝える。
「言っておくけどさ、街に放たれた魔物がどれだけいると思ってるんだ?魔物の素材を回収したからと言って安心しない方がいいと思うぜ?」
「なっ……」
「俺の見た限りだとここまでの道中で10匹ぐらいは魔物を見かけたよ。多分だけど、この街に解き放たれた魔物は32匹以上はいるんじゃないかな」
闘技祭の予選を突破するためには街に放たれた魔物を仕留め、その素材を回収する必要がある。だが、街に解放された魔物の数に関してだけは大会側も正確な数は示していない。
仮にハルナの言葉が真実だった場合、もしも街に放たれた魔物の数が本選出場の規定人数である「32」を超える魔物が放たれていたとしたら、レミアが魔物の素材を所持していたとしても必ずしも予選に突破できるとは限らない。戦っている間にも先に素材を回収した他の選手に出し抜かれる可能性も十分に有り得た。
「悪いけど、ここでちんたらと戦っていたら俺まで不合格になりそうだからな。先に行かせてもらうよ」
「ま、待ちなさい!!」
「それに疲れ切っているあんたを倒しても全然勝った気がしないからな!!続きはまた今度という事で……ばいば~い!!」
ハルナはちゃっかりとレミアが打ち倒した牙竜の素材である牙を手に取ると、そのまま街道を駆け抜けて闘技場の方角まで駆け出す。その様子を見てレミアは反射的に聖剣を発動させて攻撃を加えようとしたが、その前に膝を付いてしまう。
「くぅっ……!!」
悔しい事にハルナの言う通り、今のレミアは聖剣を使いこなせる程の体力は残っていなかった。絶大な威力を発揮する聖剣エクスカリバーだが、その反面に彼女の肉体にも大きな負荷を与えていた。聖剣は所有者の魔力を吸い上げて効果を発揮するため、当然だが大技を使えばその分にレミアにも大きな負担が掛かる。
逃げ去っていくハルナの後ろ姿を眺め、レミアは聖剣を杖代わりにして立ち上がり、どうにか闘技場まで歩いて向かう。結局はハルナを倒すには至らず、それどころか自分の倒した魔物の素材を奪われるという事態に彼女は屈辱感を覚えるが、同時に次こそは必ずハルナに勝つ事を誓う。
「終われません、このままでは……!!」
先に闘技場に向かったレナとハルナを追いかけるために彼女は何としても追いつくため、身体を這ってでも闘技場に向かう覚悟を抱いた――
※その頃のシュンさん
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