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S級冒険者編
S級冒険者へ昇格
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「遂にレナもS級に昇格か……おめでとう」
「あ~あ、僕達も遂に追い越されたか……けど、S級冒険者は世界に10人もいないんだろ?しかも昇格するには色々と条件があると聞いてたんけど……」
「そこら辺はマリアの奴が上手くやってくれたのさ。世界を代表する氷雨のギルドマスターの推薦なんだよ?誰も文句を言うはずがいるはずないだろう」
「なるほど、叔母様が裏から手を回していたのか」
「こう考えると兄貴は本当に凄い人っすね~バルトロス王国の王子様にして氷雨のギルドマスターの甥、さらにハヅキ家の一員でもあるし、ティナ様の婿様だからヨツバ王族でもあるんですよ」
「レナの肩書きが多すぎてよく分からなくなった」
「ここまでくるのに割と苦労したけどね……」
最初の頃はレナはバルトロス王国から追放され、正体が気付かれないようにひっそりと暮らすしかなかった。しかし、紆余曲折を経て無事にバルトロス王国の王子として認められるようになり、遂にはS級冒険者にも昇格を果たしたという事を考えると色々と感慨深い。
レナは壁に立てかけた退魔刀に視線を向け、こちらの大剣との付き合いも長く、この大剣のお陰で窮地を幾度も乗り越えることが出来た。その一方でレナは退魔刀の隣に置いてある大太刀に視線を向け、先代の反鏡剣と比べるとやはり完全には扱いこなしていない気がする。
(この大太刀、守護者から奪った奴だけどやっぱり慣れないな……まあ、使いこなすまで頑張るしかないか)
反鏡剣を失った以上、レナに見合う武器となると滅多に存在せず、街で売り出されているような武器ではもうレナの力には耐え切れない。レベルが80を迎えた今のレナの力に耐えきれる武器となると、聖剣や七大魔剣と同程度の武器でなければ相応しくない。
この日の晩は黒虎の冒険者ギルドにて多くの人間がレナのS級冒険者の昇格を祝い、この数日後に正式にS級冒険者の昇格を認可される事になる。しかし、今回の一件が世界中に散らばる冒険者達の間に波紋が広がり、この日から一か月後にレナはマリアに呼び出される事になった――
――マリアからの唐突な呼び出しにレナは疑問を抱きながらも氷雨の冒険者ギルドに尋ねると、彼女の部屋にて予想外の人物がレナを迎え入れる。
「よう、坊主。久しぶりだな、元気にしてたか?」
『……ふん』
「あれ?シュンさんにハヤテさん……ヨツバ王国に戻ったんじゃないんですか?」
「まあ、色々とあって嬢ちゃんに呼び出しを喰らったんだよ」
部屋の中にはカレハの一件で国内の動揺が収まるまでの間はヨツバ王国に戻ったはずのシュンとハヤテが存在し、2人が戻って来た事にレナは驚くが、2人の他にも見知った顔が居る事に気付く。
「久しぶりだな……いや、久しぶりですレナ様」
「ラナ?どうしてここに?」
「私が呼び出したのよ」
緑影の中でも影響力を持つ「ラナ」も在席しており、レナはどうしてヨツバ王国の3人がここにいるのかと不思議に思うと、窓の外を覗いていたマリアが答えた。彼女はレナが来た事に微笑みを浮かべると、とりあえずはシュン達と向かい側の席に座るように促す。
「そういえば坊主、遂にS級冒険者にしたんだってな?おめでとさん、これで晴れて俺達の後輩ということだ」
「後輩?あ、そういえば……」
『氷雨の剣聖の称号を持つ者達は全員がS級冒険者だ。つまり、お前は私達の後輩という事になる……とりあえず、人数分の焼きそばパンを買ってこい』
「ハヤテ、人の甥をパシリに使わないでちょうだい。死にたいのかしら?」
『……冗談だ』
「というか、焼きそばパンもあるんだこの世界……」
割と本気の殺意を滲ませたマリアの言葉にハヤテはそっぽを向き、今更ながらにレナは氷雨のギルドに所属する「ゴウライ」「シュン」「ハヤテ」「ロウガ」「ジャンヌ」の全員がS級冒険者である事を思い出した。世間の間では剣聖という称号が目立ち、あまり知られてはいないが彼等はS級冒険者として日夜普通の冒険者では対処できない仕事を全うしている。
ちなにに他の3人の剣聖は遠征して冒険者の務めを果たしており、この街に残っているS級冒険者はレナだけである。別にS級に昇格してもレナの日常は特に変わりはなく、仲間達と共に平穏に暮らしていた。S級に昇格しても特に生活に大きな変化がない事にレナは拍子抜けしていたが、これには色々と理由があった。
「実は私の所に何件か貴方宛ての依頼が届いているわ。だけど、その全てを私は断っているの」
「え?どうして?」
「依頼の内容が明らかにS級冒険者、というよりも貴方個人を呼び寄せようとする内容ばかりだからよ。冒険者というよりも、バルトロス王国の王子である貴方と接点が欲しくて依頼を出しているといえば分かりやすいかしら」
「ああ、そういう事か……」
既に世間ではレナがバルトロス王国の王子である事は有名な話になっており、現在ではレナも歩いているだけで人が群がってくる程に有名になってしまう。基本的には冒険都市の人間は腐敗竜の件もあってバルトロス王国には不信感を抱いていたが、その腐敗竜の討伐に貢献したレナは人気者だった。
※本日はコミカライズ版の更新日でした!!
(; ゚Д゚)つパソコン←10秒前に更新されている事に気付いた作者
ちなみに今回の8話の内容に関してですが……ここまで読んだ読者の皆さんは知っていると思いますが、レナの異常なまでの強さは母親のアイラの血をしっかりと継いでいるからです。決して後付けではありませんよ、アイラは初期設定から化物です(断言)!!
アイラ「あら……喧嘩を売られた気がするわ(#^ω^)ピキピキ」
マリア「ね、姉さんが切れた……(; ゚Д゚)ガクガクブルブル」
「あ~あ、僕達も遂に追い越されたか……けど、S級冒険者は世界に10人もいないんだろ?しかも昇格するには色々と条件があると聞いてたんけど……」
「そこら辺はマリアの奴が上手くやってくれたのさ。世界を代表する氷雨のギルドマスターの推薦なんだよ?誰も文句を言うはずがいるはずないだろう」
「なるほど、叔母様が裏から手を回していたのか」
「こう考えると兄貴は本当に凄い人っすね~バルトロス王国の王子様にして氷雨のギルドマスターの甥、さらにハヅキ家の一員でもあるし、ティナ様の婿様だからヨツバ王族でもあるんですよ」
「レナの肩書きが多すぎてよく分からなくなった」
「ここまでくるのに割と苦労したけどね……」
最初の頃はレナはバルトロス王国から追放され、正体が気付かれないようにひっそりと暮らすしかなかった。しかし、紆余曲折を経て無事にバルトロス王国の王子として認められるようになり、遂にはS級冒険者にも昇格を果たしたという事を考えると色々と感慨深い。
レナは壁に立てかけた退魔刀に視線を向け、こちらの大剣との付き合いも長く、この大剣のお陰で窮地を幾度も乗り越えることが出来た。その一方でレナは退魔刀の隣に置いてある大太刀に視線を向け、先代の反鏡剣と比べるとやはり完全には扱いこなしていない気がする。
(この大太刀、守護者から奪った奴だけどやっぱり慣れないな……まあ、使いこなすまで頑張るしかないか)
反鏡剣を失った以上、レナに見合う武器となると滅多に存在せず、街で売り出されているような武器ではもうレナの力には耐え切れない。レベルが80を迎えた今のレナの力に耐えきれる武器となると、聖剣や七大魔剣と同程度の武器でなければ相応しくない。
この日の晩は黒虎の冒険者ギルドにて多くの人間がレナのS級冒険者の昇格を祝い、この数日後に正式にS級冒険者の昇格を認可される事になる。しかし、今回の一件が世界中に散らばる冒険者達の間に波紋が広がり、この日から一か月後にレナはマリアに呼び出される事になった――
――マリアからの唐突な呼び出しにレナは疑問を抱きながらも氷雨の冒険者ギルドに尋ねると、彼女の部屋にて予想外の人物がレナを迎え入れる。
「よう、坊主。久しぶりだな、元気にしてたか?」
『……ふん』
「あれ?シュンさんにハヤテさん……ヨツバ王国に戻ったんじゃないんですか?」
「まあ、色々とあって嬢ちゃんに呼び出しを喰らったんだよ」
部屋の中にはカレハの一件で国内の動揺が収まるまでの間はヨツバ王国に戻ったはずのシュンとハヤテが存在し、2人が戻って来た事にレナは驚くが、2人の他にも見知った顔が居る事に気付く。
「久しぶりだな……いや、久しぶりですレナ様」
「ラナ?どうしてここに?」
「私が呼び出したのよ」
緑影の中でも影響力を持つ「ラナ」も在席しており、レナはどうしてヨツバ王国の3人がここにいるのかと不思議に思うと、窓の外を覗いていたマリアが答えた。彼女はレナが来た事に微笑みを浮かべると、とりあえずはシュン達と向かい側の席に座るように促す。
「そういえば坊主、遂にS級冒険者にしたんだってな?おめでとさん、これで晴れて俺達の後輩ということだ」
「後輩?あ、そういえば……」
『氷雨の剣聖の称号を持つ者達は全員がS級冒険者だ。つまり、お前は私達の後輩という事になる……とりあえず、人数分の焼きそばパンを買ってこい』
「ハヤテ、人の甥をパシリに使わないでちょうだい。死にたいのかしら?」
『……冗談だ』
「というか、焼きそばパンもあるんだこの世界……」
割と本気の殺意を滲ませたマリアの言葉にハヤテはそっぽを向き、今更ながらにレナは氷雨のギルドに所属する「ゴウライ」「シュン」「ハヤテ」「ロウガ」「ジャンヌ」の全員がS級冒険者である事を思い出した。世間の間では剣聖という称号が目立ち、あまり知られてはいないが彼等はS級冒険者として日夜普通の冒険者では対処できない仕事を全うしている。
ちなにに他の3人の剣聖は遠征して冒険者の務めを果たしており、この街に残っているS級冒険者はレナだけである。別にS級に昇格してもレナの日常は特に変わりはなく、仲間達と共に平穏に暮らしていた。S級に昇格しても特に生活に大きな変化がない事にレナは拍子抜けしていたが、これには色々と理由があった。
「実は私の所に何件か貴方宛ての依頼が届いているわ。だけど、その全てを私は断っているの」
「え?どうして?」
「依頼の内容が明らかにS級冒険者、というよりも貴方個人を呼び寄せようとする内容ばかりだからよ。冒険者というよりも、バルトロス王国の王子である貴方と接点が欲しくて依頼を出しているといえば分かりやすいかしら」
「ああ、そういう事か……」
既に世間ではレナがバルトロス王国の王子である事は有名な話になっており、現在ではレナも歩いているだけで人が群がってくる程に有名になってしまう。基本的には冒険都市の人間は腐敗竜の件もあってバルトロス王国には不信感を抱いていたが、その腐敗竜の討伐に貢献したレナは人気者だった。
※本日はコミカライズ版の更新日でした!!
(; ゚Д゚)つパソコン←10秒前に更新されている事に気付いた作者
ちなみに今回の8話の内容に関してですが……ここまで読んだ読者の皆さんは知っていると思いますが、レナの異常なまでの強さは母親のアイラの血をしっかりと継いでいるからです。決して後付けではありませんよ、アイラは初期設定から化物です(断言)!!
アイラ「あら……喧嘩を売られた気がするわ(#^ω^)ピキピキ」
マリア「ね、姉さんが切れた……(; ゚Д゚)ガクガクブルブル」
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