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闘技祭 決戦編
大将軍襲来
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「面倒だな……ハンゾウ、エリナ、やってしまいなさい!!」
「うぃっす!!」
「承知!!」
水〇黄門のようにレナはエリナとハンゾウに指示を与えると、先にハンゾウが動き出して何処から取り出したのか無数の苦無を投げつけ、エリナも続けて弓矢を構えて次々と矢を放つ。
「せいっ!!」
「連射!!」
『ぎゃあああっ!?』
二人が放った苦無と矢は兵士の膝を的確に射抜き、先頭集団が転倒した事で後ろに続いていた兵士が衝突し、足を止めてしまう。それを確認したレナは久しぶりに合成魔術を放つ。
「魔力強化……からの風圧!!」
『うわぁあああっ!?』
「おおっ……まるで風遁の術でござる!!」
右手に意識を集中させ、初級魔法を支援魔法で強化させて強烈な風圧を放つ。逃げ場がない一本道の通路で兵士達は強烈な風圧を受けてしまい、全員が倒れこむ。
「いぎゃああっ!?」
「あ、足が……!?」
「早く引き抜いて治療しないと取り返しのつかない事になるよ~」
吹き飛ばされた際に兵士達の足に突き刺さっていた苦無と矢が更に減り込み、兵士達は必死に引き抜こうとするがあまり激痛に動く事も難しい。その様子を見ながらレナは他に兵士が訪れる様子がない事を確認し、皆に声をかける。
「ここから離れようか。とりあえず、ティナを守らないと」
「ご、ごめんね……私のせいで」
「王女様のせいじゃないっすよ!!あたしが騙されたせいで……」
「反省は後にして!!今はティナを王国の人達の所に返さないと……」
「それは難しいと思うでござる。この様子だときっと他の通路にも兵士が待ち伏せているでござる。ティナ殿を元の場所に戻すにしてもきっと大勢の見張りが立てられているのは間違いないでござる。ともかく、今はこの場から離れなければ……」
「おい、居たぞ!!あそこだ!!」
「見つけたぞ!!全員生かすな!!」
背後の通路から大勢の兵士が姿を現し、前方の通路は倒れている兵士に塞がれているため逃げ場はなく、レナは仕方なく反鏡剣を引き抜く。狭い通路内ではリーチが長い大剣では分が悪く、コトミンも戦闘は避けられないのでスラミンを握りしめて迎撃の体勢に移る。
「くそ、話している暇もないな……俺が突破口を開く。皆は後に続いて」
「だ、大丈夫?」
「兄貴、援護は任せてください!!」
「私も手伝う」
「ぷるぷるっ!!」
レナが前に出るとエリナは弓矢を構え、コトミンも両手にスラミンを構える。ハンゾウは先ほど転ばせた兵士を警戒し、腰の刀に手を伸ばす。
「よし……行くぞ!!」
「おっと、させないよ」
「っ!?」
反鏡剣を構えたレナが切り込みを仕掛けようとした瞬間、兵士達の間を潜り抜けて異様に槍が突き出され、咄嗟にレナは剣で弾き返す。防ぐ事は成功したが両腕が痺れ、少しでも反応が遅れていたら確実に心臓を突きさされていた。
「この槍は……まさか!?」
「やあ……意外と早い再会になったね」
「ミドル将軍!?」
兵士達が左右に分かれると姿を現したのは槍を握りしめたミドルが現れ、相も変わらず爽やかな笑顔を浮かべていた。まさかこうも早く大将軍であるミドルと相対する事は予想出来ず、レナは剣を両手で握りしめる。
「君達はヨツバ王国の王女様の誘拐の現行犯として逮捕する。残念ながらここで終わりだよ」
「ち、違うよ!!レナたんは友達で……」
「王女様、駄目です!!この男はかなりやばいっす!!」
ミドルの言葉にティナは慌てて否定するが、ここで話しても無駄だと察したエリナは弓矢を構える。しかし、流石に大将軍の地位にまで上り詰めたミドルには隙が見当たらず、エリナは冷や汗を流す。
「一応は忠告するけど、無駄な抵抗は止めて捕まった方が良い。そうすれば命だけは助けてあげるよ」
「ミドル様!!お言葉ながら王妃様の命令は……」
「分かっている。だが、人の命を奪わずに済むのならそれに越したことはない。大人しく捕まってくれるというのなら彼等に手出しはさせない。最も拘束させて貰うけどね」
「俺達はともかく、ティナに手を出せば王国だって無事じゃ済まないんじゃないの?」
「そうだそうだ!!ティナ様に手を出したら国王様は絶対に許さないっす!!」
レナ達だけならばともかく、エルフ王国の王女であるティナに手を出せばバルトロス王国側も言い逃れは出来ない。王妃の権力が通用するのはバルトロス王国内だけであり、ヨツバ王国には通用しない。しかし、そんなレナ達の言葉にミドルは淡々と告げる。
「大丈夫さ。王妃様の配下には人の存在意識を操作する「洗脳」のスキルを持つ人間もいる。だから都合の悪い記憶は全て忘れて貰うだけさ」
「そんなスキルまであるのか……くそっ」
「さあ、こんな場所だけど君と決着を付ける時が来た。君達は下がっていろ」
ミドルが兵士を下がらせると、レナも仕方なく前に出て向かい合う。狭い通路内でお互いに武器を向き合い、睨みつける。その様子をコトミン達は固唾を飲んで見守り、ミドルがゆっくりと槍先をレナに構えた。
「うぃっす!!」
「承知!!」
水〇黄門のようにレナはエリナとハンゾウに指示を与えると、先にハンゾウが動き出して何処から取り出したのか無数の苦無を投げつけ、エリナも続けて弓矢を構えて次々と矢を放つ。
「せいっ!!」
「連射!!」
『ぎゃあああっ!?』
二人が放った苦無と矢は兵士の膝を的確に射抜き、先頭集団が転倒した事で後ろに続いていた兵士が衝突し、足を止めてしまう。それを確認したレナは久しぶりに合成魔術を放つ。
「魔力強化……からの風圧!!」
『うわぁあああっ!?』
「おおっ……まるで風遁の術でござる!!」
右手に意識を集中させ、初級魔法を支援魔法で強化させて強烈な風圧を放つ。逃げ場がない一本道の通路で兵士達は強烈な風圧を受けてしまい、全員が倒れこむ。
「いぎゃああっ!?」
「あ、足が……!?」
「早く引き抜いて治療しないと取り返しのつかない事になるよ~」
吹き飛ばされた際に兵士達の足に突き刺さっていた苦無と矢が更に減り込み、兵士達は必死に引き抜こうとするがあまり激痛に動く事も難しい。その様子を見ながらレナは他に兵士が訪れる様子がない事を確認し、皆に声をかける。
「ここから離れようか。とりあえず、ティナを守らないと」
「ご、ごめんね……私のせいで」
「王女様のせいじゃないっすよ!!あたしが騙されたせいで……」
「反省は後にして!!今はティナを王国の人達の所に返さないと……」
「それは難しいと思うでござる。この様子だときっと他の通路にも兵士が待ち伏せているでござる。ティナ殿を元の場所に戻すにしてもきっと大勢の見張りが立てられているのは間違いないでござる。ともかく、今はこの場から離れなければ……」
「おい、居たぞ!!あそこだ!!」
「見つけたぞ!!全員生かすな!!」
背後の通路から大勢の兵士が姿を現し、前方の通路は倒れている兵士に塞がれているため逃げ場はなく、レナは仕方なく反鏡剣を引き抜く。狭い通路内ではリーチが長い大剣では分が悪く、コトミンも戦闘は避けられないのでスラミンを握りしめて迎撃の体勢に移る。
「くそ、話している暇もないな……俺が突破口を開く。皆は後に続いて」
「だ、大丈夫?」
「兄貴、援護は任せてください!!」
「私も手伝う」
「ぷるぷるっ!!」
レナが前に出るとエリナは弓矢を構え、コトミンも両手にスラミンを構える。ハンゾウは先ほど転ばせた兵士を警戒し、腰の刀に手を伸ばす。
「よし……行くぞ!!」
「おっと、させないよ」
「っ!?」
反鏡剣を構えたレナが切り込みを仕掛けようとした瞬間、兵士達の間を潜り抜けて異様に槍が突き出され、咄嗟にレナは剣で弾き返す。防ぐ事は成功したが両腕が痺れ、少しでも反応が遅れていたら確実に心臓を突きさされていた。
「この槍は……まさか!?」
「やあ……意外と早い再会になったね」
「ミドル将軍!?」
兵士達が左右に分かれると姿を現したのは槍を握りしめたミドルが現れ、相も変わらず爽やかな笑顔を浮かべていた。まさかこうも早く大将軍であるミドルと相対する事は予想出来ず、レナは剣を両手で握りしめる。
「君達はヨツバ王国の王女様の誘拐の現行犯として逮捕する。残念ながらここで終わりだよ」
「ち、違うよ!!レナたんは友達で……」
「王女様、駄目です!!この男はかなりやばいっす!!」
ミドルの言葉にティナは慌てて否定するが、ここで話しても無駄だと察したエリナは弓矢を構える。しかし、流石に大将軍の地位にまで上り詰めたミドルには隙が見当たらず、エリナは冷や汗を流す。
「一応は忠告するけど、無駄な抵抗は止めて捕まった方が良い。そうすれば命だけは助けてあげるよ」
「ミドル様!!お言葉ながら王妃様の命令は……」
「分かっている。だが、人の命を奪わずに済むのならそれに越したことはない。大人しく捕まってくれるというのなら彼等に手出しはさせない。最も拘束させて貰うけどね」
「俺達はともかく、ティナに手を出せば王国だって無事じゃ済まないんじゃないの?」
「そうだそうだ!!ティナ様に手を出したら国王様は絶対に許さないっす!!」
レナ達だけならばともかく、エルフ王国の王女であるティナに手を出せばバルトロス王国側も言い逃れは出来ない。王妃の権力が通用するのはバルトロス王国内だけであり、ヨツバ王国には通用しない。しかし、そんなレナ達の言葉にミドルは淡々と告げる。
「大丈夫さ。王妃様の配下には人の存在意識を操作する「洗脳」のスキルを持つ人間もいる。だから都合の悪い記憶は全て忘れて貰うだけさ」
「そんなスキルまであるのか……くそっ」
「さあ、こんな場所だけど君と決着を付ける時が来た。君達は下がっていろ」
ミドルが兵士を下がらせると、レナも仕方なく前に出て向かい合う。狭い通路内でお互いに武器を向き合い、睨みつける。その様子をコトミン達は固唾を飲んで見守り、ミドルがゆっくりと槍先をレナに構えた。
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