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1巻
1-3
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3
レイトが異世界に転生してからおよそ一年が経過した。
スキルを覚えようと意気込んでいたレイトだったが、実は観察眼以外のスキルは習得できていない。赤子の状態なのでまともに動けず、新たなスキルの習得に挑戦するのは難しかったのである。
そんなわけで彼は、身体が成長するまで、この世界に順応していきながら大人しく過ごすことにしていた。
といっても、何もしていなかったわけではない。
ベッドで寝ながらアイリスと交信を繰り返し、この世界のことや屋敷の内部事情などを教えてもらっていたのだ。
交信は精神力を消耗するため、あまり長くやっているとレイトは疲れて眠ってしまう。とはいえ、赤ん坊は寝るのが仕事のようなものなので、誰からも不審に思われるようなことはなかった。
そんなある日、レイトがアイリスに母親の名前を聞くと、あっさりと答えてもらえた。
『レイトさんのお母さんの名前は、アイラというんです。彼女は今の生活を受け入れ、十人ほどの使用人達と静かに暮らしていこうと考えているようですね』
『考えているって……アイリスは人の心の中まで全部分かるの?』
『さすがにある程度だけですが、ざっくりとだったら把握することは難しくありません』
『すごいな……』
その後レイトは、母親のことについてさらに教えてもらった。彼女は現国王、つまりレイトの父親の正妻ではなかったらしい。
続いて、父親について尋ねてみる。
『俺の父親、バルトロス国王って、何人も奥さんを持てるほど偉いの?』
『そうですね。バルトロス王国は人族の治める唯一の国ですから、その国王はいわば、人族で一番偉い人物ということです。世継ぎを残すためにも、一夫多妻制を採ることは普通だと思います』
『なるほどね。ところで人族っていうわけだから、この世界には人間以外の種族もいるんだよね……』
レイトがそう質問すると、アイリスはすんなりと答えてくれる。
『はい、六種族が存在しています。レイトさん達のような人族、特徴的な尖った耳をした森人族、ずんぐりむっくりした見た目の小髭族、大きな体躯の巨人族、獣の性質を強く残している獣人族、様々な姿形を持っていますがいずれも知能の高い魔人族の六つです』
『へ~。でもそんなに種族がいっぱいあったら、種族同士の喧嘩とか多そうだね』
『確かに、六種族には長年争っていた歴史があります。ですが、今から五十年ほど前、六種族は互いに領土の不可侵条約を結び、戦争を終結させたんです。それでも種族間の溝は完全に埋まったわけではありません。現在でも小規模な争いは起きています』
種族の歴史に思いを巡らせたレイトは、ふと気付いたように言う。
『でもさ、もし俺が不遇職じゃなかったら、人間の王様になれていたかもしれないってことなんだよね。そしたらもっと楽な生活が送れたのかな』
アイリスは少し間を置き、そしてゆっくりと告げる。
『まあ、不遇職でなくとも苦労したと思います。国内には、現国王に不満を抱いている者も多いですし、法律を変えて先王の娘に王位を継がせようとする勢力も存在していますから。むしろレイトさんは、王城から追い出されたことで、より安全になったんじゃないでしょうか。継承権がなければ、レイトさんの命を狙う理由はありませんし』
『確かにそうかも。でも、どっちにしろスキルは覚えて、もっと強くなっておかないとね』
レイトが自らに言い聞かせるようにすると、アイリスは嬉しそうに言った。
『そうですね。この世界はただでさえ危険が多いですから。そろそろレイトさんも自力で動けるようになりますし、そうなったら、本格的な修業を始めていきましょうか』
◆ ◆ ◆
それから数日後、レイトは掴まり立ちができるようになった。
さっそくレイトは行動を開始する。
「んしょっ、んしょっ……」
『頑張ってください。まずは身体を動かすことから始めましょう』
アイリスに応援されながら、レイトは不慣れなハイハイで部屋にあった子供用の机まで移動する。
これから習得しようとしているスキルの覚え方は、事前にアイリスから教わってあった。レイトは彼女に指示されていた通り、机の上に乗る。高さは50センチほどに過ぎないが、自力で立てるようになって間もないレイトにとってはかなりの高さである。
レイトは覚悟を決めると、床に向かって勢いよく飛び降りた。
「よっと……あうっ!?」
着地に失敗して倒れ込んでしまう。
レイトは痛みを我慢して身体を起こし、再び机の上に移動して、またもや床へ飛び降りた。
「てやぁっ!!」
そんな奇妙な行動を何度も繰り返し、初めて両足で着地に成功した瞬間。
彼の視界に画面が表示された。
〈技能スキル「頑丈」を習得しました〉
〈技能スキル「受身」を習得しました〉
レイトは安堵の息を吐いて床に倒れ込み、身体を横たえる。
「はあぁぁぁ」
そしてステータス画面を開く。
頑丈――肉体の耐久性を上昇させる
受身――肉体が受けた衝撃を外へ流す
新しく習得したスキルの説明を見て、レイトは笑みを浮かべた。
レイトは無意味に身体を痛めつけていたわけではない。これらのスキルを身に付けるために、何度も飛び降りていたのである。
スキル「頑丈」「受身」は本来なら格闘家が覚えるスキルだが、別の職業でも訓練で習得することが可能なのだ。
「ふう、いちゃいっ」
レイトは舌足らずな口調でそう言ったところ、微かに足音を感じ取った。
母親が向かってきていると思ったレイトは、慌てて窓の外を覗く。現在が夕方頃であることを確認してからカーテンを締め、ベッドの上によじ登った。そして、急いで毛布を被って寝たふりをする。
その数分後、部屋の扉が開かれ、母親のアイラが入ってくる。
「私の可愛い赤ちゃ~ん!! お母さんが来たわよ~……あら、お昼寝中かしら?」
「ぐ、ぐぅぐぅっ」
「ふふっ、可愛い寝顔。起こしたら可哀想ね。お食事はあとにしましょうか」
アイラはレイトが眠っていると信じてくれたらしい。それからアイラは、壁にかけられた蝋燭に目をやったものの、火を灯すことなく静かに退室していった。
アイラの足音が完全に聞こえなくなるまで待ってから、レイトは目を開ける。
「ごめんね、おかぁたん」
アイラを上手く騙したレイトは舌足らずにそう言うと、部屋の中が完全な暗闇になるまで待ち続けるのだった。
完全に日が落ち、子供部屋は真っ暗になった。
レイトのいる子供部屋には窓が一つしか存在せず、天井に照明はない。壁際に設置されている蝋燭が、部屋の中を照らす唯一の手段だ。
「……なにもみえないなぁっ。よいちょっ……あっ」
レイトはベッドから下りようとして、つまずいてしまった。そしてそのまま顔から落ち、床にぶつかってしまう。
だが不思議なことに、痛みはごくわずかだった。
どうやら、昼間に習得した頑丈と受身のスキルのおかげらしい。
(スキルってちゃんと効果あるんだな)
それからレイトは、手探りで周囲の状況を確認していく。
「いてっ!? あうっ!? わあっ!?」
家具に衝突したり、足元に落ちていた玩具を踏んで転んだりしたが、スキルの恩恵で肉体のダメージは最小限だった。
しばらくして夜目が利いてきたのか、次第に周囲の状況を把握できるようになる。
「よいちょっ……よいちょっ……ふうっ」
頑丈と受身のスキルを習得したときと違い、特に変な行動はせずに、レイトは寝転がったり、歩く練習をしたりした。
「ひまだなぁ……あいうえお、かきくけこ……」
発音練習をしながら暗闇の中を歩き回る。
今回のスキルを得るためにアイリスからされていた助言は、『暗闇を恐れずに普段通りの行動を心掛ける』こと。ちなみにアイラが部屋に入ってきたときレイトが狸寝入りをしたのは、彼女に蝋燭を灯させないためだった。
やがてレイトは、暗闇の中でも完全に周囲を把握できるようになった。すると、彼の視界に画面が表示される。
〈技能スキル「暗視」を習得しました〉
「よっちゃあ」
新しくスキルを習得したことに、レイトは歓喜の声を上げた。目的を果たしたレイトは、さっそくステータス画面を開いて能力を確認する。
暗視――暗闇の中でも視界を確保できる
続いて、アイリスに声をかける。
『アイリス、無事にスキルを覚えられたよ』
『はい、ちゃんと見てましたよ。すごいじゃないですか』
『でも、スキルってこんなに簡単に覚えられるものなの?』
レイトはアイリスから褒められて嬉しかったものの、一日で三つもスキルが取れてしまったことを呆気なく思っていた。
アイリスが答えてくれる。
『それはレイトさんの年齢に関係しています。一般的には全然知られていないんですけど、実は、こちらの世界の人間が最もスキルを習得しやすいのは、誕生から幼年期くらいの時期なんです。あと、スキルの習得にも難易度があって、今日覚えた頑丈、受身、暗視のスキルなんかは基本的なスキルとはいえ、小さい頃から訓練を積まないとなかなか覚えられないんですよ』
『そうなんだ。ところで、普通の人だとスキルは何個くらい覚えられるのかな?』
『環境によって覚えられるスキルに違いがありますが、大抵の人は一生で十個くらいでしょうか。ですが、レイトさんは不遇職なのですからそれだけでは足りないでしょうね。なので、どんどん新しいスキルを覚えていきましょう。相性によって覚えられないスキルも存在しますけど、覚えられる数には制限はありません。とにかくたくさん覚えたほうが得ですよ』
アイリスの声は、なぜか楽しそうだった。
『得って、なんか軽いな……まあいいや。じゃあ、これからもアイリスには色々と教えてもらうよ』
『任せてください』
アイリスとの交信を終え、レイトは考える。
(アイリスのおかげで一日に三つもスキルを手に入れられた。アイリスの指示に従って今から修業を続けていけば、不遇職でもきっと強くなれるはず!)
なんだかやる気になってきたレイトは思わず声を上げる。
「よし、このちょーしでがんばるぞぉっ!!」
誰もいない部屋で、気合を入れたレイトの声が響き渡るのだった。
4
レイトが異世界に転生してから二年が経過した。2歳となった彼は、訓練のおかげで歩けるようになった。
頻繁に屋敷の中を歩き回ってしまうため、使用人達をたびたび困らせてさえいる。
使用人達は、普通の子供よりも活発で危なっかしいレイトを心配して追いかけ回し、毎日のように、使用人とレイトの鬼ごっこが繰り広げられた。
今日ももちろん鬼ごっこは行われており、使用人の勝利で終わろうとしていた。屋敷の一角にある書庫へ近付こうとしたレイトの首根っこを、一人のメイドが掴む。
「坊ちゃま!! その廊下は掃除前なので近付いてはいけません!!」
「やぁっ!! 離して~!!」
「わがままを言わないでください!! もう……どうしてそんなに書庫に入ろうとするのですか。文字もまだ読めないのに!」
「読めるよぉっ」
「はいはい。ほら、子供部屋で大人しくしていてください」
この一年の間に、レイトは言葉をだいぶ発音できるようになっていた。レイトは抗議の声を上げたのだが、メイドは彼の言葉を聞き流して、彼を子供部屋に戻す。
そこまでは良かったのだが、メイドは絵本が散らかっている子供部屋を見て、深いため息を吐いた。
彼女の名前はアリア。森人族の女性であり、森人族の特徴通り金髪碧眼で両耳が細長く尖っている。年齢は20代後半だが、その見た目は年齢以上に若々しく、レイトにとっては姉のような存在だった。
アリアが困ったように言う。
「もう、お坊ちゃま、散らかしたらちゃんと片付けてください。まったく……」
「ごめんなさーい」
「こういうところだけはお母様と似て……あ、こら!! 勝手に部屋から抜け出そうとしない!!」
「あうっ……」
アリアが絵本を整理している隙に、部屋を出ようとしていたレイト。しかし、アリアに簡単に捕まってしまう。
レイトは悪びれもせず、代わりのお願いをする。
「ねえねえ。だったら魔法を教えてよ、アリア~」
「またですか、坊ちゃま。前にも言ったように、坊ちゃまに魔法は早いんです。それに、支援魔術師の魔法は私も扱えませんから」
「見せてくれるだけでいいから~」
「だ・め・です!! ほら、ちゃんとお片付けしましょうね」
「ぶぅ~」
「くすっ。もう、子豚さんみたいですよ」
レイトは年齢相応の子供のように、甘えた仕草をしてみせた。アリアはそんな彼を見て笑みを浮かべながらも、絵本の片付けに取りかかるのだった。
ちなみに、この世界で魔法を扱えるのは、魔術師系の職業の者だけである。森人族は主職か副職がほぼ魔術師系統の職業になるため、森人族であれば魔法を使えると考えて間違いない。実際にアリアの主職は精霊魔術師なので魔法は扱えるのだが、レイトは彼女が魔法を使っているのを見たことがなかった。
レイトがむくれた顔をして抗議する。
「アリアの意地悪~」
「別に意地悪をしてるんじゃないですよ。魔法は危険なんですから、うかつに使っちゃいけないんです」
「それは分かるけど……」
そう言っても、レイトとしてはやはり魔法を見られないのは不満だった。そこで彼は、ちょっとした仕返しのために、アリアに悪戯を仕掛けることにした。
彼は何気ない雰囲気を装って、アリアの背後から声をかける。
「ねえねえ、アリア~」
「もう、なんですか坊ちゃま……あれ?」
アリアが振り返ると、レイトの姿が消えていた。彼女は慌てて周囲を見渡すが、やはりレイトの姿は見当たらない。
「お坊ちゃま!? どこに行ったんですか!?」
混乱して声を張り上げるアリア。
そのとき、彼女の背中にレイトが飛び付いた。
「隙ありぃっ」
「きゃあっ!?」
アリアは驚いて振り返る。
「ぼ、坊ちゃま? どこに隠れてたんですか?」
アリアが動揺しながら尋ねると、レイトはアリアの背中にしがみ付いたまま、笑みを浮かべて答えた。
「ずっと後ろにいたよ? 気付かなかったでしょ?」
「そんな馬鹿な……でも、いや、まさか……」
アリアが混乱している様子を見て、レイトはさすがに驚かせすぎたかなと反省する。そして彼女の背中から離れて謝った。
「ご、ごめんねアリア。ちょっとした悪戯のつもりだったんだけど……」
「いえ、それは気にしてませんけど……不思議だわ」
アリアは、レイトがどうやって身を隠したのか分からず、ひたすら首を傾げていた。それから困惑したまま片付けを終えると、部屋を出ていった。
一人になったレイトは、アイリスと交信を行うことにした。
『アイリス~』
アイリスは嬉しそうな声音で返答してくる。
『はいはい。子供の演技をするのも大変かなと思っていましたけど、結構楽しんでますね。隠密スキルを使って悪戯するなんて、子供そのものじゃないですか』
『うん、実は結構楽しんでる』
レイトは転生してからこの二年間、アイリスの指導によって複数のスキルを習得していた。隠密はその中の一つである。
この能力は極限まで存在感を消すという暗殺者向けの技能スキルで、使用人達に見つからないように隠れていた結果、身に付けたものだ。
レイトは前から不満に思っていたことをアイリスに伝える。
『でもやっぱり、ずっと屋敷にいると暇なんだよね。鉄柵を越えて森を散策できればいいんだけど……』
レイトは一人で屋敷の敷地外に出ることは許されておらず、基本的には子供部屋だけで遊ばされていた。母親のアイラに敷地の外に出てみたいとせがんだこともあったが、それが叶ったことは一度もない。アイラによると、柵の向こうには危険な「深淵の森」が広がっているとのことだった。
レイトは頭の中で思い浮かべる。
『敷地の外はどうなってるんだろうな……』
『森は、レイトさんのお母さんが言っていたように非常に危険な場所ですよ。元々この屋敷は、隔離すべき者を閉じ込めておくために作られた施設ですからね』
『そうなんだ。これじゃまるで囚人の監獄だね。でもさ、そんな場所に屋敷を建てるのは大変だったんじゃない?』
レイトが疑問を伝えると、アイリスが答える。
『そうですね。森には魔物がたくさん生息していますし、普通の人間では、この屋敷には近付くことさえできないでしょう』
『魔物っていうと、ゴブリンとかオークみたいな?』
『はい、他にもユニコーンやドラゴンといった、レイトさんの世界にあった神話や幻想の生物が、こっちでは実在するんです』
アイリスの説明はレイトにとって分かりやすいものだったが、屋敷の周りはずいぶんと恐ろしい環境のようだった。
『……危険極まりないなあ』
『逆に言えば、この屋敷に隔離されている間は、危険な人間達がやってこないという意味で安全なのかもしれませんよ』
『だけど、なんで使用人まで住んでいるのかな。俺が隔離されるほど嫌われているとしたら、そんな待遇は必要ないんじゃないの?』
『レイトさんは王族ですからね。いずれ利用価値が出てくると考えられているのかもしれませんし、簡単に死なれたら困るんじゃないんですか。そもそも、レイトさんは不遇職とはいえ、王家にとってはただ一人の男児なんですから』
アイリスは神様みたいな力を持っているのに、ずいぶん俗っぽいことまで考えているのだなと感心しつつ、レイトは理解を示す。
『なるほど。とにかく森に入れない理由はよく分かったよ』
『十分に戦う力を身に付けるまでは、訓練を続けましょうね』
そうしてアイリスとの交信を終えたレイトは、それからも毎日訓練を続けていくのだった。
レイトが異世界に転生してからおよそ一年が経過した。
スキルを覚えようと意気込んでいたレイトだったが、実は観察眼以外のスキルは習得できていない。赤子の状態なのでまともに動けず、新たなスキルの習得に挑戦するのは難しかったのである。
そんなわけで彼は、身体が成長するまで、この世界に順応していきながら大人しく過ごすことにしていた。
といっても、何もしていなかったわけではない。
ベッドで寝ながらアイリスと交信を繰り返し、この世界のことや屋敷の内部事情などを教えてもらっていたのだ。
交信は精神力を消耗するため、あまり長くやっているとレイトは疲れて眠ってしまう。とはいえ、赤ん坊は寝るのが仕事のようなものなので、誰からも不審に思われるようなことはなかった。
そんなある日、レイトがアイリスに母親の名前を聞くと、あっさりと答えてもらえた。
『レイトさんのお母さんの名前は、アイラというんです。彼女は今の生活を受け入れ、十人ほどの使用人達と静かに暮らしていこうと考えているようですね』
『考えているって……アイリスは人の心の中まで全部分かるの?』
『さすがにある程度だけですが、ざっくりとだったら把握することは難しくありません』
『すごいな……』
その後レイトは、母親のことについてさらに教えてもらった。彼女は現国王、つまりレイトの父親の正妻ではなかったらしい。
続いて、父親について尋ねてみる。
『俺の父親、バルトロス国王って、何人も奥さんを持てるほど偉いの?』
『そうですね。バルトロス王国は人族の治める唯一の国ですから、その国王はいわば、人族で一番偉い人物ということです。世継ぎを残すためにも、一夫多妻制を採ることは普通だと思います』
『なるほどね。ところで人族っていうわけだから、この世界には人間以外の種族もいるんだよね……』
レイトがそう質問すると、アイリスはすんなりと答えてくれる。
『はい、六種族が存在しています。レイトさん達のような人族、特徴的な尖った耳をした森人族、ずんぐりむっくりした見た目の小髭族、大きな体躯の巨人族、獣の性質を強く残している獣人族、様々な姿形を持っていますがいずれも知能の高い魔人族の六つです』
『へ~。でもそんなに種族がいっぱいあったら、種族同士の喧嘩とか多そうだね』
『確かに、六種族には長年争っていた歴史があります。ですが、今から五十年ほど前、六種族は互いに領土の不可侵条約を結び、戦争を終結させたんです。それでも種族間の溝は完全に埋まったわけではありません。現在でも小規模な争いは起きています』
種族の歴史に思いを巡らせたレイトは、ふと気付いたように言う。
『でもさ、もし俺が不遇職じゃなかったら、人間の王様になれていたかもしれないってことなんだよね。そしたらもっと楽な生活が送れたのかな』
アイリスは少し間を置き、そしてゆっくりと告げる。
『まあ、不遇職でなくとも苦労したと思います。国内には、現国王に不満を抱いている者も多いですし、法律を変えて先王の娘に王位を継がせようとする勢力も存在していますから。むしろレイトさんは、王城から追い出されたことで、より安全になったんじゃないでしょうか。継承権がなければ、レイトさんの命を狙う理由はありませんし』
『確かにそうかも。でも、どっちにしろスキルは覚えて、もっと強くなっておかないとね』
レイトが自らに言い聞かせるようにすると、アイリスは嬉しそうに言った。
『そうですね。この世界はただでさえ危険が多いですから。そろそろレイトさんも自力で動けるようになりますし、そうなったら、本格的な修業を始めていきましょうか』
◆ ◆ ◆
それから数日後、レイトは掴まり立ちができるようになった。
さっそくレイトは行動を開始する。
「んしょっ、んしょっ……」
『頑張ってください。まずは身体を動かすことから始めましょう』
アイリスに応援されながら、レイトは不慣れなハイハイで部屋にあった子供用の机まで移動する。
これから習得しようとしているスキルの覚え方は、事前にアイリスから教わってあった。レイトは彼女に指示されていた通り、机の上に乗る。高さは50センチほどに過ぎないが、自力で立てるようになって間もないレイトにとってはかなりの高さである。
レイトは覚悟を決めると、床に向かって勢いよく飛び降りた。
「よっと……あうっ!?」
着地に失敗して倒れ込んでしまう。
レイトは痛みを我慢して身体を起こし、再び机の上に移動して、またもや床へ飛び降りた。
「てやぁっ!!」
そんな奇妙な行動を何度も繰り返し、初めて両足で着地に成功した瞬間。
彼の視界に画面が表示された。
〈技能スキル「頑丈」を習得しました〉
〈技能スキル「受身」を習得しました〉
レイトは安堵の息を吐いて床に倒れ込み、身体を横たえる。
「はあぁぁぁ」
そしてステータス画面を開く。
頑丈――肉体の耐久性を上昇させる
受身――肉体が受けた衝撃を外へ流す
新しく習得したスキルの説明を見て、レイトは笑みを浮かべた。
レイトは無意味に身体を痛めつけていたわけではない。これらのスキルを身に付けるために、何度も飛び降りていたのである。
スキル「頑丈」「受身」は本来なら格闘家が覚えるスキルだが、別の職業でも訓練で習得することが可能なのだ。
「ふう、いちゃいっ」
レイトは舌足らずな口調でそう言ったところ、微かに足音を感じ取った。
母親が向かってきていると思ったレイトは、慌てて窓の外を覗く。現在が夕方頃であることを確認してからカーテンを締め、ベッドの上によじ登った。そして、急いで毛布を被って寝たふりをする。
その数分後、部屋の扉が開かれ、母親のアイラが入ってくる。
「私の可愛い赤ちゃ~ん!! お母さんが来たわよ~……あら、お昼寝中かしら?」
「ぐ、ぐぅぐぅっ」
「ふふっ、可愛い寝顔。起こしたら可哀想ね。お食事はあとにしましょうか」
アイラはレイトが眠っていると信じてくれたらしい。それからアイラは、壁にかけられた蝋燭に目をやったものの、火を灯すことなく静かに退室していった。
アイラの足音が完全に聞こえなくなるまで待ってから、レイトは目を開ける。
「ごめんね、おかぁたん」
アイラを上手く騙したレイトは舌足らずにそう言うと、部屋の中が完全な暗闇になるまで待ち続けるのだった。
完全に日が落ち、子供部屋は真っ暗になった。
レイトのいる子供部屋には窓が一つしか存在せず、天井に照明はない。壁際に設置されている蝋燭が、部屋の中を照らす唯一の手段だ。
「……なにもみえないなぁっ。よいちょっ……あっ」
レイトはベッドから下りようとして、つまずいてしまった。そしてそのまま顔から落ち、床にぶつかってしまう。
だが不思議なことに、痛みはごくわずかだった。
どうやら、昼間に習得した頑丈と受身のスキルのおかげらしい。
(スキルってちゃんと効果あるんだな)
それからレイトは、手探りで周囲の状況を確認していく。
「いてっ!? あうっ!? わあっ!?」
家具に衝突したり、足元に落ちていた玩具を踏んで転んだりしたが、スキルの恩恵で肉体のダメージは最小限だった。
しばらくして夜目が利いてきたのか、次第に周囲の状況を把握できるようになる。
「よいちょっ……よいちょっ……ふうっ」
頑丈と受身のスキルを習得したときと違い、特に変な行動はせずに、レイトは寝転がったり、歩く練習をしたりした。
「ひまだなぁ……あいうえお、かきくけこ……」
発音練習をしながら暗闇の中を歩き回る。
今回のスキルを得るためにアイリスからされていた助言は、『暗闇を恐れずに普段通りの行動を心掛ける』こと。ちなみにアイラが部屋に入ってきたときレイトが狸寝入りをしたのは、彼女に蝋燭を灯させないためだった。
やがてレイトは、暗闇の中でも完全に周囲を把握できるようになった。すると、彼の視界に画面が表示される。
〈技能スキル「暗視」を習得しました〉
「よっちゃあ」
新しくスキルを習得したことに、レイトは歓喜の声を上げた。目的を果たしたレイトは、さっそくステータス画面を開いて能力を確認する。
暗視――暗闇の中でも視界を確保できる
続いて、アイリスに声をかける。
『アイリス、無事にスキルを覚えられたよ』
『はい、ちゃんと見てましたよ。すごいじゃないですか』
『でも、スキルってこんなに簡単に覚えられるものなの?』
レイトはアイリスから褒められて嬉しかったものの、一日で三つもスキルが取れてしまったことを呆気なく思っていた。
アイリスが答えてくれる。
『それはレイトさんの年齢に関係しています。一般的には全然知られていないんですけど、実は、こちらの世界の人間が最もスキルを習得しやすいのは、誕生から幼年期くらいの時期なんです。あと、スキルの習得にも難易度があって、今日覚えた頑丈、受身、暗視のスキルなんかは基本的なスキルとはいえ、小さい頃から訓練を積まないとなかなか覚えられないんですよ』
『そうなんだ。ところで、普通の人だとスキルは何個くらい覚えられるのかな?』
『環境によって覚えられるスキルに違いがありますが、大抵の人は一生で十個くらいでしょうか。ですが、レイトさんは不遇職なのですからそれだけでは足りないでしょうね。なので、どんどん新しいスキルを覚えていきましょう。相性によって覚えられないスキルも存在しますけど、覚えられる数には制限はありません。とにかくたくさん覚えたほうが得ですよ』
アイリスの声は、なぜか楽しそうだった。
『得って、なんか軽いな……まあいいや。じゃあ、これからもアイリスには色々と教えてもらうよ』
『任せてください』
アイリスとの交信を終え、レイトは考える。
(アイリスのおかげで一日に三つもスキルを手に入れられた。アイリスの指示に従って今から修業を続けていけば、不遇職でもきっと強くなれるはず!)
なんだかやる気になってきたレイトは思わず声を上げる。
「よし、このちょーしでがんばるぞぉっ!!」
誰もいない部屋で、気合を入れたレイトの声が響き渡るのだった。
4
レイトが異世界に転生してから二年が経過した。2歳となった彼は、訓練のおかげで歩けるようになった。
頻繁に屋敷の中を歩き回ってしまうため、使用人達をたびたび困らせてさえいる。
使用人達は、普通の子供よりも活発で危なっかしいレイトを心配して追いかけ回し、毎日のように、使用人とレイトの鬼ごっこが繰り広げられた。
今日ももちろん鬼ごっこは行われており、使用人の勝利で終わろうとしていた。屋敷の一角にある書庫へ近付こうとしたレイトの首根っこを、一人のメイドが掴む。
「坊ちゃま!! その廊下は掃除前なので近付いてはいけません!!」
「やぁっ!! 離して~!!」
「わがままを言わないでください!! もう……どうしてそんなに書庫に入ろうとするのですか。文字もまだ読めないのに!」
「読めるよぉっ」
「はいはい。ほら、子供部屋で大人しくしていてください」
この一年の間に、レイトは言葉をだいぶ発音できるようになっていた。レイトは抗議の声を上げたのだが、メイドは彼の言葉を聞き流して、彼を子供部屋に戻す。
そこまでは良かったのだが、メイドは絵本が散らかっている子供部屋を見て、深いため息を吐いた。
彼女の名前はアリア。森人族の女性であり、森人族の特徴通り金髪碧眼で両耳が細長く尖っている。年齢は20代後半だが、その見た目は年齢以上に若々しく、レイトにとっては姉のような存在だった。
アリアが困ったように言う。
「もう、お坊ちゃま、散らかしたらちゃんと片付けてください。まったく……」
「ごめんなさーい」
「こういうところだけはお母様と似て……あ、こら!! 勝手に部屋から抜け出そうとしない!!」
「あうっ……」
アリアが絵本を整理している隙に、部屋を出ようとしていたレイト。しかし、アリアに簡単に捕まってしまう。
レイトは悪びれもせず、代わりのお願いをする。
「ねえねえ。だったら魔法を教えてよ、アリア~」
「またですか、坊ちゃま。前にも言ったように、坊ちゃまに魔法は早いんです。それに、支援魔術師の魔法は私も扱えませんから」
「見せてくれるだけでいいから~」
「だ・め・です!! ほら、ちゃんとお片付けしましょうね」
「ぶぅ~」
「くすっ。もう、子豚さんみたいですよ」
レイトは年齢相応の子供のように、甘えた仕草をしてみせた。アリアはそんな彼を見て笑みを浮かべながらも、絵本の片付けに取りかかるのだった。
ちなみに、この世界で魔法を扱えるのは、魔術師系の職業の者だけである。森人族は主職か副職がほぼ魔術師系統の職業になるため、森人族であれば魔法を使えると考えて間違いない。実際にアリアの主職は精霊魔術師なので魔法は扱えるのだが、レイトは彼女が魔法を使っているのを見たことがなかった。
レイトがむくれた顔をして抗議する。
「アリアの意地悪~」
「別に意地悪をしてるんじゃないですよ。魔法は危険なんですから、うかつに使っちゃいけないんです」
「それは分かるけど……」
そう言っても、レイトとしてはやはり魔法を見られないのは不満だった。そこで彼は、ちょっとした仕返しのために、アリアに悪戯を仕掛けることにした。
彼は何気ない雰囲気を装って、アリアの背後から声をかける。
「ねえねえ、アリア~」
「もう、なんですか坊ちゃま……あれ?」
アリアが振り返ると、レイトの姿が消えていた。彼女は慌てて周囲を見渡すが、やはりレイトの姿は見当たらない。
「お坊ちゃま!? どこに行ったんですか!?」
混乱して声を張り上げるアリア。
そのとき、彼女の背中にレイトが飛び付いた。
「隙ありぃっ」
「きゃあっ!?」
アリアは驚いて振り返る。
「ぼ、坊ちゃま? どこに隠れてたんですか?」
アリアが動揺しながら尋ねると、レイトはアリアの背中にしがみ付いたまま、笑みを浮かべて答えた。
「ずっと後ろにいたよ? 気付かなかったでしょ?」
「そんな馬鹿な……でも、いや、まさか……」
アリアが混乱している様子を見て、レイトはさすがに驚かせすぎたかなと反省する。そして彼女の背中から離れて謝った。
「ご、ごめんねアリア。ちょっとした悪戯のつもりだったんだけど……」
「いえ、それは気にしてませんけど……不思議だわ」
アリアは、レイトがどうやって身を隠したのか分からず、ひたすら首を傾げていた。それから困惑したまま片付けを終えると、部屋を出ていった。
一人になったレイトは、アイリスと交信を行うことにした。
『アイリス~』
アイリスは嬉しそうな声音で返答してくる。
『はいはい。子供の演技をするのも大変かなと思っていましたけど、結構楽しんでますね。隠密スキルを使って悪戯するなんて、子供そのものじゃないですか』
『うん、実は結構楽しんでる』
レイトは転生してからこの二年間、アイリスの指導によって複数のスキルを習得していた。隠密はその中の一つである。
この能力は極限まで存在感を消すという暗殺者向けの技能スキルで、使用人達に見つからないように隠れていた結果、身に付けたものだ。
レイトは前から不満に思っていたことをアイリスに伝える。
『でもやっぱり、ずっと屋敷にいると暇なんだよね。鉄柵を越えて森を散策できればいいんだけど……』
レイトは一人で屋敷の敷地外に出ることは許されておらず、基本的には子供部屋だけで遊ばされていた。母親のアイラに敷地の外に出てみたいとせがんだこともあったが、それが叶ったことは一度もない。アイラによると、柵の向こうには危険な「深淵の森」が広がっているとのことだった。
レイトは頭の中で思い浮かべる。
『敷地の外はどうなってるんだろうな……』
『森は、レイトさんのお母さんが言っていたように非常に危険な場所ですよ。元々この屋敷は、隔離すべき者を閉じ込めておくために作られた施設ですからね』
『そうなんだ。これじゃまるで囚人の監獄だね。でもさ、そんな場所に屋敷を建てるのは大変だったんじゃない?』
レイトが疑問を伝えると、アイリスが答える。
『そうですね。森には魔物がたくさん生息していますし、普通の人間では、この屋敷には近付くことさえできないでしょう』
『魔物っていうと、ゴブリンとかオークみたいな?』
『はい、他にもユニコーンやドラゴンといった、レイトさんの世界にあった神話や幻想の生物が、こっちでは実在するんです』
アイリスの説明はレイトにとって分かりやすいものだったが、屋敷の周りはずいぶんと恐ろしい環境のようだった。
『……危険極まりないなあ』
『逆に言えば、この屋敷に隔離されている間は、危険な人間達がやってこないという意味で安全なのかもしれませんよ』
『だけど、なんで使用人まで住んでいるのかな。俺が隔離されるほど嫌われているとしたら、そんな待遇は必要ないんじゃないの?』
『レイトさんは王族ですからね。いずれ利用価値が出てくると考えられているのかもしれませんし、簡単に死なれたら困るんじゃないんですか。そもそも、レイトさんは不遇職とはいえ、王家にとってはただ一人の男児なんですから』
アイリスは神様みたいな力を持っているのに、ずいぶん俗っぽいことまで考えているのだなと感心しつつ、レイトは理解を示す。
『なるほど。とにかく森に入れない理由はよく分かったよ』
『十分に戦う力を身に付けるまでは、訓練を続けましょうね』
そうしてアイリスとの交信を終えたレイトは、それからも毎日訓練を続けていくのだった。
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