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1巻

1-1

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       ◆ ◆ ◆


 ごく普通の高校生、白崎零斗しろさきれいとは、両親の仕事の都合で学校を転校することになった。
 転校初日、彼が通学バスに乗るためにバス停で待っていると、突然、目の前で異変が生じた。

「んっ……? な、なんだこれ?」

 空間そのものがヒビ割れしたように、黒い亀裂きれつが走っている。驚いた彼が後退あとずさろうとすると、そのヒビは彼を引き込むようにどんどん広がっていった。

「な、何が起きているんだ……うわっ!? す、吸い込まれるっ!?」

 亀裂は零斗を吸引し始め、次第にその力を増していく。あっという間に人ひとりを呑み込むほどに大きくなったヒビに、彼の身体はますます引きずり込まれていった。

「まずい……!」

 踏ん張って耐えるが、吸い込む力はさらに強くなる。
 零斗は助けを求めてあちこちを見回すものの、周囲に人はいない。ついに、彼の片方の手がヒビの中に引き込まれてしまう。

「く、くそ!」

 手足をばたつかせて必死に手を抜こうとする零斗。しかしそんな抵抗もむなしく、彼の身体はヒビの中に完全に取り込まれてしまった。

「うわああああああっー!?」

 零斗の悲鳴がバス停に響き渡る。謎のヒビ割れは彼を完全に吸い込むと、あっという間に消失してしまった。
 いつもの光景に戻ったバス停。
 そこに残されていたのは、零斗が持っていた学生鞄がくせいかばんだけだった。



 1


「……ここはいったい……?」

 気が付くと、零斗は白一色の空間にいた。
 周囲を確認するが……地面がない。零斗の身体は、無重力空間にいるかのごとく浮いている。

「じ、地面が……!? いや、冷静にならないと……」

 パニックになりそうになったものの、零斗は頭を振って気持ちを落ち着かせる。
 ひとまず彼は、自分がバス停からここまでどうやって移動したのか、思い出してみることにした。だが、しばらく頑張ってみても思い出せない。どうやら謎のヒビ割れに吸い込まれた際に、意識を失っていたらしい。
 そうこうするうちに、突然彼の目の前に、一人の女性が現れた。
 やや幼さを残した顔立ちで、柔らかく微笑むその美しい女性は人間のように見えるが、いくつか奇妙な点があった。
 髪は銀色に光っており、背中のほうにつばさが見える。髪だけでなく、全身も光り輝いていた。

(人間……いや、天使様とか?)

 零斗がそう思ったとき、女性は笑みを深めてゆっくりと口を開く。

『いや~驚きましたね。数百年ぶりに、人間の、しかもこんなに若い方が訪れてくるなんて。びっくりです』

 混乱する零斗に対し、女性の口調はどこかのんびりしていた。
 零斗はしばらくポカンとしてしまったが、慌てて言う。

「えっ……だ、誰だお前は!?」
『あ、どうも。まずは初めまして、と言うべきですかね』

 女性はそう告げると、丁寧ていねいにお辞儀じぎをした。面食らってしまった零斗だったが、なんとか冷静になろうとし、口調を改めて恐る恐る話しかける。

「……あの、ここはどこなんですか?」
狭間はざまの空間です。世界と世界の間に存在する場所ですよ』

 女性の言った意味がよく分からず、首をかしげる零斗。女性は彼が理解していないのを察したのか、説明を付け加える。

『より正確に言えば、ここはあなたのいた世界と別の世界をつなぐ場所。星と星の間に存在する宇宙空間のようなところです。あなたは自分がいた世界から弾き出されて、この場所にたどり着いちゃったんですね。あ、ちなみに、もう元の世界に戻ることはできません』
「なんで!?」

 説明を呑み込めないながらも、零斗は反射的に大声で反応してしまった。そんな零斗に対して、女性は淡々と答える。

『戻ることができない理由は、全ての世界が縦に連なっているからです』
「縦って言っても……地球の上は宇宙じゃないの?」

 零斗の知っている限り、地球を取り巻く環境はそういうものだった。しかし、女性は零斗の知らない世界の摂理せつりを、さも当然のように説明し始める。

『縦というのは位相いそうのずれの話です。あなたの世界のものに例えるなら高層ビルでしょうか。あなたがいた世界は、建物の階層の一つ。先ほどヒビに吸い込まれてしまったあなたは、要するに間違って下の階層に繋がる落とし穴に落ちてしまったわけです。ただし、ビルと違うところがあります。それは階段や梯子はしごが存在しないこと。つまり上の階層に戻る手段がないんですね。ちなみに、今のあなたは落とし穴に落ちている最中。ビルの階層の間、あなたがいた世界から別の世界へと繋がる空間に滞在していることになります』
「はいっ!?」

 話を聞きながら零斗は激しく動揺した。やはり、彼女の言っている意味がまったく分からない。
 女性は淡々と続ける。

『私は狭間の世界を管理する存在。私の役割は、この狭間の世界に落ちてきた、あなたのような方を別の世界に送り込むことです』

 女性にじっと見つめられ、零斗は息を呑んで口を開いた。

「……役割? あなたはもしかして、神様じゃ――」

 すると、女性は零斗の言葉をさえぎって告げる。

『あ、私はただの管理者ですよ。神様なんて、そんな大それた存在じゃないです。まあ、管理すると言っても基本的には暇だから、普段はここから上と下の世界を覗き込んでいるだけ……コホン、私の話はこれぐらいにしましょうか。そろそろあなたを、別の世界に送らないといけませんね』
「ちょ、ちょっと待ってください!! 本当に元の世界には戻れないんですか?」

 諦めきれず零斗はそう尋ねてみたが、女性の返答は軽く、非情なものだった。

『無理ですね。まあ、災難だとは思いますけど、不慮ふりょの事故に遭ったと考えてください。次の世界でも頑張ってくださいねっ』
「ええっ……」

 落胆した零斗は、元の世界にいた家族や友人のことを思い浮かべる。

(皆にお別れの言葉を言うこともできずに、俺はよく分からない別の世界に送られるのか……)

 謎の異世界に送られる……改めてそう考えてみた零斗は、突然不安に襲われ、慌てて女性に尋ねた。

「あのっ!! 別の世界というのはどういう場所なんですか?」
『おっ、覚悟を決めましたか。そうですね、別に教えても特に問題なさそうですし……』

 女性は嬉しそうな笑顔を見せると、一瞬考えるような仕草をしてから口を開く。

『うーん、超絶的に分かりやすく言えば、ファンタジー世界ということになります。RPGゲームはお好きですか? こちらの世界では、本物の魔物、それにエルフやドワーフといった種族も存在しますよ』
「ファンタジー……」
『さらに、あなたが住んでいた世界とはずいぶん変わった路線で進化しています。科学の代わりに魔法が発展しているんです』
「魔法って……あの?」

 零斗が尋ねると、女性はにっこりとうなずく。

『こんな感じに魔法が扱えます。とりゃ~』

 女性はそう言って、何もない空間から杖を取り出した。そして、杖の先端から火や氷のかたまりを次々と出現させていく。
 零斗が目の前の光景に呆気あっけに取られていると、女性は指を鳴らして火と氷の塊を消した。零斗は呆然ぼうぜんとしながら声をしぼり出す。

「な、今のが魔法?」
『そういうことです。あ、そういえば、一つ伝え忘れていたことがありました。あっちの世界に移動するときには、あなたの身体は元の世界の記憶以外、全て作り変えられます。そのままだと色々と不都合が起きますから』
「作り変えるって」
『世界そのものが違うから重力が異なりますし、科学の世界で生きてきた人間が魔法を扱えるはずないですしね。だから作り変えるしかないんですよ。小説みたいに、普通の人間が都合良く魔法を覚えられるなんて、ありえませんから』
「……ちょっと! じゃあ今の俺はどうなるんですか!?」

 取り乱したように問いただす零斗。女性は困ったように言う。

『まあ、記憶と意識だけは残しますよ。ある程度ランダムなので、もしかしたら人間じゃない生物に転生する可能性もありますけど……運に身を任せるしかありません』
「この場所に入り込んだ時点で、とんでもない不運なんですけど!!」

 零斗は声を荒らげて抗議するが、女性は再び笑みを浮かべる。

『いやいや、逆に考えてくださいよ? 普通の人間がこの狭間の世界を訪れるなんて、本当に数百年ぶりなんです。むしろすごい幸運……いや、悪運だったのかもしれませんが』
「そんな馬鹿な……」

 零斗がため息を吐き出すと、女性がなぐさめるように言う。

『まあまあ、久しぶりの人間のお客さんですし、私も少しはアドバイスをしますから。そうだ! 何か知りたいことがあったら、心の中で私の名前を呼んでください。そうすれば、私と会話ができるようにしておきます。私は異世界に関する全ての情報を把握しているので、なんでも聞いてくださいね……』

 なぜか急に、零斗の意識が薄れていく。

「なんでも聞いていいなら……あなたの名前は?」

 朦朧もうろうとしながら尋ねると、女性はにっこりと微笑んだ。

『アイリス……狭間の世界の管理者です。困ったことが起きたら、遠慮なく私に「交信」してくださいね。基本的に暇なので、いつでも応えられますよ』
「……約束ですよ」

 零斗はアイリスと名乗る女性にそう言い残すと、そのまま意識が途絶えてしまうのだった。



 2


 見知らぬ男女の言い争う声が聞こえてきて、零斗は意識を取り戻した。

「――どういうことだ。どうしてこうなった!!」
「お、落ち着いて、あなた……」
「うるさい!! やっと男児が生まれたと思ったら……なんなんだこのくずは!」
「いや!! やめてっ!! その子はあなたの子供なのよ!?」

 様子をうかがおうと零斗がまぶたを開くと、中世の貴族のような格好をした男性が目に入った。
 それと同時に、自分がその男性に抱き上げられていることに気付く。男性は零斗の顔を見て、憎々にくにくしげな表情を浮かべた。

「こんな屑!」

 男性はそう声を荒らげると、側にいた美しい女性に向かって零斗の身体を放り投げた。

(嘘ぉ!?)

 投げ飛ばされた零斗は女性に軽々と受け止められる。
 ようやくここで、彼は自身に起きている異変に気付く。どうやら零斗の身体は、小さくなっていたらしい。

(身体が縮んだ……? いや、もしかして……赤ん坊になったのか?)

 零斗が自分の身に起きた状況を把握している間、二人の男女はずっと言い争っていた。女性が男性を非難するように声を上げる。

「ああっ……なんてことするの! 乱暴なっ!!」
「うるさい!! お前のような女に期待したのが間違いだった。出ていけ!! ここから出ていけっ!! そののろわれた赤子を連れて即刻立ち去れっ!!」
「……分かりました」

 零斗を受け止めた女性は涙を流し、そのまま扉に向かう。そして扉に手をかけ、振り返る。

「さようなら。あなたのことは愛していたわ」
「……頼む、もう消えてくれ!!」

 男性は背を向けたまま、女性を怒鳴りつけた。
 女性は赤子の零斗を抱え、涙を流しながら部屋をあとにする。
 零斗は、目の前で繰り広げられた二人のやり取りから、この女性が自分の母親であり、さっきの男性が父親であるということはなんとか理解した。
 いきなり波乱に見舞われたが、この先の自分の人生がさらなる困難に満ちたものになるとは、このときの彼は知るよしもなかったのだった。


       ◆ ◆ ◆


「ううっ、どうしてこんなことに。この子は何も悪くないのにっ」

 赤ん坊の零斗を抱いた母親は部屋の外で泣き崩れていた。
 しばらくして、彼女の前に複数の人間が現れる。
 零斗は彼等の格好を見てぎょっとしてしまった。いずれも中世の兵士のような鎧と武器を身に着けていたのである。

(なんだこの人達……コスプレ? いや、どう見ても作り物とは思えない。まさか、本物の兵士なのか?)

 兵士らしき男性の一人が母親に話しかける。

「奥様、落ち着いてください。申し訳ないのですが、あなたとその赤子がこれ以上城に滞在することは許されません。我々が城の外まで案内します」

 零斗は、改めて男性達の着込んでいる鎧に目を向ける。

(レプリカなんかじゃない。本物の兵士と見て間違いなさそうだな)

 ここで零斗は、アイリスに言われていた通り、自分が異世界に転生してしまったことを改めて実感した。
 それはともかく、どうして自分の母親と思われるこの女性が泣いているのか、そして父親だと思われる男性が赤ん坊の自分に対して激しく怒っていたのか分からず、混乱したままだった。そんな彼に気付くことなく、大人達はどんどん会話を進めていく。
 兵士の男性が母親に告げる。

「参りましょう。既に飛行船は用意しています。今なら他の人間に気付かれないうちに移動できるはずです」
「私達をどこに連れていく気ですか!」

 兵士は押し黙り、そして言いにくそうに口を開く。

「……申し訳ありませんが、その質問には答えられません」
「そうですか……分かりました。抵抗はしませんから、どうかこの子にだけは危害を加えないでください」

 母親がそう言うと、兵士の一人が大きな声を出す。

「危害なんて……馬鹿なことを言わないでください!! 我々は王国に忠義を誓っております!! 王の妻であるあなたは我々の主人の一人なのです。そんな悲しいことを言わないでください……」
「王の妻である私には……ですか。ならばこの子にも忠義を誓えませんか?」

 母親は静かに零斗へ目を向ける。
 兵士は唇を噛みしめ、目の前の母親から視線を逸らして言う。

「……申し訳ありませんが、その赤子に関しては……残念ですがその赤子には、王族としての資格は……」
「王族の資格がないと? この子は私の子よ!! 夫と……国王と私の息子なのよ」

 兵士の言葉を遮るように母親が声を荒らげると、兵士は非情にも告げる。

「その国王様が直々じきじきにそう言ったのです。いえ、それ以前に、自分には息子など存在しないとまで……」
「そんな……」

 母親はひざから崩れ落ちる。

「奥方様……参りましょう」
「触らないでっ!! 自分で歩けます!!」

 兵士が出した手を、母親は強く振り払う。
 手を弾かれた兵士は、彼女の意思を尊重するように頭を下げた。そのとき零斗は両手を伸ばし、母親を落ち着かせるように身体を掴んだ。

「あうっ……」

 母親は表情を緩め、零斗に告げる。

「あっ、ごめんなさい、あなたは眠っていていいのよ。お母さんが大きな声を出したから起きちゃったのね。ごめんなさい……本当にごめんなさい」

 母親は彼を連れて、兵士達とともにその場をあとにした。
 そこで零斗は、抗いがたい睡魔すいまに襲われて眠ってしまうのだった。


 それからどのくらい経っただろうか。
 零斗が目を覚ますと、彼は外にいるようだった。ふと顔を上に向けたところ、彼を抱く母親の顔が目に入る。
 意識を失う前は落ち込んでいたはずの彼女は、何かを決意したような強い意志をその瞳に宿し、まっすぐ前を見ていた。
 つられて零斗も彼女の視線の先を追うと、大きな屋敷が見える。

「あ、あうっ……」
「あら……起こしちゃったのかしら? ほら、今日からここが私とあなたの家よ」
「うう~?」

 屋敷は年季を感じさせるものの、立派な外観だった。
 零斗は今、その屋敷の広大な敷地内にいるらしい。遠くのほうを見ると、敷地の周囲に人の背丈を超える高い鉄柵が設けられているのが分かった。
 母親は零斗を抱きかかえながら歩きだし、屋敷の扉を開ける。
 中では、大勢の人が二人を待ち構えていたように立っていた。彼等はこの屋敷の使用人らしく、年齢は30~40代ほど。一番若い人間でも30代前半といったところだ。使用人になる前は兵士だったと思われるような、立派な体格をした男性もいた。
 零斗は使用人が並ぶ光景に圧倒されていたが、それは母親も同じだったらしい。母親は戸惑いの表情を浮かべて話しかける。

「あの、あなた達は?」

 使用人の代表と思われる白髪交じりの男性が一歩進み出て、深々とお辞儀をする。

「お待ちしておりました、奥方様。我々はこの屋敷の管理を任されている者です。国王様の指示により、あなた様のためにつかえることを誓います」
「あの人が? この子のことは聞いているの?」

 母親が零斗の身を案じて表情をくもらせる。すると白髪交じりの男性は、優しげな表情を浮かべて告げた。

「存じております。我々の中には赤子様と同じ境遇の人間も多数存在します。ですから、ご安心ください。そのお方をしいたげる者など、この場にはいません」
「……そう、それなら安心です」

 母親はそう言って安堵あんどの息を吐いたが、零斗は使用人の言葉に引っかかりを覚えていた。

(俺と同じ境遇の人間? どういうことだろう)

 白髪交じりの男性が母親に言う。

「こちらへどうぞ。おぼっちゃまのために子供部屋を用意しております」
「子供部屋? そんなものまでこの屋敷に? いいわ、案内してちょうだい」
「かしこまりました」

 母親は零斗を抱いて、子供部屋に向かった。そして中に入り、零斗をゆりかごのベッドに下ろすと、零斗はそのまますぐに眠ってしまった。
 こうして零斗の異世界転生一日目は終わったのだった。


 零斗が目を覚ますと、またもや母親の姿が目に入る。

「あっ……う~!?」
「あらあら、もう起きちゃったのかしら?」

 母親が零斗を優しく抱き上げる。
 零斗は「おはよう」と口にしようとして――


「う! う~!」

 上手く言えなかった。
 それで零斗は、自分が生まれて間もない赤ん坊であることを思い出した。彼は言葉を発する代わりに身体を動かしてみたのだが、母親はただじゃれているだけと思ったらしい。

「よしよし、いい子でちゅね~」
「う~」
「あらあら、ちょっとご機嫌斜めかしら?」

 零斗が不満そうな表情で母親の顔を見上げると、彼女は笑みを浮かべ、零斗をベッドに戻した。そして、嬉しそうに零斗の頬をつつく。

「あう、う~」
「ふふっ、今日はすごく元気なのね。昨日までは顔色が悪かったから心配してたけど……」

 そこで母親はふと思い出したように言う。

「そういえば、あなたの名前を考えないとね。そうね……レナなんてどうかしら? 女の子みたいで可愛らしいし!」
「や~……!!」

 零斗が精一杯の抗議の声を出すと、母親は戸惑ったように首を傾げる。

「あ、あら? 気に入らなかったのかしら。それじゃあ、レノ、レア、レイ……」

 母親は偶然にも、彼の転生前の本名である「零斗」に近い名前を挙げてくれた。零斗は同意を示すために大声を出す。

「あうっ!!」
「え? レイ? レイがいいの?」

 分かってくれた……が、あともう少しだ。そう思った零斗は、レイではなくレイトにしてもらうべくさらに頑張る。

「と、とぉっ……!」

 それらしい発音になったものの、母親は眉をひそめたままだ。

(伝わらなかったか……)

 零斗が諦めかけた瞬間――



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