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序章 狩人の孫
第7話 一点集中
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「ギュイイッ!!」
「あぐぅっ!?」
左頬に激痛を感じながらレノは倒れ込み、角兎は離れた場所に着地する。額の角から血を垂らしながら角兎はレノが死んだと思ったのか鳴き声を上げる。
「ギュイイイッ!!」
「……いてぇっ!!」
「ギュイッ!?」
だが、死んだと思われたレノが起き上がると角兎は驚愕した。彼は左頬から血を流しながらもなんとか立ち上がり、信じられない様子で怪我を抑える。
(絶対に死んだと思ったのに……生きてる?)
レノ自身も先ほどの角兎の攻撃を受けた際に自分が死んだと思い込んだが、不思議なことに角が突き刺さった頬も大した怪我は負っていなかった。何が起きたのか本人も理解できず、一番混乱していたのは彼自身だった。
(どうして生きてるんだ?こいつの角が当たった感触はあるからさっきみたいにぎりぎりで避けたわけじゃないはず……考えろ、きっと俺は何かしたんだ)
未だに危機的状況ではあることは理解しているが、滝行の時のようにレノは集中力を高めていく。そしてとある結論に至った。
(再生術だ!!)
攻撃を受ける寸前までレノは左頬の怪我を治すために再生術を使用していたことを思い出し、左頬に魔力を集中させていたことに気が付く。再生術を使用したせいで体力が削られて体勢を崩してしまったが、角兎が攻撃を仕掛ける寸前までレノは左頬に魔力を集中させていた。
魔力を左頬に集めていたお陰なのか角兎の攻撃を受けた際、頬に軽いけがを負う程度で済んだ。もしかしたら再生術は肉体の怪我を治すだけではなく、別の使い道があるのではないかとレノは考えた。
(試してみる価値はあるか……どうせこのまま何もしなければ死ぬだけだ)
一か八かの賭けになるがレノは残り少ない体力を使い切ってでも魔力を操作し、角兎への反撃を試みる。角兎は自分の攻撃を受けて立ち上がったレノに混乱していたが、すぐに気を取り直して再び突進の体勢に入った。
「ギュイイッ……!!」
「……かかってこい!!」
角兎が突進を仕掛けようとしていることに気付いたレノは、両腕を広げて角兎が攻撃を狙いやすいように敢えて隙を見せる。今度は確実に仕留めるために角兎は彼の心臓に狙いを定め、先ほどよりも力を込めて跳躍した。
「ギュイイイッ!!」
「――ここだっ!!」
角兎が跳び上がる直前、一瞬だけ早くレノは胸元に右拳を構える。滝行で磨かれた集中力で角兎が飛び込む瞬間を見極め、突進してくる前に魔力を集中させた拳を構える。
跳躍した角兎は途中で止まることができずにレノが構えた右拳に突っ込み、角は甲の部分に衝突した。森の中に何かか砕ける音が鳴り響き、角兎は地面に倒れた。
「ギャインッ!?」
「いっ……てぇええっ!?」
額の角が砕けた角兎が地面に倒れた途端、レノは右手を抑えてうずくまる。角兎の額の角はレノの右拳に衝突した瞬間に粉々に砕け散ったが、レノの右手も腫れてしまう。
(絶対に折れた!!これ、やばい!?)
魔力を集中させていたお陰でレノの右拳は角兎の攻撃を防ぐことはできたが、その代償として右手は腫れあがってしまう。骨が折れたかあるいは罅が入っており、あまりの痛みにレノは悶絶する。
「ギュイイッ……!?」
「痛い痛い痛い……お前のせいだぞ!?」
右手を抑えながらレノは角兎に視線を向けると、額の角が砕けたせいなのか角兎は倒れた状態で弱々しい鳴き声をあげていた。どうやら角兎の弱点は攻撃にも利用していた額の角だったらしく、角が砕けた途端に糸が切れた人形のように動かなくなった。
角兎が動かなくなったのを見てレノはため息を吐き出し、とりあえずは身体を休ませるために自分も横になる。右手の怪我は後で再生術で治すことを決めると、今は休むことに専念した。
「はあっ……死ぬかと思った」
危うく自分が殺されるところだったのを自覚した途端、レノは全身から冷や汗を流す。いくら相手が可愛らしい姿をしていようと魔物は恐ろしい生き物だと改めて思い知らされ、今度からは決して油断しないことを心に誓う。
右手と頬に怪我を負ってしまったが死ぬほどの傷ではなく、疲れが限界に達したレノは意識を失う――
――レノが目覚めると自分がいつの間にか森の中ではなく、自宅の自分の部屋にいることに気が付く。
「あれ……どうして俺、家にいるんだ?」
「……やっと目覚めたか、この馬鹿が!!」
「うひゃっ!?」
部屋の中にはアルの姿もあり、不機嫌そうな表情を浮かべながらレノの傍に座っていた。アルの顔を見てレノは戸惑うが、すぐに彼が助けてくれたことを悟る。
「ま、まさか爺ちゃんが俺を運んでくれたの?」
「全く、帰りが遅いから心配して見に来てやったら、あんな森の中で呑気に寝ておって!!儂がどれだけ心配したと思ってる!?」
「ご、ごめんなさい!!」
祖父に迷惑をかけたことにレノは謝罪するが、アルは深々と溜息を吐きながらレノが森の中で気絶した理由を尋ねた。
「それでお前はどうしてあんな場所で倒れていた?暗くなる前に山から下りろという儂の言い付けを破るとは何事だ?」
「ご、ごめん……実は俺、狩猟の途中で猪に追い掛け回されて……」
「猪?」
レノは嘘偽りなく自分に起きた出来事を話し、猪に追いかけ増された後に魔物と遭遇し、危うく殺されかけたことを話すとアルは心底驚く。
「角を生やした兎の魔物に襲われただと!?それは本当か!?」
「うん、そうだけど……」
「……信じられん。あの山で一角兎を見かけたことなど一度もないぞ」
「一角兎?」
アルはレノを襲った魔物の正体を知っているらしく、彼によればオークと同じく獣型の魔獣で本来は草原などに生息する魔物だと語る。
「一角兎は見た目は本物の兎のようで可愛らしいが、実際は本物の兎と違って好戦的で獰猛な性格をしている。人間を目の前にしたら躊躇なく襲い掛かる危険な魔物だ」
「そ、そんなに危ない奴だったんだ……」
「だが、一角兎の角は滋養強壮の効果が高い薬の材料にもなる。しかも額の角が折れても時間が経過すれば新しい角が生えるからな。一部の村では家畜として飼われているらしい」
「家畜!?あんな危険な奴を!?」
「野生の一角兎は獰猛だが、人間が育てた一角兎ならば人を襲わないように飼育されている。尤も魔物を飼うのは動物よりも慎重に扱わなければならんがな」
自分を殺しかけた魔物が一部の地域では家畜として飼育されていることに驚くが、そんなことよりもレノは一角兎に襲われた時に起きた出来事を問い質す。
「そうだ思い出した!!俺、初めて魔物を倒したんだよ!!」
「は?何を馬鹿なことを……武器も持っていないお前が魔物を倒せるはずないだろう」
「嘘じゃないよ!!本当に倒したんだって!!」
レノが一角兎を倒したといってもアルは素直に信じてくれず、そんな彼にレノはやきもきしながらも何が起きたのかを話す。一角兎に襲われた際にレノは怪我の治療のために再生術を使用し、隙を突かれて攻撃を受けてしまう。しかし、魔力を集中させた箇所に攻撃を受けたお陰で命拾いした。
その後は一角兎が再び仕掛ける前に右手に魔力を集中させ、突っ込んできた一角兎の角を拳で受け止めたことを伝える。話を聞き終えたアルはレノを助けた時に右手が妙に腫れていた理由を知って驚く。
「一角兎の角を受けただと!?奴等の角は石を砕けるぐらい硬いんだぞ!?」
「いや、本当だってば!!」
「……にわかには信じられん」
気絶している間にレノの右手の怪我はアルが治療しており、右手には包帯を巻いていた。頬の傷には山で採れる薬草を磨り潰して作った塗薬を塗っており、どちらの怪我も重傷ではないが治るまでしばらく時間は掛かりそうだった。
「爺ちゃん、俺の言うことを信じてくれないの!?」
「確かに魔物を相手にして生き延びたのなら嘘とは思えんが、まさかお前が強化術まで使いこなせるようになったとは……」
「えっ……強化術?」
「あ、いや……何でもない」
聞いたこともない単語にレノは首を傾げると、アルは慌てて誤魔化そうとした。だが、口を滑らせたアルに問い質す。
「爺ちゃん!!誤魔化さないでよ!!強化術って何なのか教えてよ!?」
「むうっ……仕方ないか」
観念したアルはレノが一角兎を相手に生き延びた理由を話す。一角兎の攻撃を受けた際にレノは無意識に再生術とは異なる別の基礎魔術を用いて生き延びたことを話す。
「あぐぅっ!?」
左頬に激痛を感じながらレノは倒れ込み、角兎は離れた場所に着地する。額の角から血を垂らしながら角兎はレノが死んだと思ったのか鳴き声を上げる。
「ギュイイイッ!!」
「……いてぇっ!!」
「ギュイッ!?」
だが、死んだと思われたレノが起き上がると角兎は驚愕した。彼は左頬から血を流しながらもなんとか立ち上がり、信じられない様子で怪我を抑える。
(絶対に死んだと思ったのに……生きてる?)
レノ自身も先ほどの角兎の攻撃を受けた際に自分が死んだと思い込んだが、不思議なことに角が突き刺さった頬も大した怪我は負っていなかった。何が起きたのか本人も理解できず、一番混乱していたのは彼自身だった。
(どうして生きてるんだ?こいつの角が当たった感触はあるからさっきみたいにぎりぎりで避けたわけじゃないはず……考えろ、きっと俺は何かしたんだ)
未だに危機的状況ではあることは理解しているが、滝行の時のようにレノは集中力を高めていく。そしてとある結論に至った。
(再生術だ!!)
攻撃を受ける寸前までレノは左頬の怪我を治すために再生術を使用していたことを思い出し、左頬に魔力を集中させていたことに気が付く。再生術を使用したせいで体力が削られて体勢を崩してしまったが、角兎が攻撃を仕掛ける寸前までレノは左頬に魔力を集中させていた。
魔力を左頬に集めていたお陰なのか角兎の攻撃を受けた際、頬に軽いけがを負う程度で済んだ。もしかしたら再生術は肉体の怪我を治すだけではなく、別の使い道があるのではないかとレノは考えた。
(試してみる価値はあるか……どうせこのまま何もしなければ死ぬだけだ)
一か八かの賭けになるがレノは残り少ない体力を使い切ってでも魔力を操作し、角兎への反撃を試みる。角兎は自分の攻撃を受けて立ち上がったレノに混乱していたが、すぐに気を取り直して再び突進の体勢に入った。
「ギュイイッ……!!」
「……かかってこい!!」
角兎が突進を仕掛けようとしていることに気付いたレノは、両腕を広げて角兎が攻撃を狙いやすいように敢えて隙を見せる。今度は確実に仕留めるために角兎は彼の心臓に狙いを定め、先ほどよりも力を込めて跳躍した。
「ギュイイイッ!!」
「――ここだっ!!」
角兎が跳び上がる直前、一瞬だけ早くレノは胸元に右拳を構える。滝行で磨かれた集中力で角兎が飛び込む瞬間を見極め、突進してくる前に魔力を集中させた拳を構える。
跳躍した角兎は途中で止まることができずにレノが構えた右拳に突っ込み、角は甲の部分に衝突した。森の中に何かか砕ける音が鳴り響き、角兎は地面に倒れた。
「ギャインッ!?」
「いっ……てぇええっ!?」
額の角が砕けた角兎が地面に倒れた途端、レノは右手を抑えてうずくまる。角兎の額の角はレノの右拳に衝突した瞬間に粉々に砕け散ったが、レノの右手も腫れてしまう。
(絶対に折れた!!これ、やばい!?)
魔力を集中させていたお陰でレノの右拳は角兎の攻撃を防ぐことはできたが、その代償として右手は腫れあがってしまう。骨が折れたかあるいは罅が入っており、あまりの痛みにレノは悶絶する。
「ギュイイッ……!?」
「痛い痛い痛い……お前のせいだぞ!?」
右手を抑えながらレノは角兎に視線を向けると、額の角が砕けたせいなのか角兎は倒れた状態で弱々しい鳴き声をあげていた。どうやら角兎の弱点は攻撃にも利用していた額の角だったらしく、角が砕けた途端に糸が切れた人形のように動かなくなった。
角兎が動かなくなったのを見てレノはため息を吐き出し、とりあえずは身体を休ませるために自分も横になる。右手の怪我は後で再生術で治すことを決めると、今は休むことに専念した。
「はあっ……死ぬかと思った」
危うく自分が殺されるところだったのを自覚した途端、レノは全身から冷や汗を流す。いくら相手が可愛らしい姿をしていようと魔物は恐ろしい生き物だと改めて思い知らされ、今度からは決して油断しないことを心に誓う。
右手と頬に怪我を負ってしまったが死ぬほどの傷ではなく、疲れが限界に達したレノは意識を失う――
――レノが目覚めると自分がいつの間にか森の中ではなく、自宅の自分の部屋にいることに気が付く。
「あれ……どうして俺、家にいるんだ?」
「……やっと目覚めたか、この馬鹿が!!」
「うひゃっ!?」
部屋の中にはアルの姿もあり、不機嫌そうな表情を浮かべながらレノの傍に座っていた。アルの顔を見てレノは戸惑うが、すぐに彼が助けてくれたことを悟る。
「ま、まさか爺ちゃんが俺を運んでくれたの?」
「全く、帰りが遅いから心配して見に来てやったら、あんな森の中で呑気に寝ておって!!儂がどれだけ心配したと思ってる!?」
「ご、ごめんなさい!!」
祖父に迷惑をかけたことにレノは謝罪するが、アルは深々と溜息を吐きながらレノが森の中で気絶した理由を尋ねた。
「それでお前はどうしてあんな場所で倒れていた?暗くなる前に山から下りろという儂の言い付けを破るとは何事だ?」
「ご、ごめん……実は俺、狩猟の途中で猪に追い掛け回されて……」
「猪?」
レノは嘘偽りなく自分に起きた出来事を話し、猪に追いかけ増された後に魔物と遭遇し、危うく殺されかけたことを話すとアルは心底驚く。
「角を生やした兎の魔物に襲われただと!?それは本当か!?」
「うん、そうだけど……」
「……信じられん。あの山で一角兎を見かけたことなど一度もないぞ」
「一角兎?」
アルはレノを襲った魔物の正体を知っているらしく、彼によればオークと同じく獣型の魔獣で本来は草原などに生息する魔物だと語る。
「一角兎は見た目は本物の兎のようで可愛らしいが、実際は本物の兎と違って好戦的で獰猛な性格をしている。人間を目の前にしたら躊躇なく襲い掛かる危険な魔物だ」
「そ、そんなに危ない奴だったんだ……」
「だが、一角兎の角は滋養強壮の効果が高い薬の材料にもなる。しかも額の角が折れても時間が経過すれば新しい角が生えるからな。一部の村では家畜として飼われているらしい」
「家畜!?あんな危険な奴を!?」
「野生の一角兎は獰猛だが、人間が育てた一角兎ならば人を襲わないように飼育されている。尤も魔物を飼うのは動物よりも慎重に扱わなければならんがな」
自分を殺しかけた魔物が一部の地域では家畜として飼育されていることに驚くが、そんなことよりもレノは一角兎に襲われた時に起きた出来事を問い質す。
「そうだ思い出した!!俺、初めて魔物を倒したんだよ!!」
「は?何を馬鹿なことを……武器も持っていないお前が魔物を倒せるはずないだろう」
「嘘じゃないよ!!本当に倒したんだって!!」
レノが一角兎を倒したといってもアルは素直に信じてくれず、そんな彼にレノはやきもきしながらも何が起きたのかを話す。一角兎に襲われた際にレノは怪我の治療のために再生術を使用し、隙を突かれて攻撃を受けてしまう。しかし、魔力を集中させた箇所に攻撃を受けたお陰で命拾いした。
その後は一角兎が再び仕掛ける前に右手に魔力を集中させ、突っ込んできた一角兎の角を拳で受け止めたことを伝える。話を聞き終えたアルはレノを助けた時に右手が妙に腫れていた理由を知って驚く。
「一角兎の角を受けただと!?奴等の角は石を砕けるぐらい硬いんだぞ!?」
「いや、本当だってば!!」
「……にわかには信じられん」
気絶している間にレノの右手の怪我はアルが治療しており、右手には包帯を巻いていた。頬の傷には山で採れる薬草を磨り潰して作った塗薬を塗っており、どちらの怪我も重傷ではないが治るまでしばらく時間は掛かりそうだった。
「爺ちゃん、俺の言うことを信じてくれないの!?」
「確かに魔物を相手にして生き延びたのなら嘘とは思えんが、まさかお前が強化術まで使いこなせるようになったとは……」
「えっ……強化術?」
「あ、いや……何でもない」
聞いたこともない単語にレノは首を傾げると、アルは慌てて誤魔化そうとした。だが、口を滑らせたアルに問い質す。
「爺ちゃん!!誤魔化さないでよ!!強化術って何なのか教えてよ!?」
「むうっ……仕方ないか」
観念したアルはレノが一角兎を相手に生き延びた理由を話す。一角兎の攻撃を受けた際にレノは無意識に再生術とは異なる別の基礎魔術を用いて生き延びたことを話す。
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