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第1章
第9話救出
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インターハイ当日、新島はコート脇のベンチでスマホを見つめていた。捜索開始の日の出6時からすでに2時間が経過しようとしているがいまだ発見の報はなかった。そして午前八時キックオフ新島は耳にイヤホンをして試合に臨んでいた。初戦の相手は前回大会優勝校であり今大会優勝候補筆頭の英雄学園である。キックオフの笛が鳴ると英雄学園はものすごいプレスをかけてきた。ドリブルも上手く中々ボールが奪えず防戦一方の時間が続く中、新島が動いた。素早い動きでボールを奪うと一気にロングボールで英雄ゴール前までボールを上げた。ボールが落ちる先にはいつの間に移動していたのか一年の武田がいた。武田は胸トラップをすると勢いそのままにシュートしてゴールを決めてしまった。思わぬ先制点に英雄学園はもちろん観客も唖然としていた。先制点で湧き上がる観客その様子を新島の親友が見つめていた。試合再開のホイッスルと同時に一気に前線に上がる英雄学園、目にもとまらぬドリブルで一人二人と抜いていくと一気にシュートする。ゴールキーパーはボールを捉えるが止めることができず一点返されてしまった。ここでまたしてもロングパスを出した。武田がボールをトラップし一人抜いてシュートをするが今度はゴールキーパーにはじかれた。しかし弾いた先に新島が走りこんできて再度シュートを撃つ。さすがのゴールキーパーも反応が遅れ止めることができなかった。試合は前半30分の段階で2-1と誰もが予想しない展開になっていた。その時、(車を見つけた。場所はスカイツリーから南西方向に3キロほど移動したスーパーの駐車場)新島はそれを聞くとすぐに選手交代を宣言しそのまま場外へ行ってしまった。新島の予想外の動きに敵も観客も唖然とした。新島は会場の外まで出ると指示を出しながら自転車に乗りスカイツリーを目指した。(車を見張れ動き出したら気づかれないように追跡するんだ。他は至急スーパー周辺にに向かえ敵が動く前に到着次第各自連絡、以上)(了解)新島は自転車を飛ばしスカイツリーを目指す。時刻は8時15分最初の発見の報から15分が経過した。新島は目標のスーパーに到着した。敵はまだ動いておらず新島の元には続々と現着の報が入っていた。(現時刻をもってこのスーパーから半径二キロに厳戒監視体制を敷く。尚この厳戒態勢は目標の移動に合わせて変化することとする)その時車が動き出した。(目標の車は押上方向に移動中、気づかれないよう適切な距離を保って追跡開始)走ること約10分車はホテルの駐車場に入っていく。「西山、寺田ホテルに入って追跡してくれ。」「わかった」(目標は押上モンドリッチホテルに入った。只今西山、寺田がホテル内に入り捜索中他の者は直ちに私のところに集合せよ)5分ほどすると二人が出てきた。「敵はホテルの部屋を二部屋借りてるらしい」「わかった二つの部屋番は?」「205と505」「205と505だなわかった」「作戦を説明する。まず3グループに分けるA班は俺と505を制圧する。次にB班は202を制圧する。そしてC班はホテルの出入り口及び奴らの車を見張る。何かあれば言ってくれ」「班分けを教えてくれ」「A班は西山、久保、田中、菊池B班隊長は近藤、班員は寺田、西島、山内、大竹C班隊長は工藤、班員は寺島、北島、小山、岡島だ。」「了解」「近藤得意の柔道で敵を制圧してくれ、工藤、持ち前の頭脳で的確な指示を頼んだぞ」「わかった」「では、突入開始」新島率いる総勢16人はホテルに突入した。作戦通り5階に新島率いるA班が2階に近藤率いるB班が配置についた。505号室をノックすると呑気に男がドアを開けて出てきた。「誰だお前ら、用がないなら帰んな」「あいにくこっちは入用でね」そう言うと新島は一気に男を殴り倒すと部屋に突っ込んだ。「てめぇガキが調子になるなよ」「それはこっちのセリフだ」それだけ言って新島は中にいた2人の男をいとも簡単に伸してしまった。(こちら近藤中にいたクソどもの制圧を完了したが救出目標はいなかった。そっちは?)(こっちもいなかった)その時(こちらC 班目標の車がバカみたいなスピードで出てきた。)(直ちに追え!!絶対見失うな)(わかった)「こいつら全員縛って動けなくしとけ」「手空きの者は俺と来い」クッソ奴ら囮を使うなんて姑息なマネしやがって見つけ次第半殺しにしてやる。新島はAB班合わせて6人でC 班の後を追った。移動する事15分人気のないビルの近くでC 班と合流した。「作戦を説明するまずここにいる11人全員であの一階のドアから自転車で突っ込んで敵を攪乱する、その後自転車を捨て混乱に乗じて一気に制圧する。」「一階のドアを開けるのが必要だが」「そうだな、よし西山一階のドアを開ける役任せていいか?」「任せろ」「今度こそ助けるぞ‼」ドン‼と一階部分に音が響く。突如廃ビル一階の円トラス部分に自転車にが突っ込んできた。「何があった」「自転車が大量に突っ込んできた」「何だって?」新島は一気にビルに突っ込むと突っ立てた男の股間に自転車を思いっきりぶつけ男を無力化した後自転車を捨て近くにいた別の男の股間を何回も蹴り上げた。「このクソガキがぁ」そういいながら鉄の棒を振り下ろすが新島は軽々と躱すと同じタイミングで突っ込んだ近藤が横から飛び蹴りをくらわすと簡単に伸びてしまった。新島たちは一気に一階の制圧を完了させると二階へ突入した。二階には部屋がいくつかあり手分けして探すことにした。新島は一番奥の部屋を担当した。ドン!!勢いよく扉が開く音がした。「何事だ」「ガキだ、ガキが一人突っ込んできた」「何だと⁉」「ここがビンゴみたいだな、バカ面が並んでやがる」「クソガキが死にたくなきゃ帰んな」「おい‼そこの奥の部屋にいるんだろ?ここのバカ共を束ねてる本当のバカが」ガチャと奥の扉が開く「兄貴」「てめぇか俺の邪魔をした挙句侮辱しやがったクソ野郎は」「お前がボスか?思った以上にバカ面だな」「あぁ?」「聞こえなかったか?頭も悪けりゃ耳も悪いのか?」「ガキが、野郎どもやっちまえ」その一言でそこにいた数人が襲ってきた。新島は少し引き気味に戦い上手くいなしていた。新島の戦い方は多対一の戦い方を熟知してる動きだった。上手に躱していなしてを続けてる内に男の一人の動きが明らか鈍った瞬間新島が動いた。一気に間合いを詰めると殴りかかってきた手を掴んで思いっきり後ろに捻って関節技を決めると股間を蹴り上げ男はその場に倒れた。わずか数秒の出来事に一瞬フリーズした男たちその隙に新島は距離を詰めるとまた一人、二人と倒していった。わずか5分程の戦闘で7人いた男が床に伸びていた。「お前ただのガキじゃねーな」その時後ろのドアが開き銃持った輩が10人程度入ってきた。「お前さん強いけどこの後どうするの?こっちは逃がすつもりはないけど」「こっちも逃げるつもりはないけど」「なるほど銃見てもひるまないとは肝が据わてるなだがお前じゃ勝てない」「奈々恵聞こえてるか?絶対助けるからな」「前じゃ誰も救えん」「軍人は常にピンチをぶち壊していくものなんだ」「そうかなら死ね」新島は後ろの男たちの中に突っ込んだ。男たちは予想外の動きに対応遅れた。銃を撃とうとしても仲間にあたる可能性があり撃てないその隙をついて敵を次々に無力化していく。新島はまさにアスリートでいう所のゾーンに入っていた。ただ多勢に無勢である事は変わりなかった。『クッソ個々の距離を空けやがるどうする?』新島の頭は高速で回転する。乾いた銃声が響く壁やソファーに銃弾がめり込むそんな中を新島は駆けるその時別部屋の制圧に向かった近藤が来た。「新島‼」「誰だ⁉」と言いながら声のする方に銃を撃つ男、新島は一気に距離を詰めるといつの間に拾ったのか鉄の棒を振り上げると後頭部に向けて思い切り振り下ろした。「てめぇ」「次はお前か?」「ただのガキじゃねーな撃て‼撃ち殺せ‼」これまで躱してきた新島だがここで肩に一発喰らった。『クッソ、だがここで引くわけにはいかねぇ』新島は肩を撃たれて血だらけになり激痛が走るなかでも怯むことなく突っ込んでいく。その姿にひるむ男達後ろから近藤が後ろから攻撃し一人の男が床に倒れこむその間にも一人二人と男たちが倒れていく。最初10人いた男も今では一人となってしまった。「クッソ、ガキ相手にやられた。おい‼そこの女を殺せ‼どうせ警察が来る被害者がいなけりゃ俺らはガキに襲われただけでガキが捕まるだけだ、すぐに殺して遺体を隠せ‼」「だが、」「だがもへちまもあるもんか‼すぐ殺せ捕まるぞ」「わかった」『クッソ、そう来るかマジかよ殺すことはないと踏んだが手段選ばないか』「近藤‼そこの男を頼んだ」「任せろ」新島は奈々恵がいる所まで走った。ボスらしい奴が奈々恵に銃を向け引き金に手をかける時間がなかった。次の瞬間銃声が響き同時に鮮血が飛び散る新島が腹から血を流し倒れていた。ギリギリのところで新島が銃口と奈々恵の間に入ることに成功したのだ。新島がは腹から血を流しながら立ち上がり相手に向き直る。「てめぇやってくれたな‼」「まだ動くのかよ、バケモンが」新島は腹を撃たれてるとは思えない俊敏な動きで銃を奪い腹を殴り股間を握りつぶし悶絶させる。「無事で、、、よかった」そのころには他を制圧し終わった仲間が集まってきた。「奈々恵を念のため病院に運ぼう俺は試合に戻る」そういうと新島はのろのろと立ち上がるとそのまま歩いて行ってしまった。その様子を心配な様子で奈々恵とその周りは見ていた。インターハイ予選第一線2-2のまま後半40分を迎えていた。越山高校のチャンスボールが来た一気に上がる越山だが敵の強固な守りを中々突破する事が出来ないやっとの思いでボールを出すが出した先には誰もいなかった。しかし突如起こった緊急交代と血まみれの新島がピッチに走り込みボールを受け取るとそのままゴールまで走りシュートを決める。後半45分ゴールと同時に終了のホイッスルが鳴る3-2で越山高校の勝利だった。新島はその場に倒れこみ意識を失った。夕方病院で新島の緊急手術が行われた。救出作戦に参加した友が家族が奈々恵が祈るような眼でずっと手術室を見つめていた。そこに親友の君島が来た。「だから、だから言ったんだバカなマネはよせって」パチンと病院内に乾いた音が響いた。奈々恵が君島を平手打ちしたのだ。「あなた何も知らないのね」殴った奈々恵は泣いていた。君島は手術室に背を見せて肩を震わせ泣いていた。(皆さんどうだったでしょうか?少し長くなりましたが次は真珠湾攻撃後の日本の様子を描いていきます。)
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