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え、そう言うこと? ※ミリ
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『ミリ、明日から学院が始まるわ!私とってもドキドキしてる!』
『ミリ!ティリアルマ侯爵子息にしつこく言い寄られて正直ウンザリしてるの!彼、平民を見下す嫌な奴よ!だけど身分的に突っぱねられないの。
どうしたらいいかしら?』
『ミリが送ってくれた魔術符を持ってたら、ティリアルマ侯爵子息が近寄って来なくなったわ!
私の傍に寄ると静電気みたいにパチッとなるって愚痴ってたそうよ!爽快だわ!』
マリーナの学院在学中の手紙は3通しか持って来られなかった。
本当は100通くらいあったんだけど…。
今度は彼女が結婚してからの手紙を広げる。
『ミリ、コンウォール城は私の邸とは大違いだわ。信じられないくらい大きくて、立派!要塞って呼ばれてる事に納得よ。』
『今日、結婚式を終えたわ!シュナイツ様と夫婦になれて本当に幸せ。ミリにも祝ってもらいたかったわ!』
マリーナの文字から幸せが伝わって来て、思わず微笑んでしまう。
私の親友は、貴族としては珍しく心から愛する人と結婚できたのよね…。
しみじみしながら次の手紙を目を落とした私は、その内容に釘付けとなった。
『ミリ、貴方にしか言えない事なのだけど聞いてくれる?
実はね、結婚から4ヶ月経ったのに一度もシュナイツ様に愛していただいた事がないの…。
毎日帰宅すると私にお花をくださるし、二人きりになると口付けもしてくださるのだけど…。
そこで終わりなの。私に魅力がないのかしら…。』
そうだ。コンウォール伯爵…もといシュナイツ様は結婚後、全くマリーナに手を出さなかったんだっけ。
初夜も蜜月も何も無くて、マリーナは随分自信を無くしていたのよね。
当時の私はマリーナにこう返事を返したのを覚えている。
『貴女は老若男女問わずメロメロにする美貌の持ち主なのよ?
しかも性格もいいなんて、貴女に魅力が無い訳がないじゃない!』
そう。問題があるのはシュナイツ様の方だ。
もしかして不能…んんっ。
体調が悪いんじゃないだろうかと私は勘繰っていた。
ここからどうなったんだったかしら…。
次の手紙は第一子妊娠の時の物で、間はゴッソリ母国に置いて来てしまったらしい。
おそらく、屋敷ごと燃えてなくなっていることだろう。
何かそこに重要な事があった気がするんだけど…。
それが思いだせずモヤモヤとしたまま一ヶ月が過ぎたある日。
いつもの如く国外に行っていたトッド様が帰国したと知らせが届いた。
日程的にどうしても王都までは来られないけれど、コンウォールでなら会えるらしい。
シエラ様は悩んだ挙句、トッド様に会うめに帰省する方を選んだ。
本当に久しぶりの実家の応接室にはシュナイツ様だけでなく、シエラ様のお兄様であるディライド様とエルフォルド様もいらっしゃった。
お2人はどうも不死鳥の訓練の途中で抜けて来たらしい。
それ程トッド様と親しい訳では無かった気がするけれど…まぁ儀礼的な挨拶がいるのかもしれないわね。貴族って大変だわ。
そんな事を思っていた私は、この場で唐突にマリーナの手紙の続きを思い出す事になる。
シュナイツ様、ディライド様、エルフォルド様。
ただでさえそっくりの親子が、揃って浮かべていた表情。
シエラ様がトッド様に抱きついたのを見た時の、3人のその表情がトリガーだった。
まさか…。
いや、でも…まさか、ね??
私は、それを確かめるべく魔術を駆使してトッド様と2人きりの空間を作り(私からトッド様を呼び出すなんてできないもの。身分的に。)私の見解を話すと、彼は苦笑した。
「うん、正解。どうしようもないだろ?
アイツは精神的童貞なんだよなぁ…。」
…なんと、まぁ。。。
それ以降。
私はシエラ様に帰省を進める…までは行かないまでも、珍しく帰省した際はせめて食事でも共にするよう進言するようになったのだった。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
久しぶりの更新になってしまいました(汗)
嫁にいってから小説書く時間がない…。
旦那さんに腐ってる事言ってないからなんですが笑
もう一つの小説(桜の記憶)は手直しだけで更新できるので、暫くそちらがメインになりそうです。。
『ミリ!ティリアルマ侯爵子息にしつこく言い寄られて正直ウンザリしてるの!彼、平民を見下す嫌な奴よ!だけど身分的に突っぱねられないの。
どうしたらいいかしら?』
『ミリが送ってくれた魔術符を持ってたら、ティリアルマ侯爵子息が近寄って来なくなったわ!
私の傍に寄ると静電気みたいにパチッとなるって愚痴ってたそうよ!爽快だわ!』
マリーナの学院在学中の手紙は3通しか持って来られなかった。
本当は100通くらいあったんだけど…。
今度は彼女が結婚してからの手紙を広げる。
『ミリ、コンウォール城は私の邸とは大違いだわ。信じられないくらい大きくて、立派!要塞って呼ばれてる事に納得よ。』
『今日、結婚式を終えたわ!シュナイツ様と夫婦になれて本当に幸せ。ミリにも祝ってもらいたかったわ!』
マリーナの文字から幸せが伝わって来て、思わず微笑んでしまう。
私の親友は、貴族としては珍しく心から愛する人と結婚できたのよね…。
しみじみしながら次の手紙を目を落とした私は、その内容に釘付けとなった。
『ミリ、貴方にしか言えない事なのだけど聞いてくれる?
実はね、結婚から4ヶ月経ったのに一度もシュナイツ様に愛していただいた事がないの…。
毎日帰宅すると私にお花をくださるし、二人きりになると口付けもしてくださるのだけど…。
そこで終わりなの。私に魅力がないのかしら…。』
そうだ。コンウォール伯爵…もといシュナイツ様は結婚後、全くマリーナに手を出さなかったんだっけ。
初夜も蜜月も何も無くて、マリーナは随分自信を無くしていたのよね。
当時の私はマリーナにこう返事を返したのを覚えている。
『貴女は老若男女問わずメロメロにする美貌の持ち主なのよ?
しかも性格もいいなんて、貴女に魅力が無い訳がないじゃない!』
そう。問題があるのはシュナイツ様の方だ。
もしかして不能…んんっ。
体調が悪いんじゃないだろうかと私は勘繰っていた。
ここからどうなったんだったかしら…。
次の手紙は第一子妊娠の時の物で、間はゴッソリ母国に置いて来てしまったらしい。
おそらく、屋敷ごと燃えてなくなっていることだろう。
何かそこに重要な事があった気がするんだけど…。
それが思いだせずモヤモヤとしたまま一ヶ月が過ぎたある日。
いつもの如く国外に行っていたトッド様が帰国したと知らせが届いた。
日程的にどうしても王都までは来られないけれど、コンウォールでなら会えるらしい。
シエラ様は悩んだ挙句、トッド様に会うめに帰省する方を選んだ。
本当に久しぶりの実家の応接室にはシュナイツ様だけでなく、シエラ様のお兄様であるディライド様とエルフォルド様もいらっしゃった。
お2人はどうも不死鳥の訓練の途中で抜けて来たらしい。
それ程トッド様と親しい訳では無かった気がするけれど…まぁ儀礼的な挨拶がいるのかもしれないわね。貴族って大変だわ。
そんな事を思っていた私は、この場で唐突にマリーナの手紙の続きを思い出す事になる。
シュナイツ様、ディライド様、エルフォルド様。
ただでさえそっくりの親子が、揃って浮かべていた表情。
シエラ様がトッド様に抱きついたのを見た時の、3人のその表情がトリガーだった。
まさか…。
いや、でも…まさか、ね??
私は、それを確かめるべく魔術を駆使してトッド様と2人きりの空間を作り(私からトッド様を呼び出すなんてできないもの。身分的に。)私の見解を話すと、彼は苦笑した。
「うん、正解。どうしようもないだろ?
アイツは精神的童貞なんだよなぁ…。」
…なんと、まぁ。。。
それ以降。
私はシエラ様に帰省を進める…までは行かないまでも、珍しく帰省した際はせめて食事でも共にするよう進言するようになったのだった。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
久しぶりの更新になってしまいました(汗)
嫁にいってから小説書く時間がない…。
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もう一つの小説(桜の記憶)は手直しだけで更新できるので、暫くそちらがメインになりそうです。。
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