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ソワソワ? ※シエラ
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朝起きて部屋から出ると、邸に流れる雰囲気が違った。
いつも通りめちゃめちゃ静かではあるんだけど…掃除とか装飾品とかに、使用人達のそこはかとない気合いを感じる。
ミリとルドを除いて4人いるこの邸の使用人。
彼女達は僕が学院に通う為に領地から出てくる時、一生に付いて来てくれた。
卒業後は領地に戻るように言ったんだけど、今でも王都に残ってくれてる。
名前を聞いて驚くなかれ。
アリス、アリエル、アナスタシア。
三姉妹のAAA‼︎
しかもさ…お分かりいただけただろうか。
世界的に有名なキャラクターのお名前をしていらっしゃるのだ。
(念のため補足するとアナスタシアは某お城に住むプリンセスの義姉ね。)
前世で言う所の11LDK (+離れ+温室)の邸をたった3人で維持する彼女達は、気配を消すのが上手い。
いつの間に掃除やら洗濯やらしてるんだろう?ってくらい目にする機会が少ないんだよね。
ただ、そんな3人のおかげで邸はいつも清潔でピカピカだ。
残りの1人はシェフ兼パティシエのヒューゴ。
ルドを除くと唯一の男性で、60歳くらい。
本邸の厨房でバリバリ働いていた彼は、元々スイーツは専門外だったらしい。
ただ、僕が異様に拘るせいでそっちも本格的に作るようになった。
今では、大陸でも有数の腕前ってトッドが言う程に優秀。
僕はヒューゴに足を向けて寝られないな…。
使用人は住み込みで働いていて、各々の部屋は独立した離れにある。
だから、ここで実際に生活してるのは僕と、僕の護衛を兼ねてるミリとルドだけだ。
2人がいてくれて良かった。
こんな広い邸に独りとか寂し死ぬよ…。
それでもこの地区にもう一棟あるタウンハウスよりは断然狭いんだけどね。
あそこは実家に雰囲気が似てて苦手。
だってさ、僕の実家「要塞」って呼ばれてるんだよ。
繊細な装飾とか「美しい」って感じの建造物が好まれるこの国で、あそこだけが異質。
聳え立つ圧倒的な高さの城壁とか、色味が一切ない灰色の外観とか、万が一敵が侵入したら蹂躙できるようになってる創りとか…。
平和な日本人の記憶を持つ僕としてはどうにも馴染めないんだよねぇ。
「シエラ様!またそんな格好でウロウロして!」
色々考えてたもんだから、鋭いミリの声に飛び上がっちゃったよ。
「シャワーの後シャツのボタン全開でフラフラするのやめて下さい!!」
「えー、どうせ君達の他は誰も見ないんだからいいじゃん。またすぐ着替えるんだし。」
貴族と言うのは大変に面倒なのである。
朝きてシャワーを浴びたら、一度簡素な服に着替えて朝食。
朝食の後、外出や来客に備えてちゃんとした服にまた着替える。
寝巻き→朝食用の服→出かける用の服…。
脳裏に浮かぶのはパンイチで牛乳パック片手に出勤準備してたリョウの記憶。
今世で流石にそこまではしないけど、着替えが多いのはメンドイ。
その結果「ズボンは履くけどシャツは羽織るだけ」スタイルの完成である。
ミリはこれが大層気に入らなくていつもお冠だ。
ルドは「風邪引きますよ」って言ってボタンを留めてくれるから優しい。
「次その格好でウロウロしたら、外出の時化粧しますからね。」
「えぇ⁉︎それは勘弁して!ごめんって!」
ミリは僕が1番嫌がる事で脅して来た。
「ちょっとだけですから!」とか何とか言って、ミリは僕の顔面に手を加えたがる。
何とか阻止してるけど、何で男の僕に化粧なんかしたがるんだろ。
地味過ぎて背景と同化しそうだからなのか…?
あ、顔色が悪いからかも。
僕の肌、全然焼けなくて生っ白いから。
「全くもう。今日はお客様が来るんですからシャキッとして下さい。」
「はいはい。それにしても、いつも以上にピカピカだねぇ。」
邸中が塵一つない程に磨き抜かれている。
恐るべし3姉妹!
「トッド様以外がこの邸に来るなんて初めてですからね。皆んな張り切ったんでしょう。」
そう言われて見ればそうだ。
トッドは身内だから別として、これまで他人を邸に招いたことは無かった。
僕的には付き合いが面倒だしそれでいいと思ってたけど…使用人達にとっては張り合いが無いのかもしれない。
まぁ、だからと言って気軽に招待できる友達なんかいないけどな!
……………べ、別に…泣いてねぇよ。。。
と、とにかく!初めてのお客様だもんね!
例の件はどうなるか分からないけど…。
リフエール様が心地よく過ごしてくれますように。
いつも通りめちゃめちゃ静かではあるんだけど…掃除とか装飾品とかに、使用人達のそこはかとない気合いを感じる。
ミリとルドを除いて4人いるこの邸の使用人。
彼女達は僕が学院に通う為に領地から出てくる時、一生に付いて来てくれた。
卒業後は領地に戻るように言ったんだけど、今でも王都に残ってくれてる。
名前を聞いて驚くなかれ。
アリス、アリエル、アナスタシア。
三姉妹のAAA‼︎
しかもさ…お分かりいただけただろうか。
世界的に有名なキャラクターのお名前をしていらっしゃるのだ。
(念のため補足するとアナスタシアは某お城に住むプリンセスの義姉ね。)
前世で言う所の11LDK (+離れ+温室)の邸をたった3人で維持する彼女達は、気配を消すのが上手い。
いつの間に掃除やら洗濯やらしてるんだろう?ってくらい目にする機会が少ないんだよね。
ただ、そんな3人のおかげで邸はいつも清潔でピカピカだ。
残りの1人はシェフ兼パティシエのヒューゴ。
ルドを除くと唯一の男性で、60歳くらい。
本邸の厨房でバリバリ働いていた彼は、元々スイーツは専門外だったらしい。
ただ、僕が異様に拘るせいでそっちも本格的に作るようになった。
今では、大陸でも有数の腕前ってトッドが言う程に優秀。
僕はヒューゴに足を向けて寝られないな…。
使用人は住み込みで働いていて、各々の部屋は独立した離れにある。
だから、ここで実際に生活してるのは僕と、僕の護衛を兼ねてるミリとルドだけだ。
2人がいてくれて良かった。
こんな広い邸に独りとか寂し死ぬよ…。
それでもこの地区にもう一棟あるタウンハウスよりは断然狭いんだけどね。
あそこは実家に雰囲気が似てて苦手。
だってさ、僕の実家「要塞」って呼ばれてるんだよ。
繊細な装飾とか「美しい」って感じの建造物が好まれるこの国で、あそこだけが異質。
聳え立つ圧倒的な高さの城壁とか、色味が一切ない灰色の外観とか、万が一敵が侵入したら蹂躙できるようになってる創りとか…。
平和な日本人の記憶を持つ僕としてはどうにも馴染めないんだよねぇ。
「シエラ様!またそんな格好でウロウロして!」
色々考えてたもんだから、鋭いミリの声に飛び上がっちゃったよ。
「シャワーの後シャツのボタン全開でフラフラするのやめて下さい!!」
「えー、どうせ君達の他は誰も見ないんだからいいじゃん。またすぐ着替えるんだし。」
貴族と言うのは大変に面倒なのである。
朝きてシャワーを浴びたら、一度簡素な服に着替えて朝食。
朝食の後、外出や来客に備えてちゃんとした服にまた着替える。
寝巻き→朝食用の服→出かける用の服…。
脳裏に浮かぶのはパンイチで牛乳パック片手に出勤準備してたリョウの記憶。
今世で流石にそこまではしないけど、着替えが多いのはメンドイ。
その結果「ズボンは履くけどシャツは羽織るだけ」スタイルの完成である。
ミリはこれが大層気に入らなくていつもお冠だ。
ルドは「風邪引きますよ」って言ってボタンを留めてくれるから優しい。
「次その格好でウロウロしたら、外出の時化粧しますからね。」
「えぇ⁉︎それは勘弁して!ごめんって!」
ミリは僕が1番嫌がる事で脅して来た。
「ちょっとだけですから!」とか何とか言って、ミリは僕の顔面に手を加えたがる。
何とか阻止してるけど、何で男の僕に化粧なんかしたがるんだろ。
地味過ぎて背景と同化しそうだからなのか…?
あ、顔色が悪いからかも。
僕の肌、全然焼けなくて生っ白いから。
「全くもう。今日はお客様が来るんですからシャキッとして下さい。」
「はいはい。それにしても、いつも以上にピカピカだねぇ。」
邸中が塵一つない程に磨き抜かれている。
恐るべし3姉妹!
「トッド様以外がこの邸に来るなんて初めてですからね。皆んな張り切ったんでしょう。」
そう言われて見ればそうだ。
トッドは身内だから別として、これまで他人を邸に招いたことは無かった。
僕的には付き合いが面倒だしそれでいいと思ってたけど…使用人達にとっては張り合いが無いのかもしれない。
まぁ、だからと言って気軽に招待できる友達なんかいないけどな!
……………べ、別に…泣いてねぇよ。。。
と、とにかく!初めてのお客様だもんね!
例の件はどうなるか分からないけど…。
リフエール様が心地よく過ごしてくれますように。
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