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カウントダウン ※シエラ
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馬車に乗ってショコラトリーへ向かう。
新作のショコラは半年前からショコラティエと会議を重ねた自信作なんだよね。
味は4種類で、ダークショコラ、ミルクショコラ、ホワイトショコラ、フランボワーズショコラ。
今回のフランボワーズは中に入れるんじゃなくてホワイトショコラに練り込んだ物。
だから色味がピンクなんだよー!
ノワール、ブラウン、ホワイト、ピンクのショコラの表面はダイヤモンドのカッティングみたいになってるの。
テンパリングしたツヤツヤのショコラにこのカッティングが加わると本当に宝石みたいだ。
店内の照明に当たってキラキラ輝くようにライトも工夫している。
その名もジュエルショコラ。
これはプレゼントに人気が出ると思うんだよね。
ルドがショコラトリーから少し離れた所に馬車を停める。
通りは人が多いから。
馬車だぞどけどけーみたいなことしたくないじゃん。僕がちょっと歩けば済むことだし。
ルドにはお留守番しててもらって、ミリと一緒に歩く。
ショコラトリーまで5分くらいかな。
この通りは食べ物系のお店が多い。
ベーカリーからバターのいい匂いがしてて、帰りにバゲットを買って帰ろうかなぁなんて思う。
今世でもパンが豊富で良かった。
バゲットとかクロワッサンは勿論、カンパーニュとかブリオッシュもちゃんと存在する。
そのうちショコラを練り込んだパンを共同開発したいなぁ。
「キャーーーー!!!!」
ショコラパンの妄想に囚われていた僕の耳に、甲高い女性の叫び声が響く。
「引ったくりよーー!!!!」
見ると、男が女性のハンドバッグを奪って走り去ろうとしている。
「行きます!」
僕が言うより早くミリが動く。
身体が淡く光ってるのは「身体強化」の魔術を使っているからだろう。
この人の多さで雷撃は危険だから、自分の足を強化して捕まえる方がいいもんね。
初動の速さも状況判断の早さも本当に優秀!
あっと言う間に引ったくり犯との距離を縮めていく。
「チッ!!」
ミリに気付いた犯人が、その手にあったハンドバッグをポーンと放った。
諦めたのかと思いきや、何と仲間がいたらしい。
そいつはハンドバッグをキャッチすると、ミリとは反対方向に走り出す。
ミリは1人目の男を地面に押し付けて捕らえていて、そっちには行けない。
どうするーーー。
迷う僕の耳に微かに聞こえる馬の嘶き。
「騎士団だ!!」
周りにいた人が指差す。
見ると、男の進路を遮るように2人の騎士が向かってくる所だった。
「ヒッーーーマジかよーー!!」
男は慌てて方向転換する。
残る道は1つだけだ。
その方向に全力で走って来る。
「どけ!!!」
突き飛ばされたご婦人の悲鳴と共に、何かが高く宙を舞った…。
あ!あの紙袋はショコラトリーのだ!!
しかも新発売のジュエルショコラ36粒入り!
その光景はスローモーションみたいだった。
紙袋から滑り出る箱。
蓋が空いて飛び出中身
あぁ!ショコラが!!
それを夢中になって見ていた僕は気付かなかった。
逃げる男が目の前まで迫っていたことにーー。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
女性がピンチの時への遭遇率が高いシエラ(笑)
タイトルは運命の出会いへの「カウントダウン」です。さぁ!気合い入れて書くぞ!!
新作のショコラは半年前からショコラティエと会議を重ねた自信作なんだよね。
味は4種類で、ダークショコラ、ミルクショコラ、ホワイトショコラ、フランボワーズショコラ。
今回のフランボワーズは中に入れるんじゃなくてホワイトショコラに練り込んだ物。
だから色味がピンクなんだよー!
ノワール、ブラウン、ホワイト、ピンクのショコラの表面はダイヤモンドのカッティングみたいになってるの。
テンパリングしたツヤツヤのショコラにこのカッティングが加わると本当に宝石みたいだ。
店内の照明に当たってキラキラ輝くようにライトも工夫している。
その名もジュエルショコラ。
これはプレゼントに人気が出ると思うんだよね。
ルドがショコラトリーから少し離れた所に馬車を停める。
通りは人が多いから。
馬車だぞどけどけーみたいなことしたくないじゃん。僕がちょっと歩けば済むことだし。
ルドにはお留守番しててもらって、ミリと一緒に歩く。
ショコラトリーまで5分くらいかな。
この通りは食べ物系のお店が多い。
ベーカリーからバターのいい匂いがしてて、帰りにバゲットを買って帰ろうかなぁなんて思う。
今世でもパンが豊富で良かった。
バゲットとかクロワッサンは勿論、カンパーニュとかブリオッシュもちゃんと存在する。
そのうちショコラを練り込んだパンを共同開発したいなぁ。
「キャーーーー!!!!」
ショコラパンの妄想に囚われていた僕の耳に、甲高い女性の叫び声が響く。
「引ったくりよーー!!!!」
見ると、男が女性のハンドバッグを奪って走り去ろうとしている。
「行きます!」
僕が言うより早くミリが動く。
身体が淡く光ってるのは「身体強化」の魔術を使っているからだろう。
この人の多さで雷撃は危険だから、自分の足を強化して捕まえる方がいいもんね。
初動の速さも状況判断の早さも本当に優秀!
あっと言う間に引ったくり犯との距離を縮めていく。
「チッ!!」
ミリに気付いた犯人が、その手にあったハンドバッグをポーンと放った。
諦めたのかと思いきや、何と仲間がいたらしい。
そいつはハンドバッグをキャッチすると、ミリとは反対方向に走り出す。
ミリは1人目の男を地面に押し付けて捕らえていて、そっちには行けない。
どうするーーー。
迷う僕の耳に微かに聞こえる馬の嘶き。
「騎士団だ!!」
周りにいた人が指差す。
見ると、男の進路を遮るように2人の騎士が向かってくる所だった。
「ヒッーーーマジかよーー!!」
男は慌てて方向転換する。
残る道は1つだけだ。
その方向に全力で走って来る。
「どけ!!!」
突き飛ばされたご婦人の悲鳴と共に、何かが高く宙を舞った…。
あ!あの紙袋はショコラトリーのだ!!
しかも新発売のジュエルショコラ36粒入り!
その光景はスローモーションみたいだった。
紙袋から滑り出る箱。
蓋が空いて飛び出中身
あぁ!ショコラが!!
それを夢中になって見ていた僕は気付かなかった。
逃げる男が目の前まで迫っていたことにーー。
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女性がピンチの時への遭遇率が高いシエラ(笑)
タイトルは運命の出会いへの「カウントダウン」です。さぁ!気合い入れて書くぞ!!
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