21 / 65
パレードなんて夢の国でしか見たことない ※シエラ
しおりを挟む
実は僕、パレードを観に来るのは生まれて初めてだったりする。
何故かと言うと…ミリ程ではないにしても人の多い場所が苦手だからだ。
リョウの記憶ではフェスとかライブとか全然余裕で行ってたんだけど…今世はダメらしい。
そんな僕が何故わざわざこんな所に来たのかと言うと…
王都で人気の騎士団を見るため!!
はい、これだけ聞くとミーハー発言。
いやいや、決してそう言う意味じゃないんだよ。
実はさ、トッドに会いそびれた日から2週間経った頃に手紙が来たんだよね。
「王都に用事があるから会おう」って。
僕は大喜びでトッドを邸に招待して、通常通り大量のお土産を貰った。
色々な国のお菓子、香辛料、お酒。
シルクのブラウス、フリルの着いたドレスシャツ、左右の色が違う(バイカラーって言うの?)お洒落なベスト、飾りボタンが珍しいベスト、牛革のブーツ、羊皮のローファー、綺麗な模様の髪留め、銀細工の腕輪、緑の小さな石がついたピアス…。
これでもほんの一部だ。
僕は服装に無頓着で、似たような服を何枚か仕立ててそれを着回すって言う貴族らしからぬ怠け具合なんどけど、トッドは違う。
いつも凄くオシャレなイケオジ。
グレーの髪をオールバックにして、仕立てのいい服を着ている。
だけどいつもどこか少し着崩していて、それがまたカッコイイんだよね。
そんなトッドは、自分のおメガネに叶った服や装飾品を大量に贈ってくれる。
だから僕のクローゼットはいつもパンパンだ。
「トッド、この髪留め凄く綺麗だけどさ、僕もう髪は結えないよ?」
子供の頃は髪を伸ばしてたから簪を貰ったら結えてたけど、今は肩につくかどうかくらいの長さだ。
「そうなんだけど、髪飾りがあるとついついシエラに買っちゃうんだよなー。それはベッコウって素材でできてるんだ。綺麗だろ。」
ベッコウって…「鼈甲」のこと⁉︎
めっちゃ高い奴じゃん。
「大丈夫です!ハーフアップにならできますから。前回いただいたジャケットに合わせたら映えそうですね!」
すかさずミリが口を挟む。
この2人、僕を貴族らしく見せるために手間とお金を惜しまないんだよね。
着る人間が地味なせいで苦労かけて申し訳ない。
一通り試着して落ち着いたら、外国の話しを聞く。
トッドは更に行動範囲を広げていてビックリだ。
教科書でしか見たことない国にもたくさん行ってるらしい。本当に凄いよね。
それから僕の悩みを相談した。
ショコラが庶民に広まらないって奴。
そしたらトッドに言われたんだ。
「庶民の人気者に宣伝してもらうのはどうだ?
特に女性ファンの多い人なら効果抜群だと思うぞ。ファンが絡んだ女性の情報収集能力は凄いから。」
そうか!!
確かにそれは宣伝効果が高いだろう。
前世でも、推しが食べた物とか行った場所ってファンの間で必ず話題になってたもんね!
僕、今世でほとんど人と関わってないから思いつかなかったわ。インドアすぎかな。
「王都で人気と言えば王国騎士団ですね。」
ミリが教えてくれた所によると、特に第一部隊と第二部隊はイケメン揃いなんだそうだ。
「へぇ。ミリもそう言うの興味があったんだねぇ。」
「いや、王都では常識ですから。」
あ、そうなの?
やばいじゃん僕世間ズレしてんじゃん。
「でもさぁ、王国騎士団の人なんてそこらで会える訳じゃないよね?」
どうやってお近付きになったらいいんだろう。って言うかそもそも騎士団の誰に頼めばいいの?
「あ、そうだ!シエラ、パレードに行ってみたらいい。そこで気に入った奴がいれば伝手を当たってみるよ。ただ紹介するよりも自分で見てみたいだろ?」
トッドの言葉に僕は思案する。
パレードって国王陛下のお祝いの?
あと2週間後か。いいタイミングだなぁ。
何故かと言うと…ミリ程ではないにしても人の多い場所が苦手だからだ。
リョウの記憶ではフェスとかライブとか全然余裕で行ってたんだけど…今世はダメらしい。
そんな僕が何故わざわざこんな所に来たのかと言うと…
王都で人気の騎士団を見るため!!
はい、これだけ聞くとミーハー発言。
いやいや、決してそう言う意味じゃないんだよ。
実はさ、トッドに会いそびれた日から2週間経った頃に手紙が来たんだよね。
「王都に用事があるから会おう」って。
僕は大喜びでトッドを邸に招待して、通常通り大量のお土産を貰った。
色々な国のお菓子、香辛料、お酒。
シルクのブラウス、フリルの着いたドレスシャツ、左右の色が違う(バイカラーって言うの?)お洒落なベスト、飾りボタンが珍しいベスト、牛革のブーツ、羊皮のローファー、綺麗な模様の髪留め、銀細工の腕輪、緑の小さな石がついたピアス…。
これでもほんの一部だ。
僕は服装に無頓着で、似たような服を何枚か仕立ててそれを着回すって言う貴族らしからぬ怠け具合なんどけど、トッドは違う。
いつも凄くオシャレなイケオジ。
グレーの髪をオールバックにして、仕立てのいい服を着ている。
だけどいつもどこか少し着崩していて、それがまたカッコイイんだよね。
そんなトッドは、自分のおメガネに叶った服や装飾品を大量に贈ってくれる。
だから僕のクローゼットはいつもパンパンだ。
「トッド、この髪留め凄く綺麗だけどさ、僕もう髪は結えないよ?」
子供の頃は髪を伸ばしてたから簪を貰ったら結えてたけど、今は肩につくかどうかくらいの長さだ。
「そうなんだけど、髪飾りがあるとついついシエラに買っちゃうんだよなー。それはベッコウって素材でできてるんだ。綺麗だろ。」
ベッコウって…「鼈甲」のこと⁉︎
めっちゃ高い奴じゃん。
「大丈夫です!ハーフアップにならできますから。前回いただいたジャケットに合わせたら映えそうですね!」
すかさずミリが口を挟む。
この2人、僕を貴族らしく見せるために手間とお金を惜しまないんだよね。
着る人間が地味なせいで苦労かけて申し訳ない。
一通り試着して落ち着いたら、外国の話しを聞く。
トッドは更に行動範囲を広げていてビックリだ。
教科書でしか見たことない国にもたくさん行ってるらしい。本当に凄いよね。
それから僕の悩みを相談した。
ショコラが庶民に広まらないって奴。
そしたらトッドに言われたんだ。
「庶民の人気者に宣伝してもらうのはどうだ?
特に女性ファンの多い人なら効果抜群だと思うぞ。ファンが絡んだ女性の情報収集能力は凄いから。」
そうか!!
確かにそれは宣伝効果が高いだろう。
前世でも、推しが食べた物とか行った場所ってファンの間で必ず話題になってたもんね!
僕、今世でほとんど人と関わってないから思いつかなかったわ。インドアすぎかな。
「王都で人気と言えば王国騎士団ですね。」
ミリが教えてくれた所によると、特に第一部隊と第二部隊はイケメン揃いなんだそうだ。
「へぇ。ミリもそう言うの興味があったんだねぇ。」
「いや、王都では常識ですから。」
あ、そうなの?
やばいじゃん僕世間ズレしてんじゃん。
「でもさぁ、王国騎士団の人なんてそこらで会える訳じゃないよね?」
どうやってお近付きになったらいいんだろう。って言うかそもそも騎士団の誰に頼めばいいの?
「あ、そうだ!シエラ、パレードに行ってみたらいい。そこで気に入った奴がいれば伝手を当たってみるよ。ただ紹介するよりも自分で見てみたいだろ?」
トッドの言葉に僕は思案する。
パレードって国王陛下のお祝いの?
あと2週間後か。いいタイミングだなぁ。
7
お気に入りに追加
195
あなたにおすすめの小説
事故つがいの夫が俺を離さない!
カミヤルイ
BL
事故から始まったつがいの二人がすれ違いを経て、両思いのつがい夫夫になるまでのオメガバースラブストーリー。
*オメガバース自己設定あり
【あらすじ】
華やかな恋に憧れるオメガのエルフィーは、アカデミーのアイドルアルファとつがいになりたいと、卒業パーティーの夜に彼を呼び出し告白を決行する。だがなぜかやって来たのはアルファの幼馴染のクラウス。クラウスは堅物の唐変木でなぜかエルフィーを嫌っている上、双子の弟の想い人だ。
エルフィーは好きな人が来ないショックでお守りとして持っていたヒート誘発剤を誤発させ、ヒートを起こしてしまう。
そして目覚めると、明らかに事後であり、うなじには番成立の咬み痕が!
ダブルショックのエルフィーと怒り心頭の弟。エルフィーは治癒魔法で番解消薬を作ると誓うが、すぐにクラウスがやってきて求婚され、半ば強制的に婚約生活が始まって────
【登場人物】
受け:エルフィー・セルドラン(20)幼馴染のアルファと事故つがいになってしまった治癒魔力持ちのオメガ。王立アカデミーを卒業したばかりで、家業の医薬品ラボで仕事をしている
攻め:クラウス・モンテカルスト(20)エルフィーと事故つがいになったアルファ。公爵家の跡継ぎで王都騎士団の精鋭騎士。
その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜
みおな
ファンタジー
かつて、稀代の魔術師と呼ばれた魔女がいた。
魔王をも単独で滅ぼせるほどの力を持った彼女は、周囲に畏怖され、罠にかけて殺されてしまう。
目覚めたら、三歳の幼子に生まれ変わっていた?
国のため、民のために魔法を使っていた彼女は、今度の生は自分のために生きることを決意する。
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
前世持ち公爵令嬢のワクワク領地改革! 私、イイ事思いついちゃったぁ~!
Akila
ファンタジー
旧題:前世持ち貧乏公爵令嬢のワクワク領地改革!私、イイ事思いついちゃったぁ〜!
【第2章スタート】【第1章完結約30万字】
王都から馬車で約10日かかる、東北の超田舎街「ロンテーヌ公爵領」。
主人公の公爵令嬢ジェシカ(14歳)は両親の死をきっかけに『異なる世界の記憶』が頭に流れ込む。
それは、54歳主婦の記憶だった。
その前世?の記憶を頼りに、自分の生活をより便利にするため、みんなを巻き込んであーでもないこーでもないと思いつきを次々と形にしていく。はずが。。。
異なる世界の記憶=前世の知識はどこまで通じるのか?知識チート?なのか、はたまたただの雑学なのか。
領地改革とちょっとラブと、友情と、涙と。。。『脱☆貧乏』をスローガンに奮闘する貧乏公爵令嬢のお話です。
1章「ロンテーヌ兄妹」 妹のジェシカが前世あるある知識チートをして領地経営に奮闘します!
2章「魔法使いとストッカー」 ジェシカは貴族学校へ。癖のある?仲間と学校生活を満喫します。乞うご期待。←イマココ
恐らく長編作になるかと思いますが、最後までよろしくお願いします。
<<おいおい、何番煎じだよ!ってごもっとも。しかし、暖かく見守って下さると嬉しいです。>>
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
拾った駄犬が最高にスパダリ狼だった件
竜也りく
BL
旧題:拾った駄犬が最高にスパダリだった件
あまりにも心地いい春の日。
ちょっと足をのばして湖まで採取に出かけた薬師のラスクは、そこで深手を負った真っ黒ワンコを見つけてしまう。
治療しようと近づいたらめちゃくちゃ威嚇されたのに、ピンチの時にはしっかり助けてくれた真っ黒ワンコは、なぜか家までついてきて…。
受けの前ではついついワンコになってしまう狼獣人と、お人好しな薬師のお話です。
★不定期:1000字程度の更新。
★他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる