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パレードなんて夢の国でしか見たことない ※シエラ
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実は僕、パレードを観に来るのは生まれて初めてだったりする。
何故かと言うと…ミリ程ではないにしても人の多い場所が苦手だからだ。
リョウの記憶ではフェスとかライブとか全然余裕で行ってたんだけど…今世はダメらしい。
そんな僕が何故わざわざこんな所に来たのかと言うと…
王都で人気の騎士団を見るため!!
はい、これだけ聞くとミーハー発言。
いやいや、決してそう言う意味じゃないんだよ。
実はさ、トッドに会いそびれた日から2週間経った頃に手紙が来たんだよね。
「王都に用事があるから会おう」って。
僕は大喜びでトッドを邸に招待して、通常通り大量のお土産を貰った。
色々な国のお菓子、香辛料、お酒。
シルクのブラウス、フリルの着いたドレスシャツ、左右の色が違う(バイカラーって言うの?)お洒落なベスト、飾りボタンが珍しいベスト、牛革のブーツ、羊皮のローファー、綺麗な模様の髪留め、銀細工の腕輪、緑の小さな石がついたピアス…。
これでもほんの一部だ。
僕は服装に無頓着で、似たような服を何枚か仕立ててそれを着回すって言う貴族らしからぬ怠け具合なんどけど、トッドは違う。
いつも凄くオシャレなイケオジ。
グレーの髪をオールバックにして、仕立てのいい服を着ている。
だけどいつもどこか少し着崩していて、それがまたカッコイイんだよね。
そんなトッドは、自分のおメガネに叶った服や装飾品を大量に贈ってくれる。
だから僕のクローゼットはいつもパンパンだ。
「トッド、この髪留め凄く綺麗だけどさ、僕もう髪は結えないよ?」
子供の頃は髪を伸ばしてたから簪を貰ったら結えてたけど、今は肩につくかどうかくらいの長さだ。
「そうなんだけど、髪飾りがあるとついついシエラに買っちゃうんだよなー。それはベッコウって素材でできてるんだ。綺麗だろ。」
ベッコウって…「鼈甲」のこと⁉︎
めっちゃ高い奴じゃん。
「大丈夫です!ハーフアップにならできますから。前回いただいたジャケットに合わせたら映えそうですね!」
すかさずミリが口を挟む。
この2人、僕を貴族らしく見せるために手間とお金を惜しまないんだよね。
着る人間が地味なせいで苦労かけて申し訳ない。
一通り試着して落ち着いたら、外国の話しを聞く。
トッドは更に行動範囲を広げていてビックリだ。
教科書でしか見たことない国にもたくさん行ってるらしい。本当に凄いよね。
それから僕の悩みを相談した。
ショコラが庶民に広まらないって奴。
そしたらトッドに言われたんだ。
「庶民の人気者に宣伝してもらうのはどうだ?
特に女性ファンの多い人なら効果抜群だと思うぞ。ファンが絡んだ女性の情報収集能力は凄いから。」
そうか!!
確かにそれは宣伝効果が高いだろう。
前世でも、推しが食べた物とか行った場所ってファンの間で必ず話題になってたもんね!
僕、今世でほとんど人と関わってないから思いつかなかったわ。インドアすぎかな。
「王都で人気と言えば王国騎士団ですね。」
ミリが教えてくれた所によると、特に第一部隊と第二部隊はイケメン揃いなんだそうだ。
「へぇ。ミリもそう言うの興味があったんだねぇ。」
「いや、王都では常識ですから。」
あ、そうなの?
やばいじゃん僕世間ズレしてんじゃん。
「でもさぁ、王国騎士団の人なんてそこらで会える訳じゃないよね?」
どうやってお近付きになったらいいんだろう。って言うかそもそも騎士団の誰に頼めばいいの?
「あ、そうだ!シエラ、パレードに行ってみたらいい。そこで気に入った奴がいれば伝手を当たってみるよ。ただ紹介するよりも自分で見てみたいだろ?」
トッドの言葉に僕は思案する。
パレードって国王陛下のお祝いの?
あと2週間後か。いいタイミングだなぁ。
何故かと言うと…ミリ程ではないにしても人の多い場所が苦手だからだ。
リョウの記憶ではフェスとかライブとか全然余裕で行ってたんだけど…今世はダメらしい。
そんな僕が何故わざわざこんな所に来たのかと言うと…
王都で人気の騎士団を見るため!!
はい、これだけ聞くとミーハー発言。
いやいや、決してそう言う意味じゃないんだよ。
実はさ、トッドに会いそびれた日から2週間経った頃に手紙が来たんだよね。
「王都に用事があるから会おう」って。
僕は大喜びでトッドを邸に招待して、通常通り大量のお土産を貰った。
色々な国のお菓子、香辛料、お酒。
シルクのブラウス、フリルの着いたドレスシャツ、左右の色が違う(バイカラーって言うの?)お洒落なベスト、飾りボタンが珍しいベスト、牛革のブーツ、羊皮のローファー、綺麗な模様の髪留め、銀細工の腕輪、緑の小さな石がついたピアス…。
これでもほんの一部だ。
僕は服装に無頓着で、似たような服を何枚か仕立ててそれを着回すって言う貴族らしからぬ怠け具合なんどけど、トッドは違う。
いつも凄くオシャレなイケオジ。
グレーの髪をオールバックにして、仕立てのいい服を着ている。
だけどいつもどこか少し着崩していて、それがまたカッコイイんだよね。
そんなトッドは、自分のおメガネに叶った服や装飾品を大量に贈ってくれる。
だから僕のクローゼットはいつもパンパンだ。
「トッド、この髪留め凄く綺麗だけどさ、僕もう髪は結えないよ?」
子供の頃は髪を伸ばしてたから簪を貰ったら結えてたけど、今は肩につくかどうかくらいの長さだ。
「そうなんだけど、髪飾りがあるとついついシエラに買っちゃうんだよなー。それはベッコウって素材でできてるんだ。綺麗だろ。」
ベッコウって…「鼈甲」のこと⁉︎
めっちゃ高い奴じゃん。
「大丈夫です!ハーフアップにならできますから。前回いただいたジャケットに合わせたら映えそうですね!」
すかさずミリが口を挟む。
この2人、僕を貴族らしく見せるために手間とお金を惜しまないんだよね。
着る人間が地味なせいで苦労かけて申し訳ない。
一通り試着して落ち着いたら、外国の話しを聞く。
トッドは更に行動範囲を広げていてビックリだ。
教科書でしか見たことない国にもたくさん行ってるらしい。本当に凄いよね。
それから僕の悩みを相談した。
ショコラが庶民に広まらないって奴。
そしたらトッドに言われたんだ。
「庶民の人気者に宣伝してもらうのはどうだ?
特に女性ファンの多い人なら効果抜群だと思うぞ。ファンが絡んだ女性の情報収集能力は凄いから。」
そうか!!
確かにそれは宣伝効果が高いだろう。
前世でも、推しが食べた物とか行った場所ってファンの間で必ず話題になってたもんね!
僕、今世でほとんど人と関わってないから思いつかなかったわ。インドアすぎかな。
「王都で人気と言えば王国騎士団ですね。」
ミリが教えてくれた所によると、特に第一部隊と第二部隊はイケメン揃いなんだそうだ。
「へぇ。ミリもそう言うの興味があったんだねぇ。」
「いや、王都では常識ですから。」
あ、そうなの?
やばいじゃん僕世間ズレしてんじゃん。
「でもさぁ、王国騎士団の人なんてそこらで会える訳じゃないよね?」
どうやってお近付きになったらいいんだろう。って言うかそもそも騎士団の誰に頼めばいいの?
「あ、そうだ!シエラ、パレードに行ってみたらいい。そこで気に入った奴がいれば伝手を当たってみるよ。ただ紹介するよりも自分で見てみたいだろ?」
トッドの言葉に僕は思案する。
パレードって国王陛下のお祝いの?
あと2週間後か。いいタイミングだなぁ。
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