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妖精に助けられる ※ユーナリア
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「お嬢様!」
混乱する私の手を引っ掴むと、ディアスが走り出した。
「賊です!馬を逃がして我々の脚を断ったんです!」
真っ青になる私に説明すると、後ろから男達の声が聞こえた。
「チッ!勘のいいジジイだぜ!
しかしラッキーだな!食い物狩りに来たら別の獲物がいやがった!!」
そこからはもう、必死だった。
走って走ってーーー。
ディアスが引っ張ってくれてるけど、私の足は限界。口の中は血の味がする。
そしてとうとう囲まれてしまった。
ディアスは私を守るために怪我をしてしまった。
あぁーー何もかも私のせいだわ!
賊に髪を引っ張られて生きた心地がしない。
誰かたすけてーー!!神様ーー!!
「それはいただけないな。女性には優しく接したまえ。」
場違いな程の貴族然とした物言いが森に響いたのは、その時だった。
目の前に現れた青年は、それこそ「貴族のお手本」みたいに優雅な方。
仕立ての良いお洋服にスッと伸びた背筋、指先まで神経の通った所作は、どう見ても上位貴族のそれーー。
そして何より、あまりの顔面の破壊力に驚嘆したわ。
私の人生でこれ程までに美しい方を見たことがなかったの。
淡雪のように白く滑らかな肌にエメラルドの瞳。
小さな鼻梁と少し薄い艶のある唇。
完璧な配置のそれらを、少し癖のある柔らかそうな髪が包んでいる。
神か妖精だと言われても、納得してしまうような美しさ。
その美麗さにも関わらず、性別が男性だとすぐに分かったのは漂うオーラかしら。
儚さと凛々しさって同居できるのね…。
なんて思ってる間に助けられてたわ。
一瞬のことすぎて何が起きたのか分からなかった…。
ただ、私達を助けてくれた麗人が大切そうに手元の何かを見つめているのが印象的だったわ。その光景を見てディアスが呟いた、
「ショコラ伯爵」と言う言葉も。
混乱する私の手を引っ掴むと、ディアスが走り出した。
「賊です!馬を逃がして我々の脚を断ったんです!」
真っ青になる私に説明すると、後ろから男達の声が聞こえた。
「チッ!勘のいいジジイだぜ!
しかしラッキーだな!食い物狩りに来たら別の獲物がいやがった!!」
そこからはもう、必死だった。
走って走ってーーー。
ディアスが引っ張ってくれてるけど、私の足は限界。口の中は血の味がする。
そしてとうとう囲まれてしまった。
ディアスは私を守るために怪我をしてしまった。
あぁーー何もかも私のせいだわ!
賊に髪を引っ張られて生きた心地がしない。
誰かたすけてーー!!神様ーー!!
「それはいただけないな。女性には優しく接したまえ。」
場違いな程の貴族然とした物言いが森に響いたのは、その時だった。
目の前に現れた青年は、それこそ「貴族のお手本」みたいに優雅な方。
仕立ての良いお洋服にスッと伸びた背筋、指先まで神経の通った所作は、どう見ても上位貴族のそれーー。
そして何より、あまりの顔面の破壊力に驚嘆したわ。
私の人生でこれ程までに美しい方を見たことがなかったの。
淡雪のように白く滑らかな肌にエメラルドの瞳。
小さな鼻梁と少し薄い艶のある唇。
完璧な配置のそれらを、少し癖のある柔らかそうな髪が包んでいる。
神か妖精だと言われても、納得してしまうような美しさ。
その美麗さにも関わらず、性別が男性だとすぐに分かったのは漂うオーラかしら。
儚さと凛々しさって同居できるのね…。
なんて思ってる間に助けられてたわ。
一瞬のことすぎて何が起きたのか分からなかった…。
ただ、私達を助けてくれた麗人が大切そうに手元の何かを見つめているのが印象的だったわ。その光景を見てディアスが呟いた、
「ショコラ伯爵」と言う言葉も。
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