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謎の小瓶(フラグ) ※シエラ
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「お前さぁ、言い方。」
しょんぼりしてしまった僕の頭を撫でてトッドが呆れたように言った。
それに対して父上が何か言いたげな顔をしたけど、僕は聞きたくなくて急いで言った。
「僕もトッドと一緒に世界中旅してみたい!」
「おー!いいぜ!シエラが大きくなったらな。」
「それっていつ?10歳になったら?」
「ははっ!早ぇよ!そうだなー、少なくとも学院を卒業してからかな。」
学院とは、王立貴族学院のことだ。
貴族の子供が通うこの学院は、13歳で入学して卒業は18歳。
この国は18歳で成人なので、つまりトッドは成人するまで待てって言ってるのかぁ。
残念に思いながら父上を見ると、苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「お前、顔…。」
再び呆れたような声を出したトッドは、
そうだ!と空気を変えるような明るい声を上げた。
「お前にも土産だよ。ほら。」
それは美しく装飾された金色の小瓶だった。
僕の親指から小指を広げたくらいのサイズのその小瓶を受け取った父上は、付属の紙を読んで眉を顰めた。
「お前と言う奴は…。これを貰って俺が喜ぶとでも?第一、使い道が無い。」
「え、うそ!じゃあお前どうしてんの⁉︎」
「どうもこうも、鍛錬すれば消える。」
「ひゃああー!これだから脳筋は…。」
「シエラが聞いてるんだ、これ以上言ったら強制的に黙らせるぞ。」
父上の本気の声に流石のトッドも黙る。
僕は何の話しかサッパリ分からなかったけど、父上が怒ってるみたいだったから聞いちゃいけないんだなと思った。
その後は気を取り直したトッドの話しに夢中になって、僕はその小瓶のことをすっかり忘れてしまった。
しょんぼりしてしまった僕の頭を撫でてトッドが呆れたように言った。
それに対して父上が何か言いたげな顔をしたけど、僕は聞きたくなくて急いで言った。
「僕もトッドと一緒に世界中旅してみたい!」
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「それっていつ?10歳になったら?」
「ははっ!早ぇよ!そうだなー、少なくとも学院を卒業してからかな。」
学院とは、王立貴族学院のことだ。
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「お前、顔…。」
再び呆れたような声を出したトッドは、
そうだ!と空気を変えるような明るい声を上げた。
「お前にも土産だよ。ほら。」
それは美しく装飾された金色の小瓶だった。
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「お前と言う奴は…。これを貰って俺が喜ぶとでも?第一、使い道が無い。」
「え、うそ!じゃあお前どうしてんの⁉︎」
「どうもこうも、鍛錬すれば消える。」
「ひゃああー!これだから脳筋は…。」
「シエラが聞いてるんだ、これ以上言ったら強制的に黙らせるぞ。」
父上の本気の声に流石のトッドも黙る。
僕は何の話しかサッパリ分からなかったけど、父上が怒ってるみたいだったから聞いちゃいけないんだなと思った。
その後は気を取り直したトッドの話しに夢中になって、僕はその小瓶のことをすっかり忘れてしまった。
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