【完結まで残り1話】桜の記憶 幼馴染は俺の事が好きらしい。…2番目に。

あさひてまり

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解決編

64.

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(side 萱島晴人)

「自信がなかったんだ…。恋人になれて、晴が俺を好きになってくれただけで充分だったのに…いつの間にか同じだけの『好き』を返して欲しいって思うようになってた…。俺が重すぎるんだって理解してたのに、俺ばっかりが好きだって事が辛くなって…」

そう言う蓮の表情は、抱きすくめられた俺からは見えない。

だけどーー

「ごめん、晴…。何度でも謝るから…頼むから、嫌いだなんて言わないでくれ…」

あまりに弱々しい声に、蓮が相当参ってるんだって事が伝わってくる。

本気で言った訳じゃない、俺の悔し紛れの八つ当たりみたいな言葉で、あの蓮が…。

そう思ったら、胸の中で燻ってた怒りとかモヤモヤがスウッて無くなっていくのを感じた。

『思った事をぶつけていい』って教えてくれた美優さんの言葉通り、全部吐き出したらすごく心が軽くなった。

だから、ここから先はもう「ぶつける」んじゃなくて「歩み寄る」にシフトチェンジしないと。

蓮の告白を聞いて、俺自身にも沢山反省する所があるって分かったから。

「蓮、ごめん。嫌いだなんて嘘…。蓮に分かってもらえなかったのが悔しくて、つい言っちゃっただけ。」

蓮の腕の中から這い出す…事はできなかったけど、顔を見上げる隙間はできた。

「酷いこと言ってごめんね、蓮。本当は大好きだよ。…蓮になら、閉じ込められてもいいって思えるくらい。」

見つめる蓮の左目から一雫が流れて、また腕の中に戻された。

「晴ッ…」

晴、晴って何度も名前を呼ばれて。

縋るようなその姿に、堪らなく愛おしさが込み上げる。

「傷付けてごめん、蓮。」

「俺がお前を傷付けたのに比べれば…」

負けないように強い力で抱き締め返すと、くぐもった声がして。

きっと蓮は、俺にした事をずっと後悔し続けるんだろうなって思った。

だけど、それは蓮一人が背負うものじゃないよね。

「蓮、俺だって知らずに沢山傷付けてたんだからお互い様だよ。」

ずっと俺を好きでいてくれた蓮の気持ち気付かずに振り回して、決別なんてしたりして。

付き合うようになってからも、俺はどこかで遥の存在に怯えて。

あんなに好きだって前面に出してくれてた蓮を信じきれなくて。

「俺ね、遥の初恋の話とか蓮が持ってた桜守りとか…何もかもが蓮と遥が今も想い合ってるんじゃないかって方向に見えるようになっちゃってて。
だから、蓮がこれから先の話をしても何て答えていいか分からなかったんだ。」

だから、蓮から幾度となく出てた将来の話には曖昧に笑ってるだけで。

でもさ、良く考えてみて。

主語が自分だと分かりにくくなっちゃうんだけど、これをもし他人に置き換えてみたらさ…

彼女が同棲してる彼氏に『大学卒業したらどこで暮らす?』って聞いたとするじゃん。

そしたら彼氏が「いやぁ、ハハッ…」とか笑って誤魔化してたらどう??

彼女の方と友達だったらさ、『ソイツ不誠実じゃない!?ってか卒業したらアッサリ別れる気なんじゃないの!?』って心配するよね?

俺、顔も名前も存在すらも知らないけど『ソイツ』と同じ事してた訳ですよ。

蓮からしたら、俺のこの態度って相当謎…って言うか、傷付くと思う。

だけど俺は、蓮を不安にさせてるなんて少しも気付いてなくて。

「不安にさせてごめん。いつか蓮が遥を選ぶ日が来るかもって怖くて…。本当は、蓮が将来の話をしてくれるの嬉しかった。ずっと一緒にいたいって思ってたし、今も思ってる。」

「晴…」

「翔君と美優さんの事聞いた時も、確かに『いいなぁ』って思ったし、言ったと思う。
だけど、自分がそうなりたいって訳じゃなくて…。勿論子供は好きだけど…俺は蓮といられる事の方が大事だって思ってて。むしろあの時は、久しぶりに出た遥の話題で蓮が辛そうだった事の方が気掛かりで…」

「俺、そんな顔してた?」

「うん、あの時はそう見えた。だけど、翔君の事を好きな遥を思い遣ってたんだよね?」

頷く蓮に、盛大にすれ違ってた事を痛感する。

「だけど俺はそれでますます間違った方向に考えちゃって。事ある毎に『遥だったらどうするか』って考えるようになったんだ。」

「もしかして、それで頻繁に『蓮がいなくても大丈夫』って言ってたのか?」

「だって、遥ならきっとそんな事言わないから…。遥みたいに自立しなきゃって…」

今度は俺が頷くと、蓮が溜息を吐いた。

「馬鹿だな…お前になら死ぬほど甘えられたいっつーの。」

呆れたような言い方だけど、その声は酷く甘い。

「むしろ、俺がいないと何もできなくなって欲しいまであるけど?」

顔を覗き込まれて、その眼差しがあまりにも優しくて。

「…そんな事言って、俺がダメ人間になったらどうすんの?」

照れて目を逸らした俺の頬に、蓮の唇が触れる。

「最高だな。一生俺が面倒見られる。」

真っ赤になってるだろう耳に吹き込まれた言葉は、とても重い。

だけど、俺にとっては最高に心地よくて。

「引いたか?」

尋ねてきた蓮にも、もう分かってると思う。

だってさ、口許が少し綻んでるもん。

それは、俺がどれだけ蓮を好きなのかちゃんと伝わったって事。

「引く訳ないじゃん…!」

それが堪らなく嬉しくて、声が弾む。

それから、蓮が俺の事をどれだけ好きなのかも思い知った。

俺達は、お互いが思ってたより愛が重くて。

そんな2人が離れる事なんてできる訳がなかった。

多分、これからも一生。

「だけどさ、おんぶに抱っこは流石にダメだから俺もちゃんとする。蓮の隣で、並んで生きていきたいから。」

そう言って見上げると、蓮が少し驚いた顔をする。

だけど、それはやがて幸せそうな笑みに変わって。

両手を蓮の首の後ろに回して背伸びすると、望んだものは直ぐに叶えられた。

触れ合う唇が優しくて、愛しくてーー。

心の半分を預け合うような幸福間に包まれて、ゆっくりと目を閉じた。











その後も、お互いの誤解を解いたり事情を話したりして。

はい、姫とピィちゃんの事を黙ってた件に関してはしっかり詰められました…。。

「アイツらが口止めしてたのは知ってるけど」って言いながらも、眉間の皺が凄い蓮。

「じゃあさ、もし俺が姫…相川さんと仲良くしたいって言ったら、蓮どうしてた?」

「いや普通に無理だろ。あの女のせいで晴といる時間が減るとかありえねぇから。」

なんてやり取りで、やっぱり内緒にしてて良かったかもってほんの少し思ったのは秘密。

だってさ、俺嬉しいんだもん。

「相川さんも木村さんも、俺が蓮と付き合ってる事に偏見もないし相談もできるし…。」

「中野だってクロだっていんだろ。」

蓮は頑なに女子2人を嫌がるけど、そうじゃなくてさぁ。

「だって、啓太とサッキーにはその…惚気たりできないじゃん…」

男友達と恋バナって俺はちょっと…いや、かなり恥ずかしいんだもん!

その点、姫とピィちゃんならちゃんと聞いてくれるし。

「惚気…」

何故か唖然とした顔の蓮に、ちょっとムッとする。

「だからさ、デートで行った所とかされてキュンとした事とか話したいんだよ俺は!受け入れる側なんだから女子との方が話し合うに決まってんだろ!?」

まだ反対する気か!?ってヒートアップしかけた所で、ハッとする。

あれ?俺、なんか余計な恥ずかしい事言ってない?

「…あの…今の、無しで…」

「いや普通に無理だろ。」

最初と同じ台詞なのに、滲む機嫌の良さが全然違う。

「されてキュンとしたって、参考までにどんな事?」

ソファに座る蓮の膝に乗せられて、がっちりホールドされる。

「晴は逃げ場がない状態で責められんの好きだよな?」

「…ひゃっ!」

心底愉しそうな声で耳にキスされて変な声が出る。

身を捩ろうとしても、体格差と単純な力の差で少しも動けない。

「どう?キュンとしてる?」

「違ッ…こういう事じゃ…んあっ…」

言い返したいのに、ゾワゾワと痺れるような感覚に上手くいかない。

「あっ…やぁ…ッ」

自由の効かない身体は敏感で、服の上から背中をなぞられただけで腰が跳ねた。

首筋にチリッとした痛みが走って、そこをゆっくり舐められる。

「~ッ!蓮、ストップ…」

「ここ、消毒しないとな。」

「はぇ?」

これ以上は色々ヤバイくて必死に声を上げると、思わぬ事を言われた。

消毒とは?

「あの日、吸われた痕があった。」

「えっ!?」

それってバレンタインのあの日の事だよね?

「あっ!それは…!」

「相手が子供とか関係ねぇから。」

「んっ…!」

またジュッと吸われて吐息が漏れる。

犯人は、姫とピィちゃんの為に探してたモデルの子の弟。

おんぶされた3歳の男の子が寝ながら無意識に吸ってついた痕だって、蓮はもう知ってるらしい。

「俺以外に触らせんな。」

分かった上で、嫉妬の炎を目の奥に揺らめかせて。

その強い独占欲に胸がキュッとなる。

「晴、いいな?」

「…は、い…」

今まさに俺がキュンとしてるなんて、蓮は気付いてないんだろうな。

「ね、蓮?」

呼びかけると、束の間蓮の唇が俺の肌から離れる。

「蓮も、俺以外に触らせたらダメだからね。…たとえそれが遥でも!」

事故だったとは言え、嫌なものは嫌なんだからな。

「…悪かった。もう絶対ないから。」

どうやら、ちょっとした俺の当て擦りは効果的面だったみたい。

腕の力が緩んで、俺の機嫌を取るような頬とか額への軽いキスに変わったから。

このチャンスを逃しちゃダメだ!

「それでさ、相川さん達との事なんだけど…今後も仲良くしたいんだけどいいよね?」

「いや、それとこれとは別…」

「お願い!」

ギュッと抱き付いて、蓮の胸に頭をグリグリ押し付ける。

「……2人で会うのは無し。」

グゥッみたいな呻き声の後に、渋々って感じで蓮が言った。

「うん!」

「会う時は必ず俺に連絡しろ。」

「うんうん!」

「それと、一度家に連れて来い。」

「えっ!?いいの!?」

俺達の家には家族と啓太、サッキー以外を上げるのは禁止。

って言うのも、蓮が本気で嫌がるから。

なのに姫とピィちゃんを連れて来いなんて…。

なんだかんだ認めてくれてるのかな?

「あぁ、それから…」

考え込む俺を見ながら蓮が続ける。

「何があろうと、ラブホ街なんか歩くな。」

低くなった声に背筋が冷たくなる。

そうだ、近道だからって何も考えずに姫とあの道を歩いちゃったんだ。

「ご、ごめん!絶対しません!」

全力の反省を込めて告げると、蓮が溜息を吐く。

「えっと…蓮は白田君から聞いたんだっけ?」

おずおずと尋ねると、蓮が顔を顰めた。

「あのバカは信用すんな。人間拡声器だから。」

あんまり知らないけど、高校時代の彼は確かにノリの良さが命みたいな所があったような。

良く考えたら蓮に内緒になんかしてくれる訳なかったかも…。

白田君からそんな話を聞いて、俺の首にはキスマ擬きがあって、さらにバイトの事も姫達の事も黙ってて。

そりゃあ蓮も不安になるよね…。

蓮に渡すつもりで用意してたバレンタインのチョコも誤解させてたりしそう…。

「重ね重ね申し訳なく…」

「いや、それでも嫉妬に狂って無理矢理抱いていい事にはならねぇよ…」

後悔に苛まれる蓮が苦しそうに言う。

「蓮、大丈夫だから…」

「大丈夫な訳ねぇだろ…」

「いや、本当に!その…嫌では、無かったし…!」

「……え?」

戸惑う蓮にカァッと顔が熱くなる。

だけど、ちゃんと伝えておかないと蓮はずっと苦しむ事になるから。

「その、ちょっと怖かったのは確かなんだけど…それは…蓮がいつもみたいに…名前呼んだり、好きって言ってくれなかったからで…。誰かの代わりなのかなって、悲しくて…。だけど、行為そのものは別に…嫌とかじゃないって言うか…」

話してるうちに居た堪れなくなる。

「あ、気持ち良すぎて怖いって言うのはあったけど…!でも、蓮にされる事なら嫌とかないし…」

あれ?俺は一体何言ってるの?

パニックになって止まれなくて、気付いたら本音を全部ぶちまけてた。

「……」

恥ずかしすぎて蓮の顔が見れない。

「晴…」

永遠にも思える沈黙の後、それだけ。

そろそろと顔を上げると、何かと葛藤してるみたいな蓮の姿があった。

「蓮…?」

「頼むから、理性の限界に挑むのやめてくれ…」

呻くように言って俺の肩口に顔を埋める。

まだ話す事あるから…我慢しろ俺…とか何とか聞こえてくるけども。

暫くそんな状態が続いて、漸く顔を上げた蓮は深く…本当に深く息を吐いた。

「誰かの代わりなんて有り得ないから。俺が抱きたいのは晴だけだし、欲情すんのもお前だけ。」

「よ、よく…」

「そもそもお前以外に興味ねぇし、お前以外に勃たねぇし…」「わぁぁぁ!もう大丈夫!分かったから!」

あまりにもサラッと言うもんだからこっちが慌てる。

「も、あっつい…」

燃え上がりそうな顔を仰いでると頬を挟まれる。

「ほんとだ、赤く熟れて美味そう」

「うまっ…」

意地悪に微笑む蓮に、揶揄われたんだと察してバシバシ肩を叩く。

カラリと笑った蓮は、真剣な顔に戻ると俺を抱き締めた。

「晴、ごめんな。俺には晴だけだ。」

バカ、そんな風に優しく言われたら泣きそうになるじゃん…。

「次は優しくする。」

甘いく囁かれて、何度目か分からないキスに頭の中が溶けていって。

あぁ、このまま…なんて思ったけど、それ以上キスが深くなる事はなくて。

ちょっと名残惜しく思いながは、頬を撫でる左手を見た時にハッとした。

大事な事をまだ聞いてない。

「蓮…、翔君達から蓮に後遺症が出るかもって聞いたんだ。」

グッと背筋を伸ばして、真面目に聞く為に蓮の横に移動する。

…つもりが、直ぐに膝の上に引き戻された。

「そんな根詰めて聞くような話じゃねぇよ。」

「だって…」

「マジで大した事ねぇから。」

そんな軽い口調で語られたのは、蓮の記憶の話。

事故後、小学生より前の記憶が所々抜けてるって事。

って言うか、蓮の記憶力が凄いのは知ってたけど、生まれてから全部残ってるなんて思わなかった。

「まぁ、それでも普通よりは優秀だから気にすんな。特に困んねぇし。」

そんな風に言って、本当に気にしてる素振りもない。

「後は重い物が持ち上げらんねぇ…つっても、相当重いやつの話しな。晴の体重くらいなら余裕。」

マンション内にあるジムで、蓮がベンチプレス100キロ上げてるのを見た事あるけど…

「それはもう無理らしい。まぁでも、日常生活でそこまで筋力使う事ないから気にすんな。特に困んねぇよ。」

さっきと同じくらい気軽に言う蓮に、感情が追い付かない。

「で、最後は左手の機能が下がるって事。精密作業はできなくなる。」

これまたサラッと言われたけど…待って。

蓮が目指してるのは、医師でーー

「それって…手術は…?」

「あー、無理だろうな。」

「そんな…!」

俺のせいだ…俺を庇ったせいで蓮は…

「晴。ほら、顔上げろ。言ったろ?そんな根詰めて聞く話じゃねぇって。俺は大丈夫だから。」

「でも…!」

「お前のせいじゃない。」

「だけど…!」

「仮にもしそうだとしても、晴を守れたなら一切悔いなんてない。」

「蓮…」

溢れそうになる涙を堪えてると、蓮が頭を撫でてくれる。

「元々、高い志があって医者になりたい訳じゃなかったからな。ただ晴と暮らすのに、金もそれなりの地位もある方が便利だと思っただけで。」

そう言って蓮は続ける。

「将来何になるか、これからどうするかも全く決まってないけど…何も無い俺でも一緒にいてくれるか?」

そう微笑まれて、今度こそ涙が溢れた。

蓮はきっと、俺が気にするのを望んでない。

だから、精一杯笑って。

「当たり前だろ!これから一緒に考えよう。
2人でいられるなら、何があっても大丈夫だから。」

俺の言葉に、蓮は心からの笑みを浮かべた。






●●●












































今年も一年応援していただきありがとうございました!
読者様の応援が生きる糧です…!

あと数話で完結しますので、来年もどうぞよろしくお願いします🌸
皆さま良いお年をお迎えください💕




































































































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