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解決編
60.
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(side 萱島晴人)
「その日の夜、翔がお前を家に連れて来てただろ?」
そう、偶然会った翔君に拉致られた俺は久しぶりに蓮と顔を会わせた。
電話か何かで部屋を出て行った翔君が戻って来るまで2人で話して。
その時俺はこう言った。
『全部忘れるから蓮も忘れろ』って。
だって、蓮は遥と付き合ってるんだと思ってたから。
だけどそれは俺の勘違いで、蓮が好きなのは俺で。
「俺は、無理やりだったけど晴にキスした事で、少なくとも気持ちは伝わってると思ってたんだ。」
そんな状況で『忘れよう』って言われたら、それは…。
「俺、知らないうちに蓮の事ふってたの…?」
呆然と呟くと、蓮が苦笑する。
「どう考えても言葉にしなかった俺が悪いんだけどな。ただ、その時の俺は晴が遠回しに断ったんだと思った。『恋愛対象としては見れないけど幼馴染ではいたい』って事なんだって。」
「ち、違う!違うよ、蓮!」
確かに俺は最初、蓮がどういうつもりでキスしたのか分からなかった。
だけど流石に(ドラマ見るまで気付かなかったけど)『キス=好き』なんじゃないかって思い至って。
「でも、蓮が俺の事好きならどうしたらいいのか分かんなかった。それで避けちゃってたんだけど…蓮と遥がその…キスしてる所見ちゃって。それで、全部俺の勘違いだったんだって思って…。」
自意識過剰な自分が酷く恥ずかしかった。
「だって俺、蓮のファーストキスの相手が自分ならちょっと嬉しいかもって思ってたから…。」
「それって…」
目を瞠る蓮に、顔が熱くなる。
「だけど、遥と付き合ってるなら俺の事好きじゃないじゃんって。それで…忘れなきゃって。きっとあれは遥とする時の為の練習だったんだって思って。」
自分の気持ちを封じ込めて、厳重にカギをかけた。
「自分の気持ちに気付かない事にしたんだ。だから『なかったことにしよう』って言った。」
蓮が何か言おうとしてた事に気が付きながら、その口から遥の事が語られるのが嫌で無理矢理話しを終わらせたんだを
「ごめん。あの時、俺がちゃんと蓮の話し聞いてれば…」
逃げずに向き合ってれば、あの時点で誤解が解けてたかもしれないのに。
「晴のせいじゃねぇよ。言葉にしなくても伝わってるだろうなんて、俺がガキだったせいだ。。」
後悔で俯く俺の頬に触れた手が優しく上向かせる。
「だけど、悪い。今は嬉しさが勝ってる。」
「嬉しい?」
「だって、晴もその頃から俺の事好きだって思ってくれてたんだろ?」
「…あっ」
そう、気付かないようにしただけで俺は…。
恥ずかしいけど、ちゃんと伝えよう。
あの時の蓮と、それから無視しまくった自分の心へ、ごめんって思いを込めて。
「うん。俺、蓮の事好きになってた。」
そう言ったら、蓮が心から嬉しそうに笑うから胸が一杯になって。
いつもクールな蓮の子供みたいな表情に、堪らない気持ちになる。
捉われて離せない視線に気が付いたのか、ふいにその顔が近付いて来て。
思わず、目を閉じた。
だけど、触れ合ったのは期待してた部分じゃなくて。
コツンと額を合わせただけで離れていく体温が寂しい。
「…ぐっ…そんな顔すんな。」
呻くように言った蓮が何故かソファの端に寄ろうとするから服の袖を掴んだ。
「な、何でそんな離れんの…?」
長年の思い違いが解けたのに。
嬉しいって言ってくれたのに。
「だから、そんな涙目の上目遣いされると…ちょっと理性がヤベェから。」
片手で顔を覆って項垂れてしまった蓮に首を傾げる。
そんな俺を見て、蓮は諦めたように溜息を吐いた。
「晴さん、前提として俺は真剣に話をしたいと思ってます。」
何故に敬語?と思ったけど、俺だって真剣に話を聞きたいと思ってるから黙って先を促す。
「ただ、さっきから言ってるように俺は貴方が大好きなのでね。近くにいると、情けない事にどうしても触れたくなっちゃうんですよ。でもそうすると話が進まないので、少し物理的に距離を空けたいと思ってます。」
触れたいって…じゃあさっきのはやっぱり、キスしようとして思い留まった?
ってか俺も、目を閉じて期待してたりして…
ヤバッ!恥ずい!!
しかも、サラッと大好きって言われた!!
真っ赤になって俯きながら蓮の袖を離すと、頭上からホッとした気配を感じた。
「ご協力に感謝します。」
そう言った蓮は、ソファの端までは行かずに少し離れて座った。
それからお互い沈黙して、こそばゆい空気が漂う。
チラリと蓮を伺うと、バチッと目が合った。
「あーっと、悪い。話し戻すわ。」
目元を少し赤くした蓮が照れたように髪をかき上げる。
「は、はいっ!お願いします!」
今度は何故か俺が敬語になっちゃって。
何か全然締まらないけど…これが俺達らしいかも。
真剣に話すからって、暗くなる必要はないもんね。
それでえーっと、俺達の最初のすれ違いが判明した続きからだよね。
「俺は晴にフラれたと思ってたけど、諦める気なんて全く無かった。だから、どうにかして桜守りを晴に渡そうとしてたんだ。」
そこで初めて聞いた、蓮が桜守りに拘った理由に驚愕する。
「えっ!?あれって翔君が広めたんじゃないの?」
「学校に広めたのは翔だけど、元ネタは…うちの親父と陽子なんだよ。」
蓮が語ったのは、海外で活躍する女優と一般の大学生のロマンス。
絶対叶わないだろうと思われたそれは、周りの予想とは裏腹に実を結ぶ事になる。
「まぁ、親父の執念に陽子が根負けしたって可能性が高いけどな。」
「蓮父と蓮母、大恋愛じゃん!!何で教えてくれなかったの!?」
俺はすっかり興奮してたけど、蓮の表情は複雑で。
「いや、親の恋バナとか進んで周りに話さねえだろ。」
そ、それは確かにそうかも.
「翔はそう言うの全く気にしねぇ奴だから、周りに話したらしい。それ聞いて桜守り渡した女子と翔が付き合ったもんだから、効力やべぇってなって。」
俺たちの代でも語り継がれてた翔君(因みに今の後輩達の間では蓮が伝説の卒業生になってるらしい)のそれによって、我が母校の伝統になった…と。
「まぁ、翔はすぐ別れたからどうでもいいんだけど。俺があやかりたかったのは元ネタの方。」
占いとか信じないタイプの蓮が、それを俺に渡したかった理由。
『絶対叶わないだろうと思われてた』恋の成就を、自分に重ねて。
「必死過ぎてダセェけど、お前と付き合う為にできることは何でもやりたかった。」
「蓮…」
「ただ、晴が受け取る訳ねぇのも分かってた。だから方法を考えて、それの中に入れる事にしたんだ。」
指で示されたのは、今日も俺の首元に見える飾りヒモ。
その先に繋がるのは、蓮がくれた御守りだ。
「それ、手に入れた経緯自体が特別な物でさ…。
信じられねぇかもしれねえけど…」
「信じるよ?」
珍しく歯切れの悪い蓮に首を傾げながら言うと、蓮が微妙な顔をする。
「いや、嬉しいけどちょっとは疑え…?」
そう言いながら話してくれたのは、一人だけ別行動してたらしい修旅での一件。
霊泉家の天敵である一族所縁の神社を訪れた蓮が体験した、不思議な出来事。
「マジか…」
振り返ったら誰もいなかったって件では、ちょっと鳥肌が立った。
でも、恐いって言うよりは神秘的な感じ。
それよりも、蓮が神隠しにあわず無事に帰って来た事に今更ながらホッとする。
「俺も一緒にいたかったな。」
ポツリと本音を溢すと、蓮が目を丸くする。
あ、俺が避けてたのが原因なのに…これは無神経だったかな?
「あ、えっと…」
「……いつか、一緒に行ってみる?」
慌てる俺の耳に、蓮の言葉が滑り込む。
静かな声音とは裏腹に、瞳の奥が揺れて見えて。
心の何処かで同じ不安を抱える俺には、蓮の考えてる事が分かってしまった。
「行きたい!絶対行こう!」
ちょっと勢いが良すぎるくらいにそう答えて、明るい声を出す。
見えない『いつか』が消えてしまわないように。
「お礼参りしないとだよね!この御守りには散々お世話になったし。俺も何か不思議な事あったし…。」
思い出すのは、これを奪おうとした竹田先輩の姿。
弾かれたように離した手を痛そうに摩ってたのは、本当にただの静電気だったのか?
蓮の話しを聞いた後だと…うーん、流石に考えすぎかなぁ。
「そうか…竹田にも…」
「え?」
「…いや。貰った時は『霊泉家避け』って言われたけど、お前にとって危険な相手から守るのかもしれないな。」
「え、じゃあ竹田先輩以外にもそうなる可能性があるって事?」
「…そうかもな。」
そう言った蓮に、何故か胸がザワリとする。
笑ってるのに…どうしてかその表情が、強い痛みを堪えるみたいに見えたから。
だけど、本当に一瞬だったから俺の勘違いかもしれない。
「ただ、それなら他にも発動するべきシーンはあった筈だけど。」
ほら、もう普通に検証に戻ってるし。
蓮が言ってるのは、俺が夜道で襲われた時の事だろうな。
「まぁ、『何か力がある』ってのはあくまでも可能性の話だけどな。ただ、その家紋を見れば霊泉家への牽制になるのは本当だ。」
御守りに刻まれた複雑なこの模様、家紋だったんだ。
「でも、それなら俺じゃなくて遥の方が必要だったんじゃないの?」
遥は霊泉家からマークされてた訳だし。
そう思って尋ねると、蓮は意外な反応を見せた。
「…そんなん、思い付きもしなかったわ。」
「嘘でしょ!?」
俺なんかでも分かるのに、頭脳明晰な蓮が?
ちょっと疑わしい顔で見ちゃったけど、蓮は真剣そのもので。
「俺が守りたいのは晴だったから。
晴に渡す以外に考える必要すら感じなかった。」
そんな風に真っ直ぐ言われたら、何も言えなくなってしまう。
「剣道の大会が近かったから、違和感なく受け取ってくれると思ったんだ。絶対肌身離さないように圧かけて、そうすれば中の桜守りもずっとお前と一緒だ。俺はそれが嬉しかった。」
『外すと禍が降り掛かる』なんて言われて、流石に冗談だとは思いながらも、言われた通り身に付けてた。
その中に、知らず蓮の一途な想いを宿して。
「完全な自己満だけど、俺にとってはかなり救いになってた。その頃お前と中野が名前で呼び合うようになったりしてたから。」
うん?
確かにその辺りで啓太と親友って仲になったけど、何の関係が?
「これまでの話し聞いて、俺が心狭いの分かっただろ?嫉妬に決まってる。」
あの蓮が、俺に嫉妬してた?
しかも、啓太と仲良くしてたからって理由で?
「いやいや!だって啓太だよ!?」
どう転んでも、例え人類が2人きりになったとしても恋愛にはならない俺の親友。
「だってお前、アイツと2人で夏祭り来たりしてただろ。」
「いや、それは…蓮と遥が付き合ってると思ってたから、俺がいたら邪魔かなって思って…!」
「…しかも、行かないって連絡も遥にしか言わねぇしさぁ。」
「うっ…!」
珍しく拗ねたような口調に、ちょっと可愛いと思ってしまった。
「…いやいや!蓮だって遥と2人で来てたじゃんか!3人だった時は浴衣なんて着て来たことなかった癖に!」
見目麗しい2人は周りが見惚れる程お似合いで。
「あんなの見たら…誰だって遥が蓮の特別なんだって思うに決まってる…」
おかしいな、嫉妬してたのも拗ねてたのも蓮だった筈なのに、いつの間に俺のターンになっちゃたんだろう。
蓮は自分の心が狭いって言ってたけど、俺のほうがよっぽど心が狭くて子供みたいだ。
情けなくて膝の上でギュッと拳を握りしめると、躊躇いがちな声が聞こえた。
「晴、手に触れてもいいか?」
さっきの反省なのか許可を求めて来た蓮に頷くと、大きな手がそっと俺の拳を開く。
「晴が嫌な気持ちになってたって、知らなかった。ごめんな。お前と遭遇した時は離れてたけど、あの時は翔も一緒に来てたんだ。」
「そうだったの…?」
2人きりじゃなかったんだ…。
「浴衣でって言うのも、翔が着てるの見たい遥のリクエストでさ。晴には遥の家で文香さんが着付ける予定になってたんだよ。」
文香さんって言うのは遥ママの事だ。
キャンセルしなかったら、俺も一緒に回れてたのか…。
因みに蓮はデカイから大変って事で、職業辛い慣れて美優さんのお店で着付けてもらったらしい。
「晴が来ないって聞いてたら俺も行かなかった。
だけど、翔も来なくなったら困る遥が敢えて俺に黙ってやがったんだ。おかげであの時の俺達の空気は最悪だったけどな。」
そんな事とは露知らず、俺は嫉妬して勝手に傷付いて…挙句、何か変な去り方までしたような…
「うぅ~、何か色々居た堪れない…!」
そう言うと、蓮は何の事か正確に察知したらしい。
「リンゴ飴の事か?あれはできればまたやって欲しい。」
悪戯っぽくそう言われて頬が火照る。
「ば、馬鹿…!」
俺の反応にクスクス笑った蓮が、ちょっと寂しげな目をする。
「あの頃、晴は俺に『何でもない』って言う事が増えてたから…俺はいつだって余裕がなかった。
今になって思うと、俺と遥の事で色々考えてたんだろうなって想像つくけど。」
そう、考えてモヤモヤして『何でもない』を連発してた気がする。
「だけど、無理矢理独占しようとしたら失敗するんだって事は流石に学んでた。だから我慢して…時々お前が無自覚に煽って来るのを耐えて。」
「はいっ!?そんな事してませんけど!?」
何たる濡れ衣だ!
「オイ、抱き付いたり俺の目の前でシャツはだけたり平気な顔でしてただろうが。」
ぬ、濡れ衣…?
「自分に告った男の前でそう言う事すんのは『煽ってる』に入るんだよ。」
…濡れ衣じゃないかもしれない。
「で、でも!俺は蓮が自分の事好きだって分かってなかったから…!」
「それ知った時、だからあの態度だったのかって、漸く理解したわ。」
天を見上げる蓮に申し訳ない気分になる。
「だけどさぁ、蓮だって俺の事あんなにドキドキさせて来たじゃん…」
耳元で囁かれて…その、甘噛みされたりして…腰が抜けそうになった事忘れてないから!
「へぇ、ドキドキしてたんだ?」
「あっ…」
自爆した事に気付いたけどもう遅い。
「それならまぁ、理性を試されたあの日々も報われたってやつだな。」
妙に満足そうな蓮に腹が立つけど、こんな真っ赤な顔じゃ言い返しても説得力無いからもう黙ってよう。
「そ、それで!?早く続き!」
強引に促した俺に笑いながら、蓮が先を話していく。
蓮が遥に協力したり、遥が蓮を見張ったりして、2人の時間が多少増えた事。
そして、遥がいなくなる事に一抹の不安を抱くようになった事。
「アイツってストッパーがいなくなった時、自分がまた暴走するんじゃないかって。今度こそ晴に嫌われるんじゃないかって不安があった。」
そんは蓮に、遥は3つ約束を残したんだそうだ。
「1つめは『晴に合わせた選択をしない事』
一緒にいたいからって特進を蹴ったら、晴は絶対気付いて気に病むって言われたし…俺自身もそれを理解できるようになった。」
そうだ、この人、進学すら俺に合わせようとしてたんだっけ。
能力に差がありすぎる蓮が俺に合わせたりしたら、罪悪感で絶対苦しかったと思う。
遥に感謝だし、蓮が思い直してくれて本当に良かった。
「2つ目は、定期的に連絡する事。
抑止と状況の把握の為だな。…ただ、俺はこれに関して殆ど守れてない。」
「えー?蓮ってそんなに連絡無精だったっけ?」
「お前以外にはな。」
結構まめだと思ってたからそう言ったんだけど、見事なカウンターを喰らった。
「最後は、俺って言うより遥の為だな。『翔の話はしない事』」
羞恥に頭を抱える俺にも、その短い文章から遥の切実な想いが伝わってきた。
長く一途な恋を諦めようと苦しむ姿に胸が痛む。
遥は本当に本当に、翔君の事が好きだったんだ。
翔君が大学の卒業式で見送りに来れなかった事を、遥はどう思ったんだろう…。
その一方で俺は、変な気を回してた。
「見送りの日、俺は2人の邪魔しちゃダメだって思ってたんだ。」
「…だから離れてたのか。」
「俺ね、遥がいなくなる事が物凄く寂しかった。」
ちょっと涙が出るくらいには、大好きな姉の旅立ちが嫌だった。
だけど…
あの時確かに感じた、自分の中のドロドロした感情
。
こんな事言ったら幻滅されるかもしれないけど…
「でも、少しだけホッとしてた。蓮と遥が一緒にいる所を、もう見なくて済むんだって…」
息を呑む音に不安が募る。
だけど、全部ぶつけてしまいたい。
帰りの車の中で、初めて蓮のピアスに気付いた。
知らない蓮の姿に動揺して、蓮と遥は2人で大人になっていくんだって。
俺を置いて行ってしまうんだって、そう思って。
その先に気付くのが怖くて、態と眠りに抗わなかった。
でも、だけどね。
今なら言える気がするんだ。
「俺…、蓮に俺の事見て欲しかったーー」
涙が溢れるのと、息が止まる程強く抱き締められるのは同時だった。
●●●
side蓮中学編15話『元通り』の後半~19話『見送りと約束』までの話です。
蓮と晴による中学編の答え合わせは終了です!
初っ端から派手に間違えてるので、お互いかなり恥ずかしい本音も晒さないと修正できませんね笑
関係の修復には素直になるのが1番!って事で、引き続き頑張ってもらいましょう!笑
「その日の夜、翔がお前を家に連れて来てただろ?」
そう、偶然会った翔君に拉致られた俺は久しぶりに蓮と顔を会わせた。
電話か何かで部屋を出て行った翔君が戻って来るまで2人で話して。
その時俺はこう言った。
『全部忘れるから蓮も忘れろ』って。
だって、蓮は遥と付き合ってるんだと思ってたから。
だけどそれは俺の勘違いで、蓮が好きなのは俺で。
「俺は、無理やりだったけど晴にキスした事で、少なくとも気持ちは伝わってると思ってたんだ。」
そんな状況で『忘れよう』って言われたら、それは…。
「俺、知らないうちに蓮の事ふってたの…?」
呆然と呟くと、蓮が苦笑する。
「どう考えても言葉にしなかった俺が悪いんだけどな。ただ、その時の俺は晴が遠回しに断ったんだと思った。『恋愛対象としては見れないけど幼馴染ではいたい』って事なんだって。」
「ち、違う!違うよ、蓮!」
確かに俺は最初、蓮がどういうつもりでキスしたのか分からなかった。
だけど流石に(ドラマ見るまで気付かなかったけど)『キス=好き』なんじゃないかって思い至って。
「でも、蓮が俺の事好きならどうしたらいいのか分かんなかった。それで避けちゃってたんだけど…蓮と遥がその…キスしてる所見ちゃって。それで、全部俺の勘違いだったんだって思って…。」
自意識過剰な自分が酷く恥ずかしかった。
「だって俺、蓮のファーストキスの相手が自分ならちょっと嬉しいかもって思ってたから…。」
「それって…」
目を瞠る蓮に、顔が熱くなる。
「だけど、遥と付き合ってるなら俺の事好きじゃないじゃんって。それで…忘れなきゃって。きっとあれは遥とする時の為の練習だったんだって思って。」
自分の気持ちを封じ込めて、厳重にカギをかけた。
「自分の気持ちに気付かない事にしたんだ。だから『なかったことにしよう』って言った。」
蓮が何か言おうとしてた事に気が付きながら、その口から遥の事が語られるのが嫌で無理矢理話しを終わらせたんだを
「ごめん。あの時、俺がちゃんと蓮の話し聞いてれば…」
逃げずに向き合ってれば、あの時点で誤解が解けてたかもしれないのに。
「晴のせいじゃねぇよ。言葉にしなくても伝わってるだろうなんて、俺がガキだったせいだ。。」
後悔で俯く俺の頬に触れた手が優しく上向かせる。
「だけど、悪い。今は嬉しさが勝ってる。」
「嬉しい?」
「だって、晴もその頃から俺の事好きだって思ってくれてたんだろ?」
「…あっ」
そう、気付かないようにしただけで俺は…。
恥ずかしいけど、ちゃんと伝えよう。
あの時の蓮と、それから無視しまくった自分の心へ、ごめんって思いを込めて。
「うん。俺、蓮の事好きになってた。」
そう言ったら、蓮が心から嬉しそうに笑うから胸が一杯になって。
いつもクールな蓮の子供みたいな表情に、堪らない気持ちになる。
捉われて離せない視線に気が付いたのか、ふいにその顔が近付いて来て。
思わず、目を閉じた。
だけど、触れ合ったのは期待してた部分じゃなくて。
コツンと額を合わせただけで離れていく体温が寂しい。
「…ぐっ…そんな顔すんな。」
呻くように言った蓮が何故かソファの端に寄ろうとするから服の袖を掴んだ。
「な、何でそんな離れんの…?」
長年の思い違いが解けたのに。
嬉しいって言ってくれたのに。
「だから、そんな涙目の上目遣いされると…ちょっと理性がヤベェから。」
片手で顔を覆って項垂れてしまった蓮に首を傾げる。
そんな俺を見て、蓮は諦めたように溜息を吐いた。
「晴さん、前提として俺は真剣に話をしたいと思ってます。」
何故に敬語?と思ったけど、俺だって真剣に話を聞きたいと思ってるから黙って先を促す。
「ただ、さっきから言ってるように俺は貴方が大好きなのでね。近くにいると、情けない事にどうしても触れたくなっちゃうんですよ。でもそうすると話が進まないので、少し物理的に距離を空けたいと思ってます。」
触れたいって…じゃあさっきのはやっぱり、キスしようとして思い留まった?
ってか俺も、目を閉じて期待してたりして…
ヤバッ!恥ずい!!
しかも、サラッと大好きって言われた!!
真っ赤になって俯きながら蓮の袖を離すと、頭上からホッとした気配を感じた。
「ご協力に感謝します。」
そう言った蓮は、ソファの端までは行かずに少し離れて座った。
それからお互い沈黙して、こそばゆい空気が漂う。
チラリと蓮を伺うと、バチッと目が合った。
「あーっと、悪い。話し戻すわ。」
目元を少し赤くした蓮が照れたように髪をかき上げる。
「は、はいっ!お願いします!」
今度は何故か俺が敬語になっちゃって。
何か全然締まらないけど…これが俺達らしいかも。
真剣に話すからって、暗くなる必要はないもんね。
それでえーっと、俺達の最初のすれ違いが判明した続きからだよね。
「俺は晴にフラれたと思ってたけど、諦める気なんて全く無かった。だから、どうにかして桜守りを晴に渡そうとしてたんだ。」
そこで初めて聞いた、蓮が桜守りに拘った理由に驚愕する。
「えっ!?あれって翔君が広めたんじゃないの?」
「学校に広めたのは翔だけど、元ネタは…うちの親父と陽子なんだよ。」
蓮が語ったのは、海外で活躍する女優と一般の大学生のロマンス。
絶対叶わないだろうと思われたそれは、周りの予想とは裏腹に実を結ぶ事になる。
「まぁ、親父の執念に陽子が根負けしたって可能性が高いけどな。」
「蓮父と蓮母、大恋愛じゃん!!何で教えてくれなかったの!?」
俺はすっかり興奮してたけど、蓮の表情は複雑で。
「いや、親の恋バナとか進んで周りに話さねえだろ。」
そ、それは確かにそうかも.
「翔はそう言うの全く気にしねぇ奴だから、周りに話したらしい。それ聞いて桜守り渡した女子と翔が付き合ったもんだから、効力やべぇってなって。」
俺たちの代でも語り継がれてた翔君(因みに今の後輩達の間では蓮が伝説の卒業生になってるらしい)のそれによって、我が母校の伝統になった…と。
「まぁ、翔はすぐ別れたからどうでもいいんだけど。俺があやかりたかったのは元ネタの方。」
占いとか信じないタイプの蓮が、それを俺に渡したかった理由。
『絶対叶わないだろうと思われてた』恋の成就を、自分に重ねて。
「必死過ぎてダセェけど、お前と付き合う為にできることは何でもやりたかった。」
「蓮…」
「ただ、晴が受け取る訳ねぇのも分かってた。だから方法を考えて、それの中に入れる事にしたんだ。」
指で示されたのは、今日も俺の首元に見える飾りヒモ。
その先に繋がるのは、蓮がくれた御守りだ。
「それ、手に入れた経緯自体が特別な物でさ…。
信じられねぇかもしれねえけど…」
「信じるよ?」
珍しく歯切れの悪い蓮に首を傾げながら言うと、蓮が微妙な顔をする。
「いや、嬉しいけどちょっとは疑え…?」
そう言いながら話してくれたのは、一人だけ別行動してたらしい修旅での一件。
霊泉家の天敵である一族所縁の神社を訪れた蓮が体験した、不思議な出来事。
「マジか…」
振り返ったら誰もいなかったって件では、ちょっと鳥肌が立った。
でも、恐いって言うよりは神秘的な感じ。
それよりも、蓮が神隠しにあわず無事に帰って来た事に今更ながらホッとする。
「俺も一緒にいたかったな。」
ポツリと本音を溢すと、蓮が目を丸くする。
あ、俺が避けてたのが原因なのに…これは無神経だったかな?
「あ、えっと…」
「……いつか、一緒に行ってみる?」
慌てる俺の耳に、蓮の言葉が滑り込む。
静かな声音とは裏腹に、瞳の奥が揺れて見えて。
心の何処かで同じ不安を抱える俺には、蓮の考えてる事が分かってしまった。
「行きたい!絶対行こう!」
ちょっと勢いが良すぎるくらいにそう答えて、明るい声を出す。
見えない『いつか』が消えてしまわないように。
「お礼参りしないとだよね!この御守りには散々お世話になったし。俺も何か不思議な事あったし…。」
思い出すのは、これを奪おうとした竹田先輩の姿。
弾かれたように離した手を痛そうに摩ってたのは、本当にただの静電気だったのか?
蓮の話しを聞いた後だと…うーん、流石に考えすぎかなぁ。
「そうか…竹田にも…」
「え?」
「…いや。貰った時は『霊泉家避け』って言われたけど、お前にとって危険な相手から守るのかもしれないな。」
「え、じゃあ竹田先輩以外にもそうなる可能性があるって事?」
「…そうかもな。」
そう言った蓮に、何故か胸がザワリとする。
笑ってるのに…どうしてかその表情が、強い痛みを堪えるみたいに見えたから。
だけど、本当に一瞬だったから俺の勘違いかもしれない。
「ただ、それなら他にも発動するべきシーンはあった筈だけど。」
ほら、もう普通に検証に戻ってるし。
蓮が言ってるのは、俺が夜道で襲われた時の事だろうな。
「まぁ、『何か力がある』ってのはあくまでも可能性の話だけどな。ただ、その家紋を見れば霊泉家への牽制になるのは本当だ。」
御守りに刻まれた複雑なこの模様、家紋だったんだ。
「でも、それなら俺じゃなくて遥の方が必要だったんじゃないの?」
遥は霊泉家からマークされてた訳だし。
そう思って尋ねると、蓮は意外な反応を見せた。
「…そんなん、思い付きもしなかったわ。」
「嘘でしょ!?」
俺なんかでも分かるのに、頭脳明晰な蓮が?
ちょっと疑わしい顔で見ちゃったけど、蓮は真剣そのもので。
「俺が守りたいのは晴だったから。
晴に渡す以外に考える必要すら感じなかった。」
そんな風に真っ直ぐ言われたら、何も言えなくなってしまう。
「剣道の大会が近かったから、違和感なく受け取ってくれると思ったんだ。絶対肌身離さないように圧かけて、そうすれば中の桜守りもずっとお前と一緒だ。俺はそれが嬉しかった。」
『外すと禍が降り掛かる』なんて言われて、流石に冗談だとは思いながらも、言われた通り身に付けてた。
その中に、知らず蓮の一途な想いを宿して。
「完全な自己満だけど、俺にとってはかなり救いになってた。その頃お前と中野が名前で呼び合うようになったりしてたから。」
うん?
確かにその辺りで啓太と親友って仲になったけど、何の関係が?
「これまでの話し聞いて、俺が心狭いの分かっただろ?嫉妬に決まってる。」
あの蓮が、俺に嫉妬してた?
しかも、啓太と仲良くしてたからって理由で?
「いやいや!だって啓太だよ!?」
どう転んでも、例え人類が2人きりになったとしても恋愛にはならない俺の親友。
「だってお前、アイツと2人で夏祭り来たりしてただろ。」
「いや、それは…蓮と遥が付き合ってると思ってたから、俺がいたら邪魔かなって思って…!」
「…しかも、行かないって連絡も遥にしか言わねぇしさぁ。」
「うっ…!」
珍しく拗ねたような口調に、ちょっと可愛いと思ってしまった。
「…いやいや!蓮だって遥と2人で来てたじゃんか!3人だった時は浴衣なんて着て来たことなかった癖に!」
見目麗しい2人は周りが見惚れる程お似合いで。
「あんなの見たら…誰だって遥が蓮の特別なんだって思うに決まってる…」
おかしいな、嫉妬してたのも拗ねてたのも蓮だった筈なのに、いつの間に俺のターンになっちゃたんだろう。
蓮は自分の心が狭いって言ってたけど、俺のほうがよっぽど心が狭くて子供みたいだ。
情けなくて膝の上でギュッと拳を握りしめると、躊躇いがちな声が聞こえた。
「晴、手に触れてもいいか?」
さっきの反省なのか許可を求めて来た蓮に頷くと、大きな手がそっと俺の拳を開く。
「晴が嫌な気持ちになってたって、知らなかった。ごめんな。お前と遭遇した時は離れてたけど、あの時は翔も一緒に来てたんだ。」
「そうだったの…?」
2人きりじゃなかったんだ…。
「浴衣でって言うのも、翔が着てるの見たい遥のリクエストでさ。晴には遥の家で文香さんが着付ける予定になってたんだよ。」
文香さんって言うのは遥ママの事だ。
キャンセルしなかったら、俺も一緒に回れてたのか…。
因みに蓮はデカイから大変って事で、職業辛い慣れて美優さんのお店で着付けてもらったらしい。
「晴が来ないって聞いてたら俺も行かなかった。
だけど、翔も来なくなったら困る遥が敢えて俺に黙ってやがったんだ。おかげであの時の俺達の空気は最悪だったけどな。」
そんな事とは露知らず、俺は嫉妬して勝手に傷付いて…挙句、何か変な去り方までしたような…
「うぅ~、何か色々居た堪れない…!」
そう言うと、蓮は何の事か正確に察知したらしい。
「リンゴ飴の事か?あれはできればまたやって欲しい。」
悪戯っぽくそう言われて頬が火照る。
「ば、馬鹿…!」
俺の反応にクスクス笑った蓮が、ちょっと寂しげな目をする。
「あの頃、晴は俺に『何でもない』って言う事が増えてたから…俺はいつだって余裕がなかった。
今になって思うと、俺と遥の事で色々考えてたんだろうなって想像つくけど。」
そう、考えてモヤモヤして『何でもない』を連発してた気がする。
「だけど、無理矢理独占しようとしたら失敗するんだって事は流石に学んでた。だから我慢して…時々お前が無自覚に煽って来るのを耐えて。」
「はいっ!?そんな事してませんけど!?」
何たる濡れ衣だ!
「オイ、抱き付いたり俺の目の前でシャツはだけたり平気な顔でしてただろうが。」
ぬ、濡れ衣…?
「自分に告った男の前でそう言う事すんのは『煽ってる』に入るんだよ。」
…濡れ衣じゃないかもしれない。
「で、でも!俺は蓮が自分の事好きだって分かってなかったから…!」
「それ知った時、だからあの態度だったのかって、漸く理解したわ。」
天を見上げる蓮に申し訳ない気分になる。
「だけどさぁ、蓮だって俺の事あんなにドキドキさせて来たじゃん…」
耳元で囁かれて…その、甘噛みされたりして…腰が抜けそうになった事忘れてないから!
「へぇ、ドキドキしてたんだ?」
「あっ…」
自爆した事に気付いたけどもう遅い。
「それならまぁ、理性を試されたあの日々も報われたってやつだな。」
妙に満足そうな蓮に腹が立つけど、こんな真っ赤な顔じゃ言い返しても説得力無いからもう黙ってよう。
「そ、それで!?早く続き!」
強引に促した俺に笑いながら、蓮が先を話していく。
蓮が遥に協力したり、遥が蓮を見張ったりして、2人の時間が多少増えた事。
そして、遥がいなくなる事に一抹の不安を抱くようになった事。
「アイツってストッパーがいなくなった時、自分がまた暴走するんじゃないかって。今度こそ晴に嫌われるんじゃないかって不安があった。」
そんは蓮に、遥は3つ約束を残したんだそうだ。
「1つめは『晴に合わせた選択をしない事』
一緒にいたいからって特進を蹴ったら、晴は絶対気付いて気に病むって言われたし…俺自身もそれを理解できるようになった。」
そうだ、この人、進学すら俺に合わせようとしてたんだっけ。
能力に差がありすぎる蓮が俺に合わせたりしたら、罪悪感で絶対苦しかったと思う。
遥に感謝だし、蓮が思い直してくれて本当に良かった。
「2つ目は、定期的に連絡する事。
抑止と状況の把握の為だな。…ただ、俺はこれに関して殆ど守れてない。」
「えー?蓮ってそんなに連絡無精だったっけ?」
「お前以外にはな。」
結構まめだと思ってたからそう言ったんだけど、見事なカウンターを喰らった。
「最後は、俺って言うより遥の為だな。『翔の話はしない事』」
羞恥に頭を抱える俺にも、その短い文章から遥の切実な想いが伝わってきた。
長く一途な恋を諦めようと苦しむ姿に胸が痛む。
遥は本当に本当に、翔君の事が好きだったんだ。
翔君が大学の卒業式で見送りに来れなかった事を、遥はどう思ったんだろう…。
その一方で俺は、変な気を回してた。
「見送りの日、俺は2人の邪魔しちゃダメだって思ってたんだ。」
「…だから離れてたのか。」
「俺ね、遥がいなくなる事が物凄く寂しかった。」
ちょっと涙が出るくらいには、大好きな姉の旅立ちが嫌だった。
だけど…
あの時確かに感じた、自分の中のドロドロした感情
。
こんな事言ったら幻滅されるかもしれないけど…
「でも、少しだけホッとしてた。蓮と遥が一緒にいる所を、もう見なくて済むんだって…」
息を呑む音に不安が募る。
だけど、全部ぶつけてしまいたい。
帰りの車の中で、初めて蓮のピアスに気付いた。
知らない蓮の姿に動揺して、蓮と遥は2人で大人になっていくんだって。
俺を置いて行ってしまうんだって、そう思って。
その先に気付くのが怖くて、態と眠りに抗わなかった。
でも、だけどね。
今なら言える気がするんだ。
「俺…、蓮に俺の事見て欲しかったーー」
涙が溢れるのと、息が止まる程強く抱き締められるのは同時だった。
●●●
side蓮中学編15話『元通り』の後半~19話『見送りと約束』までの話です。
蓮と晴による中学編の答え合わせは終了です!
初っ端から派手に間違えてるので、お互いかなり恥ずかしい本音も晒さないと修正できませんね笑
関係の修復には素直になるのが1番!って事で、引き続き頑張ってもらいましょう!笑
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