【完結まで残り1話】桜の記憶 幼馴染は俺の事が好きらしい。…2番目に。

あさひてまり

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解決編

40.

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(side 萱島晴人)

相川さんこと姫と再会して暫くした頃、俺は彼女のファッションショーに協力する事になった。

主に父さんの知り合いの子役ちゃんを紹介するってだけなんだけどね。

子供が苦手らしい姫の面談に同席する事になって、そしたらまさかの木村さんまで登場して。

姫と木村さんは専門学校で再会したらしい。

人の縁って、何か凄い!

それで、蓮にはこの事を言わないように口止めされた。

高校の頃の件で、2人はかなり蓮を怖がってるみたい。

もうとっくに許してるだろうから大丈夫なのに。

だけど、敢えて蓮に言うつもりもない。

何でかって言うと…俺が蓮を避けてるから。

遥の話をしてから、蓮の気持ちが今も遥にあるんじゃないかって思うようになって。

聞くのが怖くて、年明け辺りからしっかり会話してない。

バイトが週3に戻る事決まったことすらも、伝えてなくて…。

逃げてばっかじゃダメだとは分かってるんだけど、怖くて仕方ない。

だって『やっぱり遥が忘れられないんだ』なんて言われたら…。

だからせめて、元々の約束だった3月いっぱいまではバイトが減った事は内緒にしようと思ってる。

いつまでも先延ばしにはできないけど…話をするには心の準備が必要だし。

だから、姫達に協力するって言う『やる事』ができたのは正直有り難かった。

バイトって嘘付いて外出する罪悪感が、ちょっと薄まるし。

…はぁ~、ダメな奴だよな俺って。


「晴ちゃん、店長が面談にここ使っていいって!」

姫の声で、グズグズ下を向く思考からハッと我に帰る。

今はバイトの休憩中で、姫は別室で店長と話をしてた。

どうやら面談の場所の相談だったみたい。

ファミレスここなら子供達も緊張せず面談できるでしょ?」

「天才じゃん!そしたら予定の擦り合わせだね!」

姫と手分けして候補者の親に連絡を取って行く。

結局、殆ど全部の面談をこの店でやる事に決まった。




そして2月に入り、俺と姫とピィちゃん(俺が付けた木村さんの渾名)は度々店に集合するようになった。

面談では姫とピィちゃんが親御さんへの説明を担当して、その間子供とお喋りしとくのが俺の役目。

下の子を連れて来てる場合も多いから、その子達と遊ぶのも俺の担当だ。

なんて可愛いんだ…役得すぎる…!!

かなり多めに候補者を紹介して貰ってたから、全員終えるのに2週間近くかかる。

次の面談まで時間が空く時は休憩室を貸して貰ってるから、店長には感謝だ。

蓮にバイトって嘘を付いて出てきたけど…ずっと店内にいるって意味では大して変わらなかったかも。



そんな風に思ってたから、罰が当たったのかもしれない。

その日は、夕方に集合した姫と一緒にスタジオに向かっていた。

「学校所有のスタジオがあるって凄いね!」

「そう?美容学校とかにもある所多いわよ、フォトの授業があるから。」

姫達の学校から徒歩20分の距離にあるそこで、今日は面談相手と待ち合わせしてる。

家がこのスタジオと近い親子だから、店じゃなくこっちに来てもらう事になってて。

学校で借りた電子キーを手に、『近道』と言われた通りを歩いている時だった。

「あっれー?萱島君じゃね!?」

何処がで聞いた事のあるデカイ声に振り返ると、そこにいたのは…。

「し、白田くん!?」

恋人らしき女子を連れた、同級生だった。

動揺で声が裏返り、混乱しつつも頭をフル回転させる。

白田君は蓮の友達だ。

つまり、姫の姿を見られるのはマズイかもしれない。

「あ、えっと久しぶりだね!」

咄嗟に姫の腕を引いて自分の後ろに隠すと、白田君はニヤッと笑う。

「へぇ~、そう言う感じ?」

うん?何言ってるんだろ?

も…もしかして、姫の正体バレちゃってる?

「あの…白田君、この事誰にも言わないで欲しいんだ。」

蓮は勿論なんだけど、サッキーとかにも。

姫は高校時代に色々あったから、蓮だけじゃなくて当時の事を知る人達と会うのは複雑らしい。

『まぁ、既にアンタに会っちゃったけどね。
都内にいる訳だし、絶対に避けて通れないのは分かってるけど。』

なんて言ってはいたけど…できるだけ嫌な思いはして欲しくなかった。

そんな俺の気持ちが通じたんだろうか。

「オッケーオッケー!そんな野暮な事しねぇって!じゃ、またなー!」

軽快に去って行く姿に、ホッと肩の力を抜く。

「はぁ~、姫の事誤魔化せたかなぁ?」

背後を振り返ると、めちゃめちゃ複雑な表情と目が合う。

「それより、この場所の方が問題よね。」

「場所…?あっ…。」

ここ、何て言うか…。

「ホテル、多いね?」

話に夢中で気付かず歩いてたけど、周りはラブホばっかりだ。

「気付いてなかった訳⁉︎ヤダもう晴ちゃん、周りも見ず人に付いて行ったらダメじゃない!めっ!」

「いやいや、姫が近道って言ったんじゃん!」

何故か叱られたんだが…解せぬ。

っと、言い合いしてる場合じゃなかった。

「うーん、でも白田君って悪い人じゃなさそうだし…快諾してくれたし大丈夫だよねきっと!」

卒業してから白田君の話題が蓮の口から出た事もないし、あんまり連絡も取ってなさそうだし。

そんな相手に態々『ラブホの近くで見たよ!』とか報告しないよね、普通。

それに、万が一耳に入った所で蓮は…俺にそう言う相手ができた方が都合がいいのかも…。

ふいに涙が込み上げそうになって、急いで瞬きする。

「あ、時間ヤバイよ!急ごう、姫!」

暗くなる思考と一緒に、この件はまるっと忘れようと心に決めた。

じゃないと、きっと泣いてしまうから。



そんな風に必死だったから、聞こえなかったんだ。

先を歩く俺の背後の、姫の呟きに。


「…白田って、トラブルの化身みたいな奴だったような…。いやでも、一年にも満たない付き合いだったし記憶違いよね、きっと。」





🟰🟰🟰


(side 相川陽菜)

「晴人がラブホ街にいたのってそれかよ!相川さんが『浮気相手』って言うのもそう言う意味か!」

驚愕するやら呆れるやらしつつ中野が天を仰ぐ。

蓮は無表情だけど、これは怒ってる…わよね?

「白田が軽薄な奴だって記憶、数年の間に薄れてて…。そもそも、晴ちゃんをあんな通りに連れてった事は反省してるわ。」

白田馬鹿は『赤毛の女』って言ってたけど、それがお前?」

蓮の冷ややかな声にハッとして、急いで教室の外に顔を出す。

「私のスマホ持って来て!早く!」

待機してた数人の男子が、スマホを持って逃げるように頼んだ男子に連絡を取る。

その間に、桃が蓮にスタジオの事を説明していた。

「あの道が近道なのは本当なんです。健全な道だと大回りするので、10分近く差が出て…。私がその日先にスタジオに着いてたので、2人は急いでくれたんだと思います。」

丁度その時私のスマホが戻って来て、ドアをしっかり閉めてから蓮にそれを見せる。

画面には、赤毛のウィッグ姿の私。

「偶にこれ付けてるのよ。その日は、面談する予定だった子が『赤毛のプリンセスが好き』って言うから敢えてその格好にしたの。」

「陽菜ちゃんもですし、うちの学校はみんなウィッグとか日常的につけるんです。…中には、頭に電飾巻いてる子なんかもいますし…。」

七色に輝く盛り髪を思い出して一瞬遠い目をしつつ、意識を現実に戻す。

「それから、晴ちゃんのGPSがラブホになってた件についてはこれ見て。」

有名な某地図アプリを起動して、住所を入れる。

そこに表示されたのは、晴ちゃんと白田が会ったあの道から少し離れた所にポツンとある、チェーン店のラブホ。

「こっちがうちの学校のホームページです。見て下さい、スタジオと住所が同じなんです。」

一緒に戻って来た桃のスマホを横に並べると、蓮がチラリと私を見た。

「跡地か…。」

「そう。元々あったのはこのラブホ。それを取り壊して最近できたのが、うちのスタジオ。」

「できたばかりなので更新が追い付いてないらしくて。その所為で破局したカップルなんかもいるんです…。」

この間も、事情を知らない他所の学生と付き合ってた奴が大喧嘩してた。

彼女側が浮気だと怒りに燃えてる一方で、彼氏側はスタジオで真面目に打ち合わせをしてて。

証拠だと提示されたスクショで、GPSを付けられてたって知った彼氏側が激怒して修羅場になって。

結局、その場で別れたらしい。

まぁ、ソイツ本当に浮気もしてたから別れて正解だったと思うけど。

「だから、蓮が見た位置情報はスタジオで私達と一緒に面談してる晴ちゃんなの。」

「マジ…かよ…。」

片手で顔を覆った蓮が、くぐもった声で呻く。

「…晴の首のキスマの原因は?」

「それは…多分…。」

確信が持てなくて桃を見ると、同じ事を考えてたのか頷かれる。

あぁ、やっぱりそうよね。

「それは蒼君に付けられたんだと思う。
イギリス人ハーフのイケメン…」

「あ"?」

「…に育つ予定の、3歳児。」

「……。」

急に上がった男の名前に低い声を出した蓮が、沈黙する。

スタジオで私と桃がお母さんと話してる間、晴ちゃんは子供と遊んでくれてた。

モデルを頼みたいのはお姉ちゃん(赤毛のプリンセスが好きな方)なんだけど、弟も一緒に連れてきてて。

「蒼君が愚図りだしたので、晴人君がずっとおんぶしてあやしてくれてて…。」

「晴ちゃんのキスマって、首のこの辺りになかった?」

私が指で示した箇所に、頷く蓮。

「やっぱりね。おんぶしてる内に寝てたから、その時に吸われてたんだと思う。」

いつの間にか子供に吸われてアザができてるって、割とママあるあるらしいし。


絶句する蓮に『晴ちゃんが浮気なんてする訳ないでしょ!』って言ってやりたい気持ちはある。

だけどきっと、蓮だってそう思ってたに違いない。

晴ちゃんを信じようとして、必死になって。


晴ちゃんが蓮を避けてた事。

晴ちゃんを信じたい蓮が確認しに行った先で、店長からバイトの件を聞かされた事。

白田に会ってしまった事。

場所が疑わしい所だった事。

口止めされた白田が、あっさり蓮にバラした事。

GPSが誤認する場所に、晴ちゃんがいた事。

首にキスマとも取れる(実際吸われてるし)痕があった事。


これだけ重なれば、最悪の展開を予想しても責められない。

そしてーー。

「本当にごめん、蓮。私が晴ちゃんに黙ってて欲しいって言ったのが、全ての始まりだったんだわ…。」

「ごめんなさい、蓮さん…。最初からきちんと明かしていれば、こんな風に拗れなかったのに…。」

就職が懸かった、ファッションショーだから。

そんな風に自分達の事に夢中になって、周りが見えなくなっていた。

曇りのない目で見てれば、もっと早く違和感に気付けたかもしれないのに…。

「…チョコは?」

唇を噛んで頭を下げる私と桃に浴びせられたのは罵倒…じゃなくて、疑問だった。

「それがあった数日後…バレンタインに晴が貰ってた。」

あるチョコレートのブランド名を聞いて、桃がハッと顔を上げる。

「それ…晴人君が貰ったんじゃないです!
面談の帰り、私が買いたくて催事場に付き合って貰って…。その時に、晴人君が自分で買ってました。きっと…。」

それは、きっと…。

「俺の…為か…?」

呟く蓮に、桃が泣きそうな顔で頷く。

「俺に見られた晴が慌てて隠したから、てっきり…。」

恋人へ渡すチョコなら、普通そんな事する必要はないものね。

だけど、この時の晴ちゃんは自信を失ってた。

「蓮が遥の事を好きなんじゃないかって思って…渡していいのか、迷ってたのね…。」

それで、思わず隠してしまったんだわ。

その行動が蓮の誤解を更に深くするなんて、予想もしなかった筈。



全てが悪いタイミングで起きて、それが積み重なって。

好きだからこそ、本音を知るのが怖くて。

小さな歪みが、どんどん大きく広がってしまった。

すれ違う2人の姿に、胸が痛む。

こんなにも、想い合ってるのにーー。



「その後、蓮がマンションを出て行って。
私達が晴ちゃんの様子がおかしいのに気付いたのはこの頃なの。」

「問い詰めてやっと話してくれたのが、晴人君が蓮さんの大学に行った後です。」

追い返された事を聞いた時には、腑が煮え繰り返った。

懸命に涙を堪える姿が忘れられない。

そんな中でも、晴ちゃんは引き続き私達のサポートをしてくれた。

そのお陰で、無事にモデルは決定して。

「その後、家に中野君が来る事になったって聞いて少し安心してたんです。ご家族での京都旅行の件も知って、少しでも気が紛れればいいなって思ってて。」

そうしたら、旅立ってからたった1日で連絡が来た。

『そっちに帰る事になったから、31日の集まり俺も行くね!』

そのLAIN画面を見せると、中野が呟く。

「31日って、昨日だよな?」

「そう。子供達の顔合わせと、採寸を学校ここでする予定になってたの。晴ちゃんは旅行だから来ない予定だったんだけど…。」

今までの話しを聞くに『帰る事になった』のは大谷からの呼び出し。

それを終えた晴ちゃんは、お昼過ぎに私達と合流した。

「中野もいないし1人にしておけなくて、家においでって誘ったのよ。…ちょっと、そんな顔しないでよ、ママもいるから!でも『あてがあるから大丈夫』って。」


モデルとその親がいる手前、沢山話しはできなかった。

だから、詳しく聞くつもりで『明日も会おう』って約束して。


なのにその日の夜から、連絡が途絶えた。

今日になっても音沙汰が無いし、集合場所にしてた学校ここにも来ないし。

何かあったんじゃないかと桃と2人で心配してた矢先に、蓮と中野が現れた。

そして、全ての元凶だと思ってた蓮の登場に我を忘れた私は…走った。

殴る為のマネキン武器を携えてーー。




シンと静まった教室で、それぞれが後悔と思考の海に溺れていた。

どこかで変える事ができたかもしれない現実がやるせない。


口火を切ったのは、それを尤も感じてるだろう蓮だった。

「お前らの話しは分かった。俺がした事を理解しろとは言わねぇが…晴の身を案じてるのは同じだ。
頼む、居場所を知ってるなら教えて欲しい。」

それは、最初に『納得しないと晴ちゃんの居場所は話さない』と言った私達への真摯な願い。


そうだ、後悔してる場合じゃない。

今は晴ちゃんの身の安全を考えないと。

蓮の話しで、霊泉家が相当ヤバイ連中だって事は分かった。

万が一にでも、奴等の手に堕ちるなんて事にならないようにしないと!

そうしないと…蓮が晴ちゃんを傷付けてまで守った意味が無くなってしまう。


「分かったわ。…って言っても、私達も直接の居場所が分かる訳じゃないの。」

それでも、知ってる情報はある。

「晴ちゃんが言ってたのは、相手が『信頼できる人』だって事。それから…」

多分ここが、大きな鍵になる筈。

「追い返された後も、晴ちゃんは何回か蓮の大学付近に行ってたらしいの。そこでその相手とんですって。」



●●●

解決編『27』辺りの晴の動きでした。
相川がマネキンと突撃したのが『11』、蓮に追い返された後の晴は『6』辺りにあります。






















桃の愛称『ピィちゃん』はピーチから。
相川と合わせると、毎回攫われるあのゲームキャラになるので、晴人的には天才的な発想だと思ってます。笑














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