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中学生編side蓮
10.部活
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「晴、帰ろうぜ。」
HRが終わって声をかけると、前の席の晴が頷く。
そう、前の席のだ。
同じクラスの前後の席。
出席番号順最高かよ。
席替えもクラス替えも一生しなくていい。
ただ、1つ問題もある。
「遥~!帰ろ~!」
晴の声に当然のように遥が現れて俺は舌打ちする。
なんでコイツまで同じクラスなんだよ。
入学前に身内である理事長と私的に面会した俺に、彼はこう言って笑った。
『ハハッ!本当に見た目は陽子さんで中身が拓哉君だなぁ!引き離したら荒れそうだから、身内特典で最初は忖度してあげようかな!』
愉しそうにワインを傾けた食事の席での約束は守られた事になる。
しかし、だ。
遥まで一緒だとは聞いてねぇんだが。
定員割れしていたこの学院を一気に人気校に押し上げた理事長はなかなか食えない人間らしい。
「何でお前がそこなんだよ。」
「別にいいでしょ。ね、晴。」
「うん。何でダメなの?」
3人で横に並んだ真ん中を闊歩する遥は飄々としていてウザイ。
てか晴も『何でダメなの?』じゃねぇわ。
お前に変な奴が寄って来ないように牽制して歩きたいんだっつの。
『コレに手ぇ出したら、分かってんだろうな?』
チラチラこっちを見て来る奴等に…いや、全校生徒に知らしめたい。
特に敵視すべきは野郎共だ。
完全に制服に着られている150cmの晴は、とにかく細い。
何かされても、中学生とは言え野郎の力には到底敵わないだろう。
その点、まだマシなのは女子だ。
晴に興味を持つにしろ、万が一晴が興味を持ってしまったにしろ…ソイツに俺を好きにさせればいいからな。
普段どれだけ冷たくしようとも、俺が一瞬でも笑いかければ女子の心を操るなんて容易い。
小学生の時、晴から女子を遠ざけるために使っていたその技は中学でも有効なようだ。
マジで陽子のDNAに感謝だわ。
「晴、部活決めた?」
「それが、悩んでんだよね。練習キツイのは嫌だからさぁ。」
「なら、サッカー部のマネージャー」「晴は体動かすの嫌いじゃないでしょ?運動部はどう?」
「うーん、水泳とかどうかなぁ?」
「なら俺も水泳に」「蓮はサッカーって言ってたわよね?」
またかよ。
あらゆる手を使って晴を守る気満々でいた俺の思わぬ障害になったのが、何を隠そう遥なのだ。
高等部と違い、中等部は全員が部活に所属する決まりになっている。
5月から体験入部が行われて、そろそろ入部届を出すタイミングなのだが…。
先週一緒に参加したサッカー部の体験で点を決めた俺に、晴は嬉しそうにしつつ僅かに目を伏せた。
『蓮はやっぱりサッカー部だよな!…俺のせいでクラブ辞めちゃったし…。』
『違ぇわ。受験のために辞めたんだって。』
俺がサッカークラブを辞めたのを、晴は自分がケガをして事件を大きくしてしまったせいだと気に病んでいる。
本当の理由は霊泉家対策なのだが、それを晴に言う訳にもいかない。
『受験のため』と言ってはいるが、俺が全く受験勉強なんか必要無いと分かってる晴は信じていないようだった。
『あー、まぁサッカー部でもいいかなとは思ってるけど。』
ションボリする晴の気持ちを軽くしたくて、そう言った。
そして、名案が浮かぶ。
『晴はさ、サッカー部のマネージャーやれば?』
俺は晴と同じ部活に入ろうとしていたが、選手とマネージャーでもいい訳だ。
そうすれば晴とレギュラーを争ったりする事もないし、俺の活躍を見せる事もできる。
『マネージャーかぁ。』
思案気ではあったが、もう少し押せばいけそうだ。
いや、いけそうだった。
ーー遥が余計な事をしなければ。
『昨日剣道部の体験行ってさ!武道ってカッコイイよなぁ!』
『は?』
キラキラした目で語る晴に、俺は驚く。
昨日の放課後、俺は親父に連れられて霊泉家の政敵である政治家との会食に参加していた。
その為部活の体験には行けなかったのだが、『じゃあ俺も真っ直ぐ帰ろ』と言う晴の言葉に安心してたんだが…?
『遥が他の部活も見ようって誘ってくれてさ!』
一緒に剣道部と水泳部に行ったらしい。
いやオイ、何勝手な事してくれてんだよあの女。
他の部活に晴が興味持ったら計画が台無しだろうが。
『テメェ、どう言うつもりだよ。』
日直の晴が担任と連れ立っていなくなったタイミングで遥に詰め寄る。
『何が?て言うか、私テメェって名前じゃないんですけど?』
『ダルいわ。分かってんだろ、何で晴に他の部活勧めてんだよ。』
『何が問題なのよ。選択肢は多い方がいいでしょ。』
『問題あるだろ、俺と違う部活入ったら守れねぇだろが。』
すると、遥は溜息を吐いた。
『晴だって子供じゃないんだから、いつまでも私達に守られたままじゃダメでしょ。』
小学生の時、俺と競い合うように晴の周りの馬鹿共を排除してきたお前が言うか?それ。
『晴が心配じゃねぇのかよ?』
『…じゃあ聞くけど!今後も晴をずっと守って行くっていうの?高校も、大学も、その先もずっとよ!?』
『当然だろ。』
『……ッ…』
『もし晴が別の高校行くならそうするし、大学のレベルも合わせるし。』
『……バカッ!!』
投げ付けられたペンケースをキャッチして、それで遥の頭を叩く。
『どーゆー教育受けてんだよ、物投げんなや。』
『アンタこそ!女叩くなんてどーゆー教育受けてんのよ!』
踵を返して教室を出て行く遥の背中を眺めながら眉根に皺を寄せる。
何なんだよ、晴の受験が決まった辺りからおかしくね?
思い当たるとしたら…あれか?
入学のタイミングで、遥と遥の両親に霊泉家の事を説明した事。
親父と翔も同席して、遥が俺の相手と認識される可能性がある事と、安全の為の対策を話し合った。
因みに晴の方への説明は、今の所危険性が少ない為、変に怖がらせる事もないだろうと今回は見送った。
『勝手に蓮との仲を誤解されるのは気に入らないけど、それで完全に晴から目を逸らせるなら私は構わないわ。』
毅然と言った遥は確かに晴の『姉』のようだった。
その言葉に嘘は無かったはずだが…何か思う所でもあったんだろうか。
謎に満ちたまま、俺と遥は冷戦状態にある。
そして、3人で部活の話をしている現在、俺が晴に合わせようとすると『蓮はサッカーよね?』とか言って来る訳だ。
言外に『蓮がまたサッカーできるって、晴が喜んでるけど?』と言う圧を感じるし、俺自身も晴をガッカリさせたくない。
そうすると、強くは出られない。
クソッ、マジで余計な事しやがって。
「晴、水泳部は先輩が厳しいからやめとけ。」
もう意識が他の部活に向いてしまっている晴に、せめて水泳だけは回避させたくてそう言う。
本当に厳しいのかは知らないが、晴が肌を出すのは阻止しなければ。
当たり前だが更衣室もシャワールームも部員で共用だ。
あの白い肌が野郎共の邪な視線に晒されるかと思うと胃が焼け付くような感覚に襲われる。
薄ピンクのアレや色の淡いソレなんか見た奴がいたら…。
ダメだ、俺以外にそんな奴がこの世にいる事を許せる自信がない。
「それにお前、日焼けダメだろ。」
ダメ押しにこう言うと『あ、確かに!』と晴が納得した。
白人の血を引く晴の肌は太陽に弱い。
驚く程赤くなるから外での体育も日焼け止め必須。
まぁ、うちの学校、屋内プールだから焼けないけどな。
そう思いながらも、晴が水泳部を候補から外した様子に胸を撫で下ろす。
チョロくて助かった。
可愛い。
遥が気付くかと思ったが特に何も言って来なかった為、俺の心配は杞憂に終わった。
てか、俺と同じじゃなければ何でもいいのか?
マジで意味分からん。
結局、俺はサッカー部、遥は英会話部、晴は剣道部に決まった。
剣道なら面をつけるから顔は隠れるし、まぁ水泳部よりはマシだろう。
放課後、俺の側から離れて部室に向かうようになった晴を見ると心が波立ったが、剣道部の奴等を全員調べて、人間関係やら素行を把握する事で何とか落ち着いた。
終わり時間が被れば一緒に帰るし、お互い部活がない時も一緒に帰る。
まぁ、こっちが早く終わる事が多いから、自主練の程で晴を待ってるんだが。
1年近くそれを続けていたら、何故か『部活後も練習して熱心だ』とコーチに誤解され…
2年に進級すると、ゲームキャプテンに任命されると言う謎の事態が起こった。
いやいや、晴を待つ為の暇潰しだけど。
なんなら部活自体が俺にとってはそうなんだが。
……まぁ、俺のキャプテンマークを見た晴が喜んだから良しとしよう。
因みに遥の英会話部は活動が少なく、習い事の方に精を出していたようだ。
『学校から習い事先に直接行くから、蓮君のお家の事情が無くてもこうする予定だったのよ。』
毎日車で迎えに来る遥の母親は笑っていたが、負担をかけている罪悪感はある。
ただし、遥に関してはイラつく事ばかりだ。
別に何を考えてるのか興味は無いが、俺が晴の側にいるのを妨害するような言動と行動は容認できない。
だが、晴が無条件に遥を信頼しているから下手に遠ざける事もできない。
「マジで邪魔でしかねぇな。」
この時、俺は遥の事を本気で忌々しく思っていた。
だから、予想もしていなかった。
この後、俺達二人の関係が大きく変化する事をーーー。
●●●
中1の蓮は『晴と後6年は一緒にいられる』事が保証されたので、遥にイライラしつつも無理矢理引き離そうとはしていません。
多少穏やかです。多少。笑
晴はside晴人1話でサラッと部活決めの話をしてます。あまり覚えてないくらいの記憶ですが、蓮と遥は大モメしてました。笑
HRが終わって声をかけると、前の席の晴が頷く。
そう、前の席のだ。
同じクラスの前後の席。
出席番号順最高かよ。
席替えもクラス替えも一生しなくていい。
ただ、1つ問題もある。
「遥~!帰ろ~!」
晴の声に当然のように遥が現れて俺は舌打ちする。
なんでコイツまで同じクラスなんだよ。
入学前に身内である理事長と私的に面会した俺に、彼はこう言って笑った。
『ハハッ!本当に見た目は陽子さんで中身が拓哉君だなぁ!引き離したら荒れそうだから、身内特典で最初は忖度してあげようかな!』
愉しそうにワインを傾けた食事の席での約束は守られた事になる。
しかし、だ。
遥まで一緒だとは聞いてねぇんだが。
定員割れしていたこの学院を一気に人気校に押し上げた理事長はなかなか食えない人間らしい。
「何でお前がそこなんだよ。」
「別にいいでしょ。ね、晴。」
「うん。何でダメなの?」
3人で横に並んだ真ん中を闊歩する遥は飄々としていてウザイ。
てか晴も『何でダメなの?』じゃねぇわ。
お前に変な奴が寄って来ないように牽制して歩きたいんだっつの。
『コレに手ぇ出したら、分かってんだろうな?』
チラチラこっちを見て来る奴等に…いや、全校生徒に知らしめたい。
特に敵視すべきは野郎共だ。
完全に制服に着られている150cmの晴は、とにかく細い。
何かされても、中学生とは言え野郎の力には到底敵わないだろう。
その点、まだマシなのは女子だ。
晴に興味を持つにしろ、万が一晴が興味を持ってしまったにしろ…ソイツに俺を好きにさせればいいからな。
普段どれだけ冷たくしようとも、俺が一瞬でも笑いかければ女子の心を操るなんて容易い。
小学生の時、晴から女子を遠ざけるために使っていたその技は中学でも有効なようだ。
マジで陽子のDNAに感謝だわ。
「晴、部活決めた?」
「それが、悩んでんだよね。練習キツイのは嫌だからさぁ。」
「なら、サッカー部のマネージャー」「晴は体動かすの嫌いじゃないでしょ?運動部はどう?」
「うーん、水泳とかどうかなぁ?」
「なら俺も水泳に」「蓮はサッカーって言ってたわよね?」
またかよ。
あらゆる手を使って晴を守る気満々でいた俺の思わぬ障害になったのが、何を隠そう遥なのだ。
高等部と違い、中等部は全員が部活に所属する決まりになっている。
5月から体験入部が行われて、そろそろ入部届を出すタイミングなのだが…。
先週一緒に参加したサッカー部の体験で点を決めた俺に、晴は嬉しそうにしつつ僅かに目を伏せた。
『蓮はやっぱりサッカー部だよな!…俺のせいでクラブ辞めちゃったし…。』
『違ぇわ。受験のために辞めたんだって。』
俺がサッカークラブを辞めたのを、晴は自分がケガをして事件を大きくしてしまったせいだと気に病んでいる。
本当の理由は霊泉家対策なのだが、それを晴に言う訳にもいかない。
『受験のため』と言ってはいるが、俺が全く受験勉強なんか必要無いと分かってる晴は信じていないようだった。
『あー、まぁサッカー部でもいいかなとは思ってるけど。』
ションボリする晴の気持ちを軽くしたくて、そう言った。
そして、名案が浮かぶ。
『晴はさ、サッカー部のマネージャーやれば?』
俺は晴と同じ部活に入ろうとしていたが、選手とマネージャーでもいい訳だ。
そうすれば晴とレギュラーを争ったりする事もないし、俺の活躍を見せる事もできる。
『マネージャーかぁ。』
思案気ではあったが、もう少し押せばいけそうだ。
いや、いけそうだった。
ーー遥が余計な事をしなければ。
『昨日剣道部の体験行ってさ!武道ってカッコイイよなぁ!』
『は?』
キラキラした目で語る晴に、俺は驚く。
昨日の放課後、俺は親父に連れられて霊泉家の政敵である政治家との会食に参加していた。
その為部活の体験には行けなかったのだが、『じゃあ俺も真っ直ぐ帰ろ』と言う晴の言葉に安心してたんだが…?
『遥が他の部活も見ようって誘ってくれてさ!』
一緒に剣道部と水泳部に行ったらしい。
いやオイ、何勝手な事してくれてんだよあの女。
他の部活に晴が興味持ったら計画が台無しだろうが。
『テメェ、どう言うつもりだよ。』
日直の晴が担任と連れ立っていなくなったタイミングで遥に詰め寄る。
『何が?て言うか、私テメェって名前じゃないんですけど?』
『ダルいわ。分かってんだろ、何で晴に他の部活勧めてんだよ。』
『何が問題なのよ。選択肢は多い方がいいでしょ。』
『問題あるだろ、俺と違う部活入ったら守れねぇだろが。』
すると、遥は溜息を吐いた。
『晴だって子供じゃないんだから、いつまでも私達に守られたままじゃダメでしょ。』
小学生の時、俺と競い合うように晴の周りの馬鹿共を排除してきたお前が言うか?それ。
『晴が心配じゃねぇのかよ?』
『…じゃあ聞くけど!今後も晴をずっと守って行くっていうの?高校も、大学も、その先もずっとよ!?』
『当然だろ。』
『……ッ…』
『もし晴が別の高校行くならそうするし、大学のレベルも合わせるし。』
『……バカッ!!』
投げ付けられたペンケースをキャッチして、それで遥の頭を叩く。
『どーゆー教育受けてんだよ、物投げんなや。』
『アンタこそ!女叩くなんてどーゆー教育受けてんのよ!』
踵を返して教室を出て行く遥の背中を眺めながら眉根に皺を寄せる。
何なんだよ、晴の受験が決まった辺りからおかしくね?
思い当たるとしたら…あれか?
入学のタイミングで、遥と遥の両親に霊泉家の事を説明した事。
親父と翔も同席して、遥が俺の相手と認識される可能性がある事と、安全の為の対策を話し合った。
因みに晴の方への説明は、今の所危険性が少ない為、変に怖がらせる事もないだろうと今回は見送った。
『勝手に蓮との仲を誤解されるのは気に入らないけど、それで完全に晴から目を逸らせるなら私は構わないわ。』
毅然と言った遥は確かに晴の『姉』のようだった。
その言葉に嘘は無かったはずだが…何か思う所でもあったんだろうか。
謎に満ちたまま、俺と遥は冷戦状態にある。
そして、3人で部活の話をしている現在、俺が晴に合わせようとすると『蓮はサッカーよね?』とか言って来る訳だ。
言外に『蓮がまたサッカーできるって、晴が喜んでるけど?』と言う圧を感じるし、俺自身も晴をガッカリさせたくない。
そうすると、強くは出られない。
クソッ、マジで余計な事しやがって。
「晴、水泳部は先輩が厳しいからやめとけ。」
もう意識が他の部活に向いてしまっている晴に、せめて水泳だけは回避させたくてそう言う。
本当に厳しいのかは知らないが、晴が肌を出すのは阻止しなければ。
当たり前だが更衣室もシャワールームも部員で共用だ。
あの白い肌が野郎共の邪な視線に晒されるかと思うと胃が焼け付くような感覚に襲われる。
薄ピンクのアレや色の淡いソレなんか見た奴がいたら…。
ダメだ、俺以外にそんな奴がこの世にいる事を許せる自信がない。
「それにお前、日焼けダメだろ。」
ダメ押しにこう言うと『あ、確かに!』と晴が納得した。
白人の血を引く晴の肌は太陽に弱い。
驚く程赤くなるから外での体育も日焼け止め必須。
まぁ、うちの学校、屋内プールだから焼けないけどな。
そう思いながらも、晴が水泳部を候補から外した様子に胸を撫で下ろす。
チョロくて助かった。
可愛い。
遥が気付くかと思ったが特に何も言って来なかった為、俺の心配は杞憂に終わった。
てか、俺と同じじゃなければ何でもいいのか?
マジで意味分からん。
結局、俺はサッカー部、遥は英会話部、晴は剣道部に決まった。
剣道なら面をつけるから顔は隠れるし、まぁ水泳部よりはマシだろう。
放課後、俺の側から離れて部室に向かうようになった晴を見ると心が波立ったが、剣道部の奴等を全員調べて、人間関係やら素行を把握する事で何とか落ち着いた。
終わり時間が被れば一緒に帰るし、お互い部活がない時も一緒に帰る。
まぁ、こっちが早く終わる事が多いから、自主練の程で晴を待ってるんだが。
1年近くそれを続けていたら、何故か『部活後も練習して熱心だ』とコーチに誤解され…
2年に進級すると、ゲームキャプテンに任命されると言う謎の事態が起こった。
いやいや、晴を待つ為の暇潰しだけど。
なんなら部活自体が俺にとってはそうなんだが。
……まぁ、俺のキャプテンマークを見た晴が喜んだから良しとしよう。
因みに遥の英会話部は活動が少なく、習い事の方に精を出していたようだ。
『学校から習い事先に直接行くから、蓮君のお家の事情が無くてもこうする予定だったのよ。』
毎日車で迎えに来る遥の母親は笑っていたが、負担をかけている罪悪感はある。
ただし、遥に関してはイラつく事ばかりだ。
別に何を考えてるのか興味は無いが、俺が晴の側にいるのを妨害するような言動と行動は容認できない。
だが、晴が無条件に遥を信頼しているから下手に遠ざける事もできない。
「マジで邪魔でしかねぇな。」
この時、俺は遥の事を本気で忌々しく思っていた。
だから、予想もしていなかった。
この後、俺達二人の関係が大きく変化する事をーーー。
●●●
中1の蓮は『晴と後6年は一緒にいられる』事が保証されたので、遥にイライラしつつも無理矢理引き離そうとはしていません。
多少穏やかです。多少。笑
晴はside晴人1話でサラッと部活決めの話をしてます。あまり覚えてないくらいの記憶ですが、蓮と遥は大モメしてました。笑
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