【完結まで残り1話】桜の記憶 幼馴染は俺の事が好きらしい。…2番目に。

あさひてまり

文字の大きさ
上 下
127 / 252
高校生編side晴人 たくさんの初めてを君と

111.二人の家 ※

しおりを挟む
「よーし、設置完了!」

自分の部屋に置いた本棚に漫画を詰めていく。

これで一つなぎのあれを手に入れるのを安心して楽しめるな。

蓮の協力で掴み取った勝利だ。


「晴、今日はこれぐらいにしとかね?」

蓮に呼びに来て、ウーバーで夜ご飯にする事になった。




蓮が探してくれたこの物件。

聞いて驚け!場所はなんとハチのいるあの駅である。

しかも、築浅、駅直結の3LDK!タワマン!

これ家賃100万超えるやつやん!!

と思って震えた。

蓮の金銭感覚バグりすぎだろ!

だけど実はここ、蓮父の知り合いの持ち家らしい。


長期の海外出張が決まって、手放すのもなぁ…と悩んでた所だったそうだ。

任期は5年だから俺は卒業までいられるし、蓮は大学院の途中で出る事になるものの、こんなに便利な物件は他に無い。

なんたって、どっちの大学までも電車で20分だ。

都内って、取り敢えずハチの御膝元さえ押さえればどこに行くにも便利だし。

しかも家賃はいらないって言う、破格の待遇である。

家の中の換気とか掃除するのが対価で(5年も放ったらかしにしたら家が傷むから)共益費のみの支払いで住ませて貰えることになった。

しかも、ソファとかテレビ、ダイニングから冷蔵庫等の家電に至るまでそのまま使っていいって言ってくれて。

『どっちにしろ家電も家具も5年も経ったら買い換えるからさ。邪魔なやつは捨ててもいいよ。』

との事だ…。お金持ちってスゲェ。。

だから、ベッドのマットレスを買い換えるとか、自分達の勉強用デスクを買うくらいの出費で。

家主がシンプル派らしくて、家の中は明るい木の風合い。

小物とか置けば、結構好みにアレンジできそうだ。

部屋はそれぞれの自室と、ベッドルーム。

リビングの窓からは22階の景色が広がる。

キッチンは食洗機が内蔵されてるタイプで楽ちん。

風呂は2人でも入れる広さだし、ウォークインクローゼットまである。


おまけに、24時間警備員さんとコンシェルジュさんがいて防犯もバッチリだ。



もうね、全てが最高としか言いようがない。

最初はビビりまくったけど、住めば都って言うし。

ただ、ここでの生活に慣れ過ぎないようには気を付けたい。

卒業したらこんな生活できないもん」。

大学生活の4年間だけ、夢を見させたもらうつもりでいよう。



「家具の搬入ねぇとすぐ片付くな。」

食べ終えた夕食のピザ箱を片付けながら蓮が言う。

「本当だよね、マジで蓮父の友達に感謝!」

食洗機を使う程でもないから2人分のコップを洗ってると、後ろからギュッと抱きしめられた。

「あ、コラ、濡れるよ!」

「いいよ。このまま一緒に風呂入ろう。」

「え?ちょ…わっ!」

抱えられてバスルームに連行される。

いつの間に沸かしたのか、広い浴槽にはたっぷりお湯が張られてて。

抵抗する間もなくパパッと服を脱がされて、観念した。

湯船で蓮の胸に背中を預けて、その脚の間に座る。

ホゥと息を吐くと、背後の蓮からもリラックスした雰囲気が伝わってきた。

「なんか、いいね。」

「だな。脚伸ばせるし。」

185センチにまで育った蓮の長い脚を伸ばせるなんて、なかなか無いよね。

「借り物だけど、俺達だけの空間だから落ち着く。」

今までみたいひ誰かが帰って来る心配もないし。

そう思って言ったら、後ろから俺を抱きしめる蓮の腕が強まった。

「…蓮?」

「そう、この家俺達しかいないんだぜ?」

つ、つまり…?

「何処でも遠慮せずヤれるな。」

「えっ!?…あんっ…んっ、ん…」

胸の突起を弄られると、甘ったるい声が反響した。

「ここでシたい?ベッドがいい?」

耳元で囁かれて、腰の奥がキュンと疼く。

「あ…ベッドが…いい…」

「仰せのままに。」

蓮は俺を横抱きにして湯船から上がると、バスタオルを引っ掛けただけでベッドルームに向かう。

「こら、擽ったいて、もう!」

クイーンサイズのベッドに降ろされて、バスタオルで水滴を拭いてくれる蓮に身を捩る。

次第に啄むキスは深いものに変わって、イタズラのようだった触れ方は愛撫に変わって。

射抜くような、雄を感じる瞳に見下ろされて胸が高鳴る。

「俺ね…蓮と2人の家ができて嬉しい。」

「ーーッ、俺も…嬉しくてどうにかなりそう。」

貪るような口付けに夢中で応えた。

「ハァ…晴、悪い。今日は手加減できねぇわ…」

「ん…しなくていいよ…俺も、何も気にせず蓮と繋がりたい…」

だって、ここには俺達2人だけだ。

しかも、これからもずっと。

いつもより余裕の無さそうな蓮も、きっと同じ事を思ってる。

嬉しくて、愛しくておかしくなりそうで。

「蓮、きて…早く…!」

「……晴、晴!好きだ…!」

名前を呼び合って、お互いの熱を感じて。

何度極まったか分からないほどに愛し合った。

色々大勢が代わって、凄く恥ずかしい格好もさせられたけど、それもすぐ快感に変わって。

夜が明けて俺の身体からもう何も出なくなっても、蓮の昂りは俺のナカに入ったまま。

「晴、水。」

水分補給に口移しで飲まされた水が身体に染み渡る。

「美味し…今、何時?」

「多分、2時ごろ。」

ゆるゆる腰を動かされて、ナカに入りっぱなしのソレが快感を伝えてくる。

「あっ…もう、おかしくなりそ…ちょっと休憩…」

限界を迎えた瞼がトロトロと落ちてくる。

「眠い?寝てもいいから、もうチョイ晴のナカにいさせて。」

「うん…俺…蓮のなんでしょ?全部…好きにしていいよ…」

眠気に勝てず、何も考えずに思ったままを口にした。

ゴリッとナカのものが大きくなったのを感じる。

「えっ…蓮?あっ、あぁ!?」

再び激しくなる律動に混乱が止まらない。

「な、なんっ…で…」

「今のは晴が悪い…!」

「ひゃっ、やぁぁん、もう出ないぃ!」

「大丈夫。出さなくてもイケるようになろうな?」

「やっ、うそ…あぁぁぁぁぁ!!」


結局、蓮が満足するまで離して貰えず。

ようやく眠りにつけたのは、朝陽がカーテンの隙間から入って来た頃で。




「か、身体…痛い…!」

起きた時には喉はガサガサ、腰には一才力が入らない状態だった。

しかも。

「キスマ…やば過ぎじゃない?」

自分で確認できるだけでも夥しい数。

後ろも多分、凄まじい事になってるんだろうな。

「悪い、夢中になりすぎた。」

あまり悪びれもせず、何なら爽やかに微笑まれてグッと言葉に詰まった。

薄々そうじゃないかな、とは思ってたけど…蓮って絶倫ってやつなのでは?

うぅ、でもまぁ手加減しなくていいって言ったのは俺だし。

おかしくなりそうなくらい気持ち良くしてくれたし…。

何より、蓮が幸せそうで、俺も幸せだ。

だけど、ちょっとくらいワガママも言いたくなる。

だってさ、多分これ一日中動けないもん。

「ホットチョコ…」

「よし、作ってくるから待ってろ。」

俺の頭を一撫でして、蓮がキッチンへ向かう。

部屋を出て行く後ろ姿を見ながらフフッと笑ってしまった。

やばい~、ニヤケが止まらないよ~!

ゴロンゴロン転がりたい気分だけど、身体が動かないから心の中に留めておこう。

その日はずっと蓮とくっ付いて過ごして。


俺達の同棲初の春休みは、終始こんな風に過ぎて行ったのだった。


●●●

お知らせ
この回でside晴人(高校編)完結予定でしたが、長いので一旦切りました!
今日の夜も更新します!

































































しおりを挟む
感想 86

あなたにおすすめの小説

【幼馴染DK】至って、普通。

りつ
BL
天才型×平凡くん。「別れよっか、僕達」――才能溢れる幼馴染みに、平凡な自分では釣り合わない。そう思って別れを切り出したのだけれど……?ハッピーバカップルラブコメ短編です。

夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども

神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」 と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。 大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。 文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!

俺にとってはあなたが運命でした

ハル
BL
第2次性が浸透し、αを引き付ける発情期があるΩへの差別が医療の発達により緩和され始めた社会 βの少し人付き合いが苦手で友人がいないだけの平凡な大学生、浅野瑞穂 彼は一人暮らしをしていたが、コンビニ生活を母に知られ実家に戻される。 その隣に引っ越してきたαΩ夫夫、嵯峨彰彦と菜桜、αの子供、理人と香菜と出会い、彼らと交流を深める。 それと同時に、彼ら家族が頼りにする彰彦の幼馴染で同僚である遠月晴哉とも親睦を深め、やがて2人は惹かれ合う。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。 1日2話ずつ投稿します。

不遇の第七王子は愛され不慣れで困惑気味です

新川はじめ
BL
 国王とシスターの間に生まれたフィル・ディーンテ。五歳で母を亡くし第七王子として王宮へ迎え入れられたのだが、そこは針の筵だった。唯一優しくしてくれたのは王太子である兄セガールとその友人オーティスで、二人の存在が幼いフィルにとって心の支えだった。  フィルが十八歳になった頃、王宮内で生霊事件が発生。セガールの寝所に夜な夜な現れる生霊を退治するため、彼と容姿のよく似たフィルが囮になることに。指揮を取るのは大魔法師になったオーティスで「生霊が現れたら直ちに捉えます」と言ってたはずなのに何やら様子がおかしい。  生霊はベッドに潜り込んでお触りを始めるし。想い人のオーティスはなぜか黙ってガン見してるし。どうしちゃったの、話が違うじゃん!頼むからしっかりしてくれよぉー!

幼馴染の御曹司と許嫁だった話

金曜日
BL
親同士の約束で勝手に許嫁にされて同居生活をスタートすることになった、商社勤務のエリートサラリーマン(樋口 爽)×国立大一年生(日下部 暁人)が本当の恋に落ちてゆっくり成長していくお話。糖度高めの甘々溺愛執着攻めによって、天然で無垢な美少年受けが徐々に恋と性に目覚めさせられていきます。ハッピーエンド至上主義。 スピンオフも掲載しています。 一見チャラ男だけど一途で苦労人なサラリーマン(和倉 恭介)×毒舌美人のデザイナー志望大学生(結城 要)のお話。恋愛を諦めた2人が、お互いの過去を知り傷を埋め合っていきます。 ※こちらの作品はpixivとムーンライトノベルズにも投稿しています。

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

俺の彼氏は俺の親友の事が好きらしい

15
BL
「だから、もういいよ」 俺とお前の約束。

処理中です...