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高校生編side晴人 好きな人が、自分を好きかもしれない。
81.運命(side翔)
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蓮が産まれた時、俺は既に小学生だった。
歳の離れた弟ができた事に感激し、守ってやらなくちゃと決意してーー
ーーた時期もありました。
「これ、けいさんちがう。」
それまで全く喋らず心配していた蓮が突然そう言った時は、家族全員が度肝を抜かれた。
蓮が見ていた紙は陽子が走り書きした仕事のメモ。
服の原価や利益率について書かれたそれの、ある一箇所を指差した3歳児。
まさか、と計算してみると確かに間違っていた。
偶然かと思い、わざと間違えたものも含めた10個の計算式を見せてみると、間違いだけを指摘する。
「「「マジか」」」
俺と陽子と親父の驚愕を尻目に、蓮はその日から天才ぶりを発揮していった。
「ピーマンはごまあぶらでいためればたべれるからそうして。」
嫌いな食材の調理法を指定してくる3歳児。
「できた。」
1000ピースのパズルを完成させる3歳児。
「このてれびつまんない。えいごのにして。」
アニメを却下して英会話(しかも大人用)チャンネルを要求する3歳児。
お前もしかして前世の記憶でもあんの???
そんなファンタジーな発想をしちゃうくらいに、蓮には驚かされる事が多かった。
5歳の時には小学校で習う漢字と計算はほぼマスターしていたし、英語で日常会話ができる程。
面白がった親父が伝手を使って様々な専門家を呼んで学習させると、驚異的な理解力で知識を増やす。
俺も存外自分が優秀な方だと言う自覚はあったけれど、蓮は更に上をいっていた。
顔は、芸能事務所からスカウトの嵐だった俺に瓜二つと言われてるし、家系的に身長も高くなるだろう。
加えて家はそれなりに裕福である。
人生に希望しかないようなスペックの俺の弟。
しかし、神様は誰にでも課題を与えるらしい。
蓮の致命的な弱点。
それは、他人への無関心だった。
俺達家族の事すら興味が無いようで、俺はいないも同然の扱い。
親父や陽子が出張から帰っても、読んでいた本からチラッと顔を上げるだけ。
「ああ、いなかったの?」ってな具合だ。
5歳児がだぜ?信じられないよなぁ。
まぁ、それがあったからうちの親はシッターに俺達を預けて仕事に飛び回れたんだけどさ。
我が家は「個人」を大事にする方針で、母親を名前で呼ぶのも彼女の希望だった。
『母親である前に、私は切藤陽子なの。』
息子の目から見ても迫力の美女は、だからと言って家族を大切にしていない訳ではない。
仕事の合間を縫って学校の行事には顔を出してくれたし(父兄が大騒ぎになったけど)、遠足の時は弁当だって作ってくれた。
…まぁ、味とか見た目はともかく愛情だよな!
そんな訳で、世間一般の『仲良し家族』と形は違えど愛情はあった俺達の心配は、蓮の他人に対する無関心っぷりだった。
このままでは、まずい。
突出した能力があるだけに、血も涙も無い権力者になってしまうかもしれない。
何より、人生に幸せを感じられないのではーー?
蓮は表情がほとんど動かない。
笑わないし、怒らないし。
何度も言うけど、5歳児がだぜ?
そんな俺達の心配を払拭したのが晴の存在だった。
陽子が蓮を妊娠中に病院で知り合った、晴の母親と遥の母親。
何故か意気投合してしょっちゅう家に遊びに来ていた。
それぞれが出産してからも交流は続き、何だかもう大きな家族みたいになって。
自我の獲得が早い上に能力も高く『手のかからない子』だった蓮や遥とは違い、晴はすぐ泣く甘ったれで。
それ故に人懐っこく、誰にでも素直に甘えるし我儘も言う。
『れんはは きれい しゅき!』『はるかまま やさしい しゅき!』『れんちち たかいたかいして?』『はるかぱぱ だっこぉ!』
自分の子供が(俺も含めて)クールだった俺の両親や遥の両親が、そんな晴を溺愛するようになったのもまぁ仕方ないと思う。
斯く言う俺も晴に堕とされた1人だからな。
舌っ足らずな『しょうくん』を連呼して俺の後ろを付いて回るニコニコ顔の幼児。
色素の薄い見た目と相まって天使みたいに可愛かったんだから!!!
と、まぁ三家のお姫様みたいなポジションになった晴。
そんな晴を、遥は弟のように可愛がっていた。
そしてーー驚いた事に蓮も。
転機になったのは、晴の母である美香さんが職場復帰するようになった事だった。
彼女は救命救急の看護師で、万年人手不足のそこから復帰を熱望されていたらしい。
晴の父である憲人さんが常に家にいられる仕事な事も後押しになって、晴の幼稚園入園を機に職場に復帰した。
だけど、暫くして問題が起きた。
晴が夜寝なくなってしまったのだ。
それ以外の時は、優しい憲人さんにベッタリ甘えて機嫌良く過ごしているのに、どうも寝かし付けだけは母親が良かったらしい。
愚図る晴に相当手を焼いていた憲人さんが陽子に相談した所、蓮がこう言った。
「晴と一緒に寝る。」
それまで晴の事は多少気にしつつも、お得意の無関心を決め込んでいた蓮。
その突然の言葉に驚いた親達は、それでも『環境が変わるのはいいかも』との結論になった。
そうして蓮と晴が萱島家で一緒に寝る日々が始まった訳だ。
結果は、効果抜群。
蓮と手を繋いだ晴は、アッサリ眠りについた。
コッソリ見ていた憲人さんは、蓮が『晴、大丈夫だよ。』と語りかけてるのを聞いたらしい。
寂しがる晴を安心させて、その寝顔に向かって微笑んだそうだ。
これは切藤家にとって衝撃だった
蓮が微笑んだーーー⁉︎
見れなくて残念だと言う切藤家だったが、次第にその光景は珍しいものでは無くなった。
日常でも、晴に対しては笑うようになったのだ。
そして、晴を助けるために遥と協力することを覚えた。
また、俺達に対する接し方も変わった。
「陽子、晴の分も貰っていい?」
来客からお菓子を貰えば晴の分をねだり、
「翔はこっち来ないで。」
晴が俺に甘えるのが気に入らず、俺に対してヤキモチを焼くようにまでなった。
晴を通して他人を認識し、感情が育っていった蓮は喜怒哀楽を示すようになった。
まぁ、ポーカーフェイスだから分かりにくいんだけど。
それでも大進歩だ。晴には感謝しかない。
小学生になると、蓮の能力はさらに伸びた。
だけどその代償なのか『何でもできるから』『大人びてるから』と、悪意なくその感情を無視されがちな蓮。
ようやく育ったそれを無碍にされる事が心配だったけれど、杞憂に終わった。
晴が蓮の心に寄り添ってくれたから。
晴はいつだって、蓮の小さな感情を見逃さない。
蓮が喜ぶように心を配り、蓮が傷付かないように時には闘う。
それをごく自然にできる晴。
蓮が、そんな晴を好きになるのは自然な事で。
大切にし過ぎて拗らせたり、晴が激烈に鈍かったりと紆余曲折あったけれどーー。
離れていた期間で、お互いに気付く事があったんじゃないだろうか。
それを乗り越えての両想いだ。
晴は今回の事で『資格がない』なんて嘆いてるけどさ。
蓮が自分を理解して欲しいと思う相手は晴だけで、心が欲しいと思う相手も晴だけなんだよ。
『晴が立つスペースだけは空けてあるんだよな。』
そう伝えたら本人はキョトンとしていたけれど。
どうか、俺の大切な弟に応えてやって欲しい。
二人が幸せに笑い合う未来を思って、俺の目頭は熱くなった。
●●●
翔も突出した能力を持っていますが、彼は「人間が大好き」で、たくさんの人と関わる事を喜びとして育ちました。そのため器用で感情豊か。
蓮との決定的な違いはそこです。
歳の離れた弟ができた事に感激し、守ってやらなくちゃと決意してーー
ーーた時期もありました。
「これ、けいさんちがう。」
それまで全く喋らず心配していた蓮が突然そう言った時は、家族全員が度肝を抜かれた。
蓮が見ていた紙は陽子が走り書きした仕事のメモ。
服の原価や利益率について書かれたそれの、ある一箇所を指差した3歳児。
まさか、と計算してみると確かに間違っていた。
偶然かと思い、わざと間違えたものも含めた10個の計算式を見せてみると、間違いだけを指摘する。
「「「マジか」」」
俺と陽子と親父の驚愕を尻目に、蓮はその日から天才ぶりを発揮していった。
「ピーマンはごまあぶらでいためればたべれるからそうして。」
嫌いな食材の調理法を指定してくる3歳児。
「できた。」
1000ピースのパズルを完成させる3歳児。
「このてれびつまんない。えいごのにして。」
アニメを却下して英会話(しかも大人用)チャンネルを要求する3歳児。
お前もしかして前世の記憶でもあんの???
そんなファンタジーな発想をしちゃうくらいに、蓮には驚かされる事が多かった。
5歳の時には小学校で習う漢字と計算はほぼマスターしていたし、英語で日常会話ができる程。
面白がった親父が伝手を使って様々な専門家を呼んで学習させると、驚異的な理解力で知識を増やす。
俺も存外自分が優秀な方だと言う自覚はあったけれど、蓮は更に上をいっていた。
顔は、芸能事務所からスカウトの嵐だった俺に瓜二つと言われてるし、家系的に身長も高くなるだろう。
加えて家はそれなりに裕福である。
人生に希望しかないようなスペックの俺の弟。
しかし、神様は誰にでも課題を与えるらしい。
蓮の致命的な弱点。
それは、他人への無関心だった。
俺達家族の事すら興味が無いようで、俺はいないも同然の扱い。
親父や陽子が出張から帰っても、読んでいた本からチラッと顔を上げるだけ。
「ああ、いなかったの?」ってな具合だ。
5歳児がだぜ?信じられないよなぁ。
まぁ、それがあったからうちの親はシッターに俺達を預けて仕事に飛び回れたんだけどさ。
我が家は「個人」を大事にする方針で、母親を名前で呼ぶのも彼女の希望だった。
『母親である前に、私は切藤陽子なの。』
息子の目から見ても迫力の美女は、だからと言って家族を大切にしていない訳ではない。
仕事の合間を縫って学校の行事には顔を出してくれたし(父兄が大騒ぎになったけど)、遠足の時は弁当だって作ってくれた。
…まぁ、味とか見た目はともかく愛情だよな!
そんな訳で、世間一般の『仲良し家族』と形は違えど愛情はあった俺達の心配は、蓮の他人に対する無関心っぷりだった。
このままでは、まずい。
突出した能力があるだけに、血も涙も無い権力者になってしまうかもしれない。
何より、人生に幸せを感じられないのではーー?
蓮は表情がほとんど動かない。
笑わないし、怒らないし。
何度も言うけど、5歳児がだぜ?
そんな俺達の心配を払拭したのが晴の存在だった。
陽子が蓮を妊娠中に病院で知り合った、晴の母親と遥の母親。
何故か意気投合してしょっちゅう家に遊びに来ていた。
それぞれが出産してからも交流は続き、何だかもう大きな家族みたいになって。
自我の獲得が早い上に能力も高く『手のかからない子』だった蓮や遥とは違い、晴はすぐ泣く甘ったれで。
それ故に人懐っこく、誰にでも素直に甘えるし我儘も言う。
『れんはは きれい しゅき!』『はるかまま やさしい しゅき!』『れんちち たかいたかいして?』『はるかぱぱ だっこぉ!』
自分の子供が(俺も含めて)クールだった俺の両親や遥の両親が、そんな晴を溺愛するようになったのもまぁ仕方ないと思う。
斯く言う俺も晴に堕とされた1人だからな。
舌っ足らずな『しょうくん』を連呼して俺の後ろを付いて回るニコニコ顔の幼児。
色素の薄い見た目と相まって天使みたいに可愛かったんだから!!!
と、まぁ三家のお姫様みたいなポジションになった晴。
そんな晴を、遥は弟のように可愛がっていた。
そしてーー驚いた事に蓮も。
転機になったのは、晴の母である美香さんが職場復帰するようになった事だった。
彼女は救命救急の看護師で、万年人手不足のそこから復帰を熱望されていたらしい。
晴の父である憲人さんが常に家にいられる仕事な事も後押しになって、晴の幼稚園入園を機に職場に復帰した。
だけど、暫くして問題が起きた。
晴が夜寝なくなってしまったのだ。
それ以外の時は、優しい憲人さんにベッタリ甘えて機嫌良く過ごしているのに、どうも寝かし付けだけは母親が良かったらしい。
愚図る晴に相当手を焼いていた憲人さんが陽子に相談した所、蓮がこう言った。
「晴と一緒に寝る。」
それまで晴の事は多少気にしつつも、お得意の無関心を決め込んでいた蓮。
その突然の言葉に驚いた親達は、それでも『環境が変わるのはいいかも』との結論になった。
そうして蓮と晴が萱島家で一緒に寝る日々が始まった訳だ。
結果は、効果抜群。
蓮と手を繋いだ晴は、アッサリ眠りについた。
コッソリ見ていた憲人さんは、蓮が『晴、大丈夫だよ。』と語りかけてるのを聞いたらしい。
寂しがる晴を安心させて、その寝顔に向かって微笑んだそうだ。
これは切藤家にとって衝撃だった
蓮が微笑んだーーー⁉︎
見れなくて残念だと言う切藤家だったが、次第にその光景は珍しいものでは無くなった。
日常でも、晴に対しては笑うようになったのだ。
そして、晴を助けるために遥と協力することを覚えた。
また、俺達に対する接し方も変わった。
「陽子、晴の分も貰っていい?」
来客からお菓子を貰えば晴の分をねだり、
「翔はこっち来ないで。」
晴が俺に甘えるのが気に入らず、俺に対してヤキモチを焼くようにまでなった。
晴を通して他人を認識し、感情が育っていった蓮は喜怒哀楽を示すようになった。
まぁ、ポーカーフェイスだから分かりにくいんだけど。
それでも大進歩だ。晴には感謝しかない。
小学生になると、蓮の能力はさらに伸びた。
だけどその代償なのか『何でもできるから』『大人びてるから』と、悪意なくその感情を無視されがちな蓮。
ようやく育ったそれを無碍にされる事が心配だったけれど、杞憂に終わった。
晴が蓮の心に寄り添ってくれたから。
晴はいつだって、蓮の小さな感情を見逃さない。
蓮が喜ぶように心を配り、蓮が傷付かないように時には闘う。
それをごく自然にできる晴。
蓮が、そんな晴を好きになるのは自然な事で。
大切にし過ぎて拗らせたり、晴が激烈に鈍かったりと紆余曲折あったけれどーー。
離れていた期間で、お互いに気付く事があったんじゃないだろうか。
それを乗り越えての両想いだ。
晴は今回の事で『資格がない』なんて嘆いてるけどさ。
蓮が自分を理解して欲しいと思う相手は晴だけで、心が欲しいと思う相手も晴だけなんだよ。
『晴が立つスペースだけは空けてあるんだよな。』
そう伝えたら本人はキョトンとしていたけれど。
どうか、俺の大切な弟に応えてやって欲しい。
二人が幸せに笑い合う未来を思って、俺の目頭は熱くなった。
●●●
翔も突出した能力を持っていますが、彼は「人間が大好き」で、たくさんの人と関わる事を喜びとして育ちました。そのため器用で感情豊か。
蓮との決定的な違いはそこです。
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