86 / 247
高校生編side晴人 守る為に闘う事と事件の決着
70.これは親愛のあれだから!
しおりを挟む
顔を傾けて、そしてーーー
「いやぁ、遅くなってごめんね!」
「わぁぁぁぁぁ⁉︎⁉︎⁉︎」
正に唇が触れ合う寸前、第三者の声がして俺は飛び上がった。
「あれ?お邪魔だったかな?」
「…チッ…マジで邪魔。」
部屋に入って来たのは理事長で、驚いて落ちそうになった俺を抱き止めながら蓮が舌打ちする。
って言うか俺、幾ら本人に言われたからって自分からキスしようとするとか…!!
好きバレ確定なのでは⁉︎
ねぇ、これもうバレてるよね⁉︎
それでキスしろって言ってきたって事は、蓮も俺の事が……好き?
ままま、待て落ち着け!
今のは凄い自惚れ発言だったぞ⁉︎
中学の時もキスされて、それで勘違いしそうになったけど…蓮は遥の事が好きだったんじゃん。
だからこれはきっとそう言う意味じゃなくて、
その…あれだよ、あれ。そう、あれだって。
親愛のあれ!
『ずっと側にいろ』とか…プ、プロポーズみたいな事言ってたけど、良く考えたら蓮はあの蓮母の息子なんだもんな。
情熱的でスキンシップが激しくてもおかしくない訳だ。
だから、これはきっと親愛のあれ!
大事な事だから2回言いました!!
「れ、蓮!降ろして!」
「このままでいいだろ。」
「言い訳ないだろ!理事長がいるんだぞ⁉︎」
「叔父さんなら気にしないから。」
「蓮、お前は本当に拓哉君の血が濃いなぁ。」
理事長はそう言いながら向かいのソファに腰かけると苦笑した。
「晴人君、悪いんだけどこのままだと話しが進まないから、蓮に譲歩してやってくれる?
残念なことに、あまり時間が取れないんだ。」
俺はハッとする。
忙しい理事長の時間を無駄に使う訳にはいかないじゃないか!
しょうがない、俺が大人になろう。
でもせめて、理事長の方は向きたい。
俺が蓮の膝の上でクルリと向きを変えると蓮は不服そうだったけど、すぐに背後から首筋に顔を埋めてきた。
……何かちょっと可愛いかも。
あ、でも犬みたいに吸うのはヤメテ。。
そんな緊張感の無い状態で理事長の話しを聞く事になった訳なんだけどーー。
事件の詳細は、俺達が推測した内容で概ね合ってたみたいだ。
相川さんは何をした訳でも無いからお咎めなし。
良かった。
橋本先輩は自分の罪を認めて反省してるらしい。
そっか。これも良かった。
「橋本君は退学を希望しているんだけど、別の高校に編入できるように手を尽くすつもりだよ。
田丸先生は罪を認めて退職される事になった。」
学校側としては小火の被害届は取り下げる事にしたけど、2人の事は生徒に知れ渡ってしまった。
このままここにいるより、新転地へ行った方が本人達の気持ちも楽だろうと理事長は言った。
「君達には本当に申し訳なかったね。
手続きがあるから、この事は3日後に全校集会で話そうと思う。」
それまで待っていて欲しいと言う理事長に同意して、俺と蓮は理事長室を後にした。
「はぁ。何か気が抜けちゃったな…。」
廊下を歩きながら言うと、蓮は少し笑った。
「アドレナリン出まくってたんじゃね?
もう昼だし早退するか?」
朝からドタバタしてたせいで時間の感覚が無かったけど、もうすぐ昼休みになろうとしてる。
「うーん、文化祭の1日目も早退してるじゃん?
流石に頻繁すぎって言うか…蓮はどうすんの?」
「取り敢えずこの服は脱ぎてぇ。暑い。」
確かに、ロングコートは脱いでるけどレザーのパンツにセーターは暑そう。
「撮影で使った服くれるって言うから、着替えんのめんどくてこのまま帰ってたんだよ。」
成る程。だからこの格好で現れたのか。
「カシミアってこんな暖けぇのな。この下何も着てないんだぜ?」
「わぁぁ⁉︎」
蓮がそう言ってセーターの裾を捲ると、素晴らしい腹筋が現れた。
色気がヤバすぎて思わず変な声出ちゃったじゃん!
これ変に思われるやつじゃん!
「ふ、腹筋アピールするなよ!嫌味か!」
ドギマギしながら冗談で回避しようとしたのに、蓮は足を止めてしまった。
ま、待って。
壁際に追い詰めるのはヤメテ。
「ち、違うから!腹筋にじゃなくて、見なれない格好に調子狂っただけで…!」
何も言われてないのに言い訳する。
パニクった俺は、墓穴を掘った事に気付いてなかった。
「お前、これ好きなの?」
至近距離で蓮の青い目に見つめられて、カラコンも似合うなぁなんてポーっとしてしまう。
「ううん。この服装もカッコイイけど、いつもの蓮の方が好き。」
めちゃめちゃ似合ってるけど、これだと大人すぎて隣を歩くのが憚られる。
普段の、シンプルでお洒落な格好の方が安心感があるんだよな。
「……いや、そっちじゃなくて…いや…それでもいいか…。」
「蓮?どした?」
急に動きを止めて独り言を言う蓮に目をやると、グイッと頭を抱き込まれた。
「晴、このまま帰ろ。」
「え?」
「帰って、さっきの続きしてぇ。」
さっきの続き?……キス…⁉︎……スイカ…
理解が追い付かなくて脳内でしりとりする俺なんかお構い無しに、蓮は俺を上向かせた。
「晴、キスしてくれる気だったもんな?」
愉しそうだ。物凄く。
あ!これは、揶揄ってるな⁉︎⁉︎
「バ、バカッ!そんな訳ないだろ!
だいたいお前は……あれ?」
抗議しようとして、蓮の首元の違和感に気付いた。
「晴?」
そこからチラリと見えるのは…。
嬉しくなって、セーターの首元に手を突っ込んだ。
鎖骨辺りまで手を滑らせて、それを掴む。
「はっ⁉︎⁉︎⁉︎」
ビックリしたのか身体を硬らせる蓮。
「あ、ごめん。俺の手冷たかった?」
「……違う、そこじゃない…。」
何故かガクリと脱力する蓮を尻目に、俺は引っ張り出した物を見て嬉しくなった。
「御守り、つけてくれてたんだな!」
それは、俺が蓮母に託した御守り。
「そう言えばさ、これ見た時に蓮母が『そう言うことね』って言ってたんだよなぁ。何でか分かる?」
ふいに思い出した光景を蓮に問いかけるけど、蓮は首を振った。
「お前は気にしなくていい。それより、これ返すわ。」
蓮は御守りをはずすと、俺の首にかけた。
これをくれた時を思い出して思わず笑みが溢れる。
「ふふっ。コイツ俺の分身みたいな物だから、蓮の事守ってくれると思ったんだ。効果あった?」
「ああ。願いも叶った。」
「マジ⁉︎俺のなのに、蓮の方が恩恵受けてない⁉︎」
「次は晴の番だって。」
抗議する俺の頭を、蓮はクシャリと撫でる。
そしてーーー
目を閉じて、飾り紐の先に結ばれた御守りに口付けを落とすと、俺のシャツの中に隠すように入れた。
俺のために祈りを込めるようなその仕草に、泣きたくなる程の想いが込み上げる。
思わずシャツの上から御守りを押さえて見上げると、蓮は幸せそうに笑った。
●●●
エロい方に仕向けたい蓮を、天然で回避しがちな晴人。「これ」って多分、服の事じゃないよ?
(side蓮をお楽しみに笑)
暫くラブラブパートが続きますよー(*´∀`*)
「いやぁ、遅くなってごめんね!」
「わぁぁぁぁぁ⁉︎⁉︎⁉︎」
正に唇が触れ合う寸前、第三者の声がして俺は飛び上がった。
「あれ?お邪魔だったかな?」
「…チッ…マジで邪魔。」
部屋に入って来たのは理事長で、驚いて落ちそうになった俺を抱き止めながら蓮が舌打ちする。
って言うか俺、幾ら本人に言われたからって自分からキスしようとするとか…!!
好きバレ確定なのでは⁉︎
ねぇ、これもうバレてるよね⁉︎
それでキスしろって言ってきたって事は、蓮も俺の事が……好き?
ままま、待て落ち着け!
今のは凄い自惚れ発言だったぞ⁉︎
中学の時もキスされて、それで勘違いしそうになったけど…蓮は遥の事が好きだったんじゃん。
だからこれはきっとそう言う意味じゃなくて、
その…あれだよ、あれ。そう、あれだって。
親愛のあれ!
『ずっと側にいろ』とか…プ、プロポーズみたいな事言ってたけど、良く考えたら蓮はあの蓮母の息子なんだもんな。
情熱的でスキンシップが激しくてもおかしくない訳だ。
だから、これはきっと親愛のあれ!
大事な事だから2回言いました!!
「れ、蓮!降ろして!」
「このままでいいだろ。」
「言い訳ないだろ!理事長がいるんだぞ⁉︎」
「叔父さんなら気にしないから。」
「蓮、お前は本当に拓哉君の血が濃いなぁ。」
理事長はそう言いながら向かいのソファに腰かけると苦笑した。
「晴人君、悪いんだけどこのままだと話しが進まないから、蓮に譲歩してやってくれる?
残念なことに、あまり時間が取れないんだ。」
俺はハッとする。
忙しい理事長の時間を無駄に使う訳にはいかないじゃないか!
しょうがない、俺が大人になろう。
でもせめて、理事長の方は向きたい。
俺が蓮の膝の上でクルリと向きを変えると蓮は不服そうだったけど、すぐに背後から首筋に顔を埋めてきた。
……何かちょっと可愛いかも。
あ、でも犬みたいに吸うのはヤメテ。。
そんな緊張感の無い状態で理事長の話しを聞く事になった訳なんだけどーー。
事件の詳細は、俺達が推測した内容で概ね合ってたみたいだ。
相川さんは何をした訳でも無いからお咎めなし。
良かった。
橋本先輩は自分の罪を認めて反省してるらしい。
そっか。これも良かった。
「橋本君は退学を希望しているんだけど、別の高校に編入できるように手を尽くすつもりだよ。
田丸先生は罪を認めて退職される事になった。」
学校側としては小火の被害届は取り下げる事にしたけど、2人の事は生徒に知れ渡ってしまった。
このままここにいるより、新転地へ行った方が本人達の気持ちも楽だろうと理事長は言った。
「君達には本当に申し訳なかったね。
手続きがあるから、この事は3日後に全校集会で話そうと思う。」
それまで待っていて欲しいと言う理事長に同意して、俺と蓮は理事長室を後にした。
「はぁ。何か気が抜けちゃったな…。」
廊下を歩きながら言うと、蓮は少し笑った。
「アドレナリン出まくってたんじゃね?
もう昼だし早退するか?」
朝からドタバタしてたせいで時間の感覚が無かったけど、もうすぐ昼休みになろうとしてる。
「うーん、文化祭の1日目も早退してるじゃん?
流石に頻繁すぎって言うか…蓮はどうすんの?」
「取り敢えずこの服は脱ぎてぇ。暑い。」
確かに、ロングコートは脱いでるけどレザーのパンツにセーターは暑そう。
「撮影で使った服くれるって言うから、着替えんのめんどくてこのまま帰ってたんだよ。」
成る程。だからこの格好で現れたのか。
「カシミアってこんな暖けぇのな。この下何も着てないんだぜ?」
「わぁぁ⁉︎」
蓮がそう言ってセーターの裾を捲ると、素晴らしい腹筋が現れた。
色気がヤバすぎて思わず変な声出ちゃったじゃん!
これ変に思われるやつじゃん!
「ふ、腹筋アピールするなよ!嫌味か!」
ドギマギしながら冗談で回避しようとしたのに、蓮は足を止めてしまった。
ま、待って。
壁際に追い詰めるのはヤメテ。
「ち、違うから!腹筋にじゃなくて、見なれない格好に調子狂っただけで…!」
何も言われてないのに言い訳する。
パニクった俺は、墓穴を掘った事に気付いてなかった。
「お前、これ好きなの?」
至近距離で蓮の青い目に見つめられて、カラコンも似合うなぁなんてポーっとしてしまう。
「ううん。この服装もカッコイイけど、いつもの蓮の方が好き。」
めちゃめちゃ似合ってるけど、これだと大人すぎて隣を歩くのが憚られる。
普段の、シンプルでお洒落な格好の方が安心感があるんだよな。
「……いや、そっちじゃなくて…いや…それでもいいか…。」
「蓮?どした?」
急に動きを止めて独り言を言う蓮に目をやると、グイッと頭を抱き込まれた。
「晴、このまま帰ろ。」
「え?」
「帰って、さっきの続きしてぇ。」
さっきの続き?……キス…⁉︎……スイカ…
理解が追い付かなくて脳内でしりとりする俺なんかお構い無しに、蓮は俺を上向かせた。
「晴、キスしてくれる気だったもんな?」
愉しそうだ。物凄く。
あ!これは、揶揄ってるな⁉︎⁉︎
「バ、バカッ!そんな訳ないだろ!
だいたいお前は……あれ?」
抗議しようとして、蓮の首元の違和感に気付いた。
「晴?」
そこからチラリと見えるのは…。
嬉しくなって、セーターの首元に手を突っ込んだ。
鎖骨辺りまで手を滑らせて、それを掴む。
「はっ⁉︎⁉︎⁉︎」
ビックリしたのか身体を硬らせる蓮。
「あ、ごめん。俺の手冷たかった?」
「……違う、そこじゃない…。」
何故かガクリと脱力する蓮を尻目に、俺は引っ張り出した物を見て嬉しくなった。
「御守り、つけてくれてたんだな!」
それは、俺が蓮母に託した御守り。
「そう言えばさ、これ見た時に蓮母が『そう言うことね』って言ってたんだよなぁ。何でか分かる?」
ふいに思い出した光景を蓮に問いかけるけど、蓮は首を振った。
「お前は気にしなくていい。それより、これ返すわ。」
蓮は御守りをはずすと、俺の首にかけた。
これをくれた時を思い出して思わず笑みが溢れる。
「ふふっ。コイツ俺の分身みたいな物だから、蓮の事守ってくれると思ったんだ。効果あった?」
「ああ。願いも叶った。」
「マジ⁉︎俺のなのに、蓮の方が恩恵受けてない⁉︎」
「次は晴の番だって。」
抗議する俺の頭を、蓮はクシャリと撫でる。
そしてーーー
目を閉じて、飾り紐の先に結ばれた御守りに口付けを落とすと、俺のシャツの中に隠すように入れた。
俺のために祈りを込めるようなその仕草に、泣きたくなる程の想いが込み上げる。
思わずシャツの上から御守りを押さえて見上げると、蓮は幸せそうに笑った。
●●●
エロい方に仕向けたい蓮を、天然で回避しがちな晴人。「これ」って多分、服の事じゃないよ?
(side蓮をお楽しみに笑)
暫くラブラブパートが続きますよー(*´∀`*)
44
お気に入りに追加
965
あなたにおすすめの小説
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【書籍化進行中】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
前世の記憶がうっすら残る私が転生したのは、貧乏伯爵家の長女。父親に頼まれ、公爵家の圧力と財力に負けた我が家は私を売った。
悲壮感漂う状況のようだが、契約婚は悪くない。実家の借金を返し、可愛い継子を愛でながら、旦那様は元気で留守が最高! と日常を謳歌する。旦那様に放置された妻ですが、息子や使用人と快適ライフを追求する。
逞しく生きる私に、旦那様が距離を詰めてきて? 本気の恋愛や溺愛はお断りです!!
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2024/09/07……カクヨム、恋愛週間 4位
2024/09/02……小説家になろう、総合連載 2位
2024/09/02……小説家になろう、週間恋愛 2位
2024/08/28……小説家になろう、日間恋愛連載 1位
2024/08/24……アルファポリス 女性向けHOT 8位
2024/08/16……エブリスタ 恋愛ファンタジー 1位
2024/08/14……連載開始
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
妹を侮辱した馬鹿の兄を嫁に貰います
ひづき
BL
妹のべルティシアが馬鹿王子ラグナルに婚約破棄を言い渡された。
フェルベードが怒りを露わにすると、馬鹿王子の兄アンセルが命を持って償うと言う。
「よし。お前が俺に嫁げ」
俺はすでに振られているから
いちみやりょう
BL
▲花吐き病の設定をお借りしている上に変えている部分もあります▲
「ごほっ、ごほっ、はぁ、はぁ」
「要、告白してみたら? 断られても玉砕したら諦められるかもしれないよ?」
会社の同期の杉田が心配そうに言ってきた。
俺の片思いと片思いの相手と病気を杉田だけが知っている。
以前会社で吐き気に耐えきれなくなって給湯室まで駆け込んで吐いた時に、心配で様子見にきてくれた杉田に花を吐くのを見られてしまったことがきっかけだった。ちなみに今も給湯室にいる。
「無理だ。断られても諦められなかった」
「え? 告白したの?」
「こほっ、ごほ、したよ。大学生の時にね」
「ダメだったんだ」
「悪いって言われたよ。でも俺は断られたのにもかかわらず諦めきれずに、こんな病気を発病してしまった」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる