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高校生編side晴人 守ってくれるのは大切だからだって思いたい
44.帰宅してました
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目を開けると、そこは見慣れた天井だった。
うん、俺の部屋だね。
これが見慣れない天井なら異世界転生なんだけどな、なんて思いつつ身体を起こす。
枕元のデジタル時計を確認すると19時。
どうりで外が暗い訳だ。
身体はまだ少し重いけど、頭はスッキリしてる。
あれ?でもいつの間に家に帰って来たんだっけ?
記憶を辿ると、盛りだくさんの内容だ。
チャイナからの木村さんからのプール落ち。
それから、蓮とのあれやこれや…ヤバイ、顔熱い。
そして啓太と伊藤と、黒崎君のパンツ。
最後は、やっぱり蓮だ。
フラついてる所を助けて貰って、暖めてくれて…。
その腕の中で眠りに落ちた…気がする。
グゥゥ~ッ
ありゃ、めっちゃお腹鳴ったわ。
そう言えば昼ご飯食べてないんだよな。
せめて夜は食いっぱぐれたくない。
育ち盛りだし。身長伸びなくなったら困るし!
そんな訳で部屋を出ると、いい匂いが漂ってる。
お!今夜はシチューかな?
「晴!もう大丈夫⁉︎」
キッチンから父さんの声がする。
「大丈夫じゃない!超お腹空いた!」
俺が一階に降りると、困り顔の父さんが駆け寄って来た。
「お腹空いてるなら大丈夫かな?どっか痛いとか無い?」
「ちょっと身体重いくらいかなぁ。
ねぇ、父さん。俺どうやって帰って来た?
記憶無いのが怖いんだけど。」
繋ぎにと出してもらったデザートのウサギ林檎を齧りながら聞く。
「晴、その前にお説教聞いて。
いくら文化祭が楽しくても、ご飯はしっかり食べなさい。遅れそうだからって朝ご飯抜いて行ったのに
、お昼も食べないとか!」
あ、これ本気で怒ってるやつだ。
温厚な父さんの珍しいお説教は堪える。
「しかも事故でプールに落ちたんだって?
そういうので体力使ったなら余計にご飯は食べないと!エネルギー不足で低血糖起こしてる所を蓮君が助けてくれたんだよ?」
やっぱり、蓮がブドウ糖(甘いミルクティーだったかな?)飲ませてくれたの夢じゃなかったんだ。
「すぐ回復したけど寝ちゃったって父さんのスマホに連絡くれたから、車で迎えに行ったんだ。
なんなら2階に運んでくれたのも蓮君だよ。」
身長も抜かされちゃったみたいだし、もう力も全然叶わないなぁと笑う父さん。
蓮、わざわざ家まで来てくれたんだ…。
「父さんがバタバタしてる間に連絡取って、休みの拓哉さんまで家に呼んでおいてくれてさぁ。
すぐ診察してくれたから安心したよ。
まさに蓮君はスパダリだね!」
拓哉さんってのは蓮父の事だ。
切藤総合病院の理事長で、現役のお医者さん。
他にも肩書きがいっぱい有る凄い人なんどけど、今は割愛。
とにかく、お説教から「蓮スパダリ説」に移行して父さんの機嫌が直った。
良かった。あ、ちゃんと反省してるよ!
心配かけてごめんね、父さん。
「蓮父に迷惑かけちゃったね。今度お礼言わなきゃ。」
「そうだね。勿論、蓮君にもね。
拓哉さんが学校戻れって言うから、蓮君とんぼ返りしたんだよ?」
どうやら蓮父に診察してもらってる間に、父さんがまた蓮を学校に送り届けたらしい。
マジか!!
皆さまご迷惑をお掛けして本当に申し訳ない!
以後気を付けます!
成長期にご飯抜くの、ダメ、絶対。
それにしても今日一日、蓮にはお世話になりっぱなしだ。
ここまでして貰うと、意識を失う前の仮説が現実味を帯びてくる。
蓮は俺の事を、大切に思ってくれてるんじゃないかってーーー。
「あーあ、蓮君がお婿に来てくれたら安心なんだけどなぁ。」
「ゴフッ!!」
俺の思考をぶった斬る父さんの衝撃発言に咽せる。
「な、何言ってんの…男同士で無理に決まってんじゃん!」
「んー?でも晴達が結婚する頃にはどうなってるか分かんないよ?」
そ、それはまぁそうだけど…。
って言うか今気付いたんだけど、俺って恋愛対象が男性だったのかな⁉︎
蓮の事が好きって気付いた時、男とか女とか考えてもみなかった…。
今まで可愛いなと思う女の子はいたけど付き合いたいと思ったことは無い。
男に関しても友達以上に思った事無いんだけど…。
「ただいまー!!晴!!アンタはもう!!」
仕事から帰って来た母さんが玄関から叫ぶ声で我に返った。
ヤベ!今日の事は当然母さんも知ってる筈だ。
「美香さん!先にご飯にしよう!ね!」
慌てて父さんが宥めてくれて、俺は何とか空腹を満たす事ができた。
……その後は爆裂なお説教だったけど。
地獄のような時間を乗り切って、部屋に戻る。
しっかり朝食を食べるように母さんと約束させられたから、早めに寝よう。
それから、明日は…明日こそはちゃんと蓮と話そう。
そう思って眠りについた。
だけどまさか…
翌日の文化祭で、今日以上の事件が待ち受けてるなんて。
●●●
☆本編にはどうでもいい設定☆
ちょいちょい異世界転生の話しが出てくるのは、晴人が最近部活の友達にそれ系の漫画を借りたから。
冴えない主人公が異世界でヒーローになる展開に胸熱。
うん、俺の部屋だね。
これが見慣れない天井なら異世界転生なんだけどな、なんて思いつつ身体を起こす。
枕元のデジタル時計を確認すると19時。
どうりで外が暗い訳だ。
身体はまだ少し重いけど、頭はスッキリしてる。
あれ?でもいつの間に家に帰って来たんだっけ?
記憶を辿ると、盛りだくさんの内容だ。
チャイナからの木村さんからのプール落ち。
それから、蓮とのあれやこれや…ヤバイ、顔熱い。
そして啓太と伊藤と、黒崎君のパンツ。
最後は、やっぱり蓮だ。
フラついてる所を助けて貰って、暖めてくれて…。
その腕の中で眠りに落ちた…気がする。
グゥゥ~ッ
ありゃ、めっちゃお腹鳴ったわ。
そう言えば昼ご飯食べてないんだよな。
せめて夜は食いっぱぐれたくない。
育ち盛りだし。身長伸びなくなったら困るし!
そんな訳で部屋を出ると、いい匂いが漂ってる。
お!今夜はシチューかな?
「晴!もう大丈夫⁉︎」
キッチンから父さんの声がする。
「大丈夫じゃない!超お腹空いた!」
俺が一階に降りると、困り顔の父さんが駆け寄って来た。
「お腹空いてるなら大丈夫かな?どっか痛いとか無い?」
「ちょっと身体重いくらいかなぁ。
ねぇ、父さん。俺どうやって帰って来た?
記憶無いのが怖いんだけど。」
繋ぎにと出してもらったデザートのウサギ林檎を齧りながら聞く。
「晴、その前にお説教聞いて。
いくら文化祭が楽しくても、ご飯はしっかり食べなさい。遅れそうだからって朝ご飯抜いて行ったのに
、お昼も食べないとか!」
あ、これ本気で怒ってるやつだ。
温厚な父さんの珍しいお説教は堪える。
「しかも事故でプールに落ちたんだって?
そういうので体力使ったなら余計にご飯は食べないと!エネルギー不足で低血糖起こしてる所を蓮君が助けてくれたんだよ?」
やっぱり、蓮がブドウ糖(甘いミルクティーだったかな?)飲ませてくれたの夢じゃなかったんだ。
「すぐ回復したけど寝ちゃったって父さんのスマホに連絡くれたから、車で迎えに行ったんだ。
なんなら2階に運んでくれたのも蓮君だよ。」
身長も抜かされちゃったみたいだし、もう力も全然叶わないなぁと笑う父さん。
蓮、わざわざ家まで来てくれたんだ…。
「父さんがバタバタしてる間に連絡取って、休みの拓哉さんまで家に呼んでおいてくれてさぁ。
すぐ診察してくれたから安心したよ。
まさに蓮君はスパダリだね!」
拓哉さんってのは蓮父の事だ。
切藤総合病院の理事長で、現役のお医者さん。
他にも肩書きがいっぱい有る凄い人なんどけど、今は割愛。
とにかく、お説教から「蓮スパダリ説」に移行して父さんの機嫌が直った。
良かった。あ、ちゃんと反省してるよ!
心配かけてごめんね、父さん。
「蓮父に迷惑かけちゃったね。今度お礼言わなきゃ。」
「そうだね。勿論、蓮君にもね。
拓哉さんが学校戻れって言うから、蓮君とんぼ返りしたんだよ?」
どうやら蓮父に診察してもらってる間に、父さんがまた蓮を学校に送り届けたらしい。
マジか!!
皆さまご迷惑をお掛けして本当に申し訳ない!
以後気を付けます!
成長期にご飯抜くの、ダメ、絶対。
それにしても今日一日、蓮にはお世話になりっぱなしだ。
ここまでして貰うと、意識を失う前の仮説が現実味を帯びてくる。
蓮は俺の事を、大切に思ってくれてるんじゃないかってーーー。
「あーあ、蓮君がお婿に来てくれたら安心なんだけどなぁ。」
「ゴフッ!!」
俺の思考をぶった斬る父さんの衝撃発言に咽せる。
「な、何言ってんの…男同士で無理に決まってんじゃん!」
「んー?でも晴達が結婚する頃にはどうなってるか分かんないよ?」
そ、それはまぁそうだけど…。
って言うか今気付いたんだけど、俺って恋愛対象が男性だったのかな⁉︎
蓮の事が好きって気付いた時、男とか女とか考えてもみなかった…。
今まで可愛いなと思う女の子はいたけど付き合いたいと思ったことは無い。
男に関しても友達以上に思った事無いんだけど…。
「ただいまー!!晴!!アンタはもう!!」
仕事から帰って来た母さんが玄関から叫ぶ声で我に返った。
ヤベ!今日の事は当然母さんも知ってる筈だ。
「美香さん!先にご飯にしよう!ね!」
慌てて父さんが宥めてくれて、俺は何とか空腹を満たす事ができた。
……その後は爆裂なお説教だったけど。
地獄のような時間を乗り切って、部屋に戻る。
しっかり朝食を食べるように母さんと約束させられたから、早めに寝よう。
それから、明日は…明日こそはちゃんと蓮と話そう。
そう思って眠りについた。
だけどまさか…
翌日の文化祭で、今日以上の事件が待ち受けてるなんて。
●●●
☆本編にはどうでもいい設定☆
ちょいちょい異世界転生の話しが出てくるのは、晴人が最近部活の友達にそれ系の漫画を借りたから。
冴えない主人公が異世界でヒーローになる展開に胸熱。
応援ありがとうございます!
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