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高校生編side晴人 事件の始まり…なのにキスとかそれ以上とか⁉︎
30.キス
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「蓮から離れなさいよ!!」
誰よりも早く我に返ったのは蚊帳の外になってた相川さんだった。
いつの間にか近くまで来てた彼女は、俺を蓮から離そう腕を伸ばす。
バシッ
鋭い音と共に、目を見開く相川さん。
その手は、蓮に叩き落とされていた。
「蓮!!どうして⁉︎⁉︎」
「陽菜ちゃん、落ち着いて…!」
「うっさいわね!元はと言えばアンタがちゃんとしないから!!」
諌めようとする木村さんと、それに食ってかかる相川さん。
相川さんを睨み付ける蓮と、その腕の中の俺。
な、何このカオス…。
目を白黒させてる間に事件は起きた。
怒った相川さんが木村さんを突き飛ばそうとして、木村さんが咄嗟に避けてーーー。
バッシャーン
ーーー相川さんがプールに落ちた。
すぐ立ち上がったから大丈夫みたいだけど…蓮はそれを一瞥しただけで動かない。
「オ、オイ!俺はいいからあっち助けに行けよ!
その…相川さんと付き合うんだろ?」
恋人(仮)助けないなんて愛想尽かされるぞ⁉︎
「は?……誰に言われた?」
えっ?本人だけど…。
チラリと視線を向けた俺の様子で、蓮は察したらしい。
俺を抱いたままプールサイドに近寄る。
「蓮ッ!助けて!」
ずぶ濡れの相川さんが蓮に手を伸ばす。
だけど、蓮は冷たい表情で彼女を見下ろした。
感情が一切消えたようなその顔は、蓮が本気で怒ってる時のそれだ。
「お前になんか1ミリも興味ねーよ。
二度と晴に近寄んじゃねぇ。」
そう言い捨てると、何の躊躇いもなく相川さんに背を向けた。
その場に固まった相川さんの姿に、俺も蓮に運ばれながら呆然とする。
何が起こってるんだ。
もしかして相川さんと蓮が付き合うって、相川さんの勘違いだったの?
考えてる間に、プールの奥にある男子更衣室に着いてた。
蓮はイスの上に俺を下ろすと、自分はしゃがみ込んで少し下からこっちを見る。
が、顔面が強すぎる…。
「晴、寒いか?」
俺は首を横に振る。
もうね、寒さどころじゃないのよこっちは。
「な、なぁ。本当に相川さんほっといていいの?」
「どーでもいい。
俺が心配すんのはお前だけ。」
問いかけに、さも「当然だろ」と言う風に返されて俺は弾かれたように俯く。
「晴?」
蓮が不思議そうな声を出すけど、無理!
好きな奴にこんな事言われて、どうやって平常心保てばいいの?
蓮的には「幼馴染」としての心配であって、深い意味はないんだろうけど!
それでも、顔が熱くなるのを止められない。
無駄に白い俺の肌は今、真っ赤だろう。
こんなんじゃ俺の気持ちモロバレじゃん!
やっぱ近付いちゃダメなんだって!
俯いた俺は多分首まで赤いと思うけど、そこはチャイナ(ハイネック)が守ってくれてるはず!
変に思われてもいいから、落ち着くまでこの状態で隠し通そう!チャイナ最高!!
プチパニックになってた俺は失念してたんだよね。
俺の弱点でもある、剥き出しの耳(真っ赤)の存在を…。
頭上で蓮が息を呑むような気配がして、スリッと指で耳を撫でられる。
「ひゃっ!」
思わず顔を上げると、蓮の顔が間近にあった。
俺の頬の熱を確認するように手の甲で触れてくる。
「熱ッつ。」
蓮はフッと笑うと、掌で俺の顔を固定してーー。
その唇で俺の唇を、ゆっくりと塞いだ。
●●●
(キスの相手)そっちかーい!!←安堵
誰よりも早く我に返ったのは蚊帳の外になってた相川さんだった。
いつの間にか近くまで来てた彼女は、俺を蓮から離そう腕を伸ばす。
バシッ
鋭い音と共に、目を見開く相川さん。
その手は、蓮に叩き落とされていた。
「蓮!!どうして⁉︎⁉︎」
「陽菜ちゃん、落ち着いて…!」
「うっさいわね!元はと言えばアンタがちゃんとしないから!!」
諌めようとする木村さんと、それに食ってかかる相川さん。
相川さんを睨み付ける蓮と、その腕の中の俺。
な、何このカオス…。
目を白黒させてる間に事件は起きた。
怒った相川さんが木村さんを突き飛ばそうとして、木村さんが咄嗟に避けてーーー。
バッシャーン
ーーー相川さんがプールに落ちた。
すぐ立ち上がったから大丈夫みたいだけど…蓮はそれを一瞥しただけで動かない。
「オ、オイ!俺はいいからあっち助けに行けよ!
その…相川さんと付き合うんだろ?」
恋人(仮)助けないなんて愛想尽かされるぞ⁉︎
「は?……誰に言われた?」
えっ?本人だけど…。
チラリと視線を向けた俺の様子で、蓮は察したらしい。
俺を抱いたままプールサイドに近寄る。
「蓮ッ!助けて!」
ずぶ濡れの相川さんが蓮に手を伸ばす。
だけど、蓮は冷たい表情で彼女を見下ろした。
感情が一切消えたようなその顔は、蓮が本気で怒ってる時のそれだ。
「お前になんか1ミリも興味ねーよ。
二度と晴に近寄んじゃねぇ。」
そう言い捨てると、何の躊躇いもなく相川さんに背を向けた。
その場に固まった相川さんの姿に、俺も蓮に運ばれながら呆然とする。
何が起こってるんだ。
もしかして相川さんと蓮が付き合うって、相川さんの勘違いだったの?
考えてる間に、プールの奥にある男子更衣室に着いてた。
蓮はイスの上に俺を下ろすと、自分はしゃがみ込んで少し下からこっちを見る。
が、顔面が強すぎる…。
「晴、寒いか?」
俺は首を横に振る。
もうね、寒さどころじゃないのよこっちは。
「な、なぁ。本当に相川さんほっといていいの?」
「どーでもいい。
俺が心配すんのはお前だけ。」
問いかけに、さも「当然だろ」と言う風に返されて俺は弾かれたように俯く。
「晴?」
蓮が不思議そうな声を出すけど、無理!
好きな奴にこんな事言われて、どうやって平常心保てばいいの?
蓮的には「幼馴染」としての心配であって、深い意味はないんだろうけど!
それでも、顔が熱くなるのを止められない。
無駄に白い俺の肌は今、真っ赤だろう。
こんなんじゃ俺の気持ちモロバレじゃん!
やっぱ近付いちゃダメなんだって!
俯いた俺は多分首まで赤いと思うけど、そこはチャイナ(ハイネック)が守ってくれてるはず!
変に思われてもいいから、落ち着くまでこの状態で隠し通そう!チャイナ最高!!
プチパニックになってた俺は失念してたんだよね。
俺の弱点でもある、剥き出しの耳(真っ赤)の存在を…。
頭上で蓮が息を呑むような気配がして、スリッと指で耳を撫でられる。
「ひゃっ!」
思わず顔を上げると、蓮の顔が間近にあった。
俺の頬の熱を確認するように手の甲で触れてくる。
「熱ッつ。」
蓮はフッと笑うと、掌で俺の顔を固定してーー。
その唇で俺の唇を、ゆっくりと塞いだ。
●●●
(キスの相手)そっちかーい!!←安堵
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