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高校生編side晴人 事件の始まり…なのにキスとかそれ以上とか⁉︎
22.気に入らない(side相川陽菜)
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夏休み明け、萱島晴人は蓮と距離を置くようになっていた。
思ってたより馬鹿じゃなかったみたいね。
蓮はその事を黒崎に指摘されても無表情だったから、全く気にしてないみたいだし。
蓮は優しいから、私達にも一度もそう言わなかっただけで、内心では鬱陶しかったんだわ。
念のため蓮にバレないように萱島と話したけど、知られても問題無かったかも。
これで私が蓮といる時間を増やせる。
文化祭までには付き合えそうだ。
私達がお似合いなのは周知の事実だから、お互いのファンからの妨害も無いだろうし。
「蓮!おはよ♡
ねね、今日の帰り蓮のバ先行ってもいい?」
意識しなくても身長差でバッチリ上目遣いになる。
これで男子からNOって言われた事なんか1度も無い。
「あ?何で?」
「蓮のバイト姿見てみたいもん♡」
「いや、面倒いわ。」
はっ?
「オイ!蓮!相川ちゃんビックリしてんじゃん!
相川ちゃん、コイツ最近機嫌悪いんだよ。
気にしない方がいいよ!」
黒崎がフォローしてる間に蓮はどこかに行ってしまった。
「蓮、機嫌悪いの?」
「マジで悪い!顔には出てないけど話してると分かるよ。夏休み辺りからずっと苛ついてる。…何かあったんかな?」
黒崎と一緒に私も首を傾げた。
って言うか、これじゃあ計画通りいかないじゃない…。
その後も思ったより蓮と距離を縮められなくて焦った私は、ふと体育祭が近い事に気が付いた。
「リレー決めするぞー!女子は相川ちゃん決定な!
男子は俺と、蓮と…」
「待て。俺やらねーよ。」
「馬鹿野郎!お前が陸部並に速いのは知ってんだよ!」
そうだ、一緒にリレーの選手になれば話す機会も増えるかもしれない。
「あー、部活対抗リレー出るから体力温存しないとなんだわ。」
「嘘つけよ!お前無所属だろうが!」
「それがマジなんすわ。今年から帰宅部枠できたの知らん?」
「おいコラ詐欺師!誰か警察呼んでこいや!」
ヤイヤイ言ってる蓮と黒崎に口を挟む。
「蓮、やろうよ!思い出になるよ♡」
「相川ちゃんの言う通りだぞ!
それに何のために他クラスのリレー選手表パクって来たと思ってんだ!見ろこれ青組!
陸部4人に中野とかチートすぎっしょ!
蓮いねぇと勝てねぇよ!」
その時、蓮の眉がピクリと動いた。
「中野って?剣道部の?」
「そうそう!中野啓太!アイツ足超速いって中学組が言ってた!」
「…ふーん。」
そんな会話の後、蓮が中野と同じ第4走者に決まった。
あんなに嫌がってたのに急に抵抗しなくなったのが不思議だったけど、これで一緒に練習できる。
体育祭が近付くにつれて蓮の態度も多少軟化してきた。
練習の後、皆んなでスタバに寄ったり、いつメン男子が髪に青いポイントカラー入れるのを手伝ったり。
だけど、二人っきりにはなれない。
そんなある日、焦れた私の目に飛び込んできたのは
、濡れた萱島にTシャツを渡す蓮の姿だった。
しかも、蓮の方から話しかけるなんてー。
もしかして、蓮は萱島を見捨て切れてないのかもしれない。
全く自分に釣り合わないただの「幼馴染」と一緒にいても、利点なんて一つもないのにーー。
だから体育祭の当日、リレーで怪我をした蓮に走り寄ろうとする萱島を見てイライラした。
蓮は相応しい人間と一緒にいるべきなのに!
アンタがまたチョロチョロするから!!
萱島を牽制するとそれが伝わったようで、蓮に絡んでくる事は無かった。
保健室で鉢合わせたけど、アイツは蓮に群がるブス女達と一緒にすぐに先生に追い出されたから問題ない。
私?追い出される訳ないじゃない。
誰の目から見ても、私は蓮と一緒にいるのに相応しいから。
蓮の手当ても見届けたし、校医が呼ばれて出て行った時も一緒にいたわ。
中野もいたのは気に入らなかったけど、私はここぞとばかりに蓮に話しかけようとした。
その時窓の方から声がして、萱島が来た事が分かった。
私と蓮の位置からは視覚になっていて、お互いに姿は見えない。
「これ切藤に渡しといて。」
そう言うとあっという間に去って行った。
一体何なのよ!
「…あー、切藤?聞こえてたと思うけど、これ晴人から。」
酷く気まずそうに、中野が蓮にスポーツ用品店の袋を渡す。
中身がちょっと見えたけど、多分あの日、蓮が貸したTシャツ。
「お前ら、どうしたんだよ…。」
気遣わしげな中野には答えず、蓮は手元のTシャツを見つめた。
「…一時的って、いつまでだよ…。」
蓮の呟きは、思わず溢れでたと言う感じ。
周りに私達がいる事も忘れていそうな雰囲気だ。
「…えっと、相川さん。非常に申し訳ないんだけど、切藤と二人で話したいんだよね。いいかな?」
遠回しに出て行けと言う中野に腹が立ったけど、蓮が止めないならそうするしかない。
「うん!分かった!中野君もお大事にね♡」
百点満点の受け答えをして私は保健室を出た。
一人で廊下を歩きながら考える。
蓮は思ったより萱島に情があるみたいだ。
でも、自分のレベルに合ってない人間にいつまでも同情で固執するのは蓮のために良くない。
萱島に彼女でもできれば、蓮も目が覚めるだろうか。
自分がいなくても大丈夫だと分かれば、あんな平凡な奴、気にもかけなくなるわよね。
私はスマホを取り出すと、ある人物に電話をかけたーー。
●●●
一度も言われてないなら、ただの勝手な思い込みやん…。
蓮と啓太が何を話したかはside蓮で。
思ってたより馬鹿じゃなかったみたいね。
蓮はその事を黒崎に指摘されても無表情だったから、全く気にしてないみたいだし。
蓮は優しいから、私達にも一度もそう言わなかっただけで、内心では鬱陶しかったんだわ。
念のため蓮にバレないように萱島と話したけど、知られても問題無かったかも。
これで私が蓮といる時間を増やせる。
文化祭までには付き合えそうだ。
私達がお似合いなのは周知の事実だから、お互いのファンからの妨害も無いだろうし。
「蓮!おはよ♡
ねね、今日の帰り蓮のバ先行ってもいい?」
意識しなくても身長差でバッチリ上目遣いになる。
これで男子からNOって言われた事なんか1度も無い。
「あ?何で?」
「蓮のバイト姿見てみたいもん♡」
「いや、面倒いわ。」
はっ?
「オイ!蓮!相川ちゃんビックリしてんじゃん!
相川ちゃん、コイツ最近機嫌悪いんだよ。
気にしない方がいいよ!」
黒崎がフォローしてる間に蓮はどこかに行ってしまった。
「蓮、機嫌悪いの?」
「マジで悪い!顔には出てないけど話してると分かるよ。夏休み辺りからずっと苛ついてる。…何かあったんかな?」
黒崎と一緒に私も首を傾げた。
って言うか、これじゃあ計画通りいかないじゃない…。
その後も思ったより蓮と距離を縮められなくて焦った私は、ふと体育祭が近い事に気が付いた。
「リレー決めするぞー!女子は相川ちゃん決定な!
男子は俺と、蓮と…」
「待て。俺やらねーよ。」
「馬鹿野郎!お前が陸部並に速いのは知ってんだよ!」
そうだ、一緒にリレーの選手になれば話す機会も増えるかもしれない。
「あー、部活対抗リレー出るから体力温存しないとなんだわ。」
「嘘つけよ!お前無所属だろうが!」
「それがマジなんすわ。今年から帰宅部枠できたの知らん?」
「おいコラ詐欺師!誰か警察呼んでこいや!」
ヤイヤイ言ってる蓮と黒崎に口を挟む。
「蓮、やろうよ!思い出になるよ♡」
「相川ちゃんの言う通りだぞ!
それに何のために他クラスのリレー選手表パクって来たと思ってんだ!見ろこれ青組!
陸部4人に中野とかチートすぎっしょ!
蓮いねぇと勝てねぇよ!」
その時、蓮の眉がピクリと動いた。
「中野って?剣道部の?」
「そうそう!中野啓太!アイツ足超速いって中学組が言ってた!」
「…ふーん。」
そんな会話の後、蓮が中野と同じ第4走者に決まった。
あんなに嫌がってたのに急に抵抗しなくなったのが不思議だったけど、これで一緒に練習できる。
体育祭が近付くにつれて蓮の態度も多少軟化してきた。
練習の後、皆んなでスタバに寄ったり、いつメン男子が髪に青いポイントカラー入れるのを手伝ったり。
だけど、二人っきりにはなれない。
そんなある日、焦れた私の目に飛び込んできたのは
、濡れた萱島にTシャツを渡す蓮の姿だった。
しかも、蓮の方から話しかけるなんてー。
もしかして、蓮は萱島を見捨て切れてないのかもしれない。
全く自分に釣り合わないただの「幼馴染」と一緒にいても、利点なんて一つもないのにーー。
だから体育祭の当日、リレーで怪我をした蓮に走り寄ろうとする萱島を見てイライラした。
蓮は相応しい人間と一緒にいるべきなのに!
アンタがまたチョロチョロするから!!
萱島を牽制するとそれが伝わったようで、蓮に絡んでくる事は無かった。
保健室で鉢合わせたけど、アイツは蓮に群がるブス女達と一緒にすぐに先生に追い出されたから問題ない。
私?追い出される訳ないじゃない。
誰の目から見ても、私は蓮と一緒にいるのに相応しいから。
蓮の手当ても見届けたし、校医が呼ばれて出て行った時も一緒にいたわ。
中野もいたのは気に入らなかったけど、私はここぞとばかりに蓮に話しかけようとした。
その時窓の方から声がして、萱島が来た事が分かった。
私と蓮の位置からは視覚になっていて、お互いに姿は見えない。
「これ切藤に渡しといて。」
そう言うとあっという間に去って行った。
一体何なのよ!
「…あー、切藤?聞こえてたと思うけど、これ晴人から。」
酷く気まずそうに、中野が蓮にスポーツ用品店の袋を渡す。
中身がちょっと見えたけど、多分あの日、蓮が貸したTシャツ。
「お前ら、どうしたんだよ…。」
気遣わしげな中野には答えず、蓮は手元のTシャツを見つめた。
「…一時的って、いつまでだよ…。」
蓮の呟きは、思わず溢れでたと言う感じ。
周りに私達がいる事も忘れていそうな雰囲気だ。
「…えっと、相川さん。非常に申し訳ないんだけど、切藤と二人で話したいんだよね。いいかな?」
遠回しに出て行けと言う中野に腹が立ったけど、蓮が止めないならそうするしかない。
「うん!分かった!中野君もお大事にね♡」
百点満点の受け答えをして私は保健室を出た。
一人で廊下を歩きながら考える。
蓮は思ったより萱島に情があるみたいだ。
でも、自分のレベルに合ってない人間にいつまでも同情で固執するのは蓮のために良くない。
萱島に彼女でもできれば、蓮も目が覚めるだろうか。
自分がいなくても大丈夫だと分かれば、あんな平凡な奴、気にもかけなくなるわよね。
私はスマホを取り出すと、ある人物に電話をかけたーー。
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一度も言われてないなら、ただの勝手な思い込みやん…。
蓮と啓太が何を話したかはside蓮で。
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