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セーラーブルーの覚悟
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「……あれ?」
鞭が肌を叩く音が聞こえたのに一樹に痛みは襲ってこなかった。
代わりに覚えのある柔らかい感触が身体を包み込んでいた。
恐る恐る目を開けると、苦痛に顔が歪むブルーの顔が入り込んだ。
「ブルー!」
一樹を守る為に最後の力を振り絞って妖魔兵から抜け出し、身を挺して守ったのだ。
お陰で一樹は無傷だったが、庇ったために代わりに鞭を受けたブルーの背中は服は勿論肌も割け、傷口から血が流れていた。
「……プリンス……ご無事ですか」
「なんで」
痛めつけられてとても動ける状態ではなかった。
にもかかわらず最後の力を振り絞って妖魔兵から脱出し身を挺して一樹を庇った。
「かつて私は王国を……プリンスを守れませんでした……」
悲しげにブルーは語り始める。
「ですから生まれ変わってもプリンスを守り切ると誓いました。プリンス、どうかお逃げください。命に代えても追っ手を防ぎます」
悲壮な決意をブルーが伝えると一樹は固まった。
生まれ変わったと言うだけで、自分を守ろうとすることを理解出来なかった。
「ふんっ、弱っちいくせによく言う」
聞いていたダークネブラが鼻で笑う。
「だが逃がしはしないよ」
ダークネブラが再び妖魔兵を一樹とブルーを囲むように召喚し包囲する。
「私が血路を開きます、その間にどうか、うっ」
立ち上がって、突破口をブルーは開こうとする。
だが痛みと、抜け出すために最後に残った力を使い切ってしまっていた。
ブルーの身体は力が入らず、よろけて倒れてしまう。
「あはははっっ! それで戦えるのか」
ブルーの姿を見たダークネブラは嘲笑を浴びせる。
「さて、そろそろトドメを刺してやろうか」
鞭を鳴らしてダークネブラは前に出てくる。
ブルーは、膝を突いているが、闘志は衰えずダークネブラを睨み付ける。
その姿に、一樹は心から熱い物が湧き上がり、自然とブルーに近づき、顔を寄せるとキスをした。
鞭が肌を叩く音が聞こえたのに一樹に痛みは襲ってこなかった。
代わりに覚えのある柔らかい感触が身体を包み込んでいた。
恐る恐る目を開けると、苦痛に顔が歪むブルーの顔が入り込んだ。
「ブルー!」
一樹を守る為に最後の力を振り絞って妖魔兵から抜け出し、身を挺して守ったのだ。
お陰で一樹は無傷だったが、庇ったために代わりに鞭を受けたブルーの背中は服は勿論肌も割け、傷口から血が流れていた。
「……プリンス……ご無事ですか」
「なんで」
痛めつけられてとても動ける状態ではなかった。
にもかかわらず最後の力を振り絞って妖魔兵から脱出し身を挺して一樹を庇った。
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悲しげにブルーは語り始める。
「ですから生まれ変わってもプリンスを守り切ると誓いました。プリンス、どうかお逃げください。命に代えても追っ手を防ぎます」
悲壮な決意をブルーが伝えると一樹は固まった。
生まれ変わったと言うだけで、自分を守ろうとすることを理解出来なかった。
「ふんっ、弱っちいくせによく言う」
聞いていたダークネブラが鼻で笑う。
「だが逃がしはしないよ」
ダークネブラが再び妖魔兵を一樹とブルーを囲むように召喚し包囲する。
「私が血路を開きます、その間にどうか、うっ」
立ち上がって、突破口をブルーは開こうとする。
だが痛みと、抜け出すために最後に残った力を使い切ってしまっていた。
ブルーの身体は力が入らず、よろけて倒れてしまう。
「あはははっっ! それで戦えるのか」
ブルーの姿を見たダークネブラは嘲笑を浴びせる。
「さて、そろそろトドメを刺してやろうか」
鞭を鳴らしてダークネブラは前に出てくる。
ブルーは、膝を突いているが、闘志は衰えずダークネブラを睨み付ける。
その姿に、一樹は心から熱い物が湧き上がり、自然とブルーに近づき、顔を寄せるとキスをした。
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