【R18】俺は変身ヒーローが好きだが、なったのは同級生の女子でした。一方の俺は悪の組織に捕らえられマッドサイエンティストにされた

瀬緋 令祖灼

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第三話 新たなギアレンジャー ギアブルー参上

拳のぶつかり合い

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「ふははは、筋肉がどれほど素晴らしいか、玩具さえはじき返すことを教えてあげよう」

 マッスルは、体育会系特有の爽やかだが、上から目線の笑い声を上げて、レッドの攻撃を受けようとする。

「へっ?」

 だが、レッドが想像以上にスピードアップして弾丸のように向かってくることに驚く。

「むむ、いけない。筋肉を信じなければ」

 マッスルは一段と筋肉に力を込めて硬くして受け止めようとした。

 ドゴンッッ

 レッドのパンチがマッスルの腹部に命中すると、先ほどより激しい衝突音が響き渡った。

「ぐおっ」

  筋肉を貫いて体内に突き刺さる様な激しい痛みがマッスルを襲う。

「ば、馬鹿な……」

 自らの鋼の筋肉が、痛みを通して仕舞うなどこれまでに無かったことだった。
 マッスルは思わぬ事態にタダ否定するだけだった。

「これが、僕たちのギアの真価だ! お前の筋肉なんて打ち破ってやる!」

「あ、ありえない」

 レッドの言葉にマッスルは自分の信条を否定され、痛みによる混乱もあってレッドに襲いかかる。

「うおおっっっっ」

 痛みを筋肉を動かして和らげ、意志の力で押さえつけ、攻撃に移る。
 怯えと焦り、そして怒りを込めてマッスルはパンチを繰り出す。
 マッスルの拳はレッドのヘッドギアに向かった。

「ふんっ」

 だがレッドは避けようともせず、気合いを入れて迎え撃つ。

 ガキインッ

 甲高い金属音が周囲に響き渡る。
 しかし、ヘッドギアは砕けるどころか、ヒビさえ入らない。

「ば、馬鹿な!」

「これが、僕たちのギアの力だ!」

「あり得ない! 筋肉に解決できないことなどない」

「そんな幻想! ある訳ないだろう!」

「五月蠅い!」

 マッスルは、レッドから距離を取ると、クラウチングスタートの姿勢を取り、力を貯める。

「ふうううううっっっっっっ」

 静かに息を吐き、全ての筋肉に力をため込む。
 息を吐ききった瞬間、跳ぶようにレッドに向かって走った。

「はっ」

 マッスルはレッドに向かって雄牛のように巨体を突進させる。

「うおおおおおっっっっ」

 一方のレッドは避けるそぶりをしない。
 逆に両足を広げ、腰だめに構えて、迎え撃とうとする。

「はああああっっっっっ」

 レッドは口から息を吐き、マッスルを睨み付けながら、待ち構える。
 そして互いの間合いに入るとパンチを突き出す。

「うおああああっっっっ」

「うらああああっっっっっっっ」

 二人の気合いの入った声が、木霊する中、二人の拳が正面から激突した。

 ドッッッッッッッ

 先ほどのような金属音ではなく何かがめり込むような音だった。

「ぐあああああっ」

 拳に走る激痛にマッスルは手を引っ込めた。

「お、俺の拳が!」

 鍛え上げた拳が、鋼鉄さえ貫く拳が、潰されていた。

「僕たちのギアはお前なんかに負けない」

「あり得ないっっっっ!」

 痛みと恐怖からマッスルは無事な方の拳を使って攻撃してくる。

「はっ」

 だがレッドは、素早くマッスルの懐に入り込み、拳を突き上げる。

「ぐおおおっっっ」

 真下からパンチを受けたマッスルは上空高くへ飛ばされた。

「あ、ありえない……筋肉が敗れるなど……あり得ない……」

 空高くから呟いた直後、致命的なダメージによって体内のエネルギーが暴走したマッスルは、爆発して吹き飛んだ。
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