【R18】俺は変身ヒーローが好きだが、なったのは同級生の女子でした。一方の俺は悪の組織に捕らえられマッドサイエンティストにされた

第三話 新たなギアレンジャー ギアブルー参上

第三話プロローグ

「きゃあああああっっ」

　朝の町に市民の悲鳴が響いた。
　全身タイツに白いプロテクターを付けた男女の戦闘員が　次々と市民を捕らえ掠っていった。

「あはははははっっっっっ！　一人でも多くの市民を捕らえるのよ」

　市民を襲う集団の中心では豊満な身体を淡い赤で縁取りされたハイレグボディースーツで包んだ金髪ツインテールの美女が高笑いをしながら命じていた。
　秘密結社アセンデッドの幹部の一人、ヴァレリーだ。

「市民共、我々アセンデッドの実験材料になれることを誇りに思いなさい。あなたたち、のような虫けらが我々の実験材料となり実験からデータを得て更なる進歩をもたらすのよ」

　無茶苦茶な言いようだったが、それが正しいことだとヴァレリーは、これが正しいと信じていた。

「待てえいっ！」

　そこへ、正義感に溢れる可憐な声が響いた。

「機甲戦隊ギアレンジャー！　ギアレッド！　参上！」

　赤と白のスーツとギアを纏った小柄な少女が、ビルの上に現れた。
　秘密結社アセンデッドと戦う、ギアレンジャーの一人ギアレッドだ。

「秘密結社アセンデッド！　また性懲りも無く人々を誘拐しているな！　今すぐ止めるんだ！」

　ヴァレリーに指を突きつけて、レッドは命じる。

「あははははっ！　そんな事で進歩を目指す私達が止まると思う？　それどころか進歩を止めようとするあなたの行い、非常に罪じゃなくて？」

「人々を掠って無理矢理実験を行い従わせるなんて進歩じゃない！　止めないなら僕が止める！　とうっ！」

　レッドはビルから飛び降り、地面に着地するとヴァレリーに向かって突進する。

「ふんっ！　相手になってやるわっ！」

　向かってくるレッドをヴァレリーは迎え撃つ。

「たあっ」

　レッドのパンチがヴァレリーに炸裂する。

「ふんっ！　効かないわ！」

　だがヴァレリーは腕をクロスさせて受け止めた。

「なっ」

「私も強化されているのよ」

　市民達を使って実験をすればするほど、データが集まり怪人の強化を果たしている。
　ヴァレリーもその恩恵を受けており、修正され強くなっていた。

「あなたに負けるはずがないわ！」

　クロスした腕を大きく開き、同時にレッドを跳ね返す。

「うわあああっっっ」

　跳ね飛ばされたレッドは吹き飛ばされ、地面を転がる。
　何とか立ち上がるが、ダメージを受けており、所々スーツが破け、肌が見えていた。

「ううっ」

「あはははははっっっっっ！　ギアレッドも私と秘密結社アセンデッドの前には形無しね」

　ヒールを甲高く響かせながらヴァレリーは近づく。

「次は、こっちの番よ」