【R18】俺は変身ヒーローが好きだが、なったのは同級生の女子でした。一方の俺は悪の組織に捕らえられマッドサイエンティストにされた

第二話 レッドピンチ 驚異の女幹部レディスコルピオン

ヴァレリーの再襲撃

「いやあああ」

「うわああ助けてくれ」

　町の中心は阿鼻叫喚の地獄絵図となっていた。

「は、離してくれ！」

「い、いやだ！　戦闘員なんかになりたくない！」

　秘密結社アセンデッドの戦闘員が、嫌がる町の人々を襲撃し捕獲すると連れ去っていった。

「市民を助けるんだ！」

「ダメです！　敵が圧倒的です！」

「わあっパトカーが破壊された！」

「畜生！　増援の機動隊が襲われている！」

「助けろ！」

「無理だ！　こっちにも来やがる！」

　出動した警察も車両を破壊され、撃退されるどころか、捕獲される始末だ。

「いいわ、その調子よ！　さあ、多くの実験体を捕まえるのよ！　そして運び出しなさい」

　町の真ん中ではヴァレリーが戦闘員たちを大声で指揮していた。

「そこ！　第一班、実験体を路地に追い立てなさい！　ゆっくりで良いわ。第二班は建物を飛び越えて路地の出口へ先回りして。逃げてくる実験体を捕獲しなさい」

　ヴァレリーの指揮は的確だった。
　市民は狭い路地に追い込まれ次々と捕まる。
　何とか抜け出そうとしても出口で待ち伏せされて捕まっていった。

「いやああッ」

「助けてええええ」

　戦闘員の前になすすべもなく捕らえられ、次々と拘束され運ばれていく市民達。
　泣き叫んでも彼らの手は止まらず、アジトへ連れ去られて行く。
　彼らの心は絶望に染まっていった。

「待て！」

　だが人々の悲鳴に応えるようにレッドの声が響き渡った。
　全ての人々が変身したレッドに注目する。

「また性懲りもやってきたな秘密結社アセンデッド！　今日こそお前たちの悪行を止めてみせる」

「出来るものならやってみなさい」

　ヴァレリーは豊満な胸を反らせて徴発するようにレッドを見る。
　その姿と態度がレッドには気に障り、怒った声を出す。

「ふん！　いつも負けているくせに。皆を解放しないと容赦しないぞ！」

「そうね」

　レッドの言葉にヴァレリーは苛立ち睨み付けるが、溜息を吐いて、話す。

「けど今日の相手は私じゃないの」

「え？　どういうこと」

「あら可愛らしいお嬢ちゃんじゃない」

　レッドの戸惑いに答えるように鈴のような声が響いた。

「楽しめそうね」

　声の主は重く高いヒールの足音を響かせヴァレリーの背後から現れた。