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第一話 変身ヒーロー好きだった俺、マッドサイエンティストにされる

大輝、レッド、小川さんを奪回

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「上手くいった」

 秘密研究所に戻ってきた大輝は、肩で息をしながら自分を褒めた。
 隣には、横たわるレッドいや小川優子がいた。
 顔を朱に染めているが、息は荒い。
 ヴァレリーに痛めつけられ嬲られ心身共にボロボロにされているから尚更だ。
 あのまま続いていたらどうなったか、恐ろしい。

「よくやったよ」

 直前までの行動を思い出して背中に冷や汗を流しながら、大輝は自分を褒めた。
 ヴァレリーがレッドの快楽陵辱に夢中になっている隙を突いて持っていた麻酔銃を放った。
 放った麻酔針は見事首筋に命中し、ヴァレリーの意識を刈り取った。
 動揺する戦闘員の隙を突いてレッドに駆け寄ると、抱き上げて病室を脱出。
 逃走した。
 慌てて戦闘員達が追いかけてきたが、病院を出たところで隠し扉に逃げ込み、追っ手をまき、逃走に成功。
 そのまま病院下の秘密研究所に戻ってきたのだ。

「ご無事で何よりです」

 恭しくリリアンが頭を下げるが、大輝は良い思いがしない。

「見ていただけのくせに」

 襲撃されたのに、助け船も出さなかった。

「この秘密研究所が発覚するのは避けたかったのです」

「僕を見殺しにしてもか」

「ヴァレリー程度なら何とでも出来るでしょう」

「無理だろう」

 改造されているとはいえ、レッド、小川さんでさえ倒せなかったヴァレリーに敵うとは思えない。
 よしんば力が勝っているとしても自身の力を把握していないため勝てるとは思えない。

「ですが、麻酔銃を持っています。あの場を切り抜ける程度の事は出来ると思いました」

「確かによく効いたが」

 偶然持っていた麻酔銃がヴァレリーに効いて良かった。
 効いていなかったら、逃げられなかった。無様になくなったが案外ドクターの能力は高いようだ。

「だが、小川さんを連れて逃げるのはしんどかったぞ」

「なぜ助けるのですか」

「見捨てておけないだろう」

「我々と敵対しておりますが」

「だとしても」

「ああ、実験体として改造し手駒に加えるためですね」

「違うって」

「ですが、良いお考えだと思いますが」

「おい」

「ですが、いずれにしても改造は必要だと考えます」

「なんでだ」

「まず、ヴァレリーが目を覚まし動き始めました」

「なに」

 驚いていると、リリアンは機器を操作しモニターに外部の様子を出した。
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