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新生ジャスティスセイバー

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「ぐははははっっっ、エーテルを操れる俺に敵う物はおるまい」

 町の大通りの真ん中で下品に大口を上げて笑う男は、エーテルの光りを放つギアを纏っていた。そして手近なトラックを担ぎ上げるとパトカーに向かって放り投げる。
 トラックが落ちてきたパトカーは潰れて大破、搭載していたガソリンに引火して爆発した。
 車が炎上する中、機動隊が駆けつけてきた。
 輸送車から降りた隊員達は周囲に展開し二手に分かれ、一方は市民を避難させていく。そしてもう一方は男を囲み制圧しようとする。

「はははっ、捕まえられるか!」

 男は通りの並木を一本引き抜くと水平に振り回し、隊員を次々と吹き飛ばした。

「ほれっ」

 男は持っていた並木が邪魔になったのか機動隊が乗ってきた輸送車に向かって放り投げる。機は輸送車を貫通し、大破させた。

「こちら第二六機動隊! 大通りでエーテルギアを纏った男が暴れています。至急応援を!」

「無駄だ」

 無線機のマイクで必死に応援を頼み込んだ警官の前に男は現れ、無線機本体を素手で破壊した。
 そして波を見せて笑いながら言う

「お前らを助ける奴などいない。何故なら俺を止められる奴などいないからだ」

 そして男の手は警官の首を掴みへし折ろうとしていた。

「そんな事無いわ!」

 その時、彼等の頭上から女性の声が響いた。
 そして、ビルの上からエーテルのエネルギー弾が男の頭に当たる。
 男は命中した弾の衝撃で吹き飛ばされ、警官から離れた。

「もう大丈夫よ」

 再び凛とした女性の声が辺りに響き渡る。

「誰だ!」

 打たれた男が立ち上がって上を向くと四つのビルにそれぞれ人影があった。

「ジャスティスレッド」

「ジャスティスブルー」

「ジャスティスブラック」

「ジャスティスホワイト」

『エーテル特捜警察ジャスティスセイバー参上!』

 晶、ミーネ、エヴァ、イザナミの四人はそれぞれ自身の武器を掲げて男に名乗った。

「今すぐ投降しなさい! さもないと酷い目に遭わせるわよ」

 レッドはバイザーの下から威圧するように男を睨み付ける。しかし、男は訊かなかった。

「ぐははははっっ! 女どもに俺に何が出来る! 止められるものなら止めてみろ!」

 そう言って男は近くにあった乗用車を掴むとレッドに向かって投げた。
 しかし、命中する直前に晶はジャンプして避けた。

「皆、警告はしたわ。やっちゃって」

『了解!』

 四人が声を揃えて言うとまずジャスティスホワイトであるエヴァが浮遊砲台を展開。男に向かって多数のビームを放った。

「がああああっっ」

 ビームの直撃を受けて男は身体が痺れる。

「たあっ」

 そこへジャスティスブラックことイザナミがエーテルサーベルを構えて一直線に突っこみ男の胴を薙ぐ。

「ぐおっ」

 身体を切断されたような痛みが走り、男のギアのエーテルの流れが止まる。

「とおおおっ」

 最後にジャンプして飛び降りたジャスティスレッドこと晶が腰だめに拳を作り男に接近。振り上げて男にアッパーカットを決めた。
 脳が揺さぶられ脳震盪を起こした男は地面に倒れた。

「拘束しておきます」

 最後にジャスティスブルーことミーネが狙撃銃を構えたまま、アームを展開して糸を放出。男をぐるぐる巻きにして拘束した。もし再び動けば最初に撃ち込んだエーテル弾を再び撃ち込むだけだ。
 男が完全に拘束されたことを確認した晶は機動隊の隊員に近寄った。
 自分たちが手を焼いた凶悪なエーテル犯罪者を一瞬にして捕まえた恩人にして交う説下エーテルギアの装備者。
 それだけで警察の中では畏怖の対象だ。
 それもあの有名なジャスティスセイバーが目の前に現れたのだから隊員は緊張して思わず直立不動の体勢を取り敬礼した。

「お疲れ様です!」

 例え、目の前にいるのが赤毛の少女だとしても、豊満なボディーを際どい角度のハイレグカットの黒いインナーを身につけ所々素肌を晒していても、最敬礼を向けるに値する存在だった。
 だが晶はそんな他院を美羽とバイザーに覆われていない口元に笑みを浮かべて労いの声を掛けた。

「お疲れ様です。犯人は私たちが拘束しました。もう安全です」

「い、いいえ、ありがとうございます」

 美人に声を掛けられた隊員は早口でお礼の言葉いう。そこまでで良いのだが、晶の色香が隊員の鼻孔をくすぐり共に色々と喋ってしまう。

「本来ならば我々が取り押さえなくてはならないところを助けて頂きありがとうございます」

「いいえ。貴方方が人々を逃がしてくれたお陰で被害を最小限に抑えることが出来ました。本当にありがとうございます」

「と、当然のことです」

「犯人は安全の為に私たちが本部に引き取ります。貴方方は現場の検証作業と被害確認、市民の誘導をお願いします。手柄を横取りして後始末を押し付けるようで申し訳ありませんが」

「い、いいえ、その程度の事、当然です」

 精一杯背伸びをする隊員をみて晶は微笑を浮かべると、他の仲間と共にギアの飛行ユニットを作動させて空へ舞い上がる。
 そして四人は犯人を吊り下げて、本部へ戻っていった。
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