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決着

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「エーテル生成炉に放り込んだのにも関わらず、戻ってくるとは大した奴らだ」

 破片となった生成炉の真ん中に起つ五人を見て長官は呟いた。

「だが、我が輩に楯突こうなどと言うのは百年早い。エーテル炉が無くなったことだしひねり潰してくれよう」

「必ずお前を捕まえる」

 エースが宣言すると同時に長官は動き出した。
 駆け出してエースに迫っていく。

「させない!」

 脇に控えていたレッドが前に出てきて両腕をクロスさせて長官の動きを止める。

「ふむ、小娘め。少しはやるようになったか」
 吹き飛ばすつもりで放った自分の拳を受け止めたことで晶への評価を改めた長官は拳を乱打する。
 しかし、晶は的確に長官のパンチを捌いて行き、防御に徹する。

「たああっ」

 そこへ横合いから接近してきたイザナミが長官に向かってエーテルサーベルを振り下ろした。

「むっ」

 長官はサーベルを受け止めようとパンチを辞めて腕を掲げる。サーベルがぶつかり長官とイザナミのエーテルが激しくぶつかり光を周囲に放つ。
 しかしイザナミはこれ以上の攻撃を行わず、直ぐに後ろに下がった。

「これでも食らえーっ」

 足の止まった長官にエヴァが周囲に展開させていた浮遊砲台から無数のビームを放つ。

「まだまだ!」

 長官は身体の隅々にまでエーテルを展開してビームを受け止めて弾いた。

「なら、これはどうですか」

 動かなくなったところへミーネがアームを伸ばして無数の糸を射出。長官の身体に絡みつかせ拘束した。絡みついた糸を強く引っ張り、各部を締め上げていく。

「無駄だというのが分からぬか!」

 長官はエーテルを最大限にまで流し身体を強化すると絡みついた糸を引き千切り、戒めから逃れた。
 しかし、エーテル炉に入れる前よりも五人の力が増している上に、連続攻撃を受けたため、エーテルの消耗が激しかった。
 ギアの各所に張り巡らされたチューブを使い身体の各所へエーテルを送り出す。

「それを絶たれたらどうなるかな」

 密かに長官に近づいた翔がエーテルで作ったメスで煌めかせて長官のギアに迫る。

「させぬ」

 向かってくる翔を迎撃しようと拳を構える長官。

「ぐはっ」

 しかし、拳を放つ直前、突然頭部に衝撃を受けた。
 ミーネの狙撃銃が長官の頭部を直撃した。エーテルで守られていたが頭を揺さぶられ一瞬、立ったまま意識を失う。
 その間に翔は長官に接近して、作業を行った。
 鋭いエーテルのメスは、翔の緻密な操作もあり一瞬にしてエーテルを送り出すチューブを各所で切断し、エーテル供給を絶った。

「なっ」

 自分の身体を強化していたエーテルが絶たれた。しかも激しくエーテルを消耗した後でだ。長官の防御力は著しく低下した。

「今だ!」

 翔の合図と共にミーネが再び糸を繰り出して長官の動きを止める。
 そこへ四人が長官に向かってそれぞれのワザを繰り出す。

「エーテルフォース」

 晶が拳を突き出して先端からエーテルの塊を放つ。しかも先ほど破壊されたアームユニットをエーテルによる修復で復活させ、巨大なこぶしからエーテルの塊を放った。

「エーテルフライングエッジ!」

 イザナミが刀身に溜め込んだエーテルの塊を鋭くして放つ。

「エーテルビームカノン!」

 エヴァが八本の浮遊砲台を円周上に纏めて回転させつつ極太のビームを放つ。

「エーテルビッグスナイプ」

 ミーネの狙撃銃から極細にして高エネルギーのエーテルビームが放たれる。
 四人が放ったエーテルの塊は長官に向かって集まって行く。
 逃げようとしても糸が絡みついていて動けず、さらにエーテルで防御しようにもチューブを翔に切断されているためエーテルが回らず、身体強化が出来ない。
 そのため長官は四人が放つ攻撃の直撃を受けた。

「ぐあああああっっっっっっっっ」

 同時に着弾した四つの塊は長官の身体を圧縮し巨大なエーテルの奔流で長官を打ちのめす。
 ギアの機構と身体の全てのエーテルを吹き飛ばされ、警察長官は床に倒れた。

「……倒せた」

 一分ほどの静寂の間、警戒して長官を見ていたエース。隅々まで観察して長官が身動き一つしないのを確認して翔はようやく勝利を実感し、呟いた。
 そして四人に向かって言う。

「さあ、帰ろう」
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