【R18】守人と巫女とバニーガール

瀬緋 令祖灼

文字の大きさ
上 下
24 / 55

学校編6

しおりを挟む
「次はテニスじゃ」

 グラウンドを後にしてテニスコートにやって来た玉兎は宣言した。
 精気で作られたスカートに袖なしのシャツを身につけ、ラケットを持っている。
 スカートが揺れ、柔らかい太ももの絶対領域をチラチラと見せる。
 袖なしのシャツから出てくる腕は肩の端まで見えて妙に色っぽい。

「そうか、頑張ってくれ」

 その着替えを目の前で見せつけられた一刀はまたも投げ槍に答える。

「何を言う。其方もテニスをするのじゃ」

「俺が!」

 いきなり言われて一刀は素っ頓狂な声を上げた。

「一緒にしてくれぬかの」

「テニス服なんて持っていないぞ」

「学ランを脱げば良いじゃろう」

 何としても一刀にやらせる気だ。体育着に着替えて時間を稼ぐこともさせてくれないだろう。

「分かったよ」

 一刀は学ランを脱ぐとテニス部からラケットを借りてコートに立つ。
 ネットを挟んで反対側には玉兎が立つ。

「はっ」

 玉兎がボールを高く放り投げ、それをラケットで打ってくる。

「っと」

 球速はそれほど早くはなかった。一刀はどうにかテニスボールを追いかけて打ち返す。
 やったことが無くて慣れていないこともありぎこちない打ち返しをする一刀だったが、徐々に慣れると余裕が出てくる。

「うっ」

 そして、気が付いてしまった。

「はっ」

 一刀が撃ち返したボールを追って玉兎は走り正面を向く。走りの勢いを止める為に白い左足を前に出し、右足をくの字に曲げて姿勢を安定させる。細い指先を一杯に広げた左手を前に突きだし、後ろに構えた右手とバランスを取る。ボールが横に来ると、身体を捻りつつ、右手を回してボールを打ち返した。
 普段、檜扇で光弾を撃っているだけに、テニスのボールを打つことは得意なのだろう。
 その時の光景を思い出して一刀は身体が熱くなる。
 そして、玉兎の姿だ。
 打ち返す度にボールを追いかけて絶対領域から伸びる細い足を交互に出して走り、スレンダーな身体から溢れるような乳房を揺らし、細い手首にスナップを効かせてラケットで撃ち返す。
 それを正面で一刀は見る事になるのだ。
 しかも時折谷間が見えているので、逸らしてしまうこともある。

「しまった」

 当然、ミスが発生して一刀は打ち返しに失敗して高い軌道で上げてしまう。

「任せるのじゃ!」

 玉兎はそう言うとボールの軌道の真下に行き、思いっきりジャンプする。
 ラケットを持つ右手を高々と掲げ打つ姿勢を取る。その間にも玉兎の身体は地上を離れボールの高度まで空に飛び込む。
 徐々にボールが近づいて来て、絶好のタイミングで全身をバネにして打ち返した。

「凄い……」

 と思った瞬間に一刀は見えてしまった。
 細く白い足が生えてくるスカートの裾が、落下の風圧で捲れ上がり、中が丸見えになったところを。落下の浮遊で乳房が浮き上がるところを。
 緩い返しにも関わらず、一刀は呆けて打ち返せなかった。

「ふむ、これで仕舞いか」

 左手を腰に当ててラケットを右手で上に構えるいつものポーズを決める玉兎。
 純白の袖なしシャツに同色のスカート手にはバンドをしている。靴下も靴も白いため、玉兎の肌色を鮮明に浮き上げさせる。対照的に髪は黒く、アクセントになっており元気なテニス少女といった風情だ。
 衣装と道具が違うだけなのに、妙にしっくりときていた。

「次はダブルスをしようかの」

「誰とだよ」

 一刀は尋ねるが、既に答えは分かっていた。
 結局、テニス部の部員二人相手に一刀と雅はテニスをすることになった。
 サーブを玉兎が打ち、テニス部員が打ち返してきたボールを一刀が打ち返した。
 テニスのダブルスは互いがサーブを交互に打つ。そしてペア同士で交互に打つのがルールだ。
 自然と、打つ順番と相手が打ち返してくるであろう場所を考えて位置取りをして、行くことになる。
 一刀は、玉兎の位置を把握しながら位置取りをする。
 最初こそぎこちなかったが、徐々に慣れて行く。
 どちらに行くか自然と呼吸が合うようになっていく。
 試合ではないためラリーを続ける様にしていることもあるが、一刀にはこの時間が心地よいものに感じた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...